今度は銀座へ向かい、
"高橋留美子展〜It’s a Rumic World〜"へ行ってきました。
高橋留美子先生は今年でデビュー30周年を迎えたそうで、読売新聞社と小学館主催のイベントが始まったのです!!
会場は松屋銀座8階大催場。東京メトロの銀座駅から地下を歩いて行けます。

で、着きました。

これがチケット。

描き下ろしを含めて、
高橋留美子先生の貴重な原画、作品の模型なんかも展示してましたよ。
さて、ここで言っておかなくてはならないのが…
申し訳ない事ではありますが、私は
高橋留美子先生に全く興味を持っていない事実。
いや、あの代表作
「うる星やつら」「めぞん一刻」「らんま1/2」「犬夜叉」等の、TVアニメ化もされた大ヒットは子供時代から目の当たりにしてきましたし(単行本の累計発行部数は1995年の時点で1億部を突破しているとか!)、少年サンデー史上で最強の漫画家と言っても誰も異論は挟めないでしょう。
30年もの間安定した人気を保ち、もちろん少年漫画を描く女性漫画家としては類を見ない活躍をしていますよね。
ただ、単純に私があの絵と内容(ラブコメ)に興味を持てないだけなのです。
私も同じ新潟県出身だし、あのど田舎で明日を夢見る若者達の憧れとしても、これからも活躍を続けて欲しい…。
では、何故入場料が千円もかかるこの高橋留美子展〜It’s a Rumic World〜に行ったのか。
それは、特別企画の
My Rum(マイラム)というのを観たかったから。
このMy Rumとは、様々なジャンルで活躍する有名漫画家34人が
「うる星やつら」の主人公である
ラムちゃんを独自の目線で描き、
高橋留美子先生に捧げたもの。
参加者にですね・・・・何と!!
花輪和一先生!
諸星大二郎先生!
伊藤潤二先生!
池上遼一先生!
古谷実先生!
・・・他にも、同じ
小池一夫先生の劇画村塾出身である
原哲夫先生他、
松本大洋先生、
島本和彦先生等の凄すぎる漫画家達がいるのです。
中でもやはり、一番の目当てだった
花輪和一先生の素晴らしい絵ときたら…原画で観れて感動しました。
そうそう。しかしここは完全撮影禁止で、それが残念であり、つまらなかった。
もう一回、あの絵を観るために行こうかしら…
このイベントは8月11日までの開催です!
最後に
高橋留美子キャラの限定土産をいくつか買って、さようなら。

----------
この日は銀座まで出たついでに、六本木にも寄ってもう一つ、観たかったイベント
"The Vivienne Westwood Opus展"へ。
ヴィヴィアン・ウエストウッドが家族やモデルの身近な人々と共に写った写真が中心に展示されています。

そのためにこの日はヴィヴィアン関連の、セディショナリーズやワールズ・エンドといった…確か10年以上前に買った服を引っ張り出して行ったのです。
しかしここも撮影禁止。外からだけ撮りました。




会場は
"ZEL CAFE"(ゼル カフェ)という所のギャラリーでしたが、早く六本木から出たいのに、名前に釣られて
"CAFE LOLITA"へ。

高そうに見えますが、意外と安値の店でした。
近くの壁。ショーベンスルナ。

ふぅ。銀座→六本木などという、私には居心地の悪い街を出て、
高円寺へ帰って、いつもの店で安心して飲み始めた私でした。

- 2008/07/30(水) 23:12:51|
- 古本 番外編
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
ブックオフのヘビーユーザー、BRUCEです。
みなさんお元気ですか?
先日は私、初めての白金台へ行ってきました。


高所得者の妻、もちろん専業主婦で豪華なランチばかりしているシロガネーゼと呼ばれる人達を見て…もしょうがない。
目的はここにあるブックオフで、この店舗は日本で唯一カフェが併設されているとの事なのです。
おおっ、こんな看板。

すぐに着きました!
その名も
"ブックオフ カフェ白金台店"(BOOKOFF CAFE SHIROKANEDAI)。


ここでは、定期的にライブや作品展なども開催されているのだとか。
アイスカフェモカSを頼んでみました。360円。


パンも美味しいのだそうですが、この日はパス。
オシャレ文房具や雑貨まで売ってました。


なかなか落ち着く空間です。
もちろん私にとっては、店内に置いてある本の中から掘り出し物を探す方が重要。ゆっくりコーヒーとか飲んでる場合じゃないんですけど…
例えば全国のブックオフ全てにカフェコーナーがあれば、いくら本やCDに興味ない女性とか連れてても、ちょっとコーヒーでもというふりして誘って入店できるし、中座して本を探しに行くのも罪悪感が薄れます。
だからブックオフ カフェ、どんどん作ってもらいたいものですね。
ちなみにここブックオフ白金台店は、外人が多い場所柄からかブックオフ日本一の洋書コーナーを持つお店でもあるそうで、洋書の在庫数は4万冊だとか!
いや、洋書はいりませんが。
------------
ついでなのでブックオフ(BOOK OFF)話を続けると、先日は車を借りて都内のブックオフ巡りしてきました。
変わった所では八王子大和田店がいいです。
二階にホビーオフ(HOBBYOFF)ってのもあってフィギュアとかの品揃えも凄いし、

隣りにはハードオフ(HARDOFF)とオフハウス(OFFHOUSE)!!

そして珍しいモードオフ(MODEOFF)なんてのもあるのですが、高級感漂う古着店。けっこういい物置いてます。

他にも実はブックオフのグループには、GARAGEOFF、BOXSHOP、B・STYLE、B・KIDS、B・SPORTS、B・SELECT、B・LIFE、B・HOBBY…
等といった、地方に行かないと無いレアな店も存在するので、探してみると面白いですよ。
- 2008/07/29(火) 23:01:34|
- 古本 番外編
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
こんばんは。
先日は私、また
"杉並アニメーションミュージアム"に行ってきました。
同場所では前回、
「夢は無限 藤子・F・不二雄展」に行った模様を
「ココ」で公表しましたが、次の企画は
「銀河鉄道999の世界展」。
松本零士先生の原作によるこのアニメ
「銀河鉄道999」ですが、これがアニメ化されてから今年で30周年なんだそうです。
入ってみましょう。


中には
「銀河鉄道999」を紹介する展示がいっぱいで、制作資料や作品スチールやアニメのセル画等、嬉しいレア物観賞を楽しんだのですが…撮影禁止だったため、ここでは画像がアップできません。
しかし、ちゃんと記念撮影コーナーもありましたよ。
"銀河超特急999号"の車内ジオラマがあるのです。
はい、バーン!!


