大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

月刊漫画ガロ(34) みうらじゅん 1 「学園ハニワもの ハニーに首ったけ」

Honey!.jpg

こちらへブログ移転してきたものの、まだまだ過去記事は半分近くブツ切れの酷い有様です。
でもどうせ移行完了までは膨大な時間がかかるので、そろそろ漫画紹介も並行してアップしていきましょう。

今回やっと紹介できるのは、みうらじゅん先生。

1958年生まれで京都府出身。
漫画家にして、イラストレーター、ミュージシャン、音楽プロデューサー、作家、映画監督・・・
他にも自分で名乗ってるだけの怪しい独自職種を入れれば100以上あると言われる肩書はともかく、ガロ出身としては間違いなくトップクラスの人気者でしょう。
このみうらじゅん先生や大槻ケンヂ氏あたりには、肩身が狭かったオタクが助けられると同時に、イメージアップにもかなり貢献してもらいました。

みうらじゅん先生の漫画家デビューは1980年で、やはりガロ誌上でした。
他のメジャー誌で載るわけないからガロに持ち込んだのですが、ボツになり…
しかしあの糸井重里氏に気に入られて掲載されたのだとか。
でもその後は意外にも、週刊ヤングマガジン(講談社刊)のちばてつや賞で1982年に佳作を受賞してます。
(ちばてつや賞佳作といえば、同じ"ガロ系漫画家"である山田花子先生も後に受賞しましたね)

80年代のサブカルチャー雑誌で頻繁にイラストを見る事ができましたが、そのうちテレビやラジオにも出演し始め、そのキャラクターで人気者になりました。
バンドブームの最中にあのTV番組"イカ天"こと、"イカすバンド天国"大島渚というバンドで出演。
この大島渚は、私も大好きだったナゴムレコードからCDも数枚リリースしていているので当然持ってますが、なかなかの名曲もありますよ。

他の音楽活動や、スライドショーの公演、"マイブーム"で流行語大賞に選出された他にもたくさんの造語を作ったり、水野晴男監督のクソ(最高)映画「シベリア超特急」(シベ超)を流行らせたり…等々の幅広い活動で、現在に至るまで異常センスを発揮してますね。
私も"みうらじゅん大物産展"といったイベントに足を運んでは笑わせてもらってました。
仏像・牛・いやげもの・カスハガ・ゆるキャラetc・・・そしてエロ写真スクラップまで、かつてマイブームがきた変なコレクションを一堂に会しちゃう、こんなイベントが全国巡業もしていたのだから凄い。

話のついでなので、かつて私が"みうらじゅん大物産展"会場にて、そびえ立っていた つっこみ如来(もちろんみうらじゅん先生デザイン)と共に撮った写真をアップしておきましょう。
昔一人でラフォーレ原宿最上階の会場まで行き、インスタントカメラで自分撮りした寂しい写真です。
tukkomi-nyorai.jpg

変なグッズもいくつか買った覚えがあるのですが、実家に置いてきてるのでここで紹介できないのが残念。

今や誰もが知っているように、みうらじゅん先生は面白がってネタになる行動ばかりする人なのですが、若き日に映画館からでかいゴジラ人形を盗んで、イラストレーターとして名が売れてから返してワイドショーネタになった話は有名ですかね。
おっと、最近では歌手birdとの不倫、隠し子が発覚しましたが、この件についてはどうネタにするのでしょうか!?

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このブログはほぼ漫画紹介の場所と定めてあるのに、対象人物がみうらじゅん先生になると、どうしても漫画以外の活動紹介が面白いし、長くなってしまいそうですが…
やはりここは漫画ブログだと思い出して、漫画の話に行きましょう。

ガロでデビューした事は既に書きましたが、ハッキリ言って漫画はあまり面白くない…です。
まぁこの作風だけに、普通に上手い下手とか、面白い面白くないで判断するのも良くないですし、それでも私はみうらじゅん先生が大好きですから、その著作は書籍も含めて全部読んでますよ。そこら辺のオシャレみうらじゅんファンは、「アイデン&ティティ」以外の漫画作品を一作でもを読んでるかい!?

