大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

マクドナルドのハッピーセットでゲゲゲの鬼太郎

今、マクドナルドで「ゲゲゲの鬼太郎」のキャラクターグッズが貰えると聞いて、早速行ってきました。

貰うためにはハッピーセットってヤツを注文する必要があるのですけど、頼むと
『ゲゲゲの鬼太郎かきらりん☆レボリューションか、どちらにしますか』
って聞かれます。

「きらりん☆レボリューション」って全く知らなかったのですが、こういった絵柄のアニメで↓
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この右のですが、これを私が頼む可能性が少しでもあると思うのでしょうか…どうやら着せ替え人形らしいのですけど!
いや、「ゲゲゲの鬼太郎」の方もこんな可愛い絵になってしまった昨今、同じような扱いなのでしょうか。

しかし「ゲゲゲの鬼太郎」、それはくさっても水木しげるキャラ達がひしめいているのですから、欲しいに決まってます。

子供かアメリカ人のエサみたいなこんなのが付いてきますが、
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あくまでメインはこちら、「ゲゲゲの鬼太郎」フィギュア。
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当然鬼太郎、目玉おやじ、一反もめん等のキャラクターが使われていて8種類があるのですが、指定はできないのでどれが出るかはお楽しみ。
これの面白いのが、ただのフィギュアではなくそれぞれがライトが付いたり、チョロQになっていたり、ちゃんちゃんこを投げたり、しゃべったり…音声や動きの特殊機能が付いているのです!!
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期間限定なので、早めに集める必要がありそうです。

こちらはマクドナルドとは関係ありませんが、昨夜飲んだ"みんなの汁"
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おやすみなさい。
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  1. 2008/11/30(日) 23:53:32|
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週刊少年ジャンプ(50) 貝塚ひろし 7 久米みのる 1 「ロボット長島」

今夜は貝塚ひろし先生の作品で、一部でカルトな人気を誇る作品「ロボット長島」(サン出版刊)です。
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久米みのる原作ですが、この方は児童文学者や翻訳家としての仕事が本職。しかし漫画原作者としても藤子不二雄先生と組んで「きえる快速車」「名犬タップタップ」「ロケット五郎」等を書いたり、桑田次郎先生や一峰大二先生などの大物とも組んでいます。

さて「ロボット長島」、まずは表紙の左下を見て頂きたいのですが、お分かりの通りこの作品は"SF野球COMIC"です。あまり聞き慣れないジャンルですよね。
主人公はプロ野球巨人軍の主砲、そしてミスター・ジャイアンツこと長島茂雄選手。
永遠の背番号3を持つ偉大な長島ですが、昭和38年…かつてないスランプに陥っており、観客から
『長島はもうとうげをこしたんだ これからの巨人をせおってたつのは王だな 背番号1だ!』
などと言われていますよ!

そんな屈辱にもくじけずに一人で猛特訓を行う長島ですが、それでも不調なままで寝転ぶと…
『長島さんがっかりしてはいけません あなたはただ練習のくふうが足りないだけなのです
あなたは日本一 いや世界一の野球選手になる素質をもっています あなた自身それに気づいていないのです
そのしょうこをおめにかけましょう 今夜十一時 ユニフォームを着て箱根大湧谷にいらっしゃい』

という、天の声が聞こえました。
姿は見えないのに語りかけてくるその声は、タネを明かせば長島のバットのにぎりに超小型受信機がしかけてあったからなのですが…

指定された箱根大湧谷に本当に行った長島は、その受信機を仕掛けた主に出会います。
それはロボット研究で世界的に有名な、"トニー電子工業買会社"の海老原博士
一緒にいるのは娘の葉子、そしてもう一人の長島茂雄…"ロボット長島"です!

これは長島ファンである海老原博士が長島のスランプ脱出のために開発した練習用のロボットで、胸毛までそっくりに作ってあるのだとか。そして頭がぱかっと開いて脳味噌のあるべき位置にフィルムが収納されています。
それからこのロボットを使った練習が開始されるのですが、その内容とは!
まずは160キロで向かってくる車のヘッドライトをバットで打ちくだき、一歩も下がれない断崖絶壁でのノック補給、地面との間がわずか30センチしかない鉄条網に向かってスライディング、水中で襲ってくるピラニアに向かってバッティング、巨大すぎるマンモスボールをバッティング…
これらのトンデモナイ練習の成果で実戦でも打ちまくるようになった長島ですが、敬遠されて勝負してもらえなくなり、今度はその敬遠対策として、巨木の枝にロープでぶら下がって空中打法の練習です。

さらにバッティングピッチャーとしてロボット長島に投げ続けさせていると、激しく稼動させすぎたのがたたり、ついにロボット長島は壊れてしまいました。
爆発と共にバラバラに吹っ飛んだロボット長島ですが、その時の頭部の絵が背表紙になっています。
これは是非見てもらいましょう!
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うーん、強烈!
最初に主人公は長島茂雄と書いたのですが、本当の主人公はタイトルからもお分かりの通りロボット長島。
悲しいお別れとなりました…

そして昭和四十二年度の大詰め近い中日との試合で、九回裏に長島は小川投手の新魔球を打ち、ジャイアンツの逆転勝ちでリーグ優勝も決めました。
首位打者も取った長島ですが、一人さびしげに
『ああ これでロボット長島がいてくれたらなあ』
とつぶやいて歩いていると、海老原博士がロボット長島を徹夜で直して連れてきてくれました。

長島よがんばれ!全国数千万のファンの期待にこたえて………

てなわけで終わります。面白かった~。
大真面目にトンデモナイ事を描く、現在では漫画界から絶滅したこの手の作品はもっと大事に守っていかなくてはなりません。


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ところでこの単行本には「ロボット長島」の他に3話、つまり合計4編が収録されていますが、そのうち長島茂雄を描いた作品が3編。
貝塚ひろし先生の長島選手に対する熱い思いをぶつけまくった本になっているのです。

長島茂雄を幼年期から追った感動の伝記漫画「栄光の背番号3」
これに出る息子の一茂は、あの貝塚ひろし先生の代表作にして名作である「父の魂」の主人公、南城隼人の幼少時代にそっくりなのがまた嬉しい。

いきなり幼児向けの絵柄になる野球漫画「ミラクルA番外編 大造の十番打者」をはさんで…

次は長島茂雄引退記念作品でもある「N砲のバット」です。
これが同じ千葉県出身でずっと長島を目標に野球をやり、怪我で夢破れてからも漫画家の道で野球を描いて偉大な長島を追ってきた貝塚ひろし先生自身が伊賀谷海彦として登場します。
編集者に
『きみィ マンガにたいせつなものは友情・努力・勝利なんだっ きみのはマンガじゃないっ!!』
なんて言われて原稿を破かれながらも、ついに少年ジャンプで傑作を描き、憧れの長島を取材し…
引退が決まった時は泣き崩れましたが、それでも長島は自分の全身に生きてる、いつまでも現役の日本一プレイヤーなんだと、泣きながらペンを走らせる…熱い、熱すぎる作品でした!!


