大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

劇画(193) SABE 1 「ブルマー200X 増補改訂完全版」

SABE先生の「ブルマー200X 増補改訂完全版」(ワニマガジン社刊)。
SABE-bloomer200x1.jpg

表紙を見ると分かる通り、センターのヌンチャク少女も良いですがブルース・リー(Bruce Lee、李小龍)をがいますからね、でもリーを愛するがゆえとはいえ、こんなもんまで買わなきゃならんのか…トホホ…といった感じで購入した1冊。
SABE-bloomer200x2.jpg

上の方に小さくですが、「ドラゴン怒りの鉄拳」のラストにおけるリーの姿をかなり忠実に再現した少女も居ます。
SABE-bloomer200x3.jpg

そもそもこの作者はSABE、なんてペンネームからしてふざけていますが、1968年生まれの新潟県出身で、2009年に41歳の若さで亡くなってしまった漫画家。いわゆるエロ漫画家なので、私が苦手なジャンルの方ではありますが…特筆すべきは生前に離婚している元妻が、売れっ子漫画家の南Q太先生だという事実!この夫婦で1女を残しているそうです。
そのSABE先生はブルマフェチで、それを作品として表現しまくっていたため『ブルマンガ家』とまで呼ばれていたそうです。本作はそのままモロにタイトルでも分かりますが、ブルマブルマブルマって確かに凄いですね。

元々は1999年のヤングヒップ(YOUNG HIP)で描かれた『ブルマー1999』と『ブルマー2001』という連作短編があり、他の短編と合わせて当時も「ブルマー1999」のタイトルで単行本化していたのですが、
SABE-bloomer1999.jpg

2002年のCOMIC快楽天で続編となる『ブルマー2002』『ブルマー2002.4.27』『ブルマー1998』、そして『ブルマー小競り合い』が前中後編の3話かけて描かれ、2006年にめでたく本シリーズをまとめた単行本が刊行されたわけです。
巻末に2004年のマンガ・エロティクスで掲載された『ブルマー外伝 ブルマの里物語 アケビちゃん』が収録されていて、これはシリーズとは別モノですけどね。
確かに紛うことなきエロ漫画であり、ストレートなセックス描写もバンバン有って毎回必ず抜けるシーンが用意されているので成人指定は仕方ないのですが、ただのエロじゃなくてギャグ漫画としても1級、それもパロディネタが多くて面白い。

パロディ元として特に使われているのは「北斗の拳」で、作品世界があのような世紀末を迎えた東京都杉並区(笑)。また登場人物は北斗神拳継承者候補の兄弟みたいな設定で描かれています。
ただしキャラクターデザインは香港の有名カンフー映画から取られており、長兄の長田ブルースは『ら王』と呼ばれ杉並区を暴力とエロスで統治している者…これがブルース・リーの風貌なんですね。
「北斗の拳」でいえば主人公のケンシロウに当たる弟が長田ジャッキーで、特に拳法を使えないし強くないけど不死身の体を持っていて、骨に七つのビスが埋め込まれています。その風貌は、ジャッキー・チェン(成龍、Jackie Chan)。
後半はそれぞれの男根が横山まさみち作品におけるオットセイのように擬チン化されるようになりましたが、ブルースのイチモツはヌンチャク、ジャッキーのは木人。ヌンチャクのそれがフニャチンの時の描写とか、笑ったなぁ…

北斗の兄弟を基にしているのなら、次兄のトキに当たる奴は居ないのかといえば、チョイ役ながらちゃんと居るのです。それが長田リンチェイで、もちろん風貌はリー・リンチェイ(李連杰、Jet Li)。
三男のジャギに当たる人物は出てきませんが、これは本家「北斗の拳」でもひどい扱いだったので、同様に出す価値無し扱いにしたという事か。
ジャッキーがブルマ販売の店"ジャッキーチェ~ン"を杉並区阿佐谷北にオープンした話では、その土地の町長の息子がユン・ピョウ(元彪、Yuen Biao)、その父親である町長はマニアックにヤム・サイクン(任世官、Yam Sai Koon)。ブルースの部下には、見覚えのあるデブが…そうですサモ・ハン・キンポー(洪金寶、Sammo Hung Kam-bo)の顔も見えます。
『ブルマー小競り合い』ではブルマの材質がナイロン製かポリエステル製かで派閥が分かれて、様々な陰謀も絡み長々と争うのですがそこで登場するラスボスがジミー・ウォング(王羽、Jimmy Wang-Yu)と、往年のカンフー映画好きには嬉しすぎる作品ですね。