ガロで連載していたバンド漫画の傑作「アイデン&ティティ」を、田口トモロヲ氏が映画化したものだから一躍本も売れましたね。
その「アイデン&ティティ」もなかなか熱い漫画に仕上がってるのですが、私は最初にこれを紹介したい!
「ボクとカエルと校庭で」です。

あ…ない!ない!!
すみません、「ボクとカエルと校庭で」を紹介しようと思って数日前から探してるのですが、ついに今日まで見つかりませんでした。
空巣にでも入られたのだろうか。
みうらじゅん漫画はほとんど絶版ですので、分かってる泥棒さんなら「ボクとカエルと校庭で」だけを盗んで行く事も考えられますからね。

そこで代役として「学園ハニワもの ハニーに首ったけ」(河出書房新社刊)を紹介します。
1986年9月に上梓されたこの作品は、学園ものとハニワもの(そんなの今まであったかな?)を融合させた"学園ハニワもの"。
主人公・ハニーは、もちろんハニワ(埴輪)

ハニワと言えば、もちろんあれですよ。
あの変なポーズ取った古墳時代の素焼の焼き物。
起源は弥生時代後期まで遡られる、この歴史的な意味が重大なハニワは、古墳にお供えされて王に殉死者を生き埋めにする代わりの人柱として使われたという、悲しい説があったのですが(考古学的に正しい変遷過程が明らかになってきた現在では、この説は否定されています)、みうらじゅん先生はそのハニワをハニーと呼ぶことで、その悲しく暗い過去を解消したのだとか。

どうでもいい事と思える事に情熱をかけるのがみうらじゅん先生ですからね。
主人公のハニーは、学校に行く時はハニパパと一緒にゴロゴロ転がって移動します。

タイトルに"学園ハニワもの"とあるように、当然話の舞台は学園でして、いじわるなチャーリー(モデルはチビ&デッパ&メガネの星、チャーリー・マーティン・スミス)や殺人狂のジェイスン君、他のクラスメート達と繰り広げるしょうもないギャグ漫画なわけです。
ハニーマップとか作って世界を創造してるのも決して凄いものではなく、あくまで中学生的でいいですね。

小さいながらもハニワブームを巻き起こし、後にNHKの人形劇で「おーい! はに丸」が放映されたものでした。
別にみうらじゅん原作ではないですけどね。
hanimaru.jpg

覚えてますか?

突っ込みどころや面白いネタはいくつかありますが、一番ウケるのはコレ。
カバーの内側に載ってる、何とユン・ピョウとツーショット写真ですよ!↓
MIURA+YUN.jpg


あのユン・ピョウと撮ってるのもウケますが、この短髪なみうらじゅん先生はレアでしょう。
みうら先生が、かつてユン・ピョウの大親友であるジャッキー・チェンにダッチワイフをプレゼントして、本気で怒らせちゃった件は聞いたのでしょうか!?


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  1. 2007/06/29(金) 00:25:32|
  2. 月刊漫画ガロ
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山咲トオル先生のサイン色紙公開…他、報告

TOORU.jpg

こちらへ移転してきたものの、まるで次の記事をかかない私に業を煮やしてる方もいるかもしれませんね。

次々と書くためのネタはいくらでもあるのですが、過去記事の修正作業でまだまだ時間が必要なのです。
文章がおかしいとかは酔っ払って書いた記録だからそのままにしておくと前回言ったばかりですが、少し読み直したらそれどころじゃなくて、文章がひどいブツ切りになっていたりするのですよ。

つまり前のサイトからのデータ移動が上手くいかなかったようなので、コピぺ作業を一つ一つしています。
それも時間がなくてまだまだ残っているのですが…

今週末には移転を完全に終わらせて、今度こそ新たにスタートを切りたいものです。


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さて、今回トップに挙げた画像は山咲トオル先生のサイン色紙公開。
私の友人に山咲先生と仲のいい男がいまして、彼が私のために貰ってきてくれたのです。

今や芸能人としての活動の方が漫画よりも数百倍有名でしょうが、「戦慄!!タコ少女」「モーレツ変身!!エピルちゃん」「ドリームズ・カム・トオル」くらいは皆さんも読んでくださいね。

絵を見たら誰でも分かりますが、楳図かずおの先生の漫画に影響を受けて漫画家デビューした山咲トオル先生ですので、私が勝手に楳図先生の「おろち」T-シャツで山咲先生・楳図先生のコラボレートしちゃいました(部屋で写真撮っただけですが)。
P6220045.jpg

うわー、T-シャツしわくちゃなのが気になって駄目だ。
ではまた。サバラ!




