大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

SF漫画(9) 佐藤史生 1 「ワン・ゼロ」

今夜は久々のSF漫画で、佐藤史生先生の「ワン・ゼロ」(小学館刊)。
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佐藤史生…『さとうしお』と読みまして、つまりこのペンネームは"砂糖と塩"の語呂合わせですよ。佐藤は本名ですが。

その佐藤史生先生は1952年生まれで宮城県出身です。宮城県出身といえば、思い出す漫画家に石森章太郎先生、大友克洋先生、荒木飛呂彦先生…って、この三人の名前を挙げるだけでとんでもない県だというのが分かりますね。
石森章太郎先生と大友克洋先生が同じ"宮城県立佐沼高校"を卒業している事は確か以前にも書きましたが、何と佐藤史生先生も同窓生!
一体どんなバケモノ学校なんだ、宮城県立佐沼高校とは…

佐藤史生先生が世に出るきっかけとなったのは、萩尾望都先生にファンレターを書いた事。
それから大泉に招かれて竹宮惠子先生、木原敏江先生らの"24年組"とも親交を持ち、会社を辞めて彼女らの肉筆回覧誌「魔法使い」に参加したり、萩尾望都先生宅へ居候して専属アシスタントをやりながら自身の作品も執筆し…
1976年に別コミこと別冊少女コミック(小学館刊)の新人賞に「星の丘より」で佳作入選、翌年に同誌にて「恋は味なもの!?」でデビューを飾りました。

それから"ポスト24年組"の一人として数えられ、理知的なSF作品を描き続けるのです。
代表作としては「ワン・ゼロ」の他には「夢みる惑星」が挙げられるでしょうか。
元々が寡作な方なのに、2000年以降作品を描いていないのでだんだん忘れていた今日この頃、ちょっと「ワン・ゼロ」を読み直してみたらこれが面白くて、ここでアップする事にしたのですが…

単行本は小学館のPF(プチフラワーコミックス)で全4巻。
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90年代後半の近未来(もちろん2008年まできてしまった現代かたらしたら過ぎた過去ですが)の日本を舞台とするSF中篇で、全3章構成です。

さらに「ワン・ゼロ」前史の「夢喰い」だとか、こちらは後日譚になる番外編「打天楽」というのもあります。
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そして、今回はここで細かく物語の紹介なんかはしません。
ちょっと哲学的な物語なので手間がかかるという、単純な時間の関係もありますが…
これは予備知識も無しに読んでみてもらいたいですからね。

そんなわけで未読の方は、機会がありましたら佐藤史生先生が描く、ちょっと変わった神と魔の対決をお楽しみください。
心霊的な要素も面白いですよ。ああ、私は"瞑想マシン"が欲しいな~。


悪魔が神に対抗する時はたいがい人間を標的にすると相場が決まっているぜ
それは人間の問題だからさ
"神"も"魔"も人間を抜きにしては意味をなさない



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  1. 2008/06/30(月) 23:43:52|
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藤子不二雄(10) 「大長編ドラえもん VOL.5 のび太の魔界大冒険」

今夜の藤子不二雄作品は、「大長編ドラえもん VOL.5 のび太の魔界大冒険」(小学館刊)です。
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映画原作シリーズの第5作ですが、この作品は映画27作目としても昨年「映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険 ~7人の魔法使い~」のタイトルでリメイクされてもいます。

今回の舞台は何と、最強の秘密道具"もしもボックス"で作られた世界が舞台。

得意の昼寝で夢を見ていたのび太は、その世界でカッコよく魔法を使ってジャイアンスネ夫扮する魔王達をやっつけ、囚われているしずかを救うのですが…
そんな憧れの魔法世界を実現させるべく、"もしもボックス"に
『もしも……。魔法の世界になったら!!』
と電話をかけ、その空想の世界を現実にしてしまいます!

ドラえもんが未来の科学である秘密道具の"タケコプター"を使ったら、しずちゃんに珍しがられて
『科学なんて迷信を信じてるの?
この魔法文明の世の中に。』
と言われる…つまり本当にどこかでひっくり返った世界なのが分かります。

その前に物知りの出木杉くんから、占星術だとか錬金術なんかの話にからめて科学も魔法も根は一つだという説明を受けるシーンがありまして、ここらへんは藤子不二雄先生の学説好きな面が現れていて、そして子供達にも知識を授けてくれる重要な所ですね。

そして現実になった魔法の世界は…のび太が期待した、簡単に魔法を使えて何でも解決できる世界ではなく、魔法を学ぶために学校に通わなくてはならなかったり、"魔法の絨毯"は高額だし免許が必要といった、まぁいろんな制約、その世界のルールがあって期待を裏切られるわけです。

もちろんのび太は現実と同じように魔法の学校でも落ちこぼれで…
頑張って、やっと初めて使えた魔法が『チンカラホイ!!』のかけ声でされるしずちゃんのスカートめくり。
まさか劇中何度もしずちゃんのパンツを見れる事が、この作品の人気の秘密でしょうか?

それからのび太は魔学博士の満月博士と出会うのですが、彼は魔界の悪魔たちが地球侵略を企てるという"魔界接近説"を唱え、世界のピンチだと言います。
もうこんな世界から元の世界に帰ろうするのび太とドラえもんですが…もしもボックスがママに捨てられてしまいました!

もうこの魔法世界から戻れなくなった二人がもう一度満月博士に会いに行くと、満月邸が消えていて、満月博士の1人娘である満月美夜子は呪いでネコに姿を変えられています!
月光を浴びている間だけは人間に戻れる美夜子はのび太達に一緒に魔界へ乗り込んで大魔王デマオンを倒すよう頼みます。
水晶玉の占いで魔王を倒す勇士としてドラえもん、のび太、スネ夫、ジャイアン、しずかといういつもの5人が見えていたのですね。

科学の道具である"ヒラリマント"なんかは魔法世界でも通用し、悪魔を倒せる事が分かった5人は、ついに魔界へ乗り込むことを決心します。
秘密道具のみならずジャイアンの音痴な歌も活躍して魔物を避け、ついに大魔王デマオンとも対決しますが倒せずに一度敗れ、ジャイアン達はやられたけどドラえもんとのび太だけは逃げ切り、しかしデマオンの手下であるメジューサに時空間の中まで追いかけられて石にされました!

これは敵が強すぎて、ついにドラえもん達が負けちゃう話になってしまいましたが、「大長編ドラえもん」では初めて登場したドラえもんの妹、ドラミが二十二世紀から飛んできて助けてくれて、元の世界にも戻っておわり。

…と思ったら、元の世界とは関係ないパラレルワールドながら魔王が勝利したままの、のび太が作った魔法世界を放ってはおけず、"タイムマシン"で助けに行って…
最強と思われた大魔王デマオンも"デモン座のアルファ星"にある心臓に銀のダーツを撃ち込んでついに勝利。

今までの作品のように、泣きの感動シーンが無いのですが…
それでも冒頭に登場する石にされたドラえもんとのび太がラストに結びつくし、子供向け漫画としては複雑と言えるパラレルワールドを扱った世界観、さすがの構成力にうならされる作品でした。

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↑今回の藤子不二雄先生です。


  1. 2008/06/29(日) 23:52:11|
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藤子不二雄(9) 「大長編ドラえもん VOL.4 のび太の海底鬼岩城」

今回も藤子不二雄先生のてんとう虫コロコロコミックス、「大長編ドラえもん」シリーズを続けて…

「大長編ドラえもん VOL.4 のび太の海底鬼岩城」(小学館刊)です。
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前にも触れた通り、実はこの作品が映画原作である「大長編ドラえもん」で単行本化された最初の作品。
コロコロコミックに連載されていた当初のタイトルは「のび太の海底城」だったのですが、連載4回目から「のび太の海底鬼岩城」となったものです。

おなじみのドラえもんのび太ジャイアンスネ夫しずかという5人が、暑い夏にキャンプへ行こうと相談すのですが、行き先を山にするか海にするかでもめてしまいます。

そこでドラえもんが
『両方いけば、もんくないだろう。海で泳ぎながら山へのぼろうじゃないか』
と提案し、海底山へ行く事になりました。
海底には千メートルを超える山や、一万メートルの谷などいっぱいあり、秘密道具"テキオー灯"があれば、二十四時間は海底でも地上と変わりなく行動できるのです。

次に必要な秘密道具は"水中バギー"という、心を内蔵していて会話もできるが水陸両用のバギーカーです。
こいつは性格があまりよくなく、へそ曲げて逆らったりもして、まぁ誰よりも人間臭いのです。

のび太の夏休みの宿題が終わればキャンプに行っていいとママから許可を得て、のび太にとっては難関であるその作業を他のみんなに応援、協力してもらって…ついに終わり、太平洋海底の山へ出発!
秘密道具"テントアパート"で海底のキャンプ、しかもそれぞれの個室や、みんなで遊ぶ部屋なんかもあって…憧れたなぁ。

さらにここでは、海に浮いてるプランクトンを加工して何でも好きな食べ物を本物そっくりに作る事ができます。
皆が頼んだ料理を見てみると…
のび太・・・・お子さまランチ
しずか・・・・パンケーキ
ジャイアン・・・・カツどん大盛り
スネ夫・・・・フィレミニョンのステーキをレアで
とあるのですが、それぞれの性格を現してますね。
しかし、何だフィレミニョンのステーキって。絵もあるけど分かりません。

海底生活…それはそれは幻想的で美しい風景。
『夢みたいにきれい……。』
というセリフが違う場面で二度も使われている所に、のんびりと夢の光景を描きたかったであろう藤子不二雄先生の意思を感じます。

これまで人間が一番深く潜ったのは、深海調査船トリエステ号の一万九百十六メートルという記録なのですが、それをあっさり超えて"地球の底の底"で記念撮影するドラえもん達が羨ましい。
しかし実際の人間は、地球外まで行ってるくせに海の一番深い所がどうなっているか未だに調査できてないんですよね…

それから巨大イカに襲われて、何と伝説のムー連邦"海底人"に助けられます。
決して海底人の世界では、陸上人(のび太達)に好意的ではないのですが、エルという少年兵士とは仲良くなります。
近年の大ヒット作「DEATH NOTE(デスノート)」で主要人物にエルというのが出てきて、私は真っ先にこの海底人を思い出したのですが…まぁそれはどうでもいいですね。

このエル達のムー連邦は、核実験の失敗で人間が滅びてもなお残り、敵を攻撃するだけの機能を持ったロボット達が生き続けるアトランチスと敵対していて…
そのロボットのみの世界となったアトランチスは、海底火山の爆発を敵の攻撃と認識して、そこの"鬼岩城"が七千年ぶりに臨戦態勢に入りました!

鬼岩城の自動報復システム・ポセイドンが稼動したら、鬼角弾がばらまかれて海底ばかりか全地球が虫一匹、草一本残らない死の世界になってしまいます!
ついに秘密道具を駆使してついにバミューダ海域のアトランチス鬼岩城へ着き、戦うのび太達でしたが、そこのロボット鉄騎隊はあまりに強く…全滅。
そしてしずかの首が刎ねられるその時、性格悪いくせにしずかだけは好きで甘えていた水中バギーのバギーちゃんが自らの意志でドラえもんのポケットより飛び出し、復習の神ポセイドンに特攻して果て、同時にポセイドンを爆発されて地球の危機を救うのでした。

自らの死を省みずに愛する者のために死んでいく…
大長編にだけ出るゲストキャラクターで味方側としては初めて、しかもこんなにカッコよく命を落としたのは、人間ではなく秘密道具のバギーちゃんでした。
ドラえもんの声優大山のぶ代さんが、一番印象に残ったキャラクターだと言っていたのもうなずける涙のお別れです。

海に沈んだ伝説の2大大国の他にも、バミューダトライアングル、マリアナ海溝、生物の進化論…
海底に関する伝説や情報が盛り込まれていて、少年達がこのジャンルに興味を持つきっかけにもなったであろう名作でした。

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↑今回の藤子不二雄先生です。



  1. 2008/06/28(土) 23:28:41|
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藤子不二雄(8) 「大長編ドラえもん VOL.3 のび太の大魔境」

藤子不二雄先生の「大長編ドラえもん」シリーズ、今回は…
「大長編ドラえもん VOL.3 のび太の大魔境」(小学館刊)です。
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これもタイトルを聞いただけで子供時代を思い出して胸キュンな作品だ…

早速あらすじ紹介にいくと、例によって夏休みの大冒険を求めるのび太ジャイアンスネ夫が、地球の隅々まで人間に探検しつくされて謎や神秘のかけらも残されていない事を憂き、ドラえもんなら穴場を探せるだろうと頼みます。

何だかんだ言っても"自家用衛星"という秘密道具を使って魔境探しに協力してくれるドラえもん。
そして捨て犬を飼う事を上手くママに認めさせて、そいつにペコと名付けて(腹ペコだったから)喜ぶのび太でしたが…
このペコが勝手に膨大な衛星写真の中から謎の石像が写る写真を見つけます。

ついに大探検旅行の行き先になる魔境を見つけたと喜ぶのび太達。
今回の舞台はその謎の石像が写ったアフリカはザイール、コンゴ盆地の奥に存在する秘境ヘビー・スモーカーズ・フォレスト(煙草好きの森)とNASAが名付けた場所。常に霧で覆われて衛星写真でも撮影できない現代の秘境なんだそうです。
最初だけいろいろ知恵を貸す役割として、大長編には珍しい出木杉くんが出てましたが、やはり冒険には同行しません。
いつも通りヒロインのしずちゃんは行くというのに。

そして、最古の人類を生んだ、そして未だに人類の支配が及ばないジャングルが広がる野性の王国・アフリカへ出発!!
ジャイアンばかり猛獣に襲われて、秘密道具に助けられた後で強がって丸太を持ってみたらそれが大蛇で…『スミマセン』なんて謝ってるジャイアンとか、コメディー部分が他の大長編より多く、そして面白い。

一度日本に戻り、それから思う所あったジャイアンが"桃太郎印のきびだんご""スモールライト""タケコプター""ショックガン""スーパー手ぶくろ"といった戦闘で役立つ大長編の定番秘密道具を集めて空き地にしまい、改めて秘境に向かいます。
しかもいつでも冒険から日本の現実に戻れる便利な"どこでもドア"が、空き地に置きっぱなしにしておいたら神成さんにゴミと勘違いされて焼かれて、使えなくなってしまいます!
つまり今回は、あまりドラえもんの秘密道具に頼れなくなって自分達の力で謎に挑戦する設定になっているのです。

ワニに襲われて危ない所を土人の集落に助けられ、それからも数々の危機を何とかしのいでいくと…
連れてきた捨て犬のペコが、しゃべります!しかも自分を犬の国である"バウワンコ王国"のバウワンコ百八世の子、クンタック王子だと名乗るのです!!
もう物語りも半分以上過ぎてから突然の告白に驚くのですが、まぁ読者はペコがタダの犬じゃない事は知っているのでいいか。

バウワンコ王国とは、ヘビースモーカーズフォレストの奥で周囲を深い谷に囲まれた地形によって外界から遮断されている所で、犬が進化して人間界以上の王国を築き上げた所。
そこは
ダブランダー大臣によるクーデターが起きて、ペコも抹殺されそうになって逃げた所を、日本に辿り着いてのび太に会ったわけだったのです。
ダブランダー大臣は軍事政権が誕生させ、火を吐く車や空飛ぶ船等の新しい兵器で人間の世界にも攻め込もうとしている…

そこでバウワンコ王国に伝わる古の予言で、
『悪者がそむき重大な危機にさらされる。その時、十人の外国人が…、
巨神心を動かし、国を救う』

というのが出てきます。
何だか「風の谷のナウシカ」チックに重厚な雰囲気が出てきましたが…
のび太達は当然五人しかいないわけで、ではあと五人の外国人とは何者なのか。
種を明かすと、"先取り約束機"という秘密道具を使って近未来から来たのび太達五人自身だったのですが、子供の頃はこんなネタにビックリ感心だったなぁ。