ひとはあなたを天性のものだといいます 動物的なカンだともいいます
ただ それだけであなたを説明しきれるものでしょうか?
否!
血のにじむような努力があったればこそ首位打者6度めという史上初の快挙をやってのけたのです
どんな強い相手にも自分のすべてをぶつけて……
燃える男ミスター・ジャイアンツ長島茂雄!



  1. 2008/11/28(金) 17:18:47|
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ホラー漫画(33) 古賀新一 6 「恐怖!血の館」

もう一つ古賀新一作品を続けて…「恐怖!血の館」(立風書房刊)です。
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南フランスの古城を舞台に、魔術を描いた恐怖譚。

少女レミーは十年前の八歳の時にある古城で両親を殺され、その時から親切なクロードさんに育てられてきました。
彼らの住むシャンパーニュ地方はぶどう酒造りの盛んな地ですが…たった一人の身寄りとなっていたクロードさんがぶどう酒造りの無理がたたって死んでしまいました。

レミーは泣き暮れ、雨の中を無心で歩いていると…親切な女性に車で助けられ、言われるままに連れて行かれた彼女のうちは、あの両親が殺された古城だったのです!
この城は六代に渡って彼女のシノン家が住んでいるのだそうですが、十七世紀のあの魔女狩りの時、使用人のバローズに通報されたシノン・マルゴーという祖先は魔女として残酷な拷問を受けた末に殺されたという話をされるのですが、その通報者バローズこそが実は黒魔術使いだったそうで、しかもそれから三百年も行き続けて今だに城のどこかにいるという話をされるのです。

ここでバローズが丘の上で黒魔術を使っている絵が出てくるのですが、その呪文が
『エコエコアザラク エコエコザメラク』
です!!これは古賀新一ファンには嬉しいサービスですね。

もう一つホラー映画ファンにも嬉しいのが、レミーがウィリアム・フリードキン監督の映画「エクソシスト」のリーガンそのまんまの悪魔憑き症状を起こすシーン。
つまり人格変わって汚い言葉を吐き、汚い液体も吐き、ポルターガイスト現象にパズズの像…
あの首が180度回るシーンまでちゃんとあります!
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そういえば、古賀新一先生は別冊少年チャンピオン(秋田書店刊)誌上の企画で「エクソシスト」"劇画ロードショー"として漫画化した事もありましたが…

それから本当に三百歳の魔女となった黒魔術師バローズもレミーの前に登場し、死体を魔術で操っているのだと分かります。
何とか城の悪夢から逃れたレミーなのに、フィリップという少年とまた城へ舞い戻ってしまうのです。フィリップはすぐに殺されてしまいましたが。

そこでおじいちゃんと慕ってたクロードさんこそが城の持ち主でもある魔女で、レミーの両親も殺していたという事が分かりました。
クロードさんの顔がバリバリと割れて、正体がばれるシーンは見物だと思います。
レミーをこれまで10年間も育ててきたのも、若さでピチピチした心臓が欲しかったからなのだとか。
…すると魔女も、凄く気の遠くなる作業をしていたのですね。
そこまできて、最後はレミーのピンチに殺された両親の霊がレミーを助ける…

相変わらず構成がいい加減だからとか、パクリが多いとかで突っ込み所満載な古賀新一作品ではありますが、少しだけぶどう酒についての勉強になる所もありますし、そしてやはり絵の魅力も楽しめる作品が「恐怖!血の館」でした。


醗酵させた心臓と
血の色の酒を二つに分け
死者の棺の中に入れる
土の中の死者は
悪魔バズズの偉大な力によって
この世に蘇生する



  1. 2008/11/26(水) 23:07:17|
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旅行・紀行・街(43) 東京都港区 2 東京タワー

ここは東京都港区。あちらに見えますのは、ご存知東京タワー(日本電波塔)…
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ちょっと前に「ココ」で行った日の報告をしたばかりですが、あまり間を空けずにまた行ってきました。
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あいにくの雨のため、外ではほとんど遊べませんでしたが…一階正面玄関前にイルミネーション地帯が出来てましたよ。
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今回も高い所まで上り、楳図かずお先生の「わたしは真悟」で悟と真鈴が使った扉を見て興奮もしましたが、やはり天気が悪いと外の景色はモヤがかかって良くありません。
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でもいいんです。
今回再び東京タワーを訪ねた目的は、前回に行けなかった蝋人形館だったのですから。
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ねこぢる先生もエッセイ漫画「ぢるぢる見聞録」で訪れた様子を描いていた、この蝋人形館。
5,6年前には行ってますが、あのヤバイ空間がその後どう変貌しているか…
ちなみに、ここ東京タワー蝋人形館は日本で最初の1970年に出来た蝋人形館です。以前はもっと高かった覚えのある入場料が、500円に値下がりしていました。そうだ当時もらってた入場割引券はこちらですが、これ使っても870円ですからね。恐らくは通常1,000円だったと思うので、半額にしたわけだ。
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ついでにこちらはかなり以前の東京タワー冊子、
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東京タワーチケット。
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ちなみに私はこの日、高円寺の"喫茶プログレ"オリジナルTシャツを着て行きましたが、
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それは何故か…並んでいる蝋人形達のラインナップを知っている人なら、分かるはずですね。

入るとまずは…
マリリン・モンローマドンナジェームス・ディーン三船敏郎マレーネ・ディートリッヒマーロン・ブランドオードリー・ヘップバーンシャロン・ストーン等々、かつて私も胸を熱くした人を含めた名画のスター達が迎えてくれます。
ロンドンから直接輸入されているらしい蝋人形達は、はっきり言ってほとんどが似てませんけど。