  1. 2007/06/24(日) 20:51:19|
  2. 古本 番外編
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ブログ移転しました!

こんばんは、BRUCEです。
20070617223157.jpg


これまでスペースアルク名作漫画ブルースとして漫画紹介等を続けてきましたが、これからはここfc2ブログに移転しまして…名前も
大悟への道(旧名・名作漫画ブルース)
と変更し、個人ブログとして改めて進めていきますね。

移行するにあたり、過去に書いた文章をちょっと読み直してみました。

いやー、赤面しちゃいますね。
仕事や古本屋巡り後のわずかな時間で書いてるものですから、どうしても晩酌時間と一緒になって、つまりいつも酒を呑みながら寝る前に書いているこの文章。
早く書き上げて眠りたいもんだから、日によって雑になったり誤字脱字が多すぎたりもしてますが、文章の確認もしないままアップしているのです…

そもそも書いてる内容自体が恥ずかしかったりしてるのはどうすりゃいいんだ!
それでも私は、過去の文章は直さない!
その時の精神状態や考え、酔い方の記録でもあるのだから。
…なんてのは言い訳です。ただ全部読み直して修正入れるなんて面倒すぎるから。

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ブログ名を大悟への道とした訳は、漫画家達が血肉を削りながら描いた、濃い漫画を読み続る事で大悟、つまり悟りをひらく道に至ろうと考え…なんて、まぁ私が言う事ですので適当ですが。

漫画を読んで迷妄を払い去ったり永遠の真理を得たり、そんな事はできると思いますか?
『でもやるんだよ!』と言うしかありませんね。
仏教の究極目的である"悟り"を開いた暁には、私も自らをブッダと名乗れるのでしょうか。
いやそもそも悟りの意味なんて宗教や宗派によっても違うのだし、簡単に『大悟した』とか言い出すようになると私もキ印でしょう。

なんかそんな事を言ってると、漫画を読む事が"大悟"するための修行の実践、教えをや苦行のように思われていけませんね。

ちなみに禅では"悟り"と"大悟"が区別されているそうです。
ヒンドゥー教でも"大悟"とかって言葉は使われてますね。ニルヴァーナ(涅槃)、光明、大悟…

私のあだ名が大悟と言いまして(本名はBRUCE)、つまり大悟への道は己に至る道。自己実現への道という風にも取れるのです。
そしてその名前から、生まれながらに悟りを得た存在とも言われる(誰にだ!)私が死んだ時は、『入滅した』とか『涅槃に入った』というように言ってくれるとありがたいです。

ブログ移転後一回目から、ふざけすぎですね。
まぁ私の文章はあまり真面目に読まないでねって事を言いたかったのです。

今回の画像は今の所最新のBRUCE。
原美術館までヘンリー・ダーガー展を観に行った時に記念写真を撮ったので。
henry-darger.jpg

それでは、おやすみなさい。

  1. 2007/06/17(日) 22:33:13|
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ブログ移転のお知らせ

MORITA-DOJI.gif
今日の昼休み、飯を喰らって読書して…また戻る時間になって現実へ引き戻され、会社へ帰るべくトボトボ歩いてると…
向こうから伊集院光氏がやってきて、すれ違いました!