ジャッキーとブルースの兄弟はブルマを巡って一応は激闘を繰り広げる…ものの、北斗の兄弟みたいに激しい物ではなくてむしろ兄弟愛を描いた部分も目立ちます。1人の女子に対して2人で前の穴と後ろの穴へ同時に入れてみたり…
ちなみに二人共ブルマニアなのはもちろんですがポリシーの違いはあり、ジャッキーは挿入時にはブルマを脱がしてしまうのに、ブルースは履かせたまま挿入してブルマごと女性を愛しているのです!
キャラクターは分かったから、それで本作はどんなストーリーなのか…それを全然書いてなかったですが、そんなのもういいでしょう。

ブルースは表紙のように「ドラゴンへの道」時のタンクトップ姿が基本ですが、「死亡遊戯」時のトラックスーツ姿で登場した回もありました。股間で巨根がもっこりしていますが。
そもそも、ブルース・リーがブルマ雑誌を見ながらシコってたりですね、パロディにしてもこのような姿を見せる事で怒るファンも多いと思うし私も本当はちょっとイラッとしたのですが、でもブルース・リーがネタになっているだけで嬉しい、というように思い直しています。
カバーの折り返し部分はこんなのが使われていますが…怒ってない、怒ってないぞ私は。
SABE-bloomer200x4.jpgSABE-bloomer200x5.jpg

 
暴力とかさ~~
強姦とかさ~~
やめようぜ~~?
そんなんしてるから 地球はこんなんなっちゃったんじゃないのかい



スポンサーサイト
  1. 2018/06/10(日) 23:00:22|
  2. 劇画
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

劇画(192) 石垣ゆうき 1 「MMR マガジンミステリー調査班」 1

石垣ゆうき先生の「MMR マガジンミステリー調査班」(講談社刊)。
ISHIGAKI-mmr1-2.jpg

石垣ゆうき先生は1965年生まれで三重県出身で、1980年代から少年マガジンで描いている漫画家なのですが、代表作はやはり本作『MMR』でしょう。
初出は1990年から1999年の週刊少年マガジンで、単行本は少年マガジンKCで全13巻。
陰謀史観マンガとして一部で有名な作品で、ネタが見つかると載るような感じで不定期連載していましたね。私はマガジン読者だったし、ちょうど中学・高校時代に丸かぶりしているもんだからすっかりだまされた…って事もないかな、だんだん大人に近づいていたし、あまりのこじつけ具合に後半は嘘くせ~とか思いながら読んでいた覚えがあります。

作品冒頭に『この物語は事実をもとにしたフィクションです』と注意書きが入るのですが、1999年(ええ、オカルト好きにとって最も重要な年でした)を過ぎた現在読み直したら、ほとんど妄想だらけですからね。でも少年時代にこういう陰謀史観モノで免疫が付いていたから、インターネット普及後に変に目覚めた陰謀論者が急増したのも距離を置いて見ていられたのかな。
陰謀論者…ええ、とにかくキーワードとして繰り返し取り上げざるをえないのはこれです、もうこれだけですよ。陰謀論、陰謀論…妄想。ほぼ全部、陰謀論で不安を煽る話だし。MMRは人類の破局を防ぐために危機意識を持ってもらうのが基本方針だって言うから、目的通りなんですけどね。
確かに私の青春時代である1990年代のオタクはサブカルと結びついているので、オカルト情報誌のムーを読んでいる率も高くてオカルト好き、陰謀論好き、みたいな風潮があった事も思い出されます。

さて「MMR マガジンミステリー調査班」。タイトルの『MMR』はマガジンミステリー調査班を英語にした『MAGAZINE MYSTERY REPORTAGE』の頭文字で、このMMRのメンバーは実在する週刊少年マガジン編集者。
リーダーのキバヤシ、いい加減でスケベなナワヤ、予言博士を自称するタナカの3人が当初のメンバーで、途中からイケダ、トマルが参加。バックアップするのはイガラシ編集長…と名前をカタカナにはしていますが、マンガの登場人物として活躍しますよ。さぞ有名になったのではないでしょうか。
実在する人物が出て、しかも読者の手紙を基にして学者に話を聞きに行ったりして超常現象を解明していくのだから、子供なら全部本当の事だと信じますよ。漫画のコマの中に写真も挿入するし…このようにリアリティを出す手法が取られていますが、本作のずっと前に、フェイクドキュメンタリー漫画の傑作「四角いジャングル」を生んだのも少年マガジンですからね。