今作ではずっとジャイアンの孤立があり、秘密道具を勝手な考えで置いてきたために招いたピンチの責任を感じています。
そしてダブランダー大臣の軍勢によって負けが見えた時、ペコは犠牲になって外国人であるのび太達を逃がそうとするのですが、ジャイアンは責任を取る形として、自らも死にに行くごとくペコの後に続き…
のび太達もやはり後を追って『これからなにがおこるにしても、ぼくらはず~っといっしょだよ。』なんて言うのです!
もう、登場人物達と一緒に私も泣いています。

それから闘い、ピンチを乗り越えた後のハッピーエンドがあるのですが…
『アレを忘れてないか?』と思う読者のためでしょうか?
ちゃんと最後の最後になって、しずちゃんの全裸シーン、入浴シーンも披露されていますのでご安心を!
うーん、今回もまんまと「大長編ドラえもん」に感動させられ、涙を流す私でした。
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↑これはこの単行本に載っている藤子不二雄先生です。


  1. 2008/06/27(金) 23:06:37|
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藤子不二雄(7) 「大長編ドラえもん VOL.2 のび太の宇宙開拓史」

藤子不二雄先生の「大長編ドラえもん」(小学館刊)シリーズ紹介を続けて、今回は…
「大長編ドラえもん VOL.2 のび太の宇宙開拓史」です。
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ここからは前作と違って、最初から映画化を前提として描かれていますし、シリーズとしては重要な2作目ですので、かなり力を入れたであろう名作ですね。

タイトルは藤子不二雄先生も大好きなジョン・フォード監督(他二人)の「西部開拓史」から取っているのでしょうが、やはり西部劇映画の「シェーン」「ブリガドーン」を作品のヒントにしているとも、藤子先生自らが語っていました。

ご存知もう一人の藤子不二雄先生が描いた自伝漫画「まんが道」作中で、手塚治虫先生と一緒にゲイリー・クーパー主演の「ヴェラクルス」を観て感銘を受ける話があるのですが、重要な部分でこれのそのままオマージュと思えるシーンもあります。

そんなわけで、この「大長編ドラえもん VOL.2 のび太の宇宙開拓史」藤子不二雄先生の西部劇。
すると"SF…すこし・ふしぎ"が入ってくるわけで、舞台を西部ではなく宇宙に移しての冒険が始まるのです。

重要にして便利な事に、何をやってもダメと思われるのび太には二つの特技があって、一つはあやとり。
そしてもう一つが…射撃。これは西部の世界では生きる上で必要不可欠なのですから、唯一のび太が肉体的に活躍できる舞台とも言えるのではないでしょうか。

こちらの画像はセル画も付いた藤子不二雄ランド版の「のび太の宇宙開拓史」(中央公論社刊)。
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巻末の写真入りエッセイ「まんが紀行 ワールド旅行記」も貴重です。


それでは、あらすじを追ってみると・・・

地球から遠く離れた"コーヤコーヤ星"に住むロップルという少年と、チャミーという毛むくじゃらのぬいぐるみみたいな可愛い動物が宇宙飛行していると、敵("トカイトカイ星"ガルタイト鉱業社員)に襲われて無理なワープをして超空間の事故を引き起こしてしまいます。

これによって偶然にも、のび太の部屋の畳とロップルの宇宙船の倉庫という、遠く離れた二つの場所がくっついてしまいました。
出会ってすぐに友達になった、地球ののび太&ドラえもんと、コーヤコーヤ星のロップル&チャミー。
ロップルがのび太にワープ航法について分かりやすく説明をするシーンは、このSFの基本知識について勉強になると同時に、のび太ののんきなバカさが可笑しくて、いいですね。

それからコーヤコーヤ星まで遊びに行くようになったのび太は、ジャイアンスネ夫しずちゃんも連れてって遊ぶのです。
しかしこの惑星は重力が地球に比べて軽すぎて、野球もできません。怒って帰っていくジャイアン達でしたが…

しかしそれは、逆にこちらの人達に比べて地球人はるかに早く動けて強い、スーパーマンになれるという事でした。たとえのび太でも。
コーヤコーヤ星もこの島宇宙の中心で大都会のトカイトカイ星も、地球に比べると人も建材すらもかなり弱いのだから、いいですよね~。
自分が突然変異で強くなる事がなくても、自分の周りが貧弱な世界でスーパーマンになれたら…という藤子先生の夢、空想が描くこの設定!子供の心そのままで素敵ですよ。

実際に地球では…転び、ジャイアン達に笑われ、犬に噛まれ、車に水かけられてドブにはまり、帰宅して母親にガミガミ怒られて、という日々なのに、コーヤコーヤ星へ行けば大歓迎されるので、涙を流して感激するのび太です。

そしてロップルやチャミー達の敵であり、鉱脈の独占を企んでコーヤコーヤ星人を追い出そうとするトカイトカイ星の大企業・ガルタイト鉱業を撃退して活躍するのですが…ガルタイト鉱業よりもっと手ごわい敵は地球にいました。
ママの監視の目が光り、机から一歩も離れては行けないと命令されるのです。

のび太がコーヤコーヤ星に行けないうちに、ガルタイト鉱業からさらなる追い立てを食らうロップル達は、"コア破壊装置"を星に取り付けられて、強制的に追い出されようとしています。
胸騒ぎして気になっていても、しずちゃんを見張りにまで付けられて動けないでいると、泣きながら飛び込んできたチャミー。
話を聞き、超空間のつながりが外れかかっていて地球へ戻れるかも怪しくなったコーヤコーヤ星へと飛び込む、男らしくなったのび太とドラえもん。
しずちゃんもママへ言いつけるどころかジャイアンとスネ夫に助太刀を頼んで、一緒に後から駆けつける…

ロップルのピンチに間に合って友情と涙の再会を果たしたのび太達ですが、ガルタイト鉱業はギラーミンという用心棒を雇っています。この男は
『わたしはどんな強い相手もおそれない。同時に、弱い相手もみくびらない主義です。
爆発寸前まで この警戒態勢は続けるつもりです。』

などと言って頭も切れる恐ろしい腕利きですね。

結局追いつめられたのび太達の所へ、今度はジャイアン達が助けに来てくれて、また友情の涙。
最後はのび太とギラーミン、射撃の腕利き同士で西部劇風に一対一の早撃ち勝負で決闘です!!
お互いの力を見ぬいた迫真の勝負は、何とのび太の実力で勝利。

コア破壊装置で爆発寸前だったのコーヤコーヤ星は、風で飛んだ"タイムふろしき"が偶然にもひっかかっていて、装置の働きを逆戻りさせたために無事で済みました!
もう二度と会えないロップル達とのお別れでは、ロップルの妹・クレムから"雪の花"まで貰って、つまりスーパーマンになって大活躍した上に女子にまでモテちゃって…「大長編ドラえもん」においてだけはカッコいいのび太なわけですよ。

見事に、夢の余韻も持たせて一冊で完結させる、この「大長編ドラえもん VOL.2 のび太の宇宙開拓史」よ読んで…また子供の頃、それも小学低学年くらい依頼のアニメ映画版も観直したくてしょうがなくなりました。
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↑これはこの単行本に載っている藤子不二雄先生です。


  1. 2008/06/26(木) 23:43:38|
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旅行・紀行・街(25) タイ王国 3

タイ王国でまた一夜明けて5月29日。
この日も凄い早起きしてホテルのビュッフェで朝食後、ツアーガイドさんが迎えに来てくれるのを待ちました。

そして車で連れて行かれた先は、フェリー乗り場。フェリーが出るまで近くで時間を潰し、
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それからこのフェリーに乗って出発。
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"River Sun Cruise"というやつで、
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3時間半をかけてチャオプラヤー川を下り、55キロ先のアユタヤを目指しました。

長い時間ずっと川からの景色をボーっと眺めていました。
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おおっ、前日に訪れた"ワット・アルン(暁の寺)"も出てきました。
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そのままずーっと進んで…
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船内でもビュッフェを出されて昼食。そしたらこれが…今までのビュッフェでは一番美味い!これは嬉しい誤算でした。
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やっとパッタイも食べれたし…

船の女子トイレマークが可愛い。
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船のお姉さん、2人。
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噂通り、タイ王国は美人の産地です。

で、ようやくアユタヤに到着しました。
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かつて栄華を極めながら、ミャンマー(ビルマ)の軍勢によって滅ぼされたアユタヤ王朝。
その遺跡を見てくるのは今回の旅の楽しみの一つでした。
うわー、いきなり野良INUが多いです!
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野良INUがウロウロしている光景なんて日本国内ではもはや見る事ができませんが…
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可愛いチビちゃんに追いかけられました。

それからさらにバスに乗り、まずは"バーンパイン宮殿"(Bang Pa-In Palace)を目指します。
今日のガイドさんは昨日と変わってアンポーンさん。
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『アンポンタンじゃありませんよ』という一言で笑いを取っていました。

バーンパイン宮殿に到着。
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入口にやたらトカゲが多いのが目に付きましたが、中には…
こんなでかい爬虫類もいましたよ!!
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集団で一緒に案内される…
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日本人のこういう光景は海外ではよく目にしてましたが、自分がその中に入る事になるとは!

バーンパイン宮殿は数多くの宮殿からなる宮殿群ですが、中国風の宮殿が目立って面白くない部分もあります。ま、とにかく見て回りました。
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象の形に剪定された植木や、
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他のもティム・バートン映画の「シザーハンズ」を思い出してグーですね。
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次は"アユタヤ日本人町"の跡地に連れて行かれましたが…おお、ここは梶原一騎つのだじろうによる空手漫画の名作「虹をよぶ拳」のラストで出てきた、山田長政関連の土地。
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で、ここでもまた日本語を話す店員さんが土産買えと迫ってくる。前日のが既に嫌な思い出になってるのに…
すぐに店を出て、ヤシの実ジュースを飲んで他の人の買物が終わるのを待ちました。
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飲み終わるとスプーンで身をすくって食べるのですが、これはトロシャケのような味ですね。
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次は"ワット・ヤイチャイモンコン"(Wat Yai Chai Mongkon)。
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受付の所に、猫が…
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この姿勢のまま寝てました!
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ここはミャンマーとの戦争の勝利記念で作られたとか言ってたかな。
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ちゃんとペディキュアも塗られているんですよ。
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その周辺の見仏なんかもして。
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次は希望者のみ別料金での象乗り。
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実はこの時点で手持ち金がほとんどなくなっていて心配だったし、そもそも象乗りが私には魅力ある物でもなかったので遠慮して、また他の人が楽しんで帰ってくるのを暑い所でボーっと待ちました。
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↑みやげ屋にあった変な象の像。


さて次は"ワット・プラシーサンペット"(WAT PHRA SRI SANPHET)。
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アユタヤ王の遺骨を納めた仏塔がある所なのだそうです。

破壊された仏の姿が、「天空の城 ラピュタ」チックでいいです。
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物凄い暑さなのにこういう塔にも昇り降りしてたら、大汗かいて体はすぐにベタベタになりました。
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どんどん移動しますが、次は"ワット・マハタート"(Wat Mahathat)。
映画「スキャナーズ3」で、超能力(スキャン)遊びで親友をアホらしく殺してしまった主人公がタイに修行へ出るのですが、こういう感じの所だったと思います。ちゃんと画面を観直せば全然違うかもしれませんが、雰囲気は多分…
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やはりここもミャンマー軍によって激しく破壊された跡が残り、ほとんどの仏像の頭も切り取られてます。
既に見たいくつかの遺跡と比較しても、特にやられ方が酷かったですね。
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ちなみにワット・マハータートとは、仏舎利ないし貴人の遺骨のある所を指す言葉なんだそうで、つまりタイ王国全土の各地にあるのですが、ここアユタヤのでは…
何といっても樹の根で覆われた仏頭が有名です。
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う~ん、自然と歴史って凄い。
もちろん私もお祈りした後、一枚記念撮影させて頂きましたが…
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大きな信仰の対象となっているここでは、観光客でも写真を撮る時に、自分の頭が仏頭より高い位置にあってはダメで、つまり立ったまま撮るのは禁止。違反していないか常に見張る警備員もいます。
他にも、仏にはほとんど頭が無いわけですが、そこに自分の頭を乗せて写真なんか撮ったりしたら大変な事になるそうです。

他も一通り回って…
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さて帰ろうとバスの位置に行ったら、勝手に撮った写真を皿に焼き付けて、それを売ろうと待ち構えてるガキ共がいました。
確かに遺跡に行く前に、こっそり写真撮られたのは分かったのですが…私の事を世界のBRUCE LEEだと思って憧れの気持ちから撮っただろうと見逃しておいたら、こんな商売にされるなんて!
ガイドさんもこの行為を見逃しているのは、貧しい少年達の生活を憂いての事でしょうか。

これで今日の観光ツアーは終わり、後はバスでバンコクへ送ってもらい、有名なタイスキ屋"COCA"での夕食です。
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ビールは1本した飲んでないのにこの後吐いてしまったのは、食後に出てきたパパイヤのせいでしょうか?ドラゴンフルーツは美味しかったけど…
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うーん、ごちそうさまでした。
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ツアーなので最後にちゃんとホテルまで送ってもらえたのですが、外はまたも、そして今まで見た事もないくらいの酷いスコールになっています!
とてもこの後は外出できず、ホテル内にあるタイ式マッサージ屋の"BORAN"へ。
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BRUCEも30歳。やっとこういうリラックス施設なんかでお金を使うようになりました。

その後、やはり飲み足りないし雨の降りも少しはおさまってきたので、近くの屋台へ走って買物。
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屋台で買物する時は日本語はもちろんの事、フランス語もドイツ語も、国際語であるはずのエスペラント語さえ通じません。なので身振り手振りのみで買うのですが…美味そうな鳥をフライにされ、野菜もいくつか指差したら生でそのまま出来立てフライドチキン袋の中に入れられました。

そしてセブンイレブンでは、ビールを多めに購入。
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ビールが安いのはかなり助かります。それだけでいい国だと思えますね。

この日はこれで部屋に戻って夜食とビールで終わり。
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タイ王国を一日通して遊べるのは早くも最後の日となった5月30日…そして、この日だけ丸々自由行動が出来ます。
初めて使ってみたパッケージツアーでしたが、やはり私には合わない事がよくわかりましたので、それだけに嬉しい日です。

まずは泊まっている"ツインタワーズ ホテル"(THE TWIN TOWERS HOTEL)の外観とやっと記念撮影して…
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ところでタイでは街を走るタクシーやバスやトゥクトゥク…全て原色をふんだんに使った派手な車が多いですね。
おおっ!これは我らが日本の誇りとも言える漫画、アニメーションの「ドラゴンボール」バスだ!
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さて、歩いて向かったのは、ワット・ラシャナダという寺の脇にある長屋。
そこらへんが本格的な仏具街になっているとの事を「見仏記 海外篇」に書いてあったので、何か買おうと思ったのです。
そして泊まりはしなかったけど、安宿ばかりでバックパッカーに超有名な"カオサン通り"も見るつもりでそっちの方面に向かいました。
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しかし暑い…

そして地図見ても迷いながら歩いていると、『まだどこもやってないよ』と教えてくれた親切なトゥクトゥク(TUKTUK)運転手さんがいました。
しかも、彼が言うには本日が年に一回だけの特別な日で(天国の扉が開かれているとか何とか)、トゥクトゥクの料金はたった10バーツで、お薦めスポット数箇所の観光に連れてってくれると言います。
10バーツって…日本円にして35円ですけど!