もったいないから振り向いて見守ると、つけ麺で有名なむあんに入っていきましたよ。
でも私は会社のすぐ近くのここ、毎日近場で昼食を食べてるってのに行った事ないのです。 だってつけ麺って猫舌用なのか知りませんけど、ぬるいラーメンじゃないですか。

帰宅後、友達との伊集院光氏が最近痩せた、いややはりデブだった…そんな話から、
『梶原一騎漫画、デブは幸せの法則』
にまで議論は発展しました。
その法則について簡単に説明すると、
「巨人の星」左門豊作 「あしたのジョー」マンモス西「愛と誠」座王権太
共通点は"デブ"という他に、彼らは主要キャラが悲劇的なラストなのにひきかえ、どいつも梶原漫画だってのに恋愛が上手くいって幸せになっているのです。

梶原一騎先生もちょいとデブ(筋肉質ですが)。
おそらくはいつも色男にいい女を持っていかれてた悔しさを、日本で有数の名作に作り上げたこれらの作品内で晴らしたのでしょうね。

・・・・な~んて、本題を避けて無駄話ばかりしてます。

実は今月の一日に、このブログ・名作漫画ブルースが消滅する旨を報告しましたね。
そして今書いてるこれが、この場所では最後のアップになるのです。
それを書くのが、そしてこれを書き上げたらお別れなのが辛くて、先延ばしにしていました。
でも、
お別れするのは辛いけど 時間だよ 仕方が無い♪
の、あの歌を聴きながら書いてしまいます。
レコードをセットしてと…。

はい、ブログ消滅の報告の後ですが、三百万人という多くの方から『止めないで』のメッセージを頂きました…

なんて事はなく、本当は書き込みは三人だけでしたが、まぁ完全に無反応じゃなくて嬉しいですよ。
でも私が名作漫画紹介やレア本自慢なんかを続けようが続けまいが、そりゃ誰にとってもどうでもいい事。
そんな事や世の無常さも、全て承知してますよ。私もいい大人ですからね。

なのでこれからは自分の創作として漫画原作を書き、ちばてつや先生か藤子不二雄A先生あたりにお願いして漫画化しようか、いやイタコに頼んで故・手塚治虫先生の霊を呼び出し、そのまま漫画を描いてもらうという漫画史上初の試みをしてみようかとまで考えたのですが…

やはり名作漫画紹介がまだまだ中途半端なので、自分のために止められないと思い直しました。
ただ、これからは"雇われ"ではなく自分で管理するブログとしてやりますので、今までのように画像は表紙しか使えなかったり、パイ乙が出ているからと言われて削除されたり、下品な言葉に直しが入る事もありません!
一人よがり度は増えていくかもしれませんが、まずはブログ名と、それにやり方も少しずつ変えていきながら進めて行きます。

移転先は「ココ」になります。
これからしばらく、今まで書いた文章の移行で手間がかかると思いますが、今月中に新しい場所でまた新しい記事を書き始めますので、これからもどうぞよろしくお願い致します。

それではラスト、漫画とは関係ないけど、お別れにはこれです。
私はこれを歌われると、どうしても泣いてしまいますが…天才詩人でもある消えた歌手・森田童子「たとえば ぼくが死んだら」(ロックバンドeastern youthによるカバー曲もいい)でサヨウナラ。


 たとえば
 ぼくが死んだら
 そっと忘れて欲しい
 淋しい時は
 ぼくの好きな
 菜の花畑で泣いてくれ


 たとえば
 眠れぬ夜は
 暗い海辺の窓から
 ぼくの名前を
 風にのせて
 そっと呼んでくれ


 たとえば
 雨にうたれて
 杏子の花が散っている
 故郷をすてた
 ぼくが上着の
 衿を立てている


 たとえば
 マッチをすっては
 悲しみをもやす
 この ぼくの
 涙もろい
 想いは 何だろう


 たとえば
 ぼくが死んだら
 そっと忘れて欲しい
 淋しい時は
 ぼくの好きな
 菜の花畑で泣いてくれ
  1. 2007/06/07(木) 23:28:03|
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ホラー漫画(7) 関よしみ 1 「血を吸う教室」

SEKI-YOSHIMI.jpg

今日は6月6日…つまり6時には666、今頃世界中の異端児達が騒いでるのでしょうね。
私が愛する映画「オーメン」ダミアン・ソーン誕生日であり、キリスト教において不吉な日なのです。

そんな貴重な日にふさわしい漫画家…でもないか、でもせめてホラー漫画家を紹介しましょう。
関よしみ先生。私はこの方の漫画も大好きです。

1957年生まれの関よしみ先生は、山口県下関市吉見町出身。
ん、あれ?
下関市吉見町…
ってこれで気付く人は少ないでしょうが、この出身地から関よしみというペンネームが生まれました(笑)