続いてアインシュタインや、先の大戦の中心国となった各国首脳や、宇宙飛行士にダ・ヴィンチモナリザ、蝋人形といえばこの人マダム・タッソー…それに蝋人形の拷問部屋。

ここまでは私にとっては流し見すればいい所だったのですが、次はいよいよディープにしてメインのロック部門が始まります!
ジミ・ヘンドリックスとビートルズの面々に挨拶して通り過ぎると、
"INVENTIONS FOR ELECTRIC GUITARS"
なる空間がありまして、ここにはロバート・フリップキース・エマーソンピーター・ガブリエルイアン・アンダーソンジミー・ペイジリッチー・ブラックモアフランク・ザッパ等々の有名ロックミュージシャン蝋人形や無節操なグッズ(ロックに限らず)が展示されています。

これらは英語圏の大御所ばかりでロック好きなら誰でも知っている人ばかりですが、それでもここは田舎から来る家族連れや老人も多い、東京のシンボル的な観光名所の東京タワーなわけで…
中野ブロードウェイじゃないんですよ!?
TVの歌番組とかバラエティ番組に出てはしゃいでるのが歌手だと思ってる人々は多分、ロバート・フリップすらも知らないんじゃないですかね。

そんな事で驚いてはいられません。
素晴らしいのは、このコーナーのさらに一角に設けられているジャーマン・ロックの箇所です。
ここはずっと前に来た時は無く、ジャーマン・ロックの重鎮1人か2人が他のミュージシャンに紛れているだけだったのですが、思いっきりパワーアップして展示されています!
な~んとなんと!マニュエル・ゲッチング「E2-E4」ジャケ柄の床や、アシュ・ラ・テンペル「LE BERCEAU DE CRISTAL」ジャケが立体のオブジェとして再現されていました!!
当然流れる音楽もジャーマン・ロック。

おっと、何度も出ているジャーマン・ロックという言葉ですが、ここで一応軽く説明しておくと、クラウト・ロックとかジャーマン・プログレとかジャーマン・エレクトロニック・ミュージックとも呼ばれる、1960年代末~1970年代初め(つまりプログレ最盛期)に西ドイツで登場した、あまりに個性的で実験的にして、後のロックに限らずテクノ周辺にまで多大な影響を与えたドイツ(ジャーマン)のバンド群による音楽を指します。
アモン・デュールタンジェリン・ドリームクラフトワークノイ!クラスターカンポポル・ヴーエンブリオ等々が有名で、こう名前を挙げてみると多少音楽性は違ってもドイツのバンドで一緒くたにしているきらいはありますが、もっと詳しい説明をすると長くなるので、ここまでで勘弁してくださいね。
興味持ってる人なら既に知ってる事やバンドばかりでしょうし。知らない人は、是非聴いてみてください。

追加されたのも含めて蝋人形シリーズ、ジャーマン・ロックの重鎮の顔ぶれは…
Ash Ra Tempelマニュエル・ゲッチングクラウス・シュルツェGuru Guruマニ・ノイマイヤーFaustからも2人に…って、もう名前知ってても顔なんか知らない、ジャケで少し見た事あるくらいのレベルになってきますよ!

もちろん、自分の趣味が高じてここにこんなもんを作りまくってる東京タワー館長さんは凄すぎる。
重ねて書きますが、ここは東京でも一番のシンボル的な観光名所ですからね。ここにこれがあるのが、どれだけ異様な事か…それも現場にいると頭がマヒして分からなくなってました。

ちなみに、アモン・デュールIIのライブ盤「Live In Tokyo」はジャケで東京タワーが使われています。
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もういいか、と惜しい気がしながらも蝋人形館を出ると、出口は前回も紹介した例のジャーマン・ロック店なんだから、やられた!
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いや~、ここの品揃えはいつ来ても笑ってしまいます。
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お土産コーナーはジャーマン・ロックのCDやTシャツ…
これはレアだと喜んで買物するじいちゃんばあちゃん、いや孫でも息子でもいいから、いたら見てみたいですって!!
ここについては、是非とも大槻ケンヂさまのエッセイ「行きそで行かないとこへ行こう」「オーケンの散歩マン旅マン」の2冊も読んで頂きたい。

・・・・一応断っておくと、蝋人形達の写真を載せてないのは、写真撮ってもホームページやブログにアップする行為が禁止されているからです。
特に面白い"INVENTIONS FOR ELECTRIC GUITARS"コーナーにいたっては、撮影すら禁止でした。

はい、サバラですよ東京タワー。
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帰り道には"牛角"へ寄って乾杯!
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同行したジャーマン・ロック友は、早速東京タワーで買ったアシュ・ラ・テンペル(Ash Ra Tempel)Tシャツを店内で着て喜んでました。
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いい物を観た嬉しさから贅沢してお肉なんて食べて、生ビールが進んでしょうがなかった…
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はい、今夜はここまで。


  1. 2008/11/25(火) 23:17:55|
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ホラー漫画(32) 古賀新一 5 「悪霊 きつね屋敷」

古賀新一先生の続きで、今夜は「悪霊 きつね屋敷」(立風書房刊)です。
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これもレモンコミックスのロングセラー。

キツネの魔性、呪い等を扱った作品で、各地の伝説を取材した古賀新一先生が、仕事部屋を真っ暗にしてローソク一本の明かりでストーリーを練ったのだそうです。

健ちゃんは母が入院したために、退院するまでいとこの郷田加代らが住む元は武家屋敷だったお屋敷へ住む事になりました。
薄気味悪い彫刻が並ぶ郷田家には先祖代々続くしきたりがあり、それはキツネの首を祭った祭殿に朝起きた時と夜の寝る時は手を合わせる事。
一日でも怠ると恐ろしい祟りがあるというから、怖い義務です。

夜中に屋敷を探索する健ちゃんが怪しい地下室を見つけます。
後日物音がするので行ってみると、そこには行方不明と言われていた加代の母が幽閉されていました!
この母の顔が、「悪霊 きつね屋敷」の作中において一番怖いのですが…彼女は被害者で、何と娘の加代によって酷い虐待を受けています。