(トゥクトゥクというのは東南アジアや南アジアで普及している軽便な三輪タクシー↓)
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それならお願いしようかと、あっさり仏具街も安宿街も諦めて、親切トゥクトゥクで走りました。
ちょうどトゥクトゥクも一度乗りたかったし…で、まず連れていかれたのは高さ40mの立仏像が有名なお寺、"ワット・インドラウィハーン"(Wat Indrawiharn)。
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それからちょっとマイナーな二つの寺。まずここと…
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次でも、親切トゥクトゥク運転手さんとも記念撮影。
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地図を見てwat mong khutとwat Benchamabophitって所かと思ったのですが、二つ共マイナーな場所な上、他にもたくさん寺院がある辺りなので確かではありません。
事前情報が全く無かったのはともかく、運転手さんに一方的に連れて行かれただけですからね…
まぁそこらへんはマイペンライ(ま、いいか)気質のタイ王国での事ですので、分からなくても、ま、いいか。

それより問題はですね、これらの所に行く間にわざわざ寄り道して、そのせいでもう嫌になったJTBパッケージツアーみたいに高級みやげ店へ運ばれるのですよ。
私はシルクも宝石もいらないと伝えたのですが、お願いだからと言われて入店だけしてすぐ出てたのですが…
またも連れて行かれた3軒目のジュエリー店。
ここの入口で、ここ行かないから車出せと言ったら!

トゥクトゥクを少し移動して、態度を一変させた運転手さんに怒鳴り声で
『買物してもらわないと、これだけ案内してるのに2ℓのガソリンしかもらえない、しかし買物してもらえれば50ℓもらえるんだ!だから買ってくれよ!!』
とか言われて…
そんな事を後から言ってきて、しかもそのように脅す態度なら、こいつは悪者だ…ついに私が対ムエタイのために鍛えた技術を見せる時がきたのか?!
なんて思いつつ、あぁなるほど、記念日とか何とか言ったって観光客にそこまでサービスしても得はないよねと、むしろ10バーツで観光案内という安さの謎が解けて、変に納得してしまいました。

私の大好きな福本伸行先生の「無頼伝 涯」で、自分と組む人間が"金目当て"だと知ってやっと相手を信用する、あの名シーンのようなものでしょうか。
『善意なんて・・・・・・・・・・
そんなもん 信用できねえっ・・・・・・・・・・! 金 金言ってる方が・・・・・・・・
ずっと信用できる・・・・・・・・! はるかに頑張ってくれる・・・・
なんせ自分の為だからな・・・・・・!』

と。ちょっと違うか、でも本性知れて良かったのかもしれません。
これが欧米なら、絶対初対面の人間なんて信用してなかったのに、このタイ王国の敬虔な仏教徒である国民ならもしや、とも思っていた自分の甘さに喝を入れる事もできました。

だいたいそこまで熱心な仏教徒ばかりの国なら、先の大戦でした日本とイギリス両者に対して演じたあの二重外交だって説明がつかないじゃないか。
そうだ、これこそがタイ国民の気質なんだ!
…とにかく、分かったからとジュエリー店に入店して、そしたら意外とアホな"いやげもの"なんかも見つけたので買物して、こいつには大型ショッピングセンター"ロータス"(lotus)で降ろしてもらいました。

このロータスの中なら最後に買物するべき物が何でもあるかな。
でも、まずは食事です。もう、大好きなタイ料理もあと2食くらいしか食べられない…

ところで、街を歩いてたり屋台で食事とかしてると、タイ国民が『こんにちは~味の素(あじのもと)』とか言ってくる場面が二回ほどありました。
何で味の素!?と思って後で詳しい人に聞いてみると、今やタイ料理にはどれにも味の素が入れられてるのだそうです。
味の素って当然日本製品ですから、日本が持ち込んだ事によってタイの食文化が破壊された面もあるのだとか。
そんなのは、じゃあ受け入れ、喜んで使っているのは誰だって話ですが。

今回はロータス内にあるフードコート(食券式のセルフサービス食堂)にて、いろいろ物色して…
そうだ、まだカレーを食べてなかったと美味そうな店のを選んで購入!
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ンマーイ!こりゃ感動で、やっぱりタイに来て良かったよ~。

DVDを売ってる店もいっぱいあって、しかも安い!
いの一番に探すのは、タイ語ジャケのBRUCE LEE映画なのですが…残念ながらどの店にも一枚たりともない!このタイをロケ地とした「ドラゴン危機一発」すらない!
普通にタイ映画を買っても日本語字幕がないし…トニー・ジャー主演の大ヒット映画「マッハ!」(ONG-BAK)とか、あとオキサイド・パン監督の映画とかも好きなんですけど、ジャケ違いで現地盤まで集めるほどではないので、映画DVDは諦めました。

CDでも買うかと、ちょっと時間かけて物色したのに、タイ国内の歌手やバンドは一つも知らないし、となるとジャケで選ぶしかないのに…ちょっとセンス合わない…
映画は輸入されやすい文化なのでいくつも見てるけど、音楽シーンは入ってこない国のは東京にいても一切目にしないですからね。 結局何も買わず。

では漫画は!
これは唐沢俊一「アジアンコミックパラダイス」(KKベストセラーズ刊)を持ってる私ですので、かなり期待してたのですが…こんな綺麗なショッピングセンターでは扱ってないし、古本屋も全く行けなかったので、これも何も買えず(泣)
そういえばレコード屋なんかも一軒も見かけなかったなぁ…

みやげにする食料品だけけっこう大量に買って、ホテル帰ってまた汗でベタベタの体をプールで冷やしました。
少し休んでから、ホテル内にあった"Ten-Ten suki"という店でタイスキの食事。
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この可愛い子が作ってくれたのですが、かなりツンデレ…いや、ツン。
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次はホテルが専属で雇っているトゥクトゥクに乗って、"ルンピニ公園"の中にある"スワンルムナイトバザール"へ。
Suan-Lum-Night -Bazaar1
凄い数の店があるのですが、しかし新しいものばかりで買う物はありませんでした…
Suan-Lum-Night -Bazaar2

ここのフードコートでもタイガービールとか飲み、これをつまみに食べて。
Suan-Lum-Night -Bazaar3

外の席でしたが、座るとかわい子ちゃんが注文をとりに来ます。美人だなぁ…って、ゲッ!おかまだった!!
ステージもあって、こちらのバンドがライブしていたのですがそれがボーカルが音痴で耳痛し!

帰りは電車です。
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ホテルに帰る前に晩酌用として、またセブンイレブンでビール、そして屋台でつまみを購入。
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…しかしこれがどちらとも問題ありました!

まずこの写真を見てください。飲み物の方は…
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LEOビールともう一つ、見た事ないのビールがあったから買ったんです。"Siam Sato"っての。
ワクワクして飲もうとしたら、このSiam Sato…白ワインでした!それならそれでいいんですけど、またこれが激マズなんですよ!
ビールと一緒に並んでて、栓抜きで空ける式の同じ大きさの瓶なのに…

次はつまみの魚!
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魚を炒めてその腹の中にご飯を詰めてある物なのですが…ご飯の方が完全に傷んでて、嫌な匂いを発していました。
まぁこんな暑い国の、外にある屋台から買ってるんだから、こんなのよくある事で諦めるしかないのでしょうが…

翌日は早朝に日本行きの飛行機で帰らなくてはなりませんので、最後の最後、残りの手持ちバーツを使いたいのもあって、ホテル一階に入ってる日本のラーメン店"大穀"で食事をしました。
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オロチョンらーめんと、
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しょうゆらーめんです。
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では、この日もさようなら。
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翌、5月31日…
この日は何と、朝の5時にホテルを出て空港へ向かいました。
つまり4泊5日のこの旅でしたが、最終日はただ帰るだけ。

タイ国民がいかに尊敬しているかは分かりますが、観光客である私までがこんな…後光が差したタイ国王の写真を使われた物を通って、飛行機に乗らなくてはなりません。タイの通貨であるバーツ(Baht)は紙幣も硬貨も王族の方々ばかりだし、日本との違いが際立ちました。
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これが機内食。
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そしてタイ王国とお別れして、日本に帰ってまいりました。
タイの通貨は"バーツ"の下に"サタン"という素敵な単位の硬貨があるのですが、一度も目にすることができませんでした。

東京に着いたら、寒い!何とこの時期タイとの温度差20度でした!
早速長袖Tシャツを着て、まずカフェに入ってコーヒー飲んだら…ああ、何かやっぱり日本は落ち着く。
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さらに公園でもリラックス写真。いや、フィルムを全部使い切るために無駄に撮ってただけですが…
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はい、これで私のタイ王国への旅は終わりです。
またしばらく、タイ王国を思って東京のタイ料理屋に通う事にはなるのでしょう。
またいつか…行きタイな。


  1. 2008/06/18(水) 23:59:47|
  2. 旅行・紀行・街
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旅行・紀行・街(24) タイ王国 2

こんばんは、BRUCEです。

「ココ」"タイフェスティバル"レポをしつつ予告した通り、先月はタイ王国へ旅行に行きました。
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小学生の時にゆでたまご先生の「蹴撃手(キックボクサー) マモル」、中学生になると梶原一騎(高森朝雄)&中城健による「紅の挑戦者(チャレンジャー)」、そして大槻ケンヂ氏の旅行記「のほほんと熱い国へ行く」を読み、タイに憧れたものでした…
それからある時期には旅本をよく読んでいたので蔵前仁一、漫画だとグレゴリ青山先生や堀田あきお先生等のアジア系旅本も通ったのですが、やはり落ちぶれても元上流家庭の私ですので、虫が多くて熱すぎ、そして汚いイメージのあるアジア発展途上国の国々より、エレガンスなヨーロッパの国々ばかりに目が行ってアジアは後回しになっていました。自分が住んでる日本国が既にアジアだし。

しかしブルース・リー主演映画「ドラゴン危機一発」のロケ地であるわけで、つまり聖地ですよ!

そんなわけで随分遅くなりましたが、ついに東南アジアのタイ王国へ行ったのです。去年、飛行機の乗り換えで空港だけは行ってましたけどね。
出発日は5月27日。
前日夜は新橋の映画試写会に招待されて、「クライマーズ・ハイ」を観てました。
原作は横山秀夫の小説作品で、筆者が上毛新聞記者時代に遭遇した日本航空123便墜落事故をもとに、事故時の群馬県の架空の地元新聞社を舞台にしたあれです。
飛行機に乗る前日に飛行機墜落事故を扱った映画を観るのもどうかと思いましたが…。

とにかく出発すべく、まずは成田空港へ行くために乗り換える必要がある上野駅へ。
平日昼間でしたので、「ココ」で紹介した日は凄い行列のため諦めた有名な丼屋の"若狭屋"へすんなり入店できました。
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これから仏だらけの国に行くからか、ウニ、ネギトロ、イクラの素敵丼を持つ私も仏のような表情です。

腹ごしらえ後は上野発のスカイライナーで成田空港へ行くと、出た、このハム椅子!
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変なオブジェ!
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早く着きすぎて一時間以上、ただ飛び去る飛行機を眺めて過ごしましたが…
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ついに出発!!
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私は空の上から見る、雲の大陸が大好きです。
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機内ではビールを飲みながら、まず取り出した本が…いとうせいこう&みうらじゅん共著の「見仏記 海外篇」(角川書店刊)です。
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これには一部ですが、タイで見仏している箇所があるため読み直しておこうと持って行きました。

そして、梶原一騎先生に加えて大山倍達総裁も原作者としてクレジットされてる名作漫画「空手戦争」(講談社刊)。劇画は守谷哲巳先生。
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この2巻では、空手で世界ケンカ旅行をする…つまり大山倍達総裁をモデルとした主人公・大神達矢が、タイにてタイ式キック、ムエタイ(この時代は"モイ・タイ"表記)と戦う話があるのです。

まぁここらへんはゆっくり読んでもすぐに読み終わってしまうので、残りの時間はタイとは関係ないコリン・ウィルソン(Colin Wilson)の「ラスプーチン」(サンリオSF文庫刊)を読んでましたけどね。
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(この時のビールは、タイのシンハ・ビールになってます)

機内食はサンドイッチの軽食も含めて2回。
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そして約8時間…ついにタイ王国、バンコク空港へ到着です!!
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ราชอาณาจักรไทย、日本語表記はタイ王国で通称タイ、またはタイランド。漢字で泰(タイ)と表記される事もあり…英語でThe Kingdom of Thailand(略してThailand)。
首都バンコクの正式名称は
『クルンテープ・マハーナコーン・アモーン・ラタナコーシン・マヒンタラーユタヤー・マハーディロックポップ・ノッパラッタナ・ラーチャターニー・ブリーロム・ウドム・ラーチャニウェート・マハーサターン・アモーンビーマン・アワターンサティト・サッカタットティヤ・ウィサヌカム・プラシット』
というらしいです。はい、貴方は覚えられましたか?

ここではどんな事があるのか…「空手バカ一代」大山倍達総裁が倒したブラック・コブラのような猛者もいるのだろうと、数時間前から体を鍛えていた私、胸が踊ります。
熱帯性の気候であるタイ王国ですが、この時期も空気が湿ってなま暖かく、そしてスコールが多い雨期。確かに空港から出たら…夜というのに、暑い!!

ここで公表しておくと私、今回初めて旅行会社のパッケージツアーってヤツを利用してまして、期間も4泊5日で観光地を案内してもらうという初心者向けの旅。
いつもは全て一人で調べ、迷い、そしてブラブラ長めに滞在するのが私の旅スタイルだったものですから、ものすごく楽でした。
まず空港を降りたらガイドさんが迎えに来ていて、車でホテルまで送ってくれるのだから…
ツアーだからこそのヒドイ話もあるのですが、まぁそれは後ほど。

とにかく送り届けられたホテルは"ツインタワーズ ホテル"(THE TWIN TOWERS HOTEL)。
バンコクでは世界中のバックパッカーが集まる安宿街の"カオサン通り"が有名ですが、そんな数百円で泊まれる所に行くわけにはいかない。ほら、落ちぶれても元上流家庭だから…
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ホテル入口と、外にあった祭壇みたいなのと、何と日本のラーメン屋"大穀"の写真も撮っておきましたが、まぁちゃんとした外観とかは明るくなってから改めて。

荷物を置き、すぐにロビーへ降りてちょっと休むと…
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すぐに外出して夜のバンコク、といってもホテルの近隣のみを散歩です。
焼き卵、可愛い紫のスクーターDIO…
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ううっ、野良犬が多い。寝てる犬はピクリとも動かないけど、酔っ払いに踏まれたりしないのだろうか。

夜食とビールを頂くための屋台をいくつか物色して…沢山の屋台の中から、ここに決定。
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どれを料理してもらうか、食材を見てみましょう。どれでも選んでいいみたいですので。
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どれも食材見ただけで美味そうです。それも私の大好きなタイ料理で、本場の人に調理してもらうのだからヨダレが…

ん?このピクピク動いてる見慣れない物は何でしょう?
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店の兄さんが親切にも持ち上げて見せてくれました。ゲコッ、カエルの皮剥いたやつだ…
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乙女座の私は『キャー』と言って、ここでは日本でもおなじみのタイ料理にしておこうと決めました。

それで、トムヤムクンとガパオ。
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奥で古いテレビが音を出してていい感じです。
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それに加えてもちろんシンハ・ビールを瓶で頂きました。うーん、こりゃ最高!!
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何も言わずとも氷をどっさり届けてくれたのですが、生水と同じく現地の氷も使ったら腹を下すはず。
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東京の生活ですら、いつも激しい下痢ラ戦を繰り広げているため電車通勤に苦労している、酒飲みな私の内臓ですからね。
なのでこの氷には手をつけませんでしたが…少しは涼むのに役立ったかもしれません。