1980年になかよし「乙女椿の花の下」を発表して漫画家デビューしたのですが、当時のペンネームは伊藤かよこで、しばらくして現在の関よしみ名義に改めたようです。
普通に少女漫画を描いてたのですが伸び悩み、試しで描いた恐怖漫画が人気を博し、そのまま少女誌に質の高いホラー漫画を載せ始めたのです。

ホラーとは言っても幽霊とかじゃなくて、人間の隠された残酷性を表現したサイコ系を得意とする作風でして、絵柄が少女漫画なのですが、それで避けちゃったら勿体無い。
逆に言えば、少女向けにもなるかなり可愛い絵柄だってのに、描いてる世界はサイコホラーだなんてこれは美味しい。
可愛い女の子がニコッと笑いながら人を殺す方が、ある意味では狂ったシリアルキラーより怖いじゃないですか。後味の悪すぎる作品も多いし。

よく単行本カバーあたりでシュチュエーションホラーの女王なんて言い方をしてるのですが、上手い事言いますね。編集者が命名したそうですが、その名に納得できるハイセンスな作品が多いですね。
シュチュエーション…つまり絵ではなく、リアルな恐怖を演出する設定で盛り上げるスタイルなので、絵自体が怖いわけではない、と言うより本来は可愛い絵なのにそれが一転して怖い物になるのが上手いんです。
私は多分20冊くらい出ている単行本をほとんど読んでいるのですが、中には妹が昔持ってたホラー漫画誌サスペンス&ホラーに掲載されてた作品で凄く印象かった物も含めてですが、単行本未収録作品も多くて、まだまだ全作読破への道は遠いといった所ですが。

作品がほとんど短編ばかりなので、今回どの本を選んで紹介するか悩む所でしたが、「血を吸う教室」に決定しました。
画像を見てもらえば分かる通り単行本も二種類出てるのですが、表題作がかぶってる以外は別の短編が各二編収録されています。
画像の左が講談社版(1995年)で、右がサイズも大きい河出書房新社版(2001年)です。
河出書房新社版には巻末に大西祥平氏による解説とインタビュー、全作品リスト(もちろん2001年までのですが)も収録されていて、お得!いや、値段も高いけど。
では作品内容の紹介にいきましょう。

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まずは両方に収録の表題作でもある「血を吸う教室」

とある中学にて、無理矢理トイレを舐めさせて掃除させられてる少年・佐々木武史が登場します。
女子からも『陰気で不潔』と嫌われてる彼は、毎日ひっどいイジメを受けていたのですが、神さまに願いをかけると本当に神の声が聞こえました!

そして卒業式の日、最後に教室に入ってきた佐々木がいきなり…
ずっとイジメを無視してきた女教師の首筋を切りつけ、殺した上で『…一人』と呟きました。
パニックを起こした同級生が教室を出ようとすると、ドアや窓の外には黒い壁になっていました!

『神さまの啓示だ…… 最後の審判の時がきたんだよ
13人分の魂を神さまに捧げなくちゃキミたちは…
この教室から永遠に出ることができないのさ』

という佐々木の話で、13人分死ななくては教室を出られない事が分かるのです。
(実写映画版「エコエコアザラク」の一作目に似てますね。)

イジメっ子筆頭の秋芳が、真っ先に佐々木の首を折って殺しますが…生き返る。
彼の魂は13番目に捧げると神さまに約束しているので、それまでは死なせてもらえないし痛みも感じないのだとか!
ここで厳しい事に、イジメっ子とそれを黙認していたクラスメートは全くの同等扱い。
同罪だから、殺される者はランダムに選ばないといけません。

やはりクラスが団結して秋芳を真っ先に殺してしまいますが、続いては傷ついた内山君を、『いっそのこと ひと思いに 楽にしてあげましょうよ』という無茶な理屈で、出席番号順に一人一発ずつ、バットで殴っていきます。
どうです?やばくなってきたでしょう。
さらに気絶した女子は『これくらいでキゼツするやつに生き残る資格ないさ!』と殺され、もう一人のイジメっ子だった三浦も殺され…