その加代が実は小学校五年生の時から九尾キツネに取り憑かれていて、というので恐ろしいキツネ顔に豹変して暴れる事があるのです。
この加代を親切な坊さんの念仏でやっつけるまでを描いているのですが、最後は健ちゃんがナイフでキツネ化した加代を刺して殺してしまう…。

例えばコックリさんなどやったりしてキツネの呪いを恐れない愚か者は、この作品を読んで畏怖の念を持つべきかもしれません。


そして併録されている短編「モンキー彦一」がさらなる傑作。

いきなり『くそっ』と、素晴らしい描き文字で泣き叫びながら猿をかかえて走っているのは彦一
野猿による被害が深刻な村で、猿に似ているという理由でいじめられている彼が、持っていた猿の着ぐるみを着て(そう、最初に持っていたのは着ぐるみでした)猿の群れにもぐり込み、村の被害を止めて評判になろうと画策します。
これだけで素晴らしい設定なのが分かると思いますが、友達になった猿を連れて自分をいじめた奴の家に泥棒に入ったりして、お前がさらに被害を増やしてどうする!といった感じです。

それから飢えた亡者のような姿の猿が大群で死にかけている洞窟の飢餓地獄を目の当たりにする凄いシーンを経て…
破産して空き家になった家に残された子供を、人間が放った火の中から助けた事により、村人達の方が農園や畑、家を猿に明け渡して出て行く事になり、もちろん彦一の一家も猿と別れちゃいました。
ラスト車の荷台から猿に手を振る彦一の晴々とした表情が、彼の成長を表している感動作でした。


くそっ 火をつけたなっ!! なんてひどいことを!!
人間が猿を責める資格が どこにあるというんだっ!!



  1. 2008/11/24(月) 23:55:41|
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ホラー漫画(31) 古賀新一 4 「恐怖のオオカミ少女」

もうちょっとだけ、古賀新一先生の比較的入手が容易な作品紹介を簡単に続けていこうと思いますが…
今夜は「恐怖のオオカミ少女」(立風書房刊)です。
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これはレモンコミックスとしてはかなり多く版を重ねているロングセラーですね。
舞台が貧しい北欧の町で、クリスティリーナという外人の娘が主人公の作品。

いつも何でもよくできる姉のクリスティに比べられて叱られる、ドジな妹のリーナ。
彼女はソリ犬にさえ馬鹿にされているのか、ごはんを食べてもらえません。
『わたしがつくったものは まずくて食べられないんだわ』
と泣く、リーナ。

ある時、姉妹は野生のオオカミの群れに襲われて、リーナだけが両足を噛まれて二度と歩けない体になってしまいました。
それから7年…

ますます美しくなって人気者のクリスティと、芋虫のように這い回り意地悪になったリーナ。
だんだんリーナを恐ろしく感じ出したクリスティは、パパの書斎から「狼の伝説」という本を読んだり、ペットの猫ミーコを食い殺したリーナを見たりして、リーナは人狼なのではないかと疑いを持つのです。

それから家の火事で焼け死んだと思われたリーナが魔性の白オオカミとなって甦り、パパとママも順に殺して、さらにその死体を喰う…
怖い展開になるのですが、狐に包まれたようなラストで終わります。

この「恐怖のオオカミ少女」で特筆すべきは、古賀新一先生がかなり"絵"そのものの怖さや気持ち悪さに重点を置いて描いている事でしょうか。
クリスティが驚くシーンなんかも、被害者なのにそこらのオオカミよりよっぽど怖く描いているのです。

土地の習慣で、働かない者や老人や手足の不自由な者を閉じ込める、そこで苦しんで餓死させるための"死人塔"があるという設定が全く生かされなかったのが残念ですが、伏線なんてブッ飛ばす、その場の勢いで乗り切る作家が古賀新一先生だったと再び納得して、終わります。


リーナは自分の思いどおりにならないと
気ちがいのようになって あばれまわるのです
まるでいもむしのように のたうつのです
その哀れな姿が なぜかわたしにはみにくく
寒気をおぼえたのです



  1. 2008/11/22(土) 23:16:10|
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すき家&なか卯コラボのキン肉マンTシャツ

連載開始から29(にく)年を迎えた今年、外食大手で"すき家""なか卯"をかかえるゼンショーが、最近までゆでたまご先生の「キン肉マン」とのコラボレーション企画として『キン肉マン祭り』というキャンペーンを展開していたのは記憶に新しい所ですが、その時のプレゼント品であるTシャツを今夜、友人から頂きました。

友人もたまたま当たった兄から貰ったが、こんなの使えないという事で…それなら私が使うしかないでしょう!!
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バックプリントも素敵です。
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うーん…ありがとうございました。

そうそう、よく「キン肉マン」の牛丼は"吉野家"だと思われてますが、そして私もそう思ってたのですが…
それも無理がなくて作品を読んだ事のある方なら知っての通り、作中に"吉野屋"(「家」ではない)という店が登場していましたし、連載当時の牛丼屋といえば吉野家がダントツで知名度一位でしたからね。
吉野家からゆでたまご先生に対して、名前入りで豪華な丼と湯飲みが送られた話も有名です。

しかし…「キン肉マン」の牛丼は吉野家とは関係ないのだそうです。
さらにゆでたまご先生のインタビューで、出身地大阪を拠点としていた"なか卯"の牛丼がモデルだと語っていたのを読んだ時は、今までの思い違いの年月を想ってガーンとショックを受けたものでした。

ま、正直な所どっちでもいいんですけどね。
ただ今夜は、「キン肉マン」キン肉スグル「キン肉マンII世」キン肉万太郎が共に丼を持って並んでるプリントのオフィシャルTシャツをゲットした喜びだけを噛み締めて、"カメハメ殺法100手"(48の殺人技と52の関節技)の練習をしてから寝るとします。
おやすみなさい。
  1. 2008/11/20(木) 23:20:53|
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花園神社の大酉祭 見世物興行

東京都新宿区にある"花園神社"の祭り、大酉祭に行ってきました。
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一の酉、二の酉、三の酉と三回、それもそれぞれ前夜祭と本祭があって11月だけでも6回賑わうこの祭りですが、私が行ったのは11月17日(月)の二の酉本祭です。