単行本の1巻はUFOとミステリーサークルの謎を追いキャトルミューティレーションに遭遇する話で始まりますが、映画「オーメン」の影響であまりにも有名すぎる『666』という獣の数字に関する事も出てきます。ああ何という事か、このブログがアップされているのも6月6日午前6時、つまり666の時ではないですか!何という偶然でしょう。
次が超能力をターゲットにした話で、恐らくは日本で一番有名な超能力者だった清田益章氏が写真入りで出てきて念写と念力を披露するのですが、他の超能力者はある機関に連れて行かれて消息不明になり、その後は軍が利用するため養成しているらしい事を匂わす怖い終わり方。

2巻では予知・予言の謎に迫るのですが、素粒子や幽子の説明なので理論的にそれらは可能かもという事になり…実在する霊能力者で当時よく出ていた宜保愛子も写真入りで登場。予言のメカニズムにはパターンがある事などを学んでいくMMRのメンバー達。
さらに予言に手を出しちゃったらノストラダムスが出てくるに決まっていますが、本作はこれ以降のほとんどをノストラダムスの予言詩へと強引に結び付けて解明する事が増えていきます。あの世界最大の予言、1999年に来る人類の終末までカウントダウンが入った1990年代に連載し、オカルト的な物を扱ったらそうならざるをえなかったのでしょう。
あまりにもひどいこじつけと思える事も多々出てきますが、とりあえずこの時点で特筆すべきは、1999年以降に現れる救世主(つまり人類滅亡はしない)が1981年1月21日に生まれた日本人らしいという事!結局は1999年のアレが空振りに終わったので、その人も救世主としての役割が不必要になったわけですが、今どこでどうしているのでしょうか。
続いても宇宙のかなたにいる知的生命体のバシャールと敵対する宇宙人のグレイがここ地球で繰り広げているミステリーサークル攻防の事とか、胡散臭いけどそれに人類の核戦争への警告なども絡めて話は進み…

ISHIGAKI-mmr3-4.jpg
ISHIGAKI-mmr5-6.jpg

3巻でもノストラダムスの予言解読を進めていきますが、サブリミナルメッセージを使った洗脳についてのお勉強。この時、口紅や香水の容器などの女性向け商品が男性器を模して作られている事を説明する所だけは、初出時からよく覚えてるなぁ。
謎の組織が何か仕掛けてナワヤが重傷を負い、圧力もかけてきたのか編集長命令で取材も中止に追い込まれて謎のまま終わる話がありましたが…MMRがこうして調べることで何かの真相に迫る事は、それほど危険であると。
確かにその後も、日本のみならぬ大国の機密に関わるような陰謀に触れてしまったりします。
『この先 救世主と呼ばれる 人間が出てくるだろう・・
だが はたして それは真の救世主なのだろうか・・・・
我々には それを知るすべがない・・・・
世紀末 誰についていくかは あなた次第なのだ・・・・・・・・』

という最後の警告、大事にした方が良いかもしれません。

4巻では、2000年に小惑星トータチスが地球に衝突すして壊滅的な打撃を受けるため、政府は安全だと嘘情報を流しながら選ばれた人間だけで火星に脱出する計画を立てているのですが、それには異星人の手を借りて…ああ、書いてて情けなくなってきた。MMRのメンバーが大真面目にゴゴゴゴゴゴ・・・クワッ!とかやりながら議論していますけどね。
ムー大陸と、ラ・ムーの話もあります。あ、ラ・ムーって『本当のロッカー・菊池桃子さん』がやってたあのバンドじゃなくて、ムー大陸の皇帝です。海底に沈んで滅亡したとされるムー大陸と、現在の日本があまりにも似ている事で同様の運命を辿る、とまた不安を煽る内容。
1993年のマガジンフレッシュで掲載された『特別編 前世は実在する!?』も収録されていますが、前世テーマは面白いですね。

5巻は、憑依現象の解明からスタート。
当時テレビにも露出が多かった尼僧の霊能力者・前田和慧が写真入りで登場して解説などしてくれますが、1999年には人類全体が恐ろしいモノに憑依されて、人間の姿を維持できなくなるんですって…
ムーが出たのだから、超古代文明を語る上でもう片方の横綱といいましょうか、今度はマヤについても調べる話では、マヤ文明研究家の高橋徹がやはり写真入りで登場。その流れで占星術研究家の松村潔もズオッと出てくると、驚異の占い能力を見せてくれるのでした。
そして1999年にはグランドクロスが起こってバン=アレン帯が壊れると宇宙線が地球に降り注いで人間の遺伝子は破壊される…という話で終わりますが、巻末に1994年のマガジンスペシャルで掲載された『怨声「もっと苦しめ・・・・」』が収録されており、これはMMRと関係なく独立したホラー漫画です。