はい。そんなわけで初日はほとんど移動のみでしたが、この日は屋台の料理が美味しかったために笑顔で寝付いて…

タイのバンコクに着いて二日目の5月28日。
早起きしてまずは、泊まっている"ツインタワーズ ホテル"(THE TWIN TOWERS HOTEL)で朝食。
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やはりビュッフェで、こういうのってすぐ飽きるけど、まぁ一日目は美味しく食べられます。

ホテルの窓から見た景色。
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ちなみに私、ムエタイ戦士にいつ闘いを挑まれてもいいように、服の下にはムエタイ用のトランクスを履いて準備していました。
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そして朝早いうちから、ツアーガイドのジャリンさんが迎えに来てくれました。
そうです、今回はわりと海外旅行によく行く方である私が、今更初めて使う旅行会社のパッケージツアーなのでした。

車でバンコクの町並みを見ながら進み…
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おおっ、見えてきました。
黄金に輝く巨大な涅槃仏がいる超有名な王室寺院、"ワット・ポー"(Wat Pho)。
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入ってみましょう。
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そしてこの中に…
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いたー!全長46メートル、高さ15メートルの涅槃仏ですよ!!
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↑最後の写真はアップで分かりにくいかもしれませんが、これ枕です。
このスケールにやられ、ただただ黙って見入ってしまいました。
これは涅槃仏、つまり釈迦が入滅する様子を仏像としてあらわした仏のはずですので、死を描写しているのでしょうが…目がはっきりと開いているのが印象的でした。

外へ出て…
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寺院の涅槃仏以外も見学。
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↑左の赤い服着てる人がガイドのジャリンさん。立っている塔は、それぞれ誰かの墓のようです。
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これは古くから残る、人体のツボ教室。
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最後にここの輝く仏も拝んで、ワット・ポーを後にしました。
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↑この下の写真のように、金箔が剥がれて皮むけみたいになっている仏も随所で目にしました。

さて、次はフェリーも使って移動して…
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見えてきたのは、"ワット・アルンラーチャワラーラーム(暁の寺)"(Temple of Dawn)です。通称ワット・アルン。
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そういえば船着場の近くで干物とか売ってたおばちゃんが、何とシド・ヴィシャス(Sid Vicious)のTシャツを着てたのですが…うん、こんな所にもパンクの精神があったという事でしょうか。
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さて暁の寺です。
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あの三島由紀夫の小説「暁の寺」の舞台ともなった寺ですので、三島愛読者の私(こう言っておけば他人から頭良さそうに思われる)には有難味も大きいですね。大好きな梶原一騎つのだじろうによる空手漫画「虹をよぶ拳」でも出てきたな~。
この階段は坂が急な上に不安定な感じで、怖いのですが…
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見事な造りに感動しつつ、見学。
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ここ暁の寺は、10バーツ硬貨にも描かれています。

さらにガイドさんに連れて行かれるまま、次は王宮と、その敷地内にある仏教寺院"ワット・プラケオ(エメラルド寺院)"(Temple of the Emerald Buddha)へ。
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そんでまた仏像や建物や人々を見て回り…
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日本だと古い物は古いまま残して有難がりますが、タイは金ぴか仏像のメッカ。
本当にどこに行っても修復を繰り返して新しく光りすぎの仏像ばかりで、目が眩しくなります。

ここ、本堂にはエメラルド仏が安置されていまして、
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その手前にある水を、この花使って悪い所にかけると良くなるというので、早速頭にかけてみました。
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これはテリー伊藤似の石像。
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王宮前で、そして兵士さん達と記念撮影。
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エメラルド寺院に別れを告げて…
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次は昼食のために"バンコクセンターホテル"(Bangkok Centre Hotel)に連れて行かれまして、ここでまたビュッフェ。
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…さて難関はこれから。
免税店みたいな所に連れて行かれたかと思うと、
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いきなり宝石ができるまでのビデオを見させられ、次に店舗へ案内されてジュエリーやみやげ物を買うよう、強くすすめられるのです。
私がこんな店で買う物あるわけないのですが、下手な日本語を話す店員が付きまとって追ってくる!
店員は下手とはいえ全員日本語を使えるようだし、場内アナウンスも日本語。
完全に日本人観光客目当てでやっているお店のようでした。

旅行会社のツアーってこんな所と癒着しているのですか…JTBさん!!
まぁお金も余裕がある年配の人達だったら、いろいろいらない物買っちゃうんだろうなぁ。

買わない人は追ってくる店員によって外に出され、他の人達が買物してる間を暑い所で待ちました。
で、もう解放して欲しかったのですが…何とさらに、次も高級なブランド品等を販売する免税店。
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日本で買うよりは安いのかもしれないけど、私はこうい店で買う物ありませんって!

ここは中にカフェもあったので、ビール飲んで時間潰ししてましたが…何で海外旅行の貴重な時間をこんな風に過ごさなきゃならないの…とほほ…
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ここで見つけた、タイ王室と各国の要人の集い写真。
我らが天皇陛下、皇后陛下もいい位置にいましたよ。
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タイ王室は古くから日本の天皇家との親交が深いのは有名な話。

ツアーってやっぱり辛い…なんて思って他の人達が買物している間をずっと待ち、ようやくこの日の観光案内は終わり。
一度ホテルに帰ってプールで汗を流し、それから繁華街の"サヤーム"(Siam)へ歩いて向かいました。
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中心地に日本の東急デパートがあり、
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その前のステージで歌うイケメンのアイドルグループが、何と日本語の歌を歌っていました!
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全く聞いた事無い上につまらない歌でしたが、完璧な日本語だったので、口パクかな?

それを見ているお客の中に、これも日本の秋葉原から発信されたのであろうメイドファッションのカワイ子ちゃんもいました!(うしろで立ってる2人)
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ここは"マーブンクロン・センター"(MBK)。
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普通にめちゃくちゃでかいショッピングセンターなのですが、それだけにタイならではの面白味とか異国情緒はありませんね。

入口にはやはり国王の肖像。
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伝統的に崇敬を払うよう教えられているのもあるでしょうけど、王室が本当に国民から高い人気を得ている事は、実際に行ってみるとよく分かります。
国民が王室を敬うのは強制的なものではないそうですし、現国王であるラーマ9世シリキット王妃は特に人気が高いのだとか。

次は電車に乗って、
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"パッポン・ナイト・バザール"という夜市に向かいました。
このコインみたいなのが、乗車券。
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パッポン・ナイト・バザール…ここへ来て、やっと東南アジア色を感じました。
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しかしSUPER PUSSYって…いかがわしい店もいっぱいあって面白いです。
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雑踏の中を手足の無い物乞いの方が、口で金入れる帽子をくわえて蠢いていたのは凄いインパクトでした…

変ないやげものとか、いろいろ買物して、それから屋台で30B(100円くらい)という安いラーメンを、汁有りと無しの二種類頼んで喰ってると、
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突然の凄い雨!スコールってやつですか。
当然ラーメンの中にもバシャバシャと雨が入ってきます。

急いで店をたたんで移動する屋台の群れ。
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私も急いで食べて避難した先は…外国まで来てマクドナルド(McDonald's)。
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↑タイ語ではこういう表記です。
ポテトと茶で時間潰して…
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なかなか雨が止まないので知らないサッカーチームの顔はめパネルで写真撮ったり。
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タイではロナルド・マクドナルド(Ronald McDonald)君も合掌しています。
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ようやく雨が止んできたら地下鉄に乗り、またホテル近くの前日と同じ屋台にて、あのカエルの兄さんに挨拶して…
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別のタイ料理2種と、またシンハの瓶ビール。
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それにしても屋台は安いです。

それから帰りましたが、まだ若干飲み足りないので、ホテルのバーにも行ってみました。
ここはずっと歌手が歌も歌っているような上品な場所なので、私もとびっきりのオシャレをして行きましたよ。
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はい、今夜はここまで。そしてタイ旅行はまだ続きます。


  1. 2008/06/15(日) 23:58:04|
  2. 旅行・紀行・街
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藤子不二雄(6) 「大長編ドラえもん VOL.1 のび太の恐竜」

前回で宣言した通り、藤子不二雄先生の「大長編ドラえもん」(小学館刊)シリーズを紹介していきます。
まずは当然、「大長編ドラえもん VOL.1 のび太の恐竜」
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これが"てんとう虫コミックス"で全24巻のうち記念すべき第1巻目で…と、言えれば良かったのですが、実はこれは「大長編ドラえもん VOL.4 のび太の海底鬼岩城」次いで発売された2巻目であり、シリーズ初期は『VOL.○○』の順番通りに発売されているわけではないのです。

その単行本発売の順番に関してのおかしさは子供の頃から何となく知っていたのですが、改めて単行本の発行日を確かめてみると…
VOL.4→VOL.1→VOL.2→VOL.5→VOL.3→VOL.6となっていて、VOL.7以降は毎年順番に出ていたようです。
まぁそれは単なるオタク知識でしかなくて、これから読んでいく読者には全く関係ありませんし、映画版合わせて付けてくれた『VOL.○○』に合わせて順番に進めて行きます。

ついでに触れると、この「大長編ドラえもん VOL.1 のび太の恐竜」だけは、当初短編作品として増刊少年サンデーに掲載されたものを、1979年からコロコロコミック誌上で大幅な加筆をして掲載して長編に仕上げたという経緯を持っています。
それを1980年に映画「大長編ドラえもん」シリーズの第1作目として公開、さらに1983年に改ページを加えて単行本になったと。

藤子不二雄先生は、これを『シリーズの中で最も愛着の深い作品』と語ってもいました。

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それでは、ジョイ・アダムソンの小説「野生のエルザ」をモチーフにした事で知られるこの作品のあらすじを追ってみると…

一億年前の白亜紀に天下を取っていた、ティラノサウルスの爪の化石を自慢する骨川スネ夫に対抗して、野比のび太
『ツメだけじゃなく、恐竜のまるごとの化石を発掘してみせる!!』
なんて、できもしない宣言をしてしまう事から始まります。

その後…偶然にも本当に、しかも簡単に首長竜の卵の化石を発掘したのび太が、"タイムふろしき"を使って化石を生きた卵の状態に戻し、自分の布団で暖めて孵化させるのです。
本当に孵化したそいつは首長竜の一種でフタバスズキリュウ。

のび太を実の親のように慕ってくる可愛いこの恐竜の赤ちゃんをピー助と名づけて育て、公園の池にはなして大きく成長するのですが…
ピー助の本当の幸せを願った優しいのび太は、"タイムマシン"で白亜紀の世界へ戻してやりました。

しかしピー助を狙う黒い男(後に"恐竜ハンター"と判明)のせいでタイムマシンの空間移動機能が故障していて、送った先が棲息地である日本近海ではなく、アメリカへ送っていた事が判明。
その地でいじめられてるピー助を連れ戻しに出かけると、今度こそタイムマシンの空間移動機能は完全に壊れてしまいました!

それでも時間移動機能は正常に動くため、一億年後に日本の、それものび太の机と重なる位置にタイムマシンを置かないと元の世界へ戻れなくなってしまい…
そこへ帰るためにのび太はドラえもんジャイアン、スネ夫、しずちゃんと共に冒険をするのです。

この白亜紀を、ドラえもんの秘密道具を使いながら仲間と何日もかけて移動し、時にプテラノゴン等の恐竜に襲われたりしながら冒険するのだから、子供心に羨ましく、そして想像してワクワクしたものでした。

ブロントサウルスなんか馬鹿でかい体なのにノウミソがたったの450グラムしかなく、草食で大人しいから皆が調子に乗って飛びついたりして遊ぶのですが、マヌケののび太までが
『ノウミソがたりないの? つまりウスラボンヤリのノロマか、そんなら安心だ』
なんて言ってるのだから、笑えます。

ジャイアンが見せる友情に感動するシーンをはさんで…
ピー助をつけ狙う未来から来た恐竜ハンター達&それを雇う24世紀メガロポリスの大富豪ドルマンスタンの騙し合い、そして直接対決。

危機一髪でしたが、最後はドラえもん達の勝利でピー助も元の住処へ戻って仲間を見つけ、五人も冒険が終わってにこやかに別れ、のび太はピー助を思いながら眠りにつく…
という話でした。

それににしても、日本人にはもはや一般教養である「ドラえもん」ですので、それぞれのキャラについてどういう性格とかの説明なんかはいらないのが楽です。
何度かしずちゃんのヌードシーンがあり、しっかり乳首まで見えています。
途中にはさむ細かいギャグシーンもいいし、しっかり楽しんだ後で完結してくれる、少年漫画の手本のような名作でした。
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↑これはこの単行本のカバー内側に載ってる藤子不二雄先生です。

それではまた少しずつ、少年達の心である「大長編ドラえもん」を紹介していきますね。


  1. 2008/06/14(土) 23:31:01|
  2. 藤子不二雄
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藤子不二雄(5) 「ドラえもん」

久々の藤子不二雄作品紹介ですが、このブログを始めた当初は藤子不二雄先生を次々紹介していくつもりで、カテゴリーとしても作っていたのに…ここの更新は1年ぶりです。

これは他にも紹介したい作品がたくさんある中、藤子不二雄先生はメジャーすぎるが故に、私が急いでやらなくてもいいだろうと判断したからだと思いますが…しかしそろそろいきます。

藤子不二雄というのは2人のコンビ名で、コンビ解消後は藤子・F・不二雄先生と藤子不二雄Ⓐ先生に別れているのはご存知でしょうが、まだ藤子不二雄Ⓐ作品しか紹介していなかった当ブログですので、今回からは藤子・F・不二雄作品です。
(藤子・F・不二雄展に行ったり墓参りしたり、他にもトキワ荘関連やらで、過去に何度も名前は出てますが)

藤子・F・不二雄先生の方だけでも「パーマン」「キテレツ大百科」「21エモン」「ウメ星デンカ」「エスパー魔美」「モジャ公」「T・Pぼん」「チンプイ」
有名タイトルはたくさんあり、しかも無名作品の中に名作が隠れていたりするから、どれにするか選ぶのが大変ですね。
そんな中、藤子・F・不二雄作品の中でも…というより日本の漫画史上においてもトップ3には入るはずの超有名作品「ドラえもん」でいきましょう。
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「ドラえもん」
ダメ小学生の野比のび太が、22世紀からやってきた猫型ロボットドラえもんに"ひみつ道具"を渡されて一時的に解決する(後にしっぺ返しをくらう)という日常生活を描いた作品で、1969年より連載開始した藤子・F・不二雄先生のライフワーク。

毎回のび太をいじめるのはガキ大将のジャイアン(剛田武)と、その取り巻きでイヤミなお金持ちの骨川スネ夫。ヒロインにしずちゃん(源静香)がいて、あとはのび太のクラスメイトで秀才の出木杉英才、ドラえもんより高性能の妹ロボットドラミあたりが主要キャラクターでしょうか。

テレビアニメも大ヒットし、劇場用アニメーション映画が作られることになった時に、その原作とするために「大長編ドラえもん」が描かれたのですが、この大長編の単行本は全24巻(通常の短編「ドラえもん」は全45巻)。
この「大長編ドラえもん」の方を、大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)では紹介していきましょう。
通常版の方は毎回1話完結の短編が続くのでね…ひみつ道具を一つ一つ解説みたいになると物凄い時間がかかる上に、確かその手の解説本なんかは既に多数出てましたから。

私も幼少時代から感動していた大長編は、当然短編に比べて情報量を多く描けるので物語の規模も大きく、本当にワクワクしていたものです。
こちらではのび太が弱いなりに勇気を持って大活躍するし、ジャイアンもいい奴になって友情を見せてくれるのです。
そんなわけで、今後「大長編ドラえもん」を少しずつ紹介していきます。