車窓には大宇宙が見え、飛行船が動いています。


そんな事より、実際は
メーテルよりはるかに小さい
星野鉄郎ですが、この二人の大きさのおかしさが気になってしょうがないのですが…
あの理想の美女、メーテルの肌荒れがひどいのも気になりました。

鉄郎は目があぶないし…

それから、大きなスクリーンで
「銀河鉄道999」のラスト2話を観ました。
やっぱり名作ですよ、これは!
生きる事に執着する鉄郎が、成長しながら宇宙の旅を進んで行き、ついに不老不死になれる機械の体をタダで貰える惑星まで辿り着いたものの、やはり命は限りがあるから美しいという事に気付き、そのまま引き返す事を決意する…
メッセージ色も強くて、子供向けアニメとは思えない濃い内容、そしてあの名曲すぎるテーマソング!
大宇宙をクラシックな機関車が煙を吐きながら進んでいくメチャクチャさも、とんでもないですね(それは
宮沢賢治の
「銀河鉄道の夜」が元ネタですが。
「銀河鉄道999」スタンプラリーもやりました。

そして
松本零士作品に欠かせない、あの素敵なメカニックの魅力を支えたメカデザイナー・
板橋克己作品の展示もありましたよ!

これが全部無料ですからね、また杉並アニメーションミュージアムにはちょくちょく行こうと思います。
温暖化問題、物価高、無差別な殺人…。夢の持てない社会に、宇宙を眺めることは唯一許される自由で豊かな時間かもしれない。
(杉並アニメーションミュージアム館長 鈴木伸一)
- 2008/07/28(月) 23:06:18|
- 古本 番外編
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
まだまだホラー漫画界には重要な漫画家がいまして、今まで名前出した漫画家の作品それぞれを細かく紹介したい気持ちはあるのですが、その前にさわりだけになっても、他の重要漫画家の名前を数多く出しておきたい。
今回は
谷間夢路先生で、1943年生まれで東京都出身。
かつて様々な少女ホラー誌に、可愛らしい絵柄だというのにグロテスクな内容の作品を載せていました。これは一度でも読んだ事がある方なら印象に残ってるのではないでしょうか。
私もかつてすぐに好きになって単行本も買いましたが、怖くてグロい中に秘められたエロスみたいな部分がありまして、しかもキャラクターは可愛いものですから、ちょっと興奮していたものでした。
その後本当にエロ漫画を描いてたのも発見し、嬉しいながらもショックを受けました。
そうそう、こんなに繊細で女性的とも言える可愛い絵を描いている上に、カバーに付いてる作者の言葉の所でこんな絵が使われていますが、

しかし
谷間夢路先生は男性です。
15才にして
鬼童譲二名義で貸本劇画でデビューしてますので、実は凄いベテランでもあります。
他にも
出井州忍という名義も使っていたりして、ホラー漫画界に入る前にはあらゆるジャンルに手を付けていたようですね。
当然私は
谷間夢路名義になってからが好きで、代表作は
「怪奇猫毛のアン」「墓場の姉妹」「絶叫劇場」「夢路の恐怖劇場」・・・・等多数ありますが、現在は携帯電話向け新時代のマンガ
"ムービングマンガ"なんてのや、アニメも制作しているようですよ。
-------
今回紹介する
谷間夢路作品は、数ある傑作恐怖漫画群からは少し外れた作品なのですが、ウケ狙いで1997年の
「池田貴族の心霊ファイル」(
秋田書店刊)。

タイトルで分かる通り、何と
谷間夢路先生が
池田貴族氏を原案に迎えて組んだ作品です!
池田貴族氏といえば、バンドブームの時に
remoteのボーカルとしてデビューしたのですが、売れなくなってからは、評論家だの作家だのから、霊感タレントという胡散臭い肩書きまで使って、名を売るために節操なく何でもやってきた人物。
さらに世間でエイズが話題になれば霊感タレントから"エイズ問題にくわしい池田貴族"、サッカーが流行れば"サッカーに詳しい池田貴族"…
ついには"よろず評論家"なんてのまで名乗ったというから、凄いというか何というか。
みうらじゅん先生の代表作である
「アイデン&ティティ」や
「マリッジ」で出てきた
岩本という、ちょっと汚い奴のモデルでもありますね。
肝細胞がんを告白してからは、その"がん"であるという事まで飯のタネにしていたのですが、1999年に亡くなってしまいました…
とにかく
「池田貴族の心霊ファイル」は、そんな二人が組んだ異色作で、1巻という表記がありますが続編は存在しません。
かなり美化された
池田貴族氏が霊能者として活躍するノンフィクション漫画なのですが、これが嘘くささ全開。
池田貴族氏がかなり有能な霊能者として描かれていて、
『オン・アビラ・ウン・ケン オン・アビラ・ウン・ケン』なんて唱えて徐霊するのですが…
池田貴族氏が生前TVに出てた姿を思い出すと、有り得なすぎます!
池田貴族氏が心霊アドバイザーとしてTV番組の取材に同行して、いろんなミステリースポットを訪ねる事で進行していく一冊なのですが、やっぱり女の子の絵が可愛い
谷間夢路先生ですので、一緒に行動するレポーターの
観月エミリーがいい。
しかも、この美少女も霊が取り付いた時は、平気で物凄く醜い姿をさらしているのが、またいいですね。
自殺の名所である富士山の樹海"青木ヶ原"に誘い込まれた時は、次々出てくるグロい霊達をゾンビ映画を観るように楽しめます。
『中古品には前に持っていた人の念がこもっていることが多い』ので新品を買った方がいいとすすめられる話で終わるのですが、古本屋にばかり出入りしている私には、耳が痛いのですが…
あの
池田貴族氏が、霊による"妨害"を塩で清め、霊に取り付かれた人間に
『念!』っと波動を飛ばし、様々な心霊現象を解明していく…怪しすぎる
「池田貴族の心霊ファイル」。
これは近年巻き起こったスピリチュアルブームを考えると、早すぎた心霊ファイルだった…のかもしれません。
今夜は、単行本中で話の間に挿入されている偉人の言葉を二つ紹介して終わりましょう。
『この天地の間にはいわゆる哲学の思いも及ばぬ大事がある』 シェイクスピア
『神秘を笑う者は愚人である』 ナポレオン
- 2008/07/27(日) 23:35:09|
- ホラー漫画
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
2008年7月26日(土)…
今日は"有隣堂 アトレ恵比寿店"で行われた、
辛酸なめ子先生のサイン会に行ってきました!
あらかじめ買ってあった
辛酸なめ子先生の最新刊
「女の人生すごろく」(
マガジンハウス刊)刊行記念イベントだったのですが、