6巻は、アドルフ・ヒトラーの野望と追っていたチベットの秘密などに触れていきます。
本作ではヒトラーの意思を継ぐ組織の存在が何度も示唆されていますが、地下に潜伏する彼らの目的は…世界制覇。はい、笑っちゃいけませんね。ヒトラーは絶対悪の存在として使いやすいのでしょうが、ナチスの残党みたいなのはネタとして使い古され過ぎていて、これまた一気に真実味が薄れてしまいます。
ところで本作では『今地球上で最も危機感のある問題』として、核問題でも民族紛争の激化でも乱開発による環境破壊でもなく、人口増加だとして語っている所に興味があります。
続いての話では、占星学研究家の鏡リュウジも写真入りで登場。天使についてやヒトゲノムプロジェクト、ゴッド・チャイルド セレクション(神の子 選別)等に触れています。
あと本作連載中にアメリカで始まったテレビドラマ「X-ファイル」がここで紹介されていますが、同じ超常現象をテーマにしている名作だけに先に始めていたMMRの方がどんどん影響受けていった印章が残ります。

ISHIGAKI-mmr7-8.jpg
ISHIGAKI-mmr9-10.jpg

7巻では、まずPC黎明期の90年代ならではのパソコン通信描写に続いて、スリーパーキラー計画について調査。そのうちにマッドサイエンティスト達がパソコン回線を使ってマイクロ波を流し全人類を洗脳しようとしている事を突き止めて…それをどう防ぐかの議論も全て怪しさ満載!
次は五黄殺大予言で地震が起こる日を特定する話。

8巻では、ウィルス覚醒がテーマの回があり、『人類絶滅病原体』であるプリオンについても語られます。
世界中で発生したウイルス伝染病の分布図なども出ますが、中にはこの当時からデング出血熱についても触れられています。東南アジアや中南米で流行し、致死率50%だと紹介されていた恐ろしいこのウイルスが2014年に日本国内でも感染者が現れて問題になった時、MMR読者は震えたのではないでしょうか。狂牛病についても日本のニュースで話題になるずっと前ですが、紹介していますよ。
あと、この時はウイルスハンターを名乗るジャック・ヨネムラという人物が登場するのですが、これが本作屈指の怪しい人物で面白かった。
次にパソコン内にプログラミングされた人工生命とかコンピュータドラッグの話でしたが、ヨハネの黙示録を絡めてまた壮大な陰謀が…

9巻は、まずこれ以降『MMR緊急報告』のサブタイトルが付くようになりましたが、まぁ内容はそのまま続きます。
地磁気の乱れ(サブストーム)から極移動(ポールシフト)が起こって云々と、まぁオカルト好きにはなじみのある説が出てきますが、地球の壊滅的な被害を予想した後にまた出てくるのは…はいはい、ナチスの残党。巨大な闇組織を作っている彼らはポールシフトを利用して新たな第三帝国を築こうとしているのではないか、冷凍保存の技術的な問題点は地球外生命体から得て。

って、あんたらいい大人が頭大丈夫か!よくもまぁMMRの人達は次から次へとわざわざ問題を探してきて不安に怯えてばかりいるわけですが、全員素直に信じ過ぎるのがウケます。
それから、カタストロフィー的な夢を見る人達からの手紙が増え始めて、調査してみるとそれは予知夢であり、人間のDNAが暴走して人体発火が起こるのだ…とかのネタ。

10巻では、病院の先生が日本は世界一衛生管理が行き届いたために無菌国家となったために免疫力が弱体化し、有益な菌をも殺してしまっている事で病原菌の侵入を許す結果となっている、とかまともな説を論じてくれるのは良いのですけどね…
病原菌の進化のスピードが人間の英知を追い抜こうとしていて、あらゆる抗生物質が効かない究極の病原菌・スーパーバグ(超細菌)が誕生してどうとか、ピグマリオンプロジェクトで国民全てを意識を持たないロボットにして一部の権力者に操られるだとか、トンデモ説にもほどがある感じに流れていきますが、まぁこれはそういうマンガなんだから仕方がない。
そして次は、いよいよ来ました原子力発電所が登場します。これだけ政府の陰謀だなんだって妄想ばかり言い続けている本作が、この題材を使わなきゃおかしいか。まして放射能は見えないし、人体にすぐさま何か影響が出るわけでもない特性からいくらでも妄想されるので、福島第一原子力発電所事故以降は全国に"放射脳"患者とデマや風評被害があふれた事も記憶に新しい所ですね。
異様な姿になって変死した犬の死体写真とか挿入されているのも印象深いですが、しかしここでは放射能よりも危険なモノとして遺伝子組み換え操作の方に目線がシフトし、闇の権力者達の恐ろしい目的が予想される…