  1. 2008/06/13(金) 23:40:20|
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追悼・水野晴郎閣下、そして韮澤靖先生との遭遇

先日、6月10日…映画評論家、そして映画監督として「シベリア超特急」(シベ超)シリーズを作り続けてきた水野晴郎(マイク水野)閣下が肝不全のため76歳で亡くなられた。

部屋でその報を聞いた私はただ、日本酒を買ってきて飲み、そして泣く事しかできなかった…
夕方になるとさすがに気を取り直し、シベ超シリーズを続けて一人部屋上映しました。あまりのツマラナさに、これらの映像ソフトを集めてしまっている私が情けなくなり、また泣いた。

思い起こせば昨年の正月に、東京九段下の科学技術館で行われた"SUPER FESTIVAL 41"(スーパーフェスティバル41)というイベントにゲストで来るというので、私とは畑違いのオタク用ビックイベントでしたが駆けつけたものでした。
(他に伊藤潤二先生のサイン会もあったからという理由はありますが)

「ココ」で報告もしていましたが、それで実際にお会いし、シベ超Tシャツにサインを貰ったわけです。
しかしあんな幼少の頃から知っていた水野晴郎閣下なのに、実際にお会いしたのはあの日が最初で最後になってしまったんだなぁ。
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確かにこの時点で、あまりに老けた印象があって…ただ『お元気で』と願うより他はなかったのですが、やっぱり病気も良くなかったのですね。当事も倒れたとかのニュースは聞いてましたし…
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(↑これはぼんちゃんこと西田和昭氏とのトークイベント写真です)

同行した友人もやはりシベ超ファンでしたので、同じくTシャツに水野晴郎閣下のサインを頂いていました。
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そして2人で会場前で記念撮影。
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そして気になる…人が本気でいるかは分かりませんが、シベ超シリーズは次の8作目が最終作だと言われていたのに、クランクインを目前にして水野晴郎閣下は体調を崩して入退院を繰り返していたのだとか。
台本はすでに出来上がっていたというので、ぼんちゃんが閣下の遺志を継いで完成させるそうです。
それが完成した暁には、劇場へ駆けつけなきゃなりませんね。
どれだけのカルト作品が出来上がるのか…

そして、映画人生一筋だった水野晴郎閣下が最後に観た作品は「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!」となったそうです。
これって、あの「ショーン・オブ・ザ・デッド」のスタッフが制作したバカ映画ですよ!水野閣下らしいといえば確かにそうですが…

さらに最後まで笑わせてくれた(で、いいんですよね?)事実として、水野晴郎閣下がシベ超シリーズで演じていた山下奉文
大東亜戦争当時に陸軍大将だった実在の人物なのですが、ぼんちゃんらすらも知らないうちに本名をもいつの間にか山下奉文と一字違いの山下奉大に改名していたのだそうです!
(それ以前の本名は水野和夫)

---------------
もう涙は枯れ果てた私は、その夜は珍しく人恋しくなったのか、急遽友達にも声をかけて阿佐ヶ谷の街に繰り出し、さらに酒を飲みました。もう、朝まで。

はしご酒も数軒目になだれ込み、おなじみの"JANB JAMB"にて追悼飲みを続けていたら…
おおっ!!あの造型師、キャラクターデザイナー、イラストレーターとして高名な韮澤靖先生が来店しましたよ!!
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突如"世界のNIRASAWA"が現れた驚きもありますが、そういえばこの店では以前にも数回韮澤靖先生とお会いした事がありまして、でも思い起こしてみたらそれも随分前…
そうだ!確かに水野晴郎閣下に会いに行った上記のイベント直前であり、しかもそのイベントの宣伝チラシは韮澤靖先生が書いていた!
何かスピリチュアルな物を感じる因縁であります。

そこでたまたま持ち歩いていた…というのは嘘ですが、家が近いのですぐに取りに戻って持ってきたのが、アメリカン・コミックス風でサイバーパンク的な絵柄で描かれている漫画作品「PHANTOM CORE」(ホビージャパン刊)。
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これにサインをいただいた!
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サービス精神旺盛な韮澤靖先生は、↑のように本に二箇所…

そしてさらに、たまたま持ってた私のノートにも描いてくれました!!
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(本当は色紙を買いに走りたかったのですが、夜中では手に入らず残念…)

ノートの上の方の絵は、オタクとしても大先輩である私の友人がリクエストした「Aランクサンダー」の主人公。
私は知らなかったのですが、相当古いセガの「仮面ライダー」オマージュのゲームなんだそうです。昔のマイナーな仕事なのに記憶を頼りに描かれているその姿に感動した友人は…
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このように親愛の情を表現しておりました。

ぼちも韮澤先生と撮って~と頼んでみたら…
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先生もお店のお姉さんに!!
ところで私、"韮澤靖Tシャツ"も持ってたのに…この日は「タイガーマスク」「うる星やつら」のコラボレーションTシャツなど着てて、失敗!

しかし同じ新潟県出身であり、私も昨年末に韮澤靖先生の故郷である旧・栃尾市を訪れたとかって話をしてたら、急に新潟弁で話してくれましたよ。
ロバート・ロドリゲス監督だとか、マリリン・マンソンすらも韮沢先生の仕事に対する多大な尊敬を表明する(実際に来日した時は阿佐ヶ谷まで会いに来たりした)ほどの凄い方が、新潟弁を使うとは!
そうだ韮沢靖デザインによるフィギュアは多々持っていますが、ここで一つ紹介したいのはマリリン・マンソンのアクションフイギュア。フューチャーモデルズから販売されたこれらはデザイン・韮沢靖、原型・斎藤義浩の傑作。これは「メカニカル・アニマルズ」(Mechanical Animals)期、
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「ホーリー・ウッド」(Holy Wood)期、
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「ディスポーザブル・ティーンズ」(Disposable Teens)期。
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さらに驚きは続き、店内に偶然にも平成の漫画版「ルパン三世」の先駆け的な作品、「ルパン三世(Shusay版)」(高口里純脚本、モンキー・パンチ監修)で作画を勤めたShusay先生がいたとかで、同じノートにルパンを描いてくれました!
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何でこうなってるのかよく覚えてませんが、最後は店の外で記念撮影みたいになっていたようで…
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こういう写真が私のカメラの中に残されていました。

---------------
今夜は水野晴郎閣下…いや、山下奉大様のご冥福を祈って眠りにつきます。

そして皆様、ありがとうございました!!
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  1. 2008/06/12(木) 23:19:36|
  2. 映画、音楽、将棋、等
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劇画(39) 望月峯太郎 5 「ドラゴンヘッド」 5

望月峯太郎先生の「ドラゴンヘッド」(講談社刊)も今夜で最後です。
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瀬戸アコ仁村の2人と別れてしまった青木テルでしたが、ついに廃墟と化した東京へ辿り着き…
しかし他の生物はいないのに、満身創痍のその身を狙うカラスだけが大群で生き残っているのが怖い。

テルは地下鉄の中から聞こえる人間の声に導かれて降りていきます。
するとその声はラジオを使って呼びかける誰かの声だと分かり、そのラジオは意図的に間隔をあけて設置してあり、声はもっと奥へ奥へと進むように指示しています。
途中で東京都心部の地下に出来ている溶岩流というシュールな光景を見つつ、奥へと進んで行くと…電気です!!
闇を明るく照らす、あの文明の利器がまだ生きているうえに災害からもまぬがれている空間があり、そこの立入禁止区間にはしっかり災害救援用の食べ物も残っていました!

東京の地下何十メートルに位置するそこは、東京に何かあった時のための災害救援品の貯蔵庫でした。
どうやら国会議事堂のセンセイ達が優先的に非難して生き残るための特別措置として作られていた場所のようですが…
そこで久々に会った人間2人は、アコが以前会ったあの菊地と同じ"傷頭"、それはタイトルに関わるドラゴンヘッドの男達。
そして食べ物の中に含まれる"成分"によって眩暈がして倒れたテルが次に気付くと…

"地下の王国"を名乗る、その主のような坊主眼鏡の男。
彼や傷頭がいろんな事をごちゃごちゃと、医学の象徴であり二匹の蛇が巻きついた形しているカドゥケスという杖がドラゴンの事で…とかタイトルの秘密にまつわる事も語るのですが、私の頭ではよく分からない難解な話になりそうなのでこれはスルー。
ただ既に「ドラゴンヘッド」読者はご存知の通り傷頭には不安や恐怖という感情が無い。
そういった感情から逃げるために手術したわけでもあるのですが、それに麻痺した"恐怖中毒者"達は逆にそのなくした感覚を欲するようになり、自分の体を傷付けるようになる…
災害救援品の中に含まれる"成分"というのは、脆い大衆が恐怖で無秩序状態に陥る事の無いように精神的な安定を与える(ラリるわけですが)、素晴らしいものでした。

次々いろんな奴らが出てきますが、全身をある物で…後で分かるので書いてしまうと奪った放射性物質で青白く塗りたくった、どこかの民族のような風貌の男達もインパクトがあります。
それから目にする地下施設の奥にいるたくさんの恐怖中毒者になった人間達。
どんな理由があれ"恐怖"を感じない種は滅びる以外なく、脳を持つ全ての生き物にとって"恐怖"は最も根源的な感情なのです。

テルはアコの存在だけを信じて、ある意味では安らぎのあるこの地下施設から出て…
かつて自分の住んでいたマンションに向かい、目の当たりにする家族全滅の光景。
しかし!!
アコがテルに向けて残したメッセージを発見して学校へ向かい、ついに再会して抱き合う感動シーン…
それを邪魔し、銃で脅して『女は俺がもらう』なんて今まで一緒にいたのに犯しもせずに今更言う仁村。

クライマックスとも言えるここらへんでのやり取り、問答は、作者の思想や作品の意義なんかを問う重要シーンなのかもしれません。
『"死に対して鈍感"ってことは裏を返せば"生に対して"ってことだッ』
とかそういう話が、"恐怖を感じる器官を切除"したドラゴンヘッドの奴らとか絡めて重要になってきます。
作品の"テーマ"がどうとかいう話になれば絶対に人間の恐怖の根源の話になるのでしょうけど…実は、これをヤングマガジンで読んでた当事の私は単純に『言ってる事が古い』と思ってしまいました。
それは私が学生時代に愛読していた、あの骨法の堀辺正史師範が書いた「ザ・喧嘩学」山本常朝「葉隠れ」について、そしてそこから"死狂い"精神について触れた後で、
『ぬるま湯的な時代にあって"生"を実感させるものとして彼が提出したのが"死狂い"だったのである。死の意識を強く持ってこそ、生というものが光り輝くのだと常朝は説く。』
『人間は死に直面した時、初めてもう一度、自分自身を見直す生きものだ。人生を漫然と生きている人は、死についても鈍感である。こういう人たちは"命がけ"の精神が理解できないかもしれない。』

等と書いていたからでしょうか。
とにかく私には既に馴染みがある考え方を、ここで繰り返していたので…復習する感覚でしたね。

全滅して死体を吊るされていた海外の偵察隊。
次に来た部隊もあの"地下の王国"主の坊主眼鏡に言われる事は、
『我々が・・・・何者か・・・・お前らはそれを知っているんじゃないか・・・・?
お前らが・・・・・・想像しているとおりだよ・・・・・・・・
お前たちが我々をテロリストと思う限り・・・・我われはテロリストなんだよ・・・・
勝手に想像し恐れるがいいッ "恐怖"は万人に平等に与えられるものだ
我々だけでなく・・・・・・・・お前たちにも・・・・すべての人間に・・・・・・』

で、そしてその後で続く"人間のイメージ"、"人間の頭の中にある恐ろしい力"に関する説明セリフも読めば、まさに作品テーマがつかめてきます。

人間の頭の想像力は、こんな中でも未来を、新世界を想像する事ができるはずだと希望を残しつつ、やっぱり作品中では復興は描かれずに、むしろ終末を示唆する数枚の全ベタページで終わります。
アコの最後のセリフは
『でも・・この世が終わりだったとしても・・・・独りじゃなくてよかった・・・・テル君といれて・・
この世の終わりに独りはイヤよ』

ですからね。
消えてしまった富士山が東京に出現し、そこから見える噴火が龍頭(ドラゴンヘッド)に見えて…




あ、最初は一体何が原因だったのかという、そして結局分からずじまいの"異変の正体"というものですが、それは望月峯太郎先生にとって、いや読者すら読んでるうちにどうでも良い事になるのですね。
これだけ読者に優しくないメジャー作品も珍しいくらいの突き放すラストだし、伏線とか上手く使えてない所もある。
ただ進むペースも遅すぎて腹立たしく思えた雑誌掲載時より、改めて単行本で読んでみるとこの"大人向け"漫画を理解した気になれると思います。


すべては人間のイメージによってつくられる・・・・・・この世界もだ
人間の頭に潜む破壊的な想像・・・・・・イメージ上の怪物・・・内なる幽霊・・・・・・無意識がつくり出す恐怖の世界
それらの意識の集約こそが「究極の恐怖」なのだ
人間は頭の中に恐ろしい力を持っている・・・・・・
それは この世の中の恐ろしさより もっと恐ろしい・・・・・・
・・・・・・そういう人間の頭こそが本当に怖いのだ



  1. 2008/06/11(水) 23:56:05|
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劇画(38) 望月峯太郎 4 「ドラゴンヘッド」 4

望月峯太郎先生の「ドラゴンヘッド」(講談社刊)続きです。
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暴徒と戦い続ける瀬戸アコと元自衛官の仁村、ヘリで向かう岩田ですが…
黒雲がすごい早さで広がり、町を覆っていきます。

何とか暴徒を倒して、ついには逃げ切ったアコ達ですが…仁村が、
『あいつらみてえな連中にゃ この黒雲の闇の中の方が相応しいんじゃねえか・・・・?
テメエらの醜さを隠そうとして他人の命を奪ってきた連中だからな・・・・
この世には闇が必要なヤツらもいるのさッ!そいつらにとって光は邪魔なだけなんだよ・・・・
闇は・・・・・・・・光のもとじゃ隠しきれない自分たちの醜さを隠してくれるんだろうぜ・・・・』
なんて、上手い事言ってます。
そして傷頭の菊地は…何とまだ生きていて、飛び立った病院の屋上で炎にくるまれながらも蠢いているのでした。

そして、主人公だったはずなのに単行本2冊分丸々使って寝ていた青木テルも、ワクチンで目を覚ましました。
そして温泉に行くと、既にアコが入っていて、当然ながらオールヌード。
前にあった、おばさんとアコが温泉に入っているシーンでは体にタオル巻いていたのですが、これは読者サービスでしょうかね。

この主人公2人、テルとアコはお互いを大事に思っているのは確かですが、男女関係はほとんど描かれないのですが…初めてゆったりとして話合い、2人で一緒に東京へ帰る事を誓います。
ひどい土地ですが、それでも皆が眠る地を離れる気はないというおばさんを残し、またヘリで発つテル、アコ、仁村、岩田。

まずは物凄い黒雲を抜けなくてはならないのですが、あの最初のトンネルの暗闇を思わせる、
『時間の感覚も 自分の居場所も 自分自身の存在さえもが 何なら何まで吸いとられていくような気』
がする場所で…四人は地獄絵図を目の当たりにします。
ようやく見えた大地が、溶岩の噴き出して燃えているのです!
テル曰く、まるで地獄、まるで地の果て、この世の・・・・終わり・・・・

どっちが上か下かも分からない暗黒の中を飛びながら、また仁村が言うには、
『人間なんてのは自分の目以外頼るもんがなかったら
隣の家や部屋で何が起きたかって程度のことさえ わからねえような存在なんだぜッ
本来 俺たちにゃテレビとかに頼らずに数万キロも離れた先での出来事を知るなんてこたあ不可能なんだッ
テレビとか新聞やパソコンなんかが発達した情報化社会ってヤツじゃあそんなことは忘れちまうがよッ
しかもその情報ってヤツはイチイチ疑ってたらキリがねえから・・・・真実かどうかなんて関係なく鵜呑みにする以外ねえんだ
俺たちゃものごとを本当に判断するにはあまりにも小せえ存在なんだよッ
無力なんだよ』

だそうです。うーん、その通り。

それから自分の目でこの闇の中で何が起こっているのか、この恐ろしい出来事の正体を見たいと飛び…途方もない大きさの、ブラックホールのようになった暗黒の巨大な穴を見る。
しかもそれは、どうやら富士山のあった位置にあるようで、とにかく"終末"を見ている感じがしますね。

暗闇から逃れて。無人の大型ショッピングセンター屋上に着陸した四人は、ほんの少しの休息。
『こうなっちゃ・・・・・・・・・・金も宝石も金持ちも貧乏人もなーーんにも関係ねえな・・・・・・』
とか言いながら話なんかしてたら、また大地震に襲われ、今度は富士山とは逆の位置、東京の方で巨大な火柱が上がります。
急いでヘリで飛び立ち、降りて洪水や竜巻に襲われて…ここへきて、またテルがはぐれてしまいました!!