会場になる有隣堂で買うと、本に↑写真の右に写る、
辛酸なめ子先生へのメッセージを書ける紙も付いてたのです。

私は自分のメアドと共に
『今度飲みましょう。まずは
「恐怖新聞」あたりのスピリチュアルな漫画について語りましょう。』
とか何とかって書いてしまい、今は後悔の念が押し寄せています。
そうとうなキモ客と思われたでしょう…
でも、お会いしたのは前回
「ココ」でアップした個展の時以来だったのですが、その時の事を覚えていてくださって、嬉しいですよ。
さて会場の有隣堂へ。

前回の個展にも連れてった友人を誘って行ったのですが、彼が手にしている本はもちろん
辛酸なめ子先生の本で、名作
「千年王国」(
青林堂刊)。
うしろの長蛇の列は、サイン貰う順番を待つ人々ですね。

彼は作品じゃなく、
辛酸なめ子先生ご本人のファンでして、未だ著作を一冊も読んだ事が無いというので、プレゼントしました。
逆に私はTVをほとんど見ないため、TVに出る
辛酸なめ子先生のお姿はずっと見逃しているのですが…
サイン会の様子。



辛酸なめ子先生から『好きな生き物は』の質問を受け、答えた物をサインと一緒に描いてもらえるシステムになっていたのですが…
(生き物といってもUMAもその範疇に入るようで、動物とUMAの図鑑が用意されていました。)
先にもらった友人は、『好きな生き物は自分です』とか答えたのか、何と自分の似顔絵を描いてもらっていました。
辛酸なめ子先生に見つめられてるのが羨ましい…
で、出来上がったのがコレ。


もちろん二人でサイン後の記念撮影も!!

喜ぶ友人でした。

彼はその夜、
『セレビッチ』という語の生みの親と対面した影響が残ってたのか、この雑誌…日本初のセレブゴシップマガジンである
「ゴシップス•プレス」(
トランスメディア刊)なんてのをコンビニで買ったらしいです。

そして次は私の番です。緊張して変な汗が出てきて困りましたが…

私の方は『好きな生き物は』の質問に…
『好きな生き物は辛酸なめ子先生です』などと答え、先生の自画像を描いて頂いきました。



もちろん二人でサイン後の記念撮影も!!

ここで私がいつも持ち歩いてる、この蛇の杖を
辛酸なめ子先生に持ってもらいたくて、そのお願いが喉元まで出ていたのですが…
やはり
辛酸なめ子先生はスピリチュアルな方…
これを持ったせいで蛇に襲われる悪夢を見たとか、金縛りが増えたとかがあったら大変だと思い、断念しました。
握手もしてもらったのですが、緊張で手のひらに汗かいてて申し訳なかったなぁ…
しかも!持っていったお土産を渡し忘れてしまいました!
何を話したかほとんど覚えてないし(話してないのかも)。

はい、とにかくもう一枚。
そして頂いた
辛酸なめ子先生の自画像入りサインはコレ!

左に置いてあるのは、参加者限定プレゼントのすごろくコマキット。
----------
ちなみに、
「ココ」で前回貰ったサインや持ってたサインなんかを公開しましたが、あれからまた、いくつかサイン本をゲットしたので、それもついでのここでアップしておきましょう。
まずは
「女子の国はいつも内戦」(
河出書房新社刊)ですが…

おおっ、高そうな犬のバージョン。

続いて
「癒しのチャペル」(
白夜書房刊)には…

スイーツだ。まだサインの"な"の字が前後の文字に埋もれていない時代のサインですね。

----------
今回は以上ですが、肝心の新刊
「女の人生すごろく」の内容も、またクスクス笑いながら読んでしまう傑作で、全46篇の中にはエッセイだけじゃなく、イラスト、マンガ、写真もけっこう多め。
カバー裏表がすごろくになっているので、これで遊ぶ事もできます。
ただこのタイトルでこのジャケですと、書店では完全に婦人向け書のコーナーに行ってしまいます。
確かに"女の人生"がテーマになっていて、実際に
「anan」や
「Hanako」等の女性誌で執筆された文章がほとんどですが、このセンスは女性だけで楽しまれて終わるのは悔しい!
きみも、あなたも、おまえも、きさまも、貴兄も、貴女も、てめえも、そっちも、あっちも、みんな……
もっと多くの人が読むべきでしょう。
- 2008/07/26(土) 14:57:13|
- 古本 番外編
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
昨夜に引き続いて、
叶精作作画、
小堀洋原作の名作
「ヒットラーの息子」(
スタジオ・シップ刊)です。