と、10巻まで読んできましたが、ここで私は疲れ果てました。全巻持っているくせに…この続きは好きな人が読めばいい、という事にしておきましょう。
死ぬまでにいつか続きの11巻からとか、単行本未収録となったサリン事件のエピソード、また連載終了後の2003年に作者が城不二也先生に変わってMMRも新メンバーで描かれた続編とか、2008年以降は石垣ゆうき先生本人も忘れた頃に続編を描くようになりましたので…それらも紹介する時が来るかもしれませんが。
何割かの真実と、何割かの噂や妄想や都市伝説なんかを混ぜ合わせて作る陰謀論は、ネタとして笑いながら話す分には面白い知識にもなるし、「MMR マガジンミステリー調査班」もギャグ漫画との見方が出来ると思います。実際、石垣ゆうき先生はどこまで本気でやっているのか気になる所でもありますね。でも今は陰謀論を楽しめない真面目な方が多くて…仕方ないから私は言いたい、あまり本気にしないようにね。


我々は どこから来たのだろう
我々は何者なのだろう
我々は どこへ行くのたろう



  1. 2018/06/06(水) 06:00:00|
  2. 劇画
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

劇画(192) 山口貴由 14 苺野しずく 1 「開花のススメ」

山口貴由原案・苺野しずく漫画の「開花のススメ」(秋田書店刊)。
YAMAGUCHI-ICHIGONO-kaika-no-susume1-2.jpg

うーん、これは…とまどいながらですが、山口貴由作品ですので紹介しましょう。
「開花のススメ」、これはあの名作「覚悟のススメ」のスピンオフなので山口貴由先生は原案としてのクレジット。漫画を描いているのは苺野しずく先生…すみません、この本が出るまで全然知りませんでしたが、調べると他にも著作はいくつもある方です。
初出連載はチャンピオンREDの増刊誌・チャンピオンRED いちごで、2011年から2013年まで続いて単行本は全3巻。

主人公は黒須京馬の妹で14歳の少女・黒須巴恵。といっても、けっこうコアなファンじゃないと覚えてないでしょうが、「覚悟のススメ VOLTEX」で出てきた覚醒式強化外骨格 雷電をまとう男ですね。そんなレアキャラの、さらに妹ですからね。しかも京馬は「覚悟のススメ」では素顔すら出てこなかったのに、「エクゾスカル 零」でエクゾスカル戦士の1人として登場してきましたよね。あれはここからの逆輸入みたいな扱いだったのでしょうか。
それぞれの作品が完全につながっているわけではなく、あくまでスターシステムなだけだと思うので、京馬は本作「開花のススメ」ではあっさり死んでしまいますけどね。そして残された覚醒式強化外骨格・雷電に乗り移って妹に装着させて共に戦う流れとなります。

舞台設定は20XX年の新東京で、ここでは『防疫オーロラ』内は平和保障されていますが、その外となる保証区域外地区は治安の悪いスラム街。黒須巴恵は"国民防衛女学校"に通うドジっ子な女子でしたが、ある理由から帝国軍などと戦う日々を強いられる事になるのでした。
姫カットの火華カンナ、サイボーグの天羽クピドという仲間も出来て、ラスボスの巴御前に挑む!

ちなみに、単行本の1巻はコミックとらのあなで買ったらこのようなポストカードが特典で付いてきました。
YAMAGUCHI-ICHIGONO-kaika-no-susume-postcard.jpg

とりあえず絵がアキバ周辺であふれているような美少女モノっぽい上に、画力が低いですね。同人誌ですかこれは。それでいて、読者サービスなんでしょうが1話目から無駄にヌードになって乳を見せまくる主人公…いや、そこは確かに嬉しいですけどね!!
この画力で何故、面倒な強化外骨格や戦闘シーンがメインの漫画を描こうと思ったのか?それはもう、山口貴由先生へのリスペクトしかないのでしょうね。でもそれで良い。覚悟以外の山口作品も含めたオマージュネタがたまに出てくるのが嬉しいし、読んでいれば絵の未熟さはまぁ慣れるという形で目を瞑れるし、山口先生ご本人が1巻の帯に『この者、零式防衛術正統後継者と認めるべし!』とコメントしているじゃないですか。それならば、我々は従うしかありません。
しかも全然知らなかった苺野しずく先生ですが、単行本の著者近影を見ると1巻カバーがこうで、
YAMAGUCHI-ICHIGONO-kaika-no-susume-photo1.jpg