と、犠牲者が選ばれ、殺されていく生徒達ですが、ここで次に殺されかけた主人公の少女・江藤千佳をかばい、彼女に想いを寄せてた古柴が自殺しました。

次からは、折れた首をカクコクさせながら歩くので怖さも増した佐々木が主導権を握って殺される者を選んでいきます。
ジャンケンで負けた者、プロレスで負けた者、フッキン(腹筋)で最初にダウンした者、アミダクジ、腕ズモウ…
こんなやり方でハイスピードに犠牲者が選ばれて行きますが、親友の誓いを立てた同士が裏切ったり、自分だけが助かるために詭弁をまくし立てたりと、人間の醜さを詰め込む事を忘れてません。
こういった人間不信の描写は関よしみ先生が得意とする所ですからね。

最後の一人決められてるはずの佐々木を集団リンチにかけようとした所で、千佳の代わりに自ら死んだ古柴は神さまの許しを得て、一歩先に元の世界へ戻った事が判明しました!
それを聞くとクラスの皆がでマネして、千佳以外の全員が自殺するのです!
しかし、そんなうす汚れた魂は神さまが喜ぶはずもなく無駄死に。
すると残り二つの魂が必要になるわけで、最後に残った千佳と佐々木の二人が死んでも元の世界には一人も戻れない事になってしまいました(古柴だけは、佐々木の言った事が本当なら戻ってますが)。

取り残された千佳に、佐々木が
『困っちゃったなァ…どうしよう
ねぇどうする?江藤さん』

と問いかけて、この短編は終わり。後味悪し!
だいたいこの神さまって、どこの神さまだったのですかね?
例えば酒鬼薔薇聖斗の愛するバモイドオキ神様ばりに、佐々木のオリジナルと言いたい所でしょう。
でもこの十字架にかけられて棘の冠をかぶった有名な姿(白骨化してますが)は、まさかキリ…

この作品に『イジメは駄目、絶対』などというメッセージがこめられてるようには思えませんが、関よしみ先生もかつてイジメを止めようとしてイジメっ子ににらまれ、スゴスゴ引き下がった自己嫌悪の念を一生忘れられないのだとか、単行本のカバーに書いてました。

もう一つ、言われる前に言ってしまうと…そうです。
これは深作欣二監督の映画「バトル・ロワイヤル」との類似性が気になりますよね。
でも、もちろん「血を吸う教室」の方が「バトル・ロワイヤル」公開よりずっと先ですが、「バトル・ロワイヤル」の元ネタである、スティーブン・キングバックマン名義で1979年に発表した小説「死のロングウォーク」の方にヒントを得ているようですね。

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次は「堕天使の子守唄」

主人公の不良少女・理緒が万引きで補導され、娘を迎えにいった両親が交通事故で死亡するというオープニング!
自分が補導されたのが原因で両親を死なせたと、自分を責める理緒でしたが、兄の友哉、幼い妹の結花と共に病院経営者である親戚の唐沢家に引き取られます。

この唐沢家には評判の良い娘・藻音がいるのですが、実はこいつが狂気の娘で…。
藻音のカセットテープ(母の子守唄を吹き込んであった)を、まだ幼い結花が消してしまったとかで、頭をガツガツ壁にぶつけて重傷を負わせるのですが、そんな事件も自分の病院で治療して世間から隠してしまう。
実は藻音だけじゃなく、唐沢家全員が狂ってるようなものなのですが、この後理緒は文字通り犬のような生活を強いられ、首輪で監禁された所に熱湯かけるイジメの後、喉を焼いて声が出なくさせられました。

ここまで相当いや~な話なのですが、さらに兄の友哉は殺され、理緒もついには電気ドリルで歯を全部削られました!
退院して出てきた妹の結花は洗脳されていて、こいつまで姉を犬扱い…
全裸にされてチェーンで殴られて、これを助けようとした女中の志津江も殺されて食材にされるという、カニバリズムネタまであって…本当に私もう、いや!