記憶を失くした
"ヒットラーの息子"こと、元WCA(世界亜犯罪者同盟)の殺し屋・
ボタンは、仇敵であるイスラエル諜報機関の
"赤い爪"こと
エスター・アミトと共に神無島へ渡って、WCAの施設を襲撃します。
そしてエスター・アミトがボタンを憎しんだ永い歳月は、やがて愛に…
処女を奪われて下腹部に鉤十字を焼き付けられまでしたのに、ついに愛している事を認め、核燃料の目の前でセックスをおっぱじめて!
攻撃してきた陸上自衛隊と、エスター・アミトの弟達も全滅させたあとは、次の行動に出てWCA壊滅を目指すわけですが…恐ろしい殺し屋でもあるエスター・アミトが、嫉妬深い女になってしまう様はおかしい。
ヒットラーのクローン人間であるボタンが、今の顔(ジェフ・モーガンという男の顔)に整形させられていた謎を解き、クレイジィー・ビルという戦友と会い、だんだん失われた記憶を思い出してくるボタン。
次は外務省情報局の
桑山焼子に連れられて、長野県の寒村へ行ったボタンとエスター・アミトですが…
そこは何と、サリンが散布されて住民が全滅した村!!
オウム真理教による"松本サリン事件"の10年以上前に出版されたこの
「ヒットラーの息子」で既に、今まで事例が無かった一般市民にサリンを使用したテロ事件を扱っているのです!
しかも場所も長野県って…松本サリン事件の報を聞いて、叶精作先生と小堀洋先生は青くなったんじゃないですかね。
これがもっとメジャーな作品だったら、確実にマスコミで『オウム真理教が影響受けた重要作品』として名前が挙がってたはずですよね。
そこで地下壕にいたために生き残った少女を救出して山小屋へ行くと、そこがレインジャー部隊に襲われます。
どうやらスパイがいると分かったのですが、それが救出した少女でした!
実はその少女を装った女は市ヶ谷の秘密機関の優秀なメンバーだったのですが…
しかしボタンはそれを見抜いて、一歩先んじた反撃で敵を全滅させました。
何故ボタンには見抜けたのか!
それは、女がレインジャー部隊に犯されそうになるという迫真の演技で裸になったため、見られた乳首(乳輪?)が…
『少女のわりには……
まわりが黒すぎた…………
ただそれだけのことだ!』と言うのですから、これは笑っていいのか本気なのか。
そして桑山のいろんな作戦が功をそうして、ボタンの記憶が戻ると…
ボタンと同じクローン人間が他にも何十人と造り出されていた事を確かめ、桑山も…
そしてボタンを愛したエスター・アミトも、撃ち殺して唐突な完結!
クールでカッコいい〜という見方もできますが、ポカーンとしちゃう人もいるであろう、そんな終わり方でした。
シャローム(さよなら)……
わたしのボタン……………………
- 2008/07/25(金) 23:47:46|
- 劇画
-
| トラックバック:1
-
| コメント:0
今夜は
叶精作作画、
小堀洋原作の
「ヒットラーの息子」(
スタジオ・シップ刊)。

単行本は全4巻です。
まずは作者を簡単に紹介しますが、作画担当の
叶精作先生は1949年生まれの新潟県出身で…
まぁ今回ここでアップした単行本表紙の絵だけ見てもらっても分かると思うのですが、とにかく画力が凄い漫画家、イラストレーター。
いや、これでもこの時代はまだまだ
叶精作先生の発展途上だったんですよ!今はさらに磨きがかかってますから。
新潟県での学生時代、サラリーマン時代を経て上京し、何と通信教育でイラストを勉強していたというから驚きですが…。
"さいとう・プロダクション"でのアシスタントから漫画の世界に入ると、その数年後にスタジオ・シップで
小池一夫先生との運命の出会いです。
もう
叶精作先生といえば、
小池一夫先生の原作をいくつも美しく昇華させている劇画家というイメージが定着していますが…
そうですね、
池上遼一と並ぶ、
小池一夫原作漫画の最重要人物にして、最強の絵師でしょうか。
自身で物語を作る事をしないのも、完璧なまでの絵師体質という事でしょう。
代表作はそのまま
小池一夫先生の、
「魔物語 愛しのベティ」「オークション・ハウス」「実験人形ダミー・オスカー 」「横浜ホメロス」「BROTHERS-ブラザーズ」「キンゾーの上ってなンボ」・・・
あたりになりましょうが、今夜は
小堀洋原作作品の
「ヒットラーの息子」でいきます。
小堀洋原作で
叶精作作画による他の作品として、テレビドラマ化もされた
「ザ・コップ 特殺官」もありますが。
原作者の
小堀洋先生に関しては、私は詳しい事を何も知りませんので割愛して、ストーリーを追ってみましょう。
----------
日本の北海道に領空侵犯してきた何者かが、漁船に拾われるのですが、その男はWCA(世界亜犯罪者同盟)という闇の組織の殺し屋・
ボタンでした。
彼は組織を裏切って日本へと逃走する途中だったのですが、記憶を失っていた…
という、映画
「ボーン・アイデンティティ」と全く同じような出だしで始まります。
だから初めて
「ボーン・アイデンティティ」を観た時は、
ダグ・リーマン監督がかつて
「ヒットラーの息子」を読んでてパクったのかな?と思いましたが…
いや、映画の原作小説である
ロバート・ラドラムの
「暗殺者」は、
「ヒットラーの息子」より先なのでしょうか…
とにかくそのボタン。
表の世界では法を守るために警察がいますが、裏の世界ではボタンがいる…
つまりボタンは裏切り者を始末する、組織の死刑執行人。命を狙われて助かった者は一人も居ないという凄腕でした。
そのボタンが属していた組織WCAは、未だに『ハイル・ヒットラーッ!!』とかやっててナチスの思想を引きずり、世界中の犯罪組織を一つに統一してその力をもってナチの復興をとげようとするとんでもない所で、ボスは
エドゥアルト・ヒムラー。
ハインリヒ・ヒムラーがモデルでしょうか。
ボタンの別名は
"ヒットラーの息子"ですから、この組織にあっては超重要人物である事も分かります。
となると敵対する組織は、"モサド"等の5つの組織からなるイスラエル諜報機関。
そこのボスの娘にして、暗号名は"赤い爪"である
エスター・アミトがボタンを追って日本へ行きます。
彼女はかつてボタンに捕まり、犯された後で恥ずかしい場所に鉤十字の焼印を押された過去があり、その時の傷が未だに残っています。
そしてついにボタンを捕らえ、アミタールを使って日本に逃亡してきたわけを探ろうとしますが、そこで分かった衝撃の事実は!
アミト達がボタンをヒットラーの息子と呼んでいるのは、彼の残虐性と偏執性がヒットラーに似ているからだったのですが、何と指紋も声紋も血液型も全くヒットラーと一致する、つまり同一人物。
顔かけは整形手術で変えていますが…
ボタンはヒットラーのクローン人間だったのです。
それから逃げたボタンは、日本のヤクザと戦うエピソードをはさんで東京赤坂にあるクラブ"スコルピオ"へ。
ここで組織とのパイプラインである
"氷心"と呼ばれる台湾女と会い、結局は組織の暗殺者同士で殺し合います。
氷心から得た情報により次は京都へ渡ると、ボタンを生んで後に発狂した代理母と会い、琵琶湖での戦闘があって…
次はボタンを追っていたエスター・アミトらと、今は共通の敵になったWCAを倒す為に手を組む事となりました。
で、続きはまた次回。
エスター・アミトの着替えシーンを、数ページ何コマも使って丹念に描いてるシーンなんかは
叶精作先生節が見えて微笑ましいです。
自分のためにこれ以上血を流させたくはない……か…………
あの男!自分がヒットラーのクローンだと知っておったようじゃな!
だから必要以上の自己犠牲を自分にかせ………………
ヒットラーと正反対の道をたどることで 出生からくる劣等感を補おうとしておったのか……
ヒットラーとして生きるか………
過補償人間として生きるか 見とどけたいものじゃ………
- 2008/07/24(木) 23:42:09|
- 劇画
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
続いて
犬木加奈子先生の作品ですが、今夜はまだまだ初々しい
犬木先生2冊目の単行本
「真夜中の迷路」(
講談社刊)。