2巻カバー、
YAMAGUCHI-ICHIGONO-kaika-no-susume-photo2.jpg

3巻カバー。キャバ嬢系の綺麗な方なので、オッケーです。↑で書いた批判的と取れる部分は全て忘れてください。腕や胸にタトゥーみたいなのが見えますが、写真によって変わったり消えたりしているので本物じゃなくて描いたものだと思われます。
YAMAGUCHI-ICHIGONO-kaika-no-susume-photo3.jpg

そんなわけで下手くそな絵本家の「覚悟のススメ」にも匹敵する素晴らしい画力で描かれ、覚悟を意識してるんだろうけどなってないセリフ廻し素晴らしい言語センスの本作も、残念ながら最終巻の3巻に突入。
YAMAGUCHI-ICHIGONO-kaika-no-susume3.jpg

画力もちぃとは向上してきて、ラストの強敵・巴御前とのバトルでは兄の京馬が成仏させられて消えた上に雷電も取られた巴恵が、どう戦うのか!?それが、「シグルイ」の『星流れ』でした~。いや、ホントなんですって!もちろんそれだけじゃないですけどね。
とにかく『運命開花』し、しっかりと気持ち良い形で完結させてくれました。苺野しずく先生にはいつかまた、山口貴由作品のスピンオフをまた描いて欲しい、今は本当にそう思います。


秘…です しかし…
いつだって傍に居る 正義の味方…だゾ☆



  1. 2018/01/18(木) 23:00:58|
  2. 劇画
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

劇画(191) 山口貴由 13 「エクゾスカル 零」

どうやら我々は地獄に堕ちたらしい
これは地獄を旅する 少年と鎧の物語



山口貴由先生の「エクゾスカル 零」(秋田書店刊)。
YAMAGUCHI-ekuzosukar-zero1-2.jpg

チャンピオンREDで2010年から2015年にかけて連載された作品。つまりあの日本中で話題になった「シグルイ」と発表舞台も同じ次回作でありながら、そのわりにはひっそりと連載してそのうち終わってしまった感のある本作ですが、これが私は大好きでした。
これだけ山口貴由作品を長年読んできた身としても3本の指には入る傑作だと目しているのですが、「覚悟のススメ」のスピンオフみたいな立ち位置の作品でもあったので覚悟を読んでない読者には強化外骨格(「聖闘士星矢」の聖衣-クロスみたいなもの)もとっつきにくくてよく分からないだろうし、そもそも話が暗いとかで受けにくかったのかな。
「シグルイ」も経てこれだけ画力が上がり繊細な絵になった山口先生が、同時にシリアス色が強くなったままに描いた「覚悟のススメ」と思えば、もう古くからのファンは垂涎の作品ですよ。単行本は全8巻。何故か第4巻だけ、帯が付きませんでした。
YAMAGUCHI-ekuzosukar-zero3-4.jpg

舞台がはるかな未来の世界で、人類が絶滅を迎える直前に冷凍睡眠から目覚めた人達を描くストーリー。完全に人類は終わったというかその1歩手前の状況まで行ったディストピアで、例えば「北斗の拳」など数多の世紀末モノなんかも一気に生ぬるくなるような絶望的すぎる未来、人類の終焉の姿が描かれています。
主人公は葉隠覚悟。あの名作と同じ名前のキャラですが、ちょっと違う部分もあるのでこの世界は「覚悟のススメ」と連続した世界というわけではなくパラレルワールド、というか普通にスターシステムを使っているのだと思います。本来居た時代では平和を取り戻したために冷凍睡眠に入って、未来で目覚めた彼の目線で物語は進みます。

三篇で構成されていて、最初の『地獄篇』では目覚めた葉隠覚悟が強化外骨格と呼ばれる鎧…というか戦略兵器の"零"とバイク型の機械化軍用犬・月狼(モーントヴォルフ)と共に荒廃した世界、地獄に落ちた人類が変貌した怪物の姿などを目の当たりにします。
覚悟の強化外骨格やその発展系みたいな鎧がタイトルのエクゾスカルと呼ばれていて、その着装者がエクゾスカル戦士であり、覚悟を含めて七人存在し…他のエクゾスカル戦士達も徐々に登場して戦ったり仲間になったりして話が進むのです。

強化外骨格 エクゾスカル零を纏う葉隠覚悟の他に、
九十九猛(装甲電獅子 エクゾスカル霹)
初夜六花(潜陸砕氷外殻 エクゾスカル雪)
動地憐(神造歩兵 エクゾスカル震電)
黒須京馬(靭機猟兵 エクゾスカル雷電)
御菩薩木紡(武葬憲兵 エクゾスカル霧)
そして、エクゾスカル戦士は不在でヴァールハイト精神城奥部に安置されている装甲軍鬼 エクゾスカル霞。