もうちょっとで東京という位置まで行ってたのに、激流でまた遠くへ流されてしまったテル。
上がったままの火柱はこの世の終焉を伝える"のろし"のようだと感じます。
やっと辿り着いた、アコ達とはぐれる前にいたショッピングセンターはメチャクチャに崩れていて、近くにはあのヘリの残骸、そして…岩田の墓を発見します。

しかしアコは、テルが生きている事を信じて目印や飲み物を残してくれています。
気力を振り絞って後を追うテル。もうボロボロの状態ですが、もっと死にかけの怪我をした男と出会い、そしてそいつは本当にすぐ、東京に関して謎を残す言葉を発して死んで。

そしてついに…海や灰に沈んで人の気配はありませんが、東京に帰ってきました!
地獄のような土地を一人で歩き、人がいない不安、暗い終末感は見事に表現されたものですね。

そんな所でまた次回に続き、次でこの「ドラゴンヘッド」紹介も最後にします。


だけど僕は気付くことができた
あの闇も この闇も 本当に怖いものはこんなものなんかじゃない
怖いからって・・・・恐ろしいからって その中に何があるのか見きわめようとしない自分の心こそが
あの闇なんかよりずっとずっと恐ろしいんだッ!!



  1. 2008/06/10(火) 23:51:49|
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劇画(37) 望月峯太郎 3 「ドラゴンヘッド」 3

今夜も望月峯太郎先生の「ドラゴンヘッド」(講談社刊)。
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何とか生き残っている青木テル瀬戸アコは、元自衛官の仁村岩田とヘリで飛んでいます。
テルは仁村にやられた傷が原因で昏睡状態ですが…

まだこの天変地異の原因はまるで分かってませんが、「何か」が原因で超巨大地震が起こった事は確か。
いろんな災害から逃げながら、とある陸地に着陸すると、そこでまた人間と出会います。
今度はたった一人で生きている、元小学校の国語の教師だった親切なおばさん。

おばさんはテルの手当てをしてくれますが、破傷風の薬(トキソイドというワクチン)がなくてはあと5日間くらいしかもたないと言われ、アコがその薬を取りに、ヘリの燃料が欲しい仁村を連れて伊豆の町へ向かいます。
しかし伊豆は、大地震の時(三週間前)におばさんが見た時点で、生き残った人々が暴徒と化し無法地帯となっていた…今はどうなっているか分からないというのだから危険です。

山道を進むうち、次に会った人間は頭にでかい、脳をいじったかのような傷がある男、菊地
そいつは自分の頭を指さして『りゅう・・・・りゅうず・・・・』とつぶやくのですが…
りゅうず、つまり龍頭(ドラゴンヘッド)。作品タイトルの秘密もここにありそうなのですが、この頭に傷を残した手術で脳から扁桃体と海馬を取り除いた結果、恐怖という感情をなくしたようです!

それから暴徒と化した伊豆の人々に問答無用で襲われるのですが…
警官までが銃を撃って襲ってくる、この恐怖で引き出された人間達の本性は恐ろしい。
集団狂気に陥った奴らに菊地の連れの男は殺され、アコと仁村は捕まり、街に放されたのです。

そこで、市民ホールに人を集めて閉じ込めて焼き殺した跡を見ます。
住人達は海水が上がって本土から切り離され、孤島になった伊豆の町と共に滅ぶ事を選び、反対した『己を裁けない彼等』を全員殺しているのだから、恐ろしい。

町は既に誰も出られないように閉鎖されていて、アコと仁村と菊地も道連れに殺されかけるのですが、
『生きることに絶望して人殺しになるようなアイツらの思惑どおりに死にたいのッ!?冗談じゃないッ!!』
とアコは強く立ち向かい、必死の逃走劇でついに病院まで辿り着いてワクチンを入手しますが、そこでまた住人達と殺し合いの凄い攻防…

ここらへんは望月峯太郎先生はアクション物描いても上手いと思いつつ、ハラハラしながら読んでしまいますが、一方のヘリ操者、岩田もヘリ修理を終えて町に迎えに来ますが、暴徒に襲われて『な・・なんてこった畜生・・・これ・・・でも・・・・・・人間の姿かよッ!?』とロケット砲を撃ちこむ。
いつの間にかはぐれて暴徒に滅多打ちにされた菊地は、明らかに死ぬはずの打撃を受けながらも蠢き、笑う化物になっていて…

続きはまた次回です。


おばさん・・・・・・考えたわ・・・・・・あなたたちを苦しめてきた・・・・「怪物」というものの正体のこと・・・
"闇に棲む恐ろしい怪物"って・・・・・・なんなのか・・・・・・・・・
・・・・人は怪物を・・・・不運とか不幸とかいってるんじゃないかしら・・・・
「運命」・・・・という「怪物」のことよ・・・・
そして・・・・・・前にも言ったけど それとは別の怪物や闇が人間の心にも眠っているわ・・・・
それを・・・・目覚めさせるのは「恐怖」だわ・・・・・・
だけど・・・・おばさん・・・思うの・・・・
目を覆うほどに惨劇の度を深めていく今のこの世の中や・・・・
まるで・・・・・・発狂していくかのような現実の中で
人の心にさえ宿る闇や・・・・怪物を退けられる唯一のものは・・・・・・・・・・・・
辛いようだけどやっぱりおばさんは・・・・・・・それと同じ"心"の中にしか生まれないと思うのよ・・・・・・
闇や怪物やこんな・・・狂ってしまった世の中を恐れているだけじゃなくて・・・・
そういうものに闘いを挑むことのできる心だけが人を前に進ませられるんだとおばさんは思うのよ・・・・・・
だから・・・・聞こえる?
がんばって・・・・がんばって生きなさいッ!!


  1. 2008/06/09(月) 23:08:11|
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劇画(36) 望月峯太郎 2 「ドラゴンヘッド」 2

望月峯太郎先生の「ドラゴンヘッド」(講談社刊)の続きです。
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前回(2巻まで)ではっきり分からなかったトンネル脱出劇の結果ですが、やはりあそこが崩れるとほぼ同時に青木テル瀬戸アコの二人は逃げ切り、狂気に身を任せた高橋ノブオは"闇の主"に導かれて暗黒の闇の中に埋もれてしまったようです。

テルとアコも単純に地上へ脱出できたわけではなく、あの両側ふさがっているトンネルからは出れたのですが、また別の地下道をさまよい続ける事になり、体力の限界なのに言い争ったりしてますが…
ついに地上への出口を見つけました!!

しかし、やっといつもの日常に戻れて…家族に祝福されて…なんて事にはなりませんでした。
出た先はどこかの廃墟。ずっとどうなってるか分からなかった地上も壊滅的な被害を受けていた事が分かります。
見つけたテレビを付ければ"緊急放送"の静止画面だし、スモッグで太陽が隠れて昼でも暗く、塵が降っているのですが…
人影を見つけて追いかけ、ついに四人の少年少女達に出会いました。他に人は誰もいないようです。

この四人もノブオの戯言みたいな事を言っていて、怖がり、何か宗教の儀式みたいな事を始めて自らカッターで腹を切る奴もいたりで…結局別れて別々に東京へ向かうテルとアコ。

次々襲いくる試練は続き、強大な泥流からも助かった二人でしたが、やっと着いた町もまた廃墟。壊滅状態です。
静かすぎて耳が痛いゴーストタウンには明かりも無く、文明は残っていないのですが、ここで自衛隊のヘリ、そしてそれに乗る仲間四人と出会いました!

しかし彼らは自衛隊員だったのに、ヘリや武器を奪って隊から逃げてきたような人間のクズ。
当然助けてくれるわけもなく、逆にテルは無意味な暴力で死にかけ、アコも犯されかけ…こういう連中を相手にするなら、ノブオが生き残ってくれてたら良かったと思いますね。

それから町中が火の海になり、炎の竜巻(火災疾風)にも襲われて、元自衛官も二人死んでしまいますが、悪運の強いテルとアコは今回も助かり、生き残りの元自衛官でリーダー格の仁村、ヘリ操者の岩田と共にヘリで火災から逃げていきます…

ちなみに元自衛官の仁村ですが、CDでCurrent 93「Dogs Blood Rising」を聴き、私も大好きなSF小説の金字塔であり、ハヤカワSF文庫シオドア・スタージョン「人間以上」を読んでるんですよ。
この二つは望月先生の思う終末に似合う、そして現実逃避できるアイテムなのでしょうか。

連載開始当初は凄い人気だった「ドラゴンヘッド」ですが、本当に皆がドキドキして次を楽しみにしてたのは序盤でしかないトンネル内、つまり2巻までなんですよね。
今回紹介した所も、まだ全10巻のうちやっと4巻までなのですが、この辺りで周りの熱が次々冷めていったのを覚えています。
確かに最初の、閉鎖空間を上手く使った盛り上がりが凄かっただけに、地上に出ちゃうとちょっと…というのも分かるのですが、私は途中で止めたりする事はほとんど無いので、ずっと読み続けました。
そして今でも、これから紹介する後半の展開も、そんなに方々で叩かれるほど酷いものではないと思ってますよ…
とにかく、また次回に続きます。


いろいろな・・・信仰や宗教は学校で習ったけど・・・・
そんなのとは・・・・・・・・違うんだ・・・・
僕が・・・・あのトンネルや暗闇の中で会った存在は

僕は・・・・「そいつ」が怖くてたまらないんだ・・・!
だから・・・・自分に言い聞かせてたんだ・・・・
誰だってこんな世の中に放り出されたら 怖くて当たり前だって・・・・・・

・・・・でも いくら忘れてしまおうとしても・・・
怖いから逆に「そいつ」のこと しょっちゅう考えてしまうんだ・・・・・・
そのうち・・・・時には・・・・ボクにも・・・・
魅かれることだって・・・・僕が今・・・思うのは・・・
世の中・・・・いつも僕らの勝ちで解決することばかりじゃないってことなんだ・・・・・・
時には世の中の方が・・・・闇が・・・・人を負かすことだって・・・・・・



  1. 2008/06/08(日) 23:59:43|
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劇画(35) 望月峯太郎 1 「ドラゴンヘッド」 1

今回は望月峯太郎先生の名作「ドラゴンヘッド」

望月先生は超売れっ子漫画家なので詳しく説明しなくていいかとも思うのですが、軽く触れておくと…1964年生まれの神奈川県横浜市出身です。
1985年にヤングマガジン(講談社刊)でデビューして、同年すぐにあの「バタアシ金魚」の連載が始まります。
近年の作品と違ってギャグっぽい絵ではありましたが、最初から上手かったですよね。

その「バタアシ金魚」でいきなり映画化されるほどのヒットになりましたが、 続編の「お茶の間」、他の「バイクメ〜ン」「鮫肌男と桃尻女」「座敷女」 「ずっと先のお話」「万祝」
出す単行本の全部がヒット作ではないでしょうか。

今回紹介する「ドラゴンヘッド」は、やはり週刊ヤングマガジンで連載されて講談社漫画賞も受賞した名作ですが、この連載初期をヤンマガで追ってた時の緊張感は、今でも覚えてます。
連載は1994年から2000年まで続き、単行本は全10巻。
MOCHIZUKI-dragonhead1-2.jpg
映画化もされました(こちらはひどい出来でしたが)。

話を追ってみましょう。

主人公の青木テルの高校が修学旅行帰りの新幹線に乗っていると、トンネル通過中というタイミングで何やら原因不明の災害が起こり(テルはにトンネル入る前に黒雲と火柱が上がるのを見ています)、生き埋めになります。
失神から目覚めれば周りは教師や同級生らの死体の山…

見つけたライターとマグライトの灯だけの恐怖の中で、他に見つかった生き残りは、眠り続けている瀬戸アコ、そして高橋ノブオのみ。
(アコは登場以降ずっとカタカナ表記ですが、事故前に漢字で呼ばれてる場面があるので、本名は憧子だと思います)
で、そこから繰り広げられる人間ドラマを交えたサバイバル物、パニック物の終末漫画です。

パニック物は漫画でも映画でも、童貞精神を持ち続けているおたく(以下D.T.)が好きなもので(デートに使えないし、恋愛シーンが少ないからか)、だからなのか今でも私は愛し続けているのですが、この主人公・青木テルはどちらかというとモテ側ですね。
それが証拠に、災害前の記憶シーンでは自宅のTVでサッカー中継を見ていますから。
モテないオタクグループはスポーツなんて見ません!しかも最もポピュラーなサッカーなんて…

しかしですよ、やっと出会えた生き残りの男子生徒であるノブオは、まさに正しい童貞。
目を合わせず自信なげに話すいじめられっ子で、そしてこいつこそが「ドラゴンヘッド」全編通しても一番と言える、いいキャラなんですよ。
アコはついに目覚めてみたらいきなり生理で、こんな時に女子は大変だと思わせます。もちろん可愛い子でして、これがブスだったら絵にならない所だったので、安心ですね。

トンネルの出口は両方とも埋まっているという、恐怖の閉鎖空間による不安な雰囲気を上手く描写して緊張感は続きます。
そのうちにノブオが正気を失っていき(いや目覚めたのか)、化粧品で全身をバトルメイク!これが狂気を表す衝撃シーンなのですが、この全身化粧はウィリアム・ゴールディング原作で同様に少年たちの残虐性を描いた映画「蠅の王」からの影響じゃないかな。恐らくはピーター・ブルック監督のイギリス版(モノクロ作品の方)か?いや普通にコッポラの「地獄の黙示録」かな…
ノブオは生徒に恐れられてた生活指導の教師・ミニラの死体を『まるで唯一絶対の権威や力を象徴するように』座らせていて・・・さらにはアコを襲います。
アコは眠くなると病的に耐えられなくなり、ストンと眠りに落ちてしまうという持病があるのですが、正に頭が変なノブオに追い詰められている時に寝てしまい、ノブオにいいように体を触られます。
しかしノブオは初めて触るピチピチの女体が目の前で寝ているというのに、しかも服を脱がせてアコの全身にもメイクするのに、最後のパンツだけは脱がさずに自慰でイってしまいました。
ノブオが童貞で良かった…とにかくアコの純潔は守られました。

トンネル内はさらに異変が起こり、ノブオがアコを殺してしまうその時!
今度は助けに入ったテルとノブオの殺し合いが始まり、アコは助けられなきゃ正気を失ったノブオに殺されてたかもしれないってのに、
『みんなどうしようもなくバカだわッ! バカどもだわッ!!』なんて思う。

山を掘ったトンネルとか地下鉄は普通の建物より頑丈にできているそうなのですが、異変はさらに酷くなり、もうこれ以上持ちこたえられなくなって…
テルとアコはギリギリ見つけていた通気口から脱出し、最後まで邪魔していたノブオは、トンネルの暗黒の中に存在する"闇の主"なる怪物(人間の脳が作り出した者だと思います)と共に、闇の中に埋もれて消えてしまいました…


僕だって最初怖かった・・・・でも僕はわかるー
ぼ・・・僕はイジメられてたからわかるんだ・・・・・
怖いものは やっつけるか友達になるしかないんだ
友達になるんだ この闇と・・・・




  1. 2008/06/07(土) 23:20:04|
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ひぐらしのなく頃に

こんばんは。

実は私、一年くらい前からずーっと、サウンドノベル(ビジュアルノベル)の「ひぐらしのなく頃に」をやって(読んで)います。

パソコンでクリックしながら読み進める形式で、こういうのをやるのは初めてなんですけど、漫画でもアニメーションでもなくこれの特性を生かした楽しみ方になっていて、面白いです。ストーリーもいいんです。

しかしこれは長くて長くて、仕事と遊びとブログと…そういった事の合間に、睡眠時間を削りつつ寝る前の時間を利用して一日一、二時間とか進めてるのですが、まだまだ終わりません。
忙しい時期は半月とか、手を付けずにいたりもしてますけどね。

「ひぐらしのなく頃に」
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これには
・鬼隠し編
・綿流し編
・祟殺し編
・暇潰し編
がありました。


「ひぐらしのなく頃に解」
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これには
・目明し編
・罪滅し編
・皆殺し編
・祭囃し編
がありまして、やっと私はこれが終わりそう…なのかな?かな?という所。一枚が本当に長~いわけですよ。


「ひぐらしのなく頃に礼」
higurashi3.jpg
ってのもあるのに全く手を付けていないのだから…
一体いつになったら終わるというのか!!