表題作の他に3編を収録した短編集なのですが、基本的にどれも、意地悪、ワガママ、嘘つき、イジメっ子…等の悪い子がばちかぶって酷い目に合う設定ですね。
「真夜中の迷路」は3人のイジメっ子がアトラクションの迷路でマミ子をショック死させてしまい、殺されたマミ子が迷路にいる不思議なピエロ(闇の迷路の番人)の力を借りて復讐していく話。
3人を順番に1人ずつ、マミ子がイジメられるきっかけから丹念に描写していくのが凄い。
グロ描写もけっこうあるし、一度希望を与えておいてまた落とすラストも秀逸でした。
次は
「おやすみ」。
人間の睡眠時間を平均8時間とすると約25年間は夢の中で生きている…
これは望み通りの夢を見る事を求めた少女のお話。
やはりここでも、この少女の身勝手さから酷い目に合っていくのですが、次々と有名な童話の世界に入っていくのですが、残酷にアレンジされたバッドエンドが続き…最後は夢から逃れられなくなって現実の世界にも恐ろしい影響が現れる。
そして
「かなえられた願い」。
これは後に
犬木作品の定番化もした連作短編で、単行本も全3巻で上梓されました。
悪魔のつかまえ方が載っている本を手にした者が、本当に手鏡2枚と空ビン1つを用意して、満月の13日の金曜日真夜中に悪魔を捕らえると…願いをひとつ叶えて貰えるのです。
で、本当に願いは叶うのですが、どれも心が正しくない奴が私利私欲のために使うから、見事に不幸な結末を呼ぶ事になるのです。
最後に
「聖夜の贈り物」。
物を大事にしない少女リイリイが、クリスマスの夜に人形達に復讐される怖い話でした。
一晩に続けて悪夢を見ると その夢からのがれられなくなるといいます
今晩あたり あなたもお気をつけて……
おやすみなさい
- 2008/07/23(水) 23:59:59|
- ホラー漫画
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
今夜の旅は、
東京都台東区。
「ココ」で
"東京都恩賜上野動物園"を中心に少しだけ紹介してましたが、江戸時代を通じて東京で最も古い市街地の一つである台東区周辺は、いろんなスポットがあります。
やっぱり代表格なのは、まず
上野になるんでしょうけど。で、やはり西郷どんと記念撮影。

日本初の公園
"上野恩賜公園"あたりはたまに通る事があるのですが、


故・
林家三平師匠の未亡人である
海老名香葉子さんが建立した
"時忘れじの搭"は…

東京大空襲を忘れないために建てられたのだそうです。しかしこの母子像の目が何かあぶなくて、見ちゃうんですよ。

もちろん"恩賜上野動物園"がありますが、

ここに入園しない日でも、入口前にあるこの店でラスポテトは食べちゃいますね。


このTシャツは
システム・オブ・ア・ダウンのやつなんですが、メンバーの一人がラスポテトをじっと見てるのが分かるでしょうか。
この近くに体を一心不乱に舐めまくる猫二匹がいて怖かったのですが、何が付着したのでしょうか…

上野の飲食店には詳しくないのですが、やはりアメ横の丼屋
"若狭屋"が有名ですね。

この日はサーモン尽くし3品盛りのやつを食べました。

あとはカレーの
"エース"が安くて美味くて、

ビーフカレーとカツカレー、共に500円以下。


-----------
次は東京を代表する有名な下町、
浅草へ移動してみましょう。
ベタに浅草寺山門である
雷門にて記念撮影。


ちょい悪BRUCE。
人力車も流行ってますよね。


私もこの人力車を引く車夫に憧れがあって、それはやはり
梶原一騎先生の涙の傑作(先日読み直してまだ泣きました)、
「空手バカ一代」で
大山倍達総裁がやってたからという理由なのですが…
さて、雷門から先に進んでみましょう。

「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の両さんみやげってのが商品化されています。


近くにいたカップルが、『
「こち亀」は葛飾区じゃんよ』なんてぬかしてましたが、浅草は
両津勘吉の故郷だっての!!
作中何度も登場してるでしょうが・・・。
気を散りなおして、さらに進みましょう。