倉稲魂命、日本武尊、受持神を祀るこの花園神社。
歌舞伎町や新宿ゴールデン街のすぐ近くというのに静かな落ち着いた空間で、私はずっと前から少し寄って一休みするのが好きな場所でして…
唐十郎の劇団"状況劇場"がここで紅テント公演をしたり、名作ドラマ「太陽にほえろ!」で春日部刑事(ボギー)が殉職した場所としても、ファンに知られていますね。

祭り当日は当然ながら周りの広い範囲で凄い人ごみになっていますが、私のような人ごみ苦手な者が頑張って祭りなどに行ったのはもちろん理由があります。
目的は一つ、"見世物興行"のみですよ。
きっとここに行けばフリークス(Freaks)達の夢の共演… つまりは巨人、小人、せむし、象男、シャム双生児、ピンヘッド、等々による、つまりは江戸川乱歩の小説だとか寺山修司の演劇や映画、または丸尾末広先生の「少女椿」だとか大越孝太郎先生も描くのを得意とする、あの世界は怪しい魅力に溢れていますが、しかしもはや日本では滅び行く文化であるのだから…見れる時に見ておかなくてはと!
そう、畸形の人々はそれを生業にしている以上、見る事が生活の手助けになるというのに、人権派とか称して的外れの反対をしちゃダメですね。

とにかく、人ごみを掻き分けて見世物小屋を目指します…
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ついに見つけた見世物小屋!!
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この中に入るとそこは地獄…フリークス達の狂宴、そして「少女椿」のみどりちゃんのような可哀想な少女達が!
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・・なーんて事は全くなく、奇形人間なんて一人もいなくて(というか出演者は二人だけ)、健常者による曲芸だけでした。
つまらないってわけではないのですが、見世物小屋という言葉に皆が持っているであろうイメージ、もちろん乱歩の世界なんてのを期待してると肩透かしを喰らうわけです。
同じ名前を使っていても、内容は同じではなく…呼び込みの小人のおじちゃんとか、そんなのすら見る事ができませんでした。

さらに、残念ながら中は撮影禁止だったので写真はありません。
畸形に詳しい友人が教えてくれた情報によれば、今年は有名な"大寅興行社"が来てなくて(最後の一人のお峰さんが体調がおもわしくないとか)、"入方興行"の若い蛇女(小雪)のやつしか見れなかったのだそうです。
ガロ出身の東陽片岡先生は週刊漫画サンデー(実業之日本社刊)における連載で一昨年か、『晩秋の話のタネは、見世物小屋だった。のまき』でここの興行を観た時の話として紹介しています。その時はお峰さんもいたし、たちまち小雪のファンにもなったのだとか。
私のおそらくは一生に一度だけの見世物小屋体験ネタとしては面白かったけど、エンターテイメントを求めるなら富士急ハイランドあたりへ行って"ゲゲゲの妖怪屋敷"でも見た方がいいかもしれません。

あの夢の見世物小屋は…滅びそうなのではなく、もはや絶滅したのかもしれませんね。
もはや過去と夢の中にしか存在しない世界…
日本のではありませんが、また本物の見世物小屋を見れるトッド・ブラウニング監督の神懸かり的な名作映画「フリークス」でも観て、寝るとします。
はい、終わり終わり。


  1. 2008/11/18(火) 23:38:19|
  2. 映画、音楽、将棋、等
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ホラー漫画(30) 古賀新一 3 「私の肌に呪いの顔が」

今夜も続けて古賀新一先生で、「私の肌に呪いの顔が」(立風書房刊)です。
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昨夜の「のろいの顔がチチチとまた呼ぶ」と同じく"呪いの顔"モノですので、同じく人面瘡も登場しますが、それ以上に単行本全3巻の中をあの手この手と、いつもの古賀新一先生らしくサービス精神満載で怖がらせようとしてきます。

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主人公(被害者)の少女・由美が誕生日にクラスメイトを招待しますが、悪質なほどの悪戯好きの姉・マリが料理の中にガマガエルの玩具を入れて…
それを口に入れてしまったさゆりは異常なカエル嫌いで、カエルのイボが体中に出来、さらにカエルのように変身したあげくに死んでしまいました。

ガマガエルは昔から神の使いと言われているようですが…
由美の母にも秘密があり、10年前に幼女時代の由美の裸を執拗に見つめるガマガエルを、悪魔のような形相で何度も踏み潰して殺した事があったのです。
これはあの時の呪いなのか!?

とにかく死んださゆりらしき者が本当は罪のない由美に襲ってくるのですが、寝込みを狙って…
手にしたナイフを何と由美ではなく、イボイボだらけの自分を傷付けて、流れる血を由美の体に塗り付けるのです!
『さあこっちへおいで
おまえもわたしと同じように
みにくい姿になって苦しむがいい』

と。

しかしこの作品は夢オチがあまりにも多く、いや夢か現か分からなくなるシュールな展開が多いのですよ。
投げっぱなしで終わるようなネタも多いし…
古賀新一作品において、細かいストーリーを考察してもしょうがない気はします。
見所はジェットコースターのように襲ってくるグロテスクなモノなので、それを楽しめばいいのでしょう。

自分の影が実体化して由美に化け、本物の由美は母親に『へんな子………わたしあなたなんか知らないわよ』なんて言われ、次は首に人面瘡が出来てケケケケと笑い(今回はチチチじゃない)、鍾乳洞に迷い込んむと鎧武者がいるなんて横溝正史「八つ墓村」の設定そのままの場面(しかし鎧武者にも人面瘡)から、親切な一家に娘になってくれと迫られたら実はそいつらも人面瘡持ちで汚い血をなすりつけてきて、背中に住み着いた呪いの生き物(可愛い)に命令されて姉のマリを崖から突き落とすと、生き物は病院の先生に取り憑いてマッドサイエンティストに変えると由美の体中に目玉を移植して百目のような姿にしてしまう…
こんな感じで次から次へと、手を変え品を変え、短いスパンで恐ろしい事がふりかかる由美です。

一方、崖から落とされたマリも生きてました。しかし
『由美とわたしは姉妹なのに どうして幼い頃から仲が悪いのかしら
なぜか二人の間に 他人のような冷たい心が流れている』
という疑問を持つと、さゆりが由美の本当の母で気の狂った女、というのを演じて由美に不信を植えつけ、家族の仲を裂くように仕向ける…この連携プレイはなかなか見事。

由美の受ける最後の不幸として、でかいガマガエルだらけの布団に突き倒されて顔でグチャと潰し、口の中に生きたガマを詰め込まれ、顔がイボだらけになるあたりでしょうか。これはきったな~い!