でもそれだけ長時間楽しめるって事ですね。

これを原作としてドラマCD、漫画、アニメ、小説、実写映画まで派生しているから、全て制覇の道は遠い・・・

  1. 2008/06/06(金) 06:06:06|
  2. 古本 番外編
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旅行・紀行・街(23) 東京都杉並区高円寺 2

今夜は久々に東京都杉並区高円寺紹介です。

以前「ここ」で高円寺特集をしてから、既に半年以上が経っていますのでね。
いや、紹介とか書いちゃうと語弊があるかもしれません。
飲食店を中心にとかテーマ決めていい店の紹介はしたいのですが、商店街が多くて、その分店数も多すぎる高円寺ですので、私一人ではとても手と金が足りませんので…
ガイド的な意味ではなく、ただ単に個人的なお気に入りのお店、最近行ったお店を個人的に記録残してるだけです。

さっそく、高円寺純情商店街前で記念撮影。
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漫画ブログを書いている私ですので、前回はさいとう・たかを先生のリイド社があるとか、 みうらじゅん先生の「アイデン&ティティ」の舞台で映画版の撮影もされた、等と書いておきながら高円寺にある重要な漫画スポットについて触れるのを忘れていました。

麻雀漫画の第一人者、「ぎゅわんぶらあ自己中心派」片山まさゆき先生が経営する雀荘"ミスチョイスQ"が高円寺駅前にあります!
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(これより前から、吉祥寺駅前に雀荘"ミスチョイスR"があります)

前回の高円寺紹介を読み直してみたら、ルック商店街"アニマル洋子"を大々的に宣伝してましたね。
ここはあいかわらず良く行ってますよ。
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近くには姉妹店と言える"朝日屋洋品店"があります。
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店員に友達もいるものの、高円寺店はレディースしかないので、私は入りにくいですが…人気店です。

それにしても相変わらず古着屋の多い街です。
適当にマイナーな細かい通りに入っても、まずそこに古着屋があります。
そういえば私も学生時代、上京すると高円寺の古着屋を目指していたものですが…
現在は歩いて行ける距離にこれだけあるというのに、ほとんど入店する事はありません。

ライブハウスも多くて、たま~に行ったりします。
ここは"20000v"
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この日は揺る子宮を観に行きました。
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今では世界的な人気を誇るGALLHAMMERも、数年前まではよくここに出ていたので、通ってましたし…
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まぁここでは、本当にいろんなバンドを観てきましたよ。

最近では他に、"show boat"では人間椅子だとか、
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"PENGUIN HOUSE"で三上寛など。
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これは、レゲエ好きの妹が上京すると行くレコード屋"SMALL AXE"
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次は飲食店に移り、まずは庚申商店街"喫茶プログレ"
素晴らしいプログレ(progressive rock)を聴きながらワインとチーズクラッカーというのが私の定番。
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最近は店内で将棋が大流行なので、初めての方は予想外の光景を目にするかもしれません。

同じ庚申商店街では、渋い居酒屋の"かみや"とか、
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500円でンマーイ太麺の醤油豚骨ラーメンを食べられる"せい家"によく行きます。
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先日は初めて"ROCK BAR HEAVEN"って店にも行ってみました。
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チャージ無しで1杯500円と安いのですが、置いてる音楽は浅く広くの感があるのは残念。
メタル好きならもっと突出してはどうかと思いますが…高円寺でメタルバーが受けるわけもないからか。

ここは"写真BAR 白&黒"
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写真ギャラリーを兼ねたBARですね。
おおっと、敬愛する羽生生純先生が「回使」と題して作品を展示していました!
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そうだ、羽生生純先生も高円寺とは縁が深い方。
私は偶然にもミュージックパブの"一人旅"という店を通りがかったので写真に収め、koenji-hitoritabi1.jpg
関係者に確認した所やはり…そう、これこそが「ワガランナァー」のあいつが一人旅という名前を付けるきっかけになったお店でした。ちなみに、先生も入店経験は無いとか。

あと焼き鳥、焼きトンの"四文屋"も人気がありますね。
ガード下のここには昔からよく行ってましたが、
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大人になって野ざらしの店がきつくなり…
そしたらちょうど近年、大一市場の中にも店舗がオープンしたしたので、こちらにばかり行くようになりました。
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ここでは何と、向かい側にあるラーメン屋"らあめん平石"のラーメンを食べる事もできます!

来店したゆでたまご先生のサインも貼ってありますよ!!
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でもって次はどこに行きましょうか…
そうだ、高円寺駅方面から中通り商店街を、ピンサロ店の呼び込みを無視して進むとあるのが中華料理の"成都"
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私、ここには通いすぎです。
やっと暖かくなりましたが、今シーズン春が来るまでに火鍋しゃぶしゃぶを20回とか食べてますよ。
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食べ放題で激安…だったんだけど、何とシーズン中に途中で値上げしたのは少しショックでした。

まぁ他のつまみも安くて美味いですけどね。
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この中通り商店街をずっと進み…ピンサロ店群にエログロの"バロック"、いろんな居酒屋等も通り過ぎてずーっと行くと、店名が素敵(?)な"味二番"があって、
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その向かい側にあるのが、"バーボンハウス"
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カイ・ハンセン…じゃなくて、スタン・ハンセンが立っているのが目印です。

商店街が設置しているスピーカーから、
『男ならバーボンを飲め!中通り最後の飲み屋、バーボンハウス!』
という放送が流れているのが好きですね。
同じスピーカーからみうらじゅん&安斎肇"勝手に観光協会"が作った、この商店街のテーマソング「上京」も流れています。


次はPAL商店街で、タイ料理屋の"BAAN-ESAN"(バーン・イサーン)。
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前は別の場所にあったのですが、タイ料理好きの私はその時からよく行ってました。
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これは敬愛する花輪和一先生の「花輪和一初期作品集」を買った帰りに寄って記念撮影したものですね。
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当然私は初期作品も全部持ってわけですが、これは単行本初収録の一話を追加して復刻されたので、買わざるをえなかった…
『ブタブタブタぶた おまえはブタだブタ』(「豚女」より)

そういえば最近仕入れた1980年のポルノ劇画誌で、ROCK OUT ロック・アウト Vol.1(アリス出版刊)。
これには花輪作品で単行本未収録の16ページ作品「oni(鬼)」が収録されていました!他に宮西計三先生の「Blansic Venus」、Erotic Image Ltd「獲物の分け前」、ケン吉「テレビが大好き」…等。
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さらに続けてバーン・イサーンですが、
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ここには大槻ケンヂ(オーケン)氏や井上三太先生のサインもかざってます。
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そして・・・ここの店はオーナーがジョニー大倉氏なんですよ!!

次は"ルネッサンス"
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あのプログレバンドとは関係ありませんよ。

高円寺の名曲喫茶なのです。
PAL商店街とルック商店街の間あたり(屋根の無くなった所)を少し行くと右側に人気古着店の"ZOOL"が見えてきますので、その前の通りへ入ってすぐ、右側にある米屋の地下が、名曲喫茶"ルネッサンス"です。
この通りは私が以前住んでた風呂無しアパートの通りでもあります。
しかもここ、あの中野にあって惜しくも閉めてしまった"クラシック"が再開した店のようです。
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・・・あとはもう、高円寺内なら場所関係なく次々簡単に紹介していきます。

安くて美味しい定食の"富士川食堂"
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同じく定食がお気に入りですが、中華料理屋の"明月房"
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続けて中華料理屋で、"揚州商人"
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おおっ、テーブルの上にBRUCE LEE!!
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向こうにもBRUCE LEE風人形を飾ってるのが見えます。私も同じの持ってますが。
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食べ物も美味しくて、青島ビールを飲みながらスーラータンメン。
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そしてここでも火鍋は食べます。
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名前があれなんで、"DAIGO"は…なかなか入れません。
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ここ"ソムオー"はタイ料理だけじゃなくベトナム料理もある店。この日はフォーを頂きました。
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美味くて安い焼肉なら"二楽亭"
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ここは実は移店して、既に近くに改装オープンしたのですが、そちらは行ったのに写真撮ってなくて…そう、この写真は旧店舗です。
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あと高円寺って立ち食いそば屋が少なくて、立ち食いそば好きの私には少し悲しいのですが…
ここ"みはる"はちょっとだけお気に入り。
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"ZATS BURGER CAFE"は佐世保バーガーの店なのですが、リニューアルしてオシャレにしすぎちゃった感じ。
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・・・今回も長くなりすぎました。いい加減疲れたぞ~!ってのはありますが、まだ重要なBARを紹介できていないので、もうちょっと頑張って今夜は終わりにします。

まずここは"Blue on velvet"(ブルー・オン・ベルベット)。
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いや、店に入る前からハシャギまくってる私と友人でしたが…
店内に入ると、マスターが私の顔を見て友川かずきの名曲をかけてくれたりします!

このマスターというのが面白い人で、音楽に関しての広く深い知識にはいつも驚かされます。
この日にかけてもらったのは…「ドラゴン怒りの鉄拳」
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そして「空手バカ一代」!ジャケが米兵叩きって、最高すぎますね。
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次。こちらはわりと最近教えてもらった店なのですが、居心地が良くて落ち着く、"October"(オクトーバー)。
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ここもまたマスターの音楽に対する造詣が凄いのはもちろん、取り揃えてある海外ビールが美味くて感動するのです。
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最後に"Rock ya!"(ロック屋)なる、イベントも出来るBARかな。
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普通に酒飲みに入った事はないのですが、友人がイベントやったので行ってみました。
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はい、高円寺についてはまだいくらでもあるのですが、どうせ次々増えていくわけだし、今回はこんなもんで止めておきましょう。
こんな感じで、またそのうち面白い所を追加して紹介していこうと思うのですが、今回みたいに一回であまりにも長くなりすぎないよう、ちょっとずつ出していく事を心がけます。

まぁ誰もこんな最後までは読んでないかもしれませんが、自分の記録用なのでいいのです。
急いでアップしたつもりでも、また時間かかりすぎた事に後悔しつつ…
おやすみなさい!!
  1. 2008/06/05(木) 23:59:59|
  2. 旅行・紀行・街
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月刊漫画ガロ(42) 清水おさむ 1 「美しい人生」

今夜は清水おさむ先生の「美しい人生」(青林工藝舎刊)。
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清水おさむ先生といえば"三流エロ劇画"界が盛り上がった、あの時代(1980年前後)にシーンの中心人物の一人として活躍した人物です。
いや"三流エロ劇画"って、別にバカにして言ってるわけじゃありませんよ。
石井隆先生、羽中ルイ先生、あがた有為先生、ダーティ・松本先生…そういった人達が盛り上げた、そういうムーブメントがあり、そう呼ばれていた時代があったのです。
あの能條純一先生も、当時は農條純一名義でその"三流エロ劇画"を描いておりました。

そんな清水おさむ先生は、近年ではガロの後身雑誌と言えるアックス(青林工藝舎刊)で近年も変わらぬパワーを持った作品を上梓している、驚異的な漫画家です。

白土三平先生の大ファンであった事から漫画家を志すに至った事は知られていますが、高校卒業後はまずアニメーターになり、それから何とひばり書房「魔血子」という作品で漫画家デビューしたのだそうです。

作家で女優にして阿部薫の妻・鈴木いづみだとか、伝説の漫画家・つゆきサブロー先生とも会っているとか、ヤクザに自動車にひかれた上に覚醒剤を射たれたりして、それからゲイ・バーで働きながらエロ漫画を描いたのだとか。
ただの伝説なのか真実なのかよく分からない話もあったりしますが、興味のある方は自伝漫画「JUKU 私の実録新宿歌舞伎町」(青林工藝舎刊)を読むといいでしょう。


今回紹介する「美しい人生」は全て近年のアックスに収録された作品で…
「懐古物語・昭和へび女」「美しい人生」「紅櫻生首地獄変・最後の首斬り浅右衛門(前編・後編)」という三編を収録した作品集。
巻末には根本敬先生が長々と語った談話を、解説として収録しています。

まず一話目の「懐古物語・昭和へび女」ですが、いきなり傑作。
とはいえ、絵柄で大抵の人から気持ち悪いと敬遠されるのが清水おさむ先生ですし、こういうハチャメチャな話を楽しめるかどうかは…いや実際、かなり読者を選んでしまうと思います。
いや普通に少年ジャンプとか売れてる漫画しか読まない読者は追い返しちゃうオーラがありますよ。

話の舞台も全国各地を巡る昭和30年の見世物小屋・とぐろ座
そこで育てられた少女・国巣星子ちゃんが主人公で…
おっ?いきなり転入した学校で、へび女とか言われていじめられてますよ!
昔のいじめは陰湿ではないかもしれないけど、激しいですからね、女の子を男達が集団で囲んで殴る蹴る髪の毛抜く…はてはズロース(パンツ?)も脱がされちゃいました!

そこで助けに来てくれたのが飛鳥哲という、星子と同じく見世物小屋で育てられた少年。
しかし彼はその後、力道山みたいな立派なプロレスラーになって星子を迎えに来ると飛び出して…5年が経ちました。
その間に星子は、人間ポンプのマサと客の前でまぐわう事を強要され…
哲の方も、覆面レスラー・へび仮面として活躍していたのに、八百長を強要してきたヤクザの組長をぶっ倒して追われる身に!