ここから出る煙を浴びると、その部分が良くなるというので…いつも頭にかけまくるのですが、なかなか良くなりません。


この周りの商店街とかの光景も撮っておきました。




ここは
"浅草観音温泉"。


そして日本最古の遊園地とされる
"浅草花やしき"。



森田まさのり先生の
「ろくでなしBLUES」では、東京四天王の一人である
薬師寺が浅草の高校で、その下の
亀岡が主人公の
前田太尊にやられたのもここでした。
"初音ミク小路飲食店街"には、
"アリスの店"なんていう素敵な所があったので…夜に来る事があったら寄ってみようかな。

成人映画上映の
"浅草世界館"。

あと浅草には天丼屋がやたらと多くて、この日は
"花月"でアナゴ天丼を食べちゃいました。


この"フジキッチン"とか"染太郎"あたりは前に来た事があるし…


あとは顔はめパネルで記念撮影だけして浅草寺周辺から離れました。





↑この下から二番目のピエロのやつ、さりげなく666だなんてアンチクライストな数字を出してますけど、大丈夫なのかな?
ああ、最近は雷門より、吾妻橋対岸の墨田区本所にあるアサヒビール本社ビルの
"輝く黄金"がランドマークとして認知されてるって聞いた事があるなぁ。いわゆる浅草のうんこビルですね。
でもこの日は暑くて暑くて、面倒になって…
調理器具等の飲食店関連の用品(食器具、包材、調理器具、食品サンプル、調理衣装…)を取り扱う
"合羽橋(かっぱばし)道具街"という問屋街だけちょっと覗いて、すぐに喫茶店へ逃げ込みました。


涼を求めて入った喫茶店は
"とみー"。

昼間でしたが、ビールを飲みました。
夜なら
神谷バーで一杯260円のデンキブランを飲みたかったのですが…
----------
次は
浅草橋です。
人形の街として有名なこの地ですが、私は何度か酒を飲む目的で訪れています。

この向かい合って2店舗ある
"西口やきとん"が名店。


ハイボールを飲みながら、安くて美味いつまみをどんどん注文しちゃいます。




この地では、
"餃子の王将"がいつも混んでます。



この日は〆に、浅草橋改札の目の前にあるのに客がいない、
"来々軒"に入ってしまいました!
この店名だけでも普通入らないだろうに、この日は酔った勢いと怖いもの見たさでした。

まずはビールと餃子で…


とどめのラーメンが上から、ニンニク、味噌、塩だったかな。各600円。



他に客はゼロで、店員1名の薄暗い店内でございました。
----------
あと台東区といえば、実は私にとって最強なのが
山谷だったりします。
先日訪れたのは
「ココ」でアップした時以来だから一年以上ぶりにはなりますが…
フォークの神様・
岡林信康の
「山谷ブルース」、そしてなにより魂の漫画
「あしたのジョー」の舞台なのだから、胸が熱くなってしょうがないのですよ。
「あしたのジョー」には山谷という地名こそ出てこないのですが、
丹下段平が
"丹下拳闘クラブ"を設立したのは泪橋という橋の下。
今や橋は残っていなくても、こんな標識を見たら冷静ではいられなくなります!

段平の言う、
『餓えきったわかい野獣でなければ四角いジャングル・・・つまりリングで成功することはできないっ
勝たなけりゃ・・・相手をたおさなけりゃ あすのめしにありつけん
そこまでおいつめられなければ四角いジャングルの弱肉強食にはたえられんのだ!』というセリフが、ここにいると身につまるのですよ。
うーん…
『血にまみれ あせやどろにまみれ きずだらけになって・・・・
しかも他人には気ち○がいあつかいをされる きょうという日があってこそ・・・・あしたは・・・・』


----------
最後に
秋葉原へ行っておきましょうか。
厳密には、一般に言う秋葉原の繁華街は台東区から外れる部分が多いらしいのですが、まぁいいでしょう。
正にオタク達の聖地、その手のオタクにとっては日本の中心である秋葉原。
電子関連の機器や部品、そしてアニメとメイドのオタク街はアキバの略称で呼ばれ、世界的に有名な観光地でもあるのでしょうが…


私はオタクじゃない…とまでは言わないものの、アキバ系と言われるこちら側とはあまりに遠い人。
当然あまり近寄ってなかったのですが、最近になってあの"まんだらけ"と"ブックオフ"がオープンしたため、ここまで通う必要が生じてしまったのです。



考えてみたら人生の中でかなりの時間を、まんだらけとブックオフで使っている私ですからね。
そしてここ、
"リバティ"のフィギュア・ホビー館では…

見てください!!
平松伸二先生の名作
「ブラック・エンジェルズ」の主人公・
雪藤洋士の物を買いましたよ!
「マーダーライセンス牙&ブラックエンジェルズ」という、代表作二つを合わせて焼き直ししちゃった作品のエディションではありますが、こんなに思い入れがある作品も少ないので、これがフィギュア化されている事に込み上げる喜びが隠せません…
こんなのはアキバ系の人々は全く興味ないだろうから、安かったですし!!
こうなると
松田鏡二のフィギュアも欲しいのですが、このキャラのモデルは明らかに
「太陽にほえろ!」出演時の
松田優作なので、版権の関係で作れないかな…
とにかく今夜はこの雪藤フィギュアをニヤニヤしながら動かし、
『黒い天使(ブラックエンジェル)………!!
地獄に落ちろ!!』とかやってから寝る事にします。
- 2008/07/22(火) 12:53:48|
- 旅行・紀行・街
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
もうちょっとだけ
石森章太郎先生の作品で続けて、今回は
「メゾンZ」(
朝日ソノラマ刊)です。