過去回想の劇中劇なども出てこの世界の構成も分かってくるのですが、それぞれが自分の生きていた時代には正義の味方として活躍した者達。
とにかくこんな世界でも明るくて男臭い本作でのちょいエロ担当とも言えるヒロインが初夜六花。ラスボス的な扱いなのが動地憐。この動地憐を描くサイドストーリーも良かった。
エクゾスカル戦士の他にも鎧をまとうキャラはいるし、とんでもなさすぎる怪人とか次々と出てきますが、細かい説明とかは省略しましょう。でも、この方が出てくる事は伝えなくてはなりません。「覚悟のススメ」ファンならば絶対に気になっていた…そう、現人鬼(あらひとおに)の散(はらら)さまが、後半の5巻にようやく出てきます!彼こそがエクゾスカル霞をまとう者で、つまりエクゾスカル戦士の1人でした。扱いはなんかゲスト出演みたいな感じでしたが。
YAMAGUCHI-ekuzosukar-zero5-6.jpg

ストーリーの肝はヴァールハイト精神城に住む動地憐の『メデューサ計画』で、これがどんな計画で主人公がそれに乗るのか反対するのか、その辺りが『地獄篇』で描かれるのですね。
もちろん見せ場である戦闘シーンは山口貴由先生の最新テクニックが駆使されたもので、迫力はとんでもなく凄い!最初のバトルからあまりにもエキサイティングで、その後も魅せてくれるものだから葉隠覚悟VS動地憐の決戦が肩透かしされないかとの思いも正直ありましたが、やはり心配無用でハラハラしながら覚悟の零式防衛術を存分に楽しめました。
エクゾスカル戦士は基本的に誰も悪者じゃなく、ただ考えの違いから殺し合いせざるを得なかったのですが…そこら辺のオチの付け方まで完璧です。
ちなみに、この世界から地上の人間たちを一掃した直接の原因はエネルギー施設の事故なんだそうです。これは原発問題を絡めての事だったのでしょうか。

本作が三篇で構成されている事は既に書きましたが、最初の『地獄篇』だけで全8巻のうち7巻の半分まで使っています。
YAMAGUCHI-ekuzosukar-zero7-8.jpg
で、次が『煉獄篇』で、主人公も前述のエクゾスカル戦士のうち唯一『地獄篇』で出てこなかった御菩薩木紡という少年に交代。紡でツムグと読む名前の彼は覚悟のようにクソ真面目なカタブツキャラではないので少しは明るい話になるかとおもいきや、やはり悲しい展開になりますが…
ツムグは魔導刑吏 舞六剣という巨大ロボ、いや巨大甲冑を従えていて、その頭部が分離して強化外骨格・エクゾスカル霧となる仕組み。この舞六剣(ブロッケン)のモデルはもしかして「ザ・ムーン」ですかね!?

遅ればせながら葉隠覚悟も『煉獄篇』に登場すると、ツムグと関わった人間とある衝撃的な展開を迎ます。それから覚悟は"正義を行う者"から"正義失格者"となったツムグと争い、和解し、ある謎も解けて素晴らしいエンディングを迎えるのです。
最後に三篇構成の最後となる『天国篇』。これはエピローグとしての機能をしていて、7名のエクゾスカル戦士達それぞれの戦いをチラッと描きます。この暗いヒーロー物語を、せめて最後は希望をもって締めくくってくれました。

内容のレベルの高さのわりに話題にならなかったのは残念ですが、これは「シグルイ」「衛府の七忍」(現在チャンピオンREDで連載中!)のつなぎの作品みたいな扱いをするのはあまりにも惜しい、ハッキリ言って名作です!


だが わかるだろう 正義失格者よ 天敵の存在しない生物は
この地球(ほし)の生命の"環(リング)"から 逸脱したことを意味する
もはや人類は 死の淵を転がり落ちるしかないのだ



  1. 2018/01/11(木) 23:00:18|
  2. 劇画
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

劇画(190) 山口貴由 12 「炎のうさぎ戦士」

山口貴由先生の「炎のうさぎ戦士」(リイド社刊)。
YAMAGUCHI-usagi-of-flame1.jpg

収録作品は『愛のうさぎ戦士』が1話と続編 『炎のうさぎ戦士』が3話で、共に1992年のコミック ジャックポットで掲載されたものになり、単行本がSPコミックスで全1巻。
山口貴由作品でも本作だけがずっと入手困難な幻の作品になっていて、早めに入手していた私は自慢のタネに使えたものですが…内容を読めば作者が復刻したがらなかったのも分かるような気もします。得意のグロ描写も無くて吹っ切れてない中途半端な作風なので…と長らく思っていましたが、2013年に突如同じSPコミックスから『山口貴由初期作品集』が全2巻で刊行され、ついに復刻版で誰でも読めるようになりました。
YAMAGUCHI-syoki1.jpgYAMAGUCHI-syoki2.jpg
この初期作品集で収録されているのは、このブログでも既に紹介している「サイバー桃太郎」「平成武装正義団」「悪鬼御用ガラン」、それに本作「炎のうさぎ戦士」と、幻の作品となっていた「変化御用はらら」の単行本初収録でした!