それからやっと再開できた星子と哲でしたが、ヤクザに攻められてとぐろ座と共に最後を迎えた…のかどうかは分かりません。
ただこの絵の描き込みはいいなぁ…それにこの首の飛び方は、まさに清水おさむ先生だ!
ラブストーリーを演じてくれた主人公二人だけは少年漫画風に描かれているのですが、劇画は古いものになった現代の作品「懐古物語・昭和へび女」、これはあの劇画時代のパロディなのでしょうか。

二話目が表題作の「美しい人生」ですが、これが昼間は仕事の鬼として恐れられる原田亀男部長が、夜になると女装してニューハーフバーのホステスとして働く話。
いやこれがキレイな女装とかではなく、どうみても汚く醜いのですが…でも乙女のように傷つきやすい心を持っているのです。
ギャグ漫画…なんだと思いますが、異形の者への愛を描いているわけです。

最後に「紅櫻生首地獄変・最後の首斬り浅右衛門」
前編と後編に別れていますが、罪人の首を斬る、首斬り家業を営む家に生まれた兄妹の狂気の偏愛を描いています。

以上の三作とも絵のタッチを変えているのですが、最後のだけ若いコが好みそうな耽美系の絵柄で、私はちょっと苦手ですが…それでも多くの方にお薦めしたい、触れてもらいたい本。
今夜は、「美しい人生」からのセリフでお別れです。


人間(ワカイモン)にとって一番大切なのは
常に未知のモノに対する勇気と愛情だ!
そして真実を見るんだゾ
おいコラまじめに聞け菊池!!

世の中おかま見るといまだにバカにするやつが多いが
そんな心のイナカ者になったらだめなんだゾ!!



  1. 2008/06/04(水) 23:07:24|
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月刊漫画ガロ(41) 勝又進 1 「勝又進作品集 赤い雪」

今夜は勝又進先生。

1943年生まれの宮城県出身で、1966年にガロでデビューしました。
その「勝又進作品集」という名の四コマ漫画は九年間連載されたため、'60s~'70sという素晴らしい時代のガロをバックナンバーで読んでいると、いつも見かけていました。

ガロ以外の雑誌で描く時にも四コマが多かったようで、確かに私も勝又進先生といえば四コマ漫画、と思っていたのですが…
今回紹介する「勝又進作品集 赤い雪」(青林工藝舎刊)は、そんな勝又進先生による四コマ漫画以外の抒情あふれる短編集。
KATUMATA-akaiyuki.jpg
1979年の「桑いちご」(日本文芸社刊)をベースに、単行本未収録だった短編とエッセイを加えて再編集した作品なのですが、この過去作品集で日本漫画家協会賞大賞を受賞したそうです。

他にガロの青林堂から「勝又進短編集」「わら草紙」「ふらりんこん」といった作品集をかつて上梓しているのですが、いずれも絶版なので、これから読みたい人は探すのが大変です。
その点「勝又進作品集 赤い雪」は現在まだ新刊でも手に入るので、早く読んでもらいたい。

特に有名なのは一話目に収録されている「桑いちご」でしょうが、これが正に勝又進先生の短編の特徴と言える要素が詰まっています。
失われた少年少女時代の匂い、東北の農村、少しだけ伝説や民話の要素があって…そして性描写。
「紅い花」あたりのつげ義春作品を思い出す人も多いでしょうね。

他に旅の坊主を袋に詰めて、男衆がカラフトに出稼ぎに行ったため夜が寂しい村の女衆で使い回して精を吸い取る「袋の草紙」
間引かれ損なって成長して白壁屋敷の当主となった精力の塊のような源蔵が、村の後家や娘に見境いなく手を出し続けて…最後は河童に尻子玉を抜かれて…という「子消し」
酔って嫁に暴力を振るう男と、助けようと決闘する河童、そしてその裏には…の「虎次郎河童」
このあたりが可笑しくて好きなのですが、他も傑作揃いですね。

表題作「赤い雪」も、雪女伝説を絡めた杜氏と娘のラブストーリーは、吹雪の中が舞台ながら熱い。
しかしこういう劇画って絶滅して久しいですね…

私も田舎の農村で育ったもので、この世代でもぎりぎり、ここで描かれる世界を懐かしい感じで眺め、草いきれを思い出す事ができるのですが…土俗の世界を知らない都会育ちの人はどうでしょうか。
やっぱり体験もしてないのにノスタルジーを感じちゃうのではないですかね。
そりゃ私も"夜這い"の風習とか全く知りませんが、違和感ないですし。

もう…この日本ではほぼ絶滅したと思われる、伝説(河童や木の精等)と自然、村人が共存した時、場所を描いているだけに、漫画の中だけでもこの詩情を残していきたい。
だからこそ勝又進先生の作品世界は貴重なのです。

昨年(2007年)に悪性黒色腫で亡くなってしまった勝又進先生の冥福を祈り、今夜は終わります。


  1. 2008/06/03(火) 23:55:14|
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月刊漫画ガロ(40) しりあがり寿 1 「方舟」

今夜はしりあがり寿先生。

えっと…まず前置きとして少しだけ語っておくと、光には影、表には裏、メジャーにはマイナー…そしてカルト。
どんな物にもそれがあるように、漫画の世界でも当然異端は存在しますし、そこには表よりはるかに濃い世界が表現されていると思うのです…
そんなわけでその世界の代表、というかそのものというか、私が最大限の愛情を持って接している月刊漫画ガロ関係の漫画家達をどんどん紹介していかなくては。

そんな事を思い立った今夜は、まずしりあがり寿先生からいこうと思うわけです。
しりあがり寿先生といえば、今や誰でも知っているでしょうし、光には影とか書いておいていきなりマイナーじゃない漫画家になるのもどうかと思いますが…
いやしかししりあがり寿先生の作風を見れば、先に挙げた影、裏、マイナーの部類に属するであろう作品を描いている事は分かりますし、それでいながら一般読者の支持も得て人気者となった、凄い漫画家の一人なのです。

しりあがり寿先生は1958年の静岡県生まれで、多摩美術大学出身。
KIRINの社員だった時代に"ハートランドビール"のデザインをした事や、妻としても漫画家である西家ヒバリ先生を持つ事も知られています。
「ヒゲのOL」「流星課長」「真夜中の弥次さん喜多さん」といったヒット作はあまりにも有名でしょう。
得意ジャンルに"パロディ漫画"もありますが、そのパロディされる対象があまりにも濃い、漫画マニア向けの作品だったりして好ましく思えます。
テーマや絵柄も幅広く扱っているので、"作風を持たない漫画家"とか言われたりもしてました。

一見すると下手と見えるあの絵は、生前の手塚治虫先生に『この人は実は絵が上手い』と言われたり、小林よしのり先生からも『もはやアートだから』と自身の編集雑誌「わしズム」で表紙に起用したりして、絶大な支持を受けています。

とはいえ今更告白すると、私はしりあがり寿先生に対する苦手意識も実はあって、ガロで描いていた「コイソモレ先生」あたりも読まずに飛ばしていたものですが…
今回は「方舟」(太田出版刊)を紹介しましょう。
SHIRIAGARI-KOTOBUKI-hakobune.jpg
クイック・ジャパン(太田出版刊)にて連載され、人類の"滅び"をテーマに描かれた傑作です。
連載時は「箱舟」という表記でしたが、それに大幅加筆と新エピソードも加えて単行本化されました。
しりあがり寿先生としては異色作なのですが、こういうのなら私の好みにもピッタリなのです。

ストーリーはというと、突然大雨が振り出し…それが全く止まず、地球が少しずつ水没して静かに人類が滅びる、そんな内容。

"超スーパー異常気象"からくる『世界の終わり』を前に描かれる、それぞれの人間達の行動。
(株)ケロリの方舟世界一周企画の発案者である塚原、自由と解放軍・方舟の民として方舟を奪い暴徒と化す人々、イカダに乗る学生のカップルや…

はじめは『雨があがったら』と未来に希望を持つ人々でしたが、 静かに水没していく世界は止まりません。
『今までマジメにいっしょうけんめい働いていたのは何だったんだ!! いったい何がどこで狂っちまったんだ!!』
『音楽なんて何の役にも立たねえよ!! コドモをつくらねえSEXみたいなもんだ!! くそだよ!!』
『この期におよんで まだ希望だと…… おまえらみんなバカか!!』

といったセリフ群が悲痛に響きます。

その状況ではもう受け入れるしかないはずの『死』について、ちゃんと覚悟を決めた人にも、最後まであがく人にも…
同じように救いはなく、じわじわと、淡々と世界の終わりが描かれていくのです。
そして最後は水の中に沈み、静かで美しくなった人間世界の描写で終わり。

しりあがり寿先生はあとがきで、
『今、「輝ける未来」が失われたのは、他の何のせいでもなく、あなたの、私の、人類そのものの脳みその、一つ一つの脳細胞の、想像力の、力不足のせいなのだ。ただそれだけなのだ。
さあ、未来を失ったからには、とびきり美しい「終末」を思い描こう』

等と書いてまして、"それ"だけを描こうと決めた単純な作品だからこそ、不純物が少なく美しいのでしょうか。
大自然の審判の前に、どうにもならない人間と、その心をも描いた傑作でした。


自由だとか 夢だとか 愛だとか
希望だとか 未来だとか 人間だとか
ぜんぜんダメじゃん!!



  1. 2008/06/02(月) 23:17:37|
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池松江美(a.k.a.辛酸なめ子)展 『セレブ犯罪トリップ』 ーサイン色紙も公開!

昨日アップした楳図かずお邸ウォッチングでしたが、その帰りに寄ったのが…

杉並区高円寺の、初めて行く"無人島プロダクション"なるギャラリー。
mujin-to.jpg
私は1階にあるワインバーに行った事がありましたので地図を見たらすぐに分かりましたが…
けっこう分かりにくいビルの、しかも3階にあるのでギャラリーとして大丈夫なのか心配になりました。

ここで先日5月31日まで開催していたのが、敬愛してやまないセレブウォッチャー・辛酸なめ子さまの本名・池松江美名義による…
池松江美(a.k.a.辛酸なめ子)展「セレブ 犯罪 トリップ」
emi-ikematsu.jpg
でした!

池松江美名義での個展は、数年前にもあったのは知っていたのですが、その時は行けなくて涙を飲んだのでした。しかも高円寺でやってくれるなんて!

楳図かずお邸ウォッチングの帰りという事は、昨日のブログを読んで頂ければ分かる通り、この前に吉祥寺の井の頭公園と"いせや"で少し飲んでからだったのですが…
私は芸術とやらを見るのは多少酔ってる時くらいがちょうどいいと考えている者ですからね。

…って、階段昇って"無人島プロダクション"を初めて見れば、奥に見えるのは辛酸なめ子先生ご本人ではないですか!!
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取り外しできる、噂の前髪かつらをいじっています。

ふわー、美しい…
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緊張で、あっという間に酔いもさめました。

「セレブ犯罪トリップ」の展示内容は、まず"犯罪未遂シリーズ"としてセレブになるための(?)犯罪実行直前の写真が44枚。
辛酸なめ子先生ご自身の手が、その対象に向かって伸びている連作写真で、それぞれの写真に付いてるお手製のフレームも可愛いのです。
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(↑彼は楳図邸帰りそのままの楳図ボーダーTシャツを着ています)

さらにこれ、プラ版に白い粉をストローで吹いて製作したアートな作品で…
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"ケイトモスに捧ぐ"とありましたので、ヘロインで捕まったセレブに対する洒落か何かでしょうかね。

他には海外のゴシップ誌の展示があって、セレブが足を開いて車から降りるカット、しかもスカートの中をモザイクで隠したショットばかり並べてありました。
スタッフに説明を受けた所、セレブは下着履かないので見えちゃう、だからモザイクかけてるのだとか。
なので『これを履けばセレブに近づける』という最初からモザイク入りのパンテーも展示していたし、こういうPussy Mosaicのシールshinsan-nameko6.jpg
も100円で売っていました。自分のパンテーに貼ればいいと。

さらにモザイクパンテーの奥に見える写真は…まさか!
実際にモザイクパンテー履いてスカートで足を開いているのは!!
『このモザイクシール貼ったモデルは、セレビッチだかヒガミ・カリィだかに扮した辛酸なめ子先生ご本人では?』という私のつぶやきに、ご本人が
『タイツはいてるから大丈夫です』
と答えてくれました。可愛いすぎ~hearts

しかし憧れの辛酸なめ子先生に対面できた嬉しさと、緊張から作品自体をじっくり観れなかったかもしれない…
だってこの距離に、愛しの辛酸なめ子先生が…
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記念撮影させて頂きましたが、緊張で顔も強張っています。

さらに、ご本人さまがいる場合も想定してちゃんと買っておいた色紙を出して…サインも頂きました!!
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何を描くかで、『好きな生き物は』と聞かれて・・・私はあわあわと挙動不審になってしまって、そしたら先生が
『宇宙人とかどうですか』
と言ってくださったので、これなのです。
本当は一番好きなドラゴン、つまり龍を思いついてはいたのですが、描くの凄く手間がかかるんじゃないのか、いやそもそも龍って生き物かよ、とか考えて何も言えなかったのです。

しかしこの宇宙人もいい味出してますよ。
流石に必ず締め切り前に原稿を仕上げるという辛酸なめ子先生だけあって、こんな高度なキュビズム(未だにこの言葉の意味分かりませんが)の作風を、ものの数秒で描かれてしまいました。

しかしアドリブに弱いくせに、何も話す事や聞きたい事をまとめておかなかった私の計画性の無さが悔やまれます。
緊張してよく覚えてないのですが、目が合ったりとかもした…はずですのに。

今回他にも複数の友人達を率いて訪れた私ですが、特に熱狂的な"なめリスト"であるこの人の分も、色紙を用意してました。
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二人とも描いてもらって、また記念撮影。

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あの前髪かつらを取り外して、また一枚。
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こちらの友人は、会場で販売していた池松江美名義の小説「男性不信」(太田出版刊)を購入して、それにサインを貰ってました。
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しかし同じく『好きな生き物は』と聞かれたのですが、『好きな生き物は可愛い女性』などと答えて…
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こうなったわけです。
(もちろんサインも池松江美バージョンですね)

この女子高生が話している『お前 もう帰っていいよ』というセリフも、マゾである彼がお願いして書いてもらった物です。
会場内で『俺は熟女好みだから、女子高生は違うんだけどね…』とかぬかしてて(童貞なのに)、周りはヒヤヒヤ。

しかもですよ!
実は辛酸なめ子先生が何者かすら知らなかったが、面白そうだから私についてきただけなのだと後に告白する程でした。
『硫酸なめこセンセイって「ちびまるこちゃん」の作者ですか?!』
とも、ギャグか本気か分かりませんが言ってました。

でも実際に「男性不信」を読んで、これからでもファンになってもらいたいものです。
池松江美名義の小説としては、他にあの名作「知恵熱」(パルコ刊)があるので、こちらも今度貸してあげよう。

私も、まだ持っていなかった「女子の国はいつも内戦」(河出書房新社刊)をゲットして、
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こちらにもサインを頂きました。
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おおっ、「鉄腕アトム」ですね。

ついでなので、実は既に持っていたサイン本も紹介しておきましょう。
「千年王国」(青林堂刊)ですが、
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この今やレアな青林堂版の初版帯付き本を、かつて私はサイン入りで買っていたのです。
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まぁ本人さまから貰ったわけではないのですが…確実にこの本を辛酸なめ子先生が触れているのだと、そう思って興奮していたものでした。

この後さらにメンバーも増えて、高円寺→阿佐ヶ谷となじみの店を練り歩いて朝まで飲んだのですが、もう辛酸なめ子先生と会えた事を自慢しまくりでした!

本を買った時に頂いた、あのモザイクシールも…その後行った高円寺の行きつけの店で友人は早速使ってました!
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まぁ男で真っ先に思いつく使い道は、こんな所でしょうか。

彼もアーティストなので、店内というのにアートなボディペインティングでパフォーマンスをしてくれました。
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kichijoji-shintaro.jpg


はう~。辛酸なめ子先生、ありがとうございました!!また近いうちに展示会やサイン会などあれば伺いたいと思います。
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  1. 2008/06/01(日) 15:36:52|
  2. 古本 番外編
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プロフィール

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Author:BRUCE
BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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