前回まで
石森章太郎作品の中でも叙情的な要素が強くて美しい物ばかりを紹介していましたが、これは少年向けにしてエンターテイメント性を前面に出したアクション漫画。
そして、今ではすっかり見る事のなくなった、スパイ漫画です。
スパイお決まりの、未来的な仕込み道具、スパイ語等は活躍するものの…まぁ
「サイボーグ009」等に通じる近未来アクション物なんですけどね。
"メゾン"という中間子、つまり世界の左右二つの勢力の中間にあって人類の平和を守る組織の一員である兄のJを持つ
ケンジは、そのメゾン予備構成員のZとして仲間に入れて貰います。
そして悪の秘密結社である
"クロコダイル"と戦う…全1巻完結の物語。
スパイの心理戦とか見れたら面白そうですが、やはりこの時代の漫画でそれはなく、しかも敵であるクロコダイルの総統は脳だけが生きているサイボーグでと、正に他の
石森作品でもよく見るようなヒーロー物だ…
ケンジの兄であるJは、死んだと思ったら博士に死体を拾い上げられて、サイボーグとして再生してパワーアップするし。
まぁあまりリアルなスパイ物なんてやると、高度に政治的になってどちらが正義か悪かなんて判断できなくなりますからね。
カッコいいコスチュームの主人公が、勇気を持って戦い悪を倒す。少年漫画の王道作品でした。
- 2008/07/21(月) 23:12:01|
- トキワ荘
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
昨夜の
「あかんべえ天使」に続いて、今夜も
石森章太郎先生による少女漫画の傑作短編集で…
今夜は
「竜神沼」(
朝日ソノラマ刊)です。

もちろん私はサンコミックス版で紹介しますが、他の版だと
「竜神沼」じゃなくて
「龍神沼」表記のバージョンもあります。確かに作中の表記は龍神沼なんですよね…
さて、この短編集
「竜神沼」。
名作として名高い表題作を含めて少女雑誌に掲載された5作品が収録されていますが、これがそのまま少女漫画にスリラー、SF等のそれまでタブーだった物を持ち込んだ
石森章太郎先生の歴史にもなっています。
順番に見ていきましょう。
いきなり
「竜神沼」で、これは東京から"龍神祭り"の時期に合わせて田舎へきた
研一が、村の龍神伝説を利用した村長と神主による汚い陰謀に巻き込まれる話。
研一は竜神沼のほとりで何度か見かけた白い着物の少女にすっかり心を奪われてしまいますが、研一を慕ういとこのユミちゃんの乙女心に泣けてきます。
龍神祭り当日に、可愛い浴衣で精一杯のオシャレをしたのに研一はやはり白い着物の少女しか頭になく、あまつさえ祭りの途中でユミちゃんを放り出して、白い着物の少女を追って行くのですから…
白い着物の少女は本当の龍神様だったというオチですが、幻想的なクライマックスと、少年少女の心が美しい。
ほんの少ししかない龍神様の出現シーンも、凄いです。
次の
「金色の目の少女」は、吹雪の山小屋でスキーもできずに留まっている人々の話…で、その中に指名手配中の強盗殺人犯がいたというもの。
それからスリラー物として進んでいくのかと思いきや、その殺人犯は大した役割もなく、何とラスト近くで火星人が地球侵略を狙っている話だと分かるのです!
そして火星人の手先として送られてきた、美しい人間の姿をしたロボットの
リタが
ジョウという人間の親切な心に打たれて裏切り、地球を守るという話。
これ、
ひばり書房とかのB級ホラー的なトンデモ話とも取れるのに、
石森チックな哀愁と構成力で美しい物語に仕上げてますね。
「雪おんな」は、そのタイトルから
小泉八雲的な怪談話かと思いきや、何と
「ツルの恩返し」も融合させたSF作品で…
「昨日はもうこない だが明日もまた・・・・・」という素敵タイトル作品は、タイムマシンで何度かやってきた少女
ミミと漫画家の
健二による心温まる、そして最後は悲劇の物語。
最後の
「きりと ばらと ほしと」は、1903年のオーストリア→1962年の日本(これが描かれた当時の現代)→2008年のアメリカ(ちょうど今年ですが遠い未来だったんですね)と、時代も国も移り変わって進む、吸血鬼
リリの一代抒情詩。
最初に別れる母親の名前がラミーカといって、明らかに
シェリダン・レ・ファニュの
「吸血鬼カーミラ」から名前を取っている事でも分かる通り、吸血鬼の血筋なんですね。
しかし、それが未来まで行くと火星から来た種族の特徴で…と分かってくるのです。
石森章太郎先生らしくSFを絡めてきたファンタジーで、これも私が大好きな作品でありました。
なかよしや
少女クラブといった少女向け雑誌でこれを掲載していた
石森章太郎先生は、やはり初期の頃から実験的な精神が旺盛だったのですよね…
ところで、北海道稚内市には実際に底なし沼と言われる"竜神沼"が存在するそうなので、いつか白い着物の少女コスプレをしてくれる方を探して、聖地巡礼してみたいものです。
そうさ!なにもかもふしぎさ
でも世の中にはふしぎな夢みたいなことが……
たくさんあったほうがいいんだ!
そのほうが たのしいとおもわないかい
- 2008/07/20(日) 23:13:37|
- トキワ荘
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
今夜はそうとう久々になる
石森章太郎先生の作品紹介で、初期の少女漫画短編集
「あかんべえ天使」(
朝日ソノラマ刊)。