これらの事が、死んださゆりの祟りだったのか、それとも10年前に母が殺したガマの祟りだったのか…
それはもう、どっちでもいいですね。
一応、由美の家族は全員正気に戻って終わるハッピーエンド。

この「私の肌に呪いの顔が」は、いかにもな古賀新一テイストに溢れた作品です。
人にオススメ作品を紹介する時に「エコエコアザラク」は長い、と思ったらこれがちょうどいいのではないでしょうか。


ケケケケ
やっぱりお前の肌がいい
お前にとりついてやる



  1. 2008/11/16(日) 23:53:02|
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ホラー漫画(29) 古賀新一 2 「のろいの顔がチチチとまた呼ぶ」

今夜は久々の古賀新一先生で、「のろいの顔がチチチとまた呼ぶ」(ひばり書房刊)です。
KOGA-chichichi2.jpg
かつて描き下ろし作品を乱発していたために数多い古賀新一作品の中でも、タイトルのインパクトで有名な作品ですね。

そして全ての古賀作品に共通するように、ここでも安易に呪いの怪事件が襲ってきます。

愛子エミの姉妹が海辺の別荘で遊んでいると…
身投げしようとしている女性を見つけて助けてあげるのですが、そのために愛子は恐ろしいモノをうつされました。
それは、チチチと小鳥のような声で泣く醜い人面瘡。この作中では"みにくいもの"と呼ばれます。
しかも、愛子自身も何かの拍子につけ顔が醜くなり、チチチと言いながら人を襲ってしまうようにもなりました!!

それからあの手この手でみにくいものを退治しようとしますが、やっと消えたと思ったらまた出てくるし、体から離れても単体で生きていてまだ襲ってくるので、しつこすぎる奴です。
こいつのせいで海で溺れそうになった時は、天国から…いや、まだ生きてるママの声が聞こえてきました。
『愛子しっかりしなさい そんなみにくいものにまけたらだめよ もっと勇気を出すのよ』
と。
どうやら自らの力強い勇気でみにくいものを滅ぼせると分かってきます。まだまだしつこく付きまとわれますが。

みにくいものはちゃんと睡眠も取るのですが、『ぐうぐう~』とかいびきかいて可愛い顔で寝てますよ。
そこに父親が毒薬を飲ませると、みにくいものがさらに醜く変化していき、体からは離れるのですが、
『くくくっ…もう一度愛子の体について 今までいじょうに苦しめてやる くくく』
と誓うみにくいもの。
何だ単体でも生きていけるし、しかもかなり強固な意思はあるしチチチだけじゃなく話もできるのか…
離れた時に愛子を脅す手口も、なかなかねちっこいですよ。

そしてクライマックスのバス事故から、助けたおばさんの家に泊まる愛子達ですが、この家が醜い絵ばかりを飾っているし、電気も付けずにローソク火のみ。
この家に陰気な少女が眠っているのですが、そのミイラのような体をしたその少女の顔が、あのみにくいものと同じ!
生まれつき顔が醜いために、世の美しい人を異常なほど憎み続けているのだそうです。

やっと分かった事によると、あの人面瘡みにくいものの正体とは、彼女の『人を呪い続ける恐ろしい心のあらわれ』でした。
それに気付いて愛子は
『ひどい人 まるできちがいだわ
わたしをどこまでいじめるつもり 悪魔だわ
あんな人 死んでしまえばいいのよ』

と泣きますが、それでも家が火事になって元凶になった少女(名は無い)が死にかけると、優しい愛子は我が身の危険も顧みずに火の中に飛び込んで少女を助けるのです!

結局は我が身の愚かさを反省して少女は死に、すると今や愛子の体中に出来ていた人面瘡(みにくいもの)はしだいに小さくなって消えていきました。
数日後、今やすっかり普通の体に戻った愛子が、少女の墓の前で
『わたしはこの人のために ずいぶんつらい思いをしたけど
人をにくむ心こそ もっと苦しいものにちがいないわ
いま思えば本当に かわいそうな少女だったんだわ』

そう思って、オシマイ。

あの…少女が死んだ火事の原因は、愛子が倒したローソクだったのですけどね。
ついでに一軒家を完全に焼け落としているし…

こちらは、「チチチとまた呼ぶのろいの顔」(廣済堂刊)。
KOGA-chichichi.jpg
またホラー漫画にありがちな手法、タイトルと表紙を変えて再発した物ですが、このタイトルの変え方が古賀新一作品と同じく安直というか面白いというか。

とにかくいつもの古賀新一先生らしく、やりすぎ感やぶっ飛び感性に溢れる、愛すべきB級ホラー漫画の傑作でした。併録されている短編「クモ男」もヤバいので、是非ご一読ください。
ちなみに、後にわたなべまさこ先生が描いた人面瘡モノのホラー漫画「悪霊」でも、出てくる人面瘡が『チチチ』と鳴いていたのは、本作へのオマージュでしょうね。


おまえってかってな子どもね
じぶんさえ死ねば気がらくになるわ
でもキズをうけた少女はどうなるの おほほほ
きっと今ごろ病院で苦しがってるわ おほほほ
もっともおまえのような心のやさしい子を
いじめるのがわたしの喜びなのよ おほほほ…



  1. 2008/11/15(土) 23:37:02|
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トキワ荘(36) 石森章太郎 27 「鉄面探偵ゲン」

今夜の石森章太郎作品は、「鉄面探偵ゲン」(講談社刊)です。
ISHIMORI-gen.jpg
1974年から週刊少年マガジンにて連載された作品で、単行本は全2巻。

ここでは何と石森章太郎先生が本格推理サスペンスに挑んでいるのです。
残念ながら連載された全話が収録されてはいないのですが、この前身作として「鉄面クロス」があります。

簡単に書くと、主人公の十文字元刑事が、全身鉄のヨロイで固めた強盗・怪盗鉄面クロスを追っていったまま行方不明となり、その半年後にただの飲んだくれとなって戻ってくる…この行方不明期間に一体何があったのか、というのが「鉄面クロス」