しかしラストはついに、偶然とはいえ屋敷は炎に包まれ、狂気の一家は全滅して一応理緒の復讐は成りました。
業火の中、結花だけはやっと助け出したし、これで安心かと思いきや…
すっかり洗脳済の結花は姉がこんな事をしたと告発し、犯罪の全てが自分のせいにされた理緒は棒を持った近所の人たちに取り囲まれて…おわり。
これまた後味の悪い、いや最初から最後まで嫌な話でした。まぁこの嫌さがホラーの良さでもあるのですね。

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続いて「血染めの美学」

美術部のヒーロー・優輝先輩は、一般人からしたらグロテスクと言われる物を見ると興奮して、創作意欲を刺激される性質を持ってます。
こいつのために自分の顔を切り取って剥いだ女生徒のマスクを手に取り、『か…描きたい はやくこの感動をキャンバスに…ッ』などと叫んで部屋で創作に没頭する優輝先輩…いかれてます。
彼のために他の美術部員達は、猫の目玉をビン詰めしてきたり、同級生を殺して人骨標本にしたり、妊娠中の姉をから子宮を取り出して胎児を、いや母体の方までトランクに詰めてプレゼントしたり…

まぁそんな狂ったセンスを描いた話でした。
本編の一ページ目からローラーで頭蓋骨を潰された女性との絵が出てくるし、かなりグロくはあるのですが、やはり他作品同様、人間の精神が怖いと思わされます。

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以上は講談社版に収録されていた三作でしたが、次は河出書房新社版に移りましょう。
表題作の「血を吸う教室」は同じですが、残り二作品があり、まず「絶望へのカウントダウン」
この「絶望へのカウントダウン」 は、講談社コミックスでも「壊れた狂室」という短編集に併録されていましたが、ここで再録されたわけですね。

主人公の受験生・長瀬真由美が住む町に、ある日ジェット戦闘機が墜落し、その衝撃で周囲に搭載されていたウィルスが流出しました。
これに感染すると一日の潜伏期間の後、人間がドロドロに溶けてしまいます!
街から逃げようとする者達は軍隊に射殺され、出る事もできません…

さぁ、明日死ぬと分かったら人間何をするのか。
限りない人間不信を描く事が得意な関よしみ先生の世界ではどうなるか、想像付きますね。
そんな死に方するくらいならと、教室から飛び降りて死ぬ生徒。
女生徒達に襲い掛かる男子生徒達。
真由美は先生の所へ逃げると、下半身丸出しの先生が『どうした さあきなさい 先生がとても気持ちのいいことを教えてあげよう』なんて言ってるし、その上男子生徒をバットで殴り殺しました。

同級生の剛に救われ、一緒に逃げる真由美。
街へ出ると、住人たちはやはりパニックを起こしています。
真由美に愛の告白をし、『人間らしく生きてみせる』とかのキレイ事を並べ立てる剛も、すぐに身体が溶けてしまっておしまい。
家に帰れば母親が魚屋とSEXしてるし、帰ってきた父親がその魚屋を殺すしで、また街に出た真由美は…
もうダイエットの必要もないからか、ケーキを喰いまくったり、UFOキャッチャーの人形を盗んだりしてるのですが、主人公だからかやる事が可愛いですね。
街にはシャブ、シンナー、強姦等の悪徳でいっぱいだというのに。

真由美はまた家族の下に帰り、悟りを開いたようになった一家は、揃ってお金、そして家まで自ら火を付けて…
虚栄心、欲望、執着、ねたみや嫉妬、憎しみと恐怖、自己嫌悪と共に服を一枚ずつ脱ぎ捨て、火の中にくべてしまいました。
いつの間にか町中が全裸ですが、とにかく裸になった一家は『最後になにが残った?』という父の問いに対して、『ん…とね 心と体と……それから 愛!!』なんて答えて、関よしみ漫画らしからぬ〆かと思いきや。

ここまできて(もう最後の1ページ)、治療用のワクチンが完成したからもう大丈夫と言いながらヘリがたくさん飛んできて…呆けたように空を見上げる真由美達一家。おわり。

つまり欲望を捨ててキレイに人間らしく死のうとしたのにそれが許されず、しかも急に『明日からどうすればいいのか』という不安がよぎる。
みじめなオチがちょっと笑える、終末モノの傑作でした。