これがまた2冊とも、コンビニ販売用に表紙をリニューアルして再発されて。
YAMAGUCHI-syoki3.jpgYAMAGUCHI-syoki4.jpg

さてさて話を「炎のうさぎ戦士」に戻しますが、背表紙によると本作は『アクションラブコメディー』漫画らしいです。
主人公の天野うさぎは私立純真高校に通う男子高校生。同年に連載開始した武内直子先生の「美少女戦士セーラームーン」における主人公・月野うさぎと名前が酷似していますが、関係ないかな…
表紙の絵を見れば分かるようにウサ耳の付いた覆面を被ってプロレス同好会で真似事をしています。うさぎ自身は体も小さくて弱い男なのでブック有のプロレスですが、その可愛いキャラから女学生達の人気を集めているのでした。
しかし、ヒロインで大好きな先輩の葉隠恵の進言もあり自分より強いヤツに立ち向かって真剣勝負で戦うようになる…そんな話。おっと、ここで注目すべきはヒロインの名前ですね。そう、あの代表作「覚悟のススメ」で出てくる葉隠一族という事でしょうか。しかも本作は1992年の作品なのでこちらが先で、後にこのキャラをプロトタイプにして「覚悟のススメ」で再登場するわけです。
葉隠一族で最初に登場させたのは女性だった…恵は『ケイ』と読んで、風貌は覚悟ではなくその兄にして現人鬼・葉隠散(はらら)様に似ています。残念ながら表紙に出ていないものの、裏表紙でその姿を見れるので載せておきましょう。
YAMAGUCHI-usagi-of-flame2.jpg
(山口先生もスターシステムを使う方なので、他作品で見れるキャラも居る事に気付きましたか)

この強いヒロインを追う天野うさぎは学校の便所で恵の写真を見ながら手淫して射精したりしていますが、少年漫画みたいな作品の主人公がこれって…
山口貴由ファンならばそのうさぎより、どうしても葉隠姓を持つ恵の方に注目してしまいますが、彼女のセリフで
『あたしの父親ってのがいわゆる××××でさー。あたしを何度も殺そうとしたのよ。金づちでしょ。彫刻刀でしょ。万力でしょ いろいろやられたよ。コメカミのキズはその時の思い出さ。』
と語るシーンがあったのですが、その父親ってのは覚悟か散か、いや時間軸を正確にしているとすれば彼らはこれより未来に生まれる設定なのだから無いけど、第二次世界大戦時に捕虜を人体実験で虐殺した葉隠四郎かその子(つまり朧の父か)ならばあり得るかも…
他に主要キャラで銭形先生というのもいて、ひどい教師のようでいて実は彼の教育理念が理にかなっていたりもするのですが、それより実は恵に惚れている1人。彼女をちゃんとした職につかせてやりたいけど『こんな親父がいたんじゃ』と嘆くシーンもありました。恵の親父、一体誰でどんな奴なんだ~!?

本作は山口作品としてはグロ描写が少ないけど、後半けっこうエロ描写はあります。もちろんバスト83のヒロイン・葉隠恵の体を高校在学中から何度も見せてもらえるわけですが、卒業後の職業もストリッパーですからね。そこで股を御開帳して客を楽しませているのです。
学年が下なのでまだ学生の天野うさぎは、ある戦いで目と肩を痛めてしまってもうハードなバトルが出来ない体になっています。うさぎ戦士としては活躍できなくなった彼ですが、もう次の夢を追っています。それは漫画家になる事でした…これは漫画家をテーマにして山口先生自身の体験も盛り込んだ『漫画家漫画』に移行するのか?いや、そこで終わってしまいました。


あのね うさぎ。
弱いヤツってのは 負けたヤツじゃないの………
弱いヤツってのは 戦わないヤツのことなのよ。



  1. 2018/01/07(日) 23:59:31|
  2. 劇画
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
次のページ

プロフィール

BRUCE

Author:BRUCE
BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する