朝日ソノラマのサンコミックスから出ている
石森章太郎作品を、これから少しずつでも紹介していきたいと思うのです。
正統派すぎてか、マニアックな漫画ファンでも意外と深くは読んでいない
石森章太郎作品なのですが、私は少年時代からの思い入れもあって、ずっと尊敬していますので…
「あかんべえ天使」は、
トキワ荘仲間でもある
水野英子先生の寄せ書きから始まって、6編の短編が収録されています。
どれも少女向けに描かれた作品だと思うのですが、私などはいきなり一話目の
「夜は千の目をもっている」でやられちゃいます。
細かいコマ割りとセリフの多さで、家庭教師の
梅宮紀子とある一家を坦々と描いていくのですが、そこに入り込んできた戦友と紀子の悲しい関係なんかも歌と共にからめていき…
次の
「虹の世界のサトコ」は、
ルイス・キャロルの
「不思議な国のアリス」に絡めた幻想的な作品だし、他の
「水色の星」「ガラスのマリ」「赤ずきんちゃん」も実験的要素があったりロマンチックすぎる所が
石森章太郎先生っぽくていいのですよ。
そして表題作の
「あかんべえ天使」。
童話作家の爺さんがたまたました話と、純粋な少女・
ヤッコの心が一致して、びっこの子犬を天使なんだと思い込んで飼う事になり…
そこに、ヤッコが住んでる下宿の人々の様々な人生が絡んでくるのです。
問題あるヤッコの一家の他にも、若いボクサーの恋、本当は金持ちだったヒゲのおじさん…
やはりコマ割りが今の漫画より細かくて情報量が多いのもあるのですが、ストーリーの構成が緻密なわけですよ。
そして、びっこの子犬の可哀想な結末…
石森章太郎先生の初期傑作である事は間違いありません。
何だか胸キュンなノスタルジーが流れているのは確かですが、さらに単純に、そして問答無用に絵が可愛いのもこの時代の
石森先生ですねっ!
夜は千の目をもっている だけど昼にはただひとつ
陽がしずかにしずむとき この世のすべてのあかりも死んでしまう
……夜は千の目をもっている
だけど心にはただひとつ 愛がおわりをつげたとき
いのちのすべてのあかりも 死んでしまう
- 2008/07/19(土) 23:31:01|
- トキワ荘
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
今夜は
犬木加奈子先生。
このブログでは何と、今までまともに
犬木加奈子先生を紹介してませんでした!
個人的にも小学生の時から大好きだったホラー漫画家ですし、妹もはまってたので単行本は全部ずっと読んでるんですけどね…
犬木加奈子先生のデビューは1987年、少女フレンド増刊の
「楳図かずお特集号」(
講談社刊)に掲載された
「おるすばん」で、その魅力的な絵柄と童話的な怪談とでも言える作風で描き続けるうちに一躍少女向けホラー漫画界のスター漫画家になりました。
もう10数年前になりますでしょうか、分厚いホラー漫画雑誌が次々創刊されていったホラー漫画のバブル期に、一番の売れっ子として活躍していたのが
犬木加奈子先生でして、どの雑誌を見ても表紙と巻頭漫画が
犬木先生だった印象すらあります。
今夜はまず、デビュー作
「おるすばん」も収録されている最初の作品集
「暗闇童話集」(
講談社刊)から紹介していきましょう。

後に描いて代表作となった
「不思議のたたりちゃん」「不気田くん」「スクールゾーン」「怪奇診察室」「プレゼント」…等も、そのうち紹介したいですけどね。
「暗闇童話集」は全2巻の短編集になっていて、絵だけ見るとまだ発展途上の部分もあるとはいえ、最初から"犬木ワールド"は確立されていたのが分かります。
本当、単行本のタイトルが表していますね。
大抵は主人公も被害者も少女で、あの子供時代特有のつまらない事に怯える感情を思い出させてくれます。
あとは心の醜い奴、欲深な奴、等が因果応報の目に合うわけです。
デビュー作
「おるすばん」にしてからが、酷いイジメをしている少女が自殺したイジメられっ子の霊に…という話ですが、しかしイジメ描写も酷すぎで嫌だなぁ。
自分が死んでいる事になかなか気付かない少女を使って霊の世界を描く
「かえり道」とか、霊能力で自分の未来を知る事が出来る少女の悲哀を描いた
「かいま見た未来」、少女の友達関係+ホラー的な怖さの融合した
「ヤドリ蜘蛛」…
この辺りが私の好きな作品ですが、基本的に外れが少ない
犬木加奈子先生です。
絶対に言われる事があるであろう
楳図かずお先生や
日野日出志先生の影響なのですが、先達に対するオマージュとして残しながらもかなり自分の物として消化しているし、超えたと言える部分もあるのではないでしょうか。
犬木加奈子先生…凄いです。
わたしは未来を見る力を使って あらゆる危険や失敗をさけた
おかげでわたしの人生にひとつの失敗もなかったー
そのかわり ただひとつの希望もなかった
わたしの力はいったい なんだったんだろう
わたしの人生はいったい なんのためにあったの……
- 2008/07/18(金) 23:29:26|
- ホラー漫画
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
今夜は
望月峯太郎先生の短編集
「ずっと先の話」(
講談社刊)を紹介しましょう。

この本は
望月峯太郎先生10数年分の、それまで単行本に収録されていなかった短編作品が詰まっている、ファンには嬉しすぎる一冊なのです。
望月先生の作品なので、どれも絵がウマ〜イって感心するのは当たり前。
とにかくジャンルの多彩さと出来の良さに、度肝を抜かれてしまいますね。
シュールなSF作品の傑作
「COLOR」に始まり、コメディやファンタジー、マイケル・ジョーダンやNBAのルポ漫画までありますからね。
カラーページがかなり多いので、豪華さをも感じられる本ですし。
中でも個人的に好きなのが
「僕ちゃん」。
おかまキャラの
吉原僕ちゃんが可愛すぎて面白くて、ハマるわけです。
日本初の女子プロボクサーに挑戦する事になるエアロビのインストラクター、
大和撫子ちゃんの話が
「ブッとばすわよっ!」で、これも面白い。
しかし…ボクシングジムの
蟹江が撫子をスカウトする際に
「あしたのジョー」を渡すのですが、その単行本には作画担当の
ちばてつや先生の名前のみがクレジットされていて、原作者の
高森朝雄(
梶原一騎)先生が載っていない…(泣)
他の収録作品も、この単行本
「ずっと先の話」が出るまでレア扱いされて読めなかった作品ばかりだったので、発売のニュースを聞いた時は嬉しかったなぁ。
「バタアシ金魚」「ドラゴンヘッド」「座敷女」「鮫肌男と桃尻女」…それはもちろん傑作ばかりですが、
望月峯太郎先生を知るにはこれが一番。そんな傑作短編集でした。
- 2008/07/17(木) 23:28:11|
- 劇画
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0