その続編である「鉄面探偵ゲン」は、もちろん同設定ですが、十文字元(ゲン)は刑事を辞めて万来軒というラーメン屋の二階に"私立 十文字探偵事務所"を構えています。
いつも酔って部屋で寝てばかりでイカの足をくわえている奴で、夜になると副業でおでん屋台も営んでいます。
万来軒にはオヤジと娘のおタケがいて、このおタケは口が悪くてゲンをいつも怒鳴っていますが、本当は恋心を持っていて…
ゲンの父親はベテラン刑事。

この手の少年向け探偵ドラマではユニークな敵(怪盗)が付き物ですが、怪盗鉄面クロスに変わって「鉄面探偵ゲン」で出てくるのは、高価な宝石を盗んで犯行現場にE・S・Pカードを残していく怪盗ポルター・ガイスト
彼の正体は白神三魔之助という、何とまだ中学生。長野県の旧家生まれの超能力まで持つ大天才です。

このポルター・ガイストが魅力的な奴で、社会に復讐するために盗みを働くのです。
それが完全に自分の価値観に従って犯罪を楽しんでいるので、犯罪を芸術の一種としてとらえていて、殺しだけは絶対にしません。
精巧でメカニカルな義手・偽足や、空飛ぶ円盤なんかも自分で作っちゃう回もありました。
芸術を愛するキャラクターなので、狙う品物も松尾芭蕉直筆とされる短冊だったりして好きだなぁ。
逆に結局いい奴として描かれて、敵としての恐ろしさはあまり無いのですが。

そして作品で最も重要な設定が、主人公であるゲンが前作 「 鉄面クロス 」 で敵の罠にはまり、代り身として皮膚に食い込んで二度と外せない鉄面と鉄鎧を装着させられている事!
普段は普通の人のように見えますが、それは精巧なリビング・マスクでしかなく、よってゲンの本当の素顔は作中一度も出る事はない…
人間の顔はマスクで、その下の鉄面が今は素顔だなんて…悲痛なヒーローとして素晴らしすぎますね。

これが故に作品には悲哀さが漂うのですが、こういった顔を失った男の苦悩、といった種類の暗さは正に石森章太郎作品最盛期の真骨頂とも言えるテーマでもあります。
いつも酒を飲んでいるのは、永遠の悩み苦しみを僅かの間でも忘れるため。
いつもイカの足をくわえているのは、あんまりしゃべらなくていいように。鉄面の口でしゃべるのはしんどいから。
酔っ払いの"ふり"をしてれば表情の不足もカバーできるというのですが、この設定に思春期の私は痺れました。
私もいつもイカの足をくわえ、世間に出てくだらないおしゃべりをしなくてすめば、と想像したものです。

『・・・・まっ白な雪の下に 黒くよごれた現実の風景がかくされているように・・・・
・・・・人はみな にくしみやいかりをー
・・・・ほんとうの心をかくして くらしているのだ・・・・』


ゲンが解決していく数々の事件はどれも面白いと言えるのですが、新潟県佐渡が島の北にある小さな島・首なし島を舞台にした話なんかは、土着的な伝説を基にした横溝正史の小説的な展開と雰囲気を持っていて好きでした。

そして最終回…日本国の黒幕にポルター・ガイストが敗れ去り、ゲンは背負った宿命からおタケの愛を受け入れられずに姿を消すのですが残念ながらこの単行本には収録されていません。
だから私にはずっと幻の回となっていたのですが、今は復刻版で読む事ができます。


・・・・若者たちは東京にあこがれ・・・・
・・・・やがて夢やぶれて・・・・故郷にかえる・・・・
そして自己中心の身がってな愛で・・・・破滅する
・・・・いったいなにを かんがえているのか
それとも なにもかんがえていないのか・・・・



  1. 2008/11/14(金) 17:31:08|
  2. トキワ荘
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ポッカコーヒー こち亀タイアップ缶

こんばんは。

現在…巷では、「こちら葛飾区亀有公園前派出所」のイラストをあしらったポッカ(POKKA)の缶コーヒーを目にしますね。
こち亀ファンではない私もちょっとだけ嬉しくて、他のダサいというか個性ないデザインの飲み物を買うくらいならポッカコーヒーとなってましたが、聞けばこの"こち亀タイアップ缶"は約1カ月間の限定販売なんだそうで。

すると、あと数日のうちに無くなるかもしれない…普通は外にいる時に一本買うだけのコーヒーですが、今日は買って家に持ち帰りました。
POKKA-kochikame.jpg
ちゃんと飲んだ後の缶を取っておいて、計30種類あるらしいのを全種集めた方が良かったかな。
いや、逆にこち亀ファンじゃない私が集めちゃダメか。

ただ、こういうのは売り上げ貢献のためにも買います。
人気漫画とドリンクの コラボレーションが売れるって事になれば、もしかしたら次々と他の作品のも商品化されるかもしれないじゃないですか。

私の愛する名作漫画…さすがに知名度の高い作品じゃないと難しいとは思いますが、例えば
「あしたのジョー」「デビルマン」「カムイ伝」「ねじ式」「サイボーグ009」「はだしのゲン」「ブラックジャック」「漂流教室」「ポーの一族」「ガラスの仮面」「AKIRA」「北斗の拳」「聖闘士星矢」「ジョジョの奇妙な冒険」「寄生獣」「美味しんぼ」「月下の棋士」「MONSTER」「DEATH NOTE(デスノート)」「バガボンド」
ざっと作者やジャンルをバラバラにすぐ思いつく作品を並べてみましたが、このくらい有名な作品なら漫画好きでない一般客からも文句が出ないのではないでしょうか。
いや、見返してみると名作でも作品の内容から絶対無理なものもありますけどね。こち亀よりはよっぽど面白くなりそうです。

ちなみにポッカコーヒーといえば、日本で初めての缶コーヒーとして発売された長寿商品。
この男性キャラの顔を見た事無い人はいないでしょうね。
今後を期待してますポッカコーヒー!本当、私としてはコーヒーの味なんてどうでもいいから。

他社もそれを見て続き、例えばトマトジュースで有名な会社がトマト=血の赤イメージで日野日出志先生のいろんなキャラで計30種類とか出してくれたら、もう生きるのが楽しくなってしまいますね。