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やっと今夜のラストで「騒音都市 ノイズ・シティー」ですが、これは単行本には初収録された作品で、都会の騒音とそれにともなって現れてくる人間の狂気を描いた作品。
仕事後に急いでこのブログ書いてましたが、あまりにも疲れたのでこの作品に関してはこれだけで終わり。

今回は二種類の「血を吸う教室」に関わる話だけでしたが、他にもあまりに多数の傑作群がありますので、またいつか続いて紹介しましょう。
嫌な話ばかりが続くのに何故か心地よいところもある、関よしみ先生を貴方もいかがかな?

今夜の終わりは666の日にふさわしく、「血を吸う教室」の佐々木武史が審判の日にペンキで黒板へ書いてた言葉でお別れにしましょう。
この言葉と共に十字架にかけられた神さまの絵も描かれていました。


おまえたちは 災いである
今日の裁きを 受け入れよ



  1. 2007/06/06(水) 06:06:06|
  2. ホラー漫画
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名作漫画ブルース消滅の告知

ENTER-THE-DRAGON.jpg

6月になりました。

早速ですが、ここで重大発表があります!

この名作漫画ブルースは、六月八日までで終わります。
理由は、私にこのブログを依頼してきているアルク様のサイト内にあったMANGAというカテゴリー(この中の一つとして名作漫画ブルースがあった)ごと消滅するからなのです。
六月十五日まで見れるのですが、私の更新は六月八日で終わり。

今まで読んでくださった方々、ありがとうございました!

ただのBRUCE LEEである私が、ここで漫画紹介を続けた証に…なんてわけでは全然ないのですが、私がかつて(1973年)に出演した映画「燃えよドラゴン」(「ENTER THE DRAGON」「龍争虎闘 」)の全セリフを書いておきます。

既に香港では大スターだった私が、世界規模での超有名人になったきっかけの映画でありますが、ストイックで寡黙な役柄のためセリフは少なく、というより私の動きこそがセリフ以上に雄弁に全てを語っていた…
私ことBRUCE LEEのセリフだけを抜き出してありますので、これだけ読んでも何の会話にもなってませんが、良かったら皆さんも覚えてみたらどうでしょうか。


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Hello. Mr.Braithwaite.
Have some tea?
Han's tournament.
"We",Mr.Braithwaite?
It's lahn's time.
Kick me.
Kick me.
What was that?
An exhibition?
We need emotional content.
Try again.
I said emotional content,not anger!
Now try again, with meaning.
That's it! How did it feel to you?
Don't think, Feel!
It is like a finger pointing a way to the moon.
Don't concentrate on the finger or you will miss all that heavenly glory.
Do you understand?
Never take your eyes off your opponennt.
Even when you bow.
That's it.
What do you know about Han?
What did the autopsy reveal as the cause of death?
She O.D.'ed? (O.D.'ed-Overdosed on drugs)
I gather you still don't have enough to bust up his operation.
And come out in one piece to give it to you.
No,thanks.
Guns!
Now,why dose't somebody pull a 45,and bang,settle it?
I guess I won't need anything.
And then you'll come.
I see.If there's any trouble,you make a phone call.
No thanks.
Year.
I didin't know that.
I will,old man.
You will not agree with what I am going to do.
It is contrary to all that you have taught me.
And all that Su Ling believed.
I must leave.
Please try to find a way to forgive me.
I'll give you five to one.
Don't waste yourself.
My style?
You can call it the art of fighting without fighting.
Later.
All,right.
Don't you think we need more room?
That island,on a death.We can take this boat.
Don't try to pull yourself up or I'll let go of the line.
How?
You seem to be very much at home here,Mr Roper.
Then why are you so apprehensive?
Oh,Mr Roper.don't con me.(CON-try to fool)
Come in.
There was a girl at the feast tonight.
The owner of this dart.
I wanna talk to you,Mei Ling.
Braithwaite.
Have you seen anything?
Who?
Outside!
Boards don't hit back.
You have offended my family,and you have offended the Shaolin Temple.

  1. 2007/06/01(金) 22:42:44|
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Author:BRUCE
BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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