  1. 2008/11/13(木) 23:07:25|
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劇画(60) 新堂冬樹&西崎泰正 2 「カリスマ」 2

この世はメシアの創り出した幻影であり
究極の真実はメシアと一体化した時のみ訪れる…
よって肉体的な死を恐れることはなく
どんな出来事にも怒りや哀しみを覚えることもない
悩み…怒り…哀しみ…
それらは魂の成長を促し メシアと一体化するための修行である…
そうでしたよね曽根さん
私は今あなたが 羨ましくてたまらない
何故ならあなたの魂はこうして メシアと一体になれたのだから



こんばんは。今夜も新堂冬樹原作、西崎泰正作画の「カリスマ」(双葉社刊)で続けます。
SHINDO-NISHIZAKI-charisma3-4.jpg

宗教法人の名を借りたカルト教団、"神の郷"のメシア(救世主)が神郷宝仙
本名岡崎平八郎である彼も、カルト教団によって母親が狂わされて殺された被害者でしたが、今度は神を憎む自分が宗教の名を利用して教祖となり、人々をだましているのでした。

そのターゲットとして選ばれた城山一家の亭主が信康
社長令嬢なのに結婚して貧乏生活に甘んじているのが麗子で、子供の利治ためにとだまされて神の郷が主催する"悟りの会"なるセミナーに参加させられて…

麗子は神の郷教育部真山千夏の懺悔の行(言葉責め)によって、善良な自分の心にあった虚栄心等が暴かれ、取り乱して泣き叫びます。
また例のマントラ、
『私は誓う あらゆる欲望の減失を!私は誓う 魂の解放を!私は誓う 永久の帰依を!』
なんてのを唱えさせられ続けて、極限まで疲弊させて思考力の鈍った脳に、送り手側の自由な情報を刷り込んでいく洗脳方にやられ…
寝る時も自ら神郷宝仙の吹き込んだマントラが入ったテープを繰り返し聴くようになると、洗脳も最終段階でしょうか。

タイトルでもある"カリスマ"という言葉は、もちろんカルト教団の教祖である神郷宝仙(メシア)を指しているのですが、こいつは醜悪な俗物で、普通に見たらカリスマ性は全く見出せない。
メシアの言葉や説法も、客観的に聞いたらどう考えてもデタラメ、というかそれ以前のくだらない悪趣味なサブカルチャーでしかない戯言なのですが、それが信じる者からしたら神の言葉である…その怖さを描いているんですよね。
モデルとなったと思われる"オウム真理教"の麻原彰晃もそうでしたよね。

悟りの会という名の洗脳合宿も、三日目を終わりそうな時…
麗子は既に顔つきも変わってマントラで魂が清められていると信じ込んでいる所で、大げさな演出の下でメシアが登場!!
『愛しい我が子達よ!
あなた方の背負う一切の罪は 私を見たこの瞬間に全て赦される!』

なんて言ってるメシアは、この直前まで女性信者に自分のモノをしゃぶらせていたのですが…
まんまと洗脳されて思考力をパンクさせられてる麗子は、感激の涙を流します。

七日間のプログラムを全て終えて帰宅した麗子ですが、家族が見たその姿は…もうお分かりでしょう。
汚い姿で性格も豹変させて、普通の人が聞いたら狂ってると思える事しか言わないわけです。
ここから、家族が洗脳された事による家庭崩壊の図が展開されるわけです。

困り果てた信康が、フラフラと近所の友人"岩尾書店"に行き、三蔵さんに事情を話すと…
何と三蔵さん、あの神の郷の天敵、脱会カウンセラー"覚醒会"武石藤夫会長と友人でした!
それから彼らの協力を得て、共に戦う決意をするのです。

一方の神の郷、メシアは邪魔になった、そして情婦だった真山千夏を氷室に命じて魂の解放(殺人)させ、肉体を光の粒子に変えて大宇宙に帰す功徳(死体遺棄)はメシア自らがやるのですが、これが体毛だけ剃って地下で飼ってる大蛇に食わせる方法なのです。
蛇の消化酵素は動物の体毛以外、骨も歯も全部溶かしてしまうという事ですが、これは恐ろしい。

麗子の洗脳は想像以上に強すぎて苦労するのですが、それでも覚醒会に預けて一安心し、さらに覚醒会は神の郷に"爆弾"といえる攻撃を仕掛けました。
神の郷の現役教団幹部の瀬野陽平が実は覚醒会の幹部で、スパイとして潜入していたのです。これにはビックリしました。
実際に今まで数々の悪行…女性教徒達への姦淫、金をむしりとってきた様を証拠画像と共に、それを一気にTVで公開しました!

この効果は絶大で、指導者のカリスマ性が薄まったために三千人近くいた神の郷信者は一週間で数十人まで激減。
それでもメシアは幹部信者たちを動かし、教団で一番大事な存在となった麗子だけを奪回。
この急展開の中のクライマックスは、神の郷の本拠地に小物である夫の信康が乗り込む所。

信康は土壇場でも全くダメで困りましたが、そんな事よりさらに意外な事実が待ち受けていました。
二十年近くも味方だと信じていた、岩尾書店の三蔵さんが実はメシアの母親を狂わせた元凶である教団の教祖で、警察の捜査から逃れるために地下に潜伏して準備をしていたのだそうです!
しかも麗子にはメシアを忘れさせると同時に、今度は三蔵さんをカリスマだと刷り込んであったのです。

洗脳合戦の後は、神の郷で本当の殺し合いの末に最後の最後でやっと信康が勇気を出して麗子を守り、
『もう二度とお前を迷わせたりしない! 俺が命を懸けて死ぬまでお前を守ってみせる!』
と決めて、この後は本当に平凡ながらも幸せな暮らしが戻るハッピーエンド。
…と思ったらメシアが大火傷を負いながらまだ生きていて、教団の復興と麗子の奪還を狙っている、というアンハッピーエンドで終わりました。
神の郷のメシア神郷宝仙(岡崎平八郎)、彼の半生を考えると、私なんかはこいつの応援をした方が良かったのかもしれません。

この漫画版「カリスマ」、実は途中までかなり原作に忠実なのですが、ラストが違っているので興味のある方は是非オリジナルである小説版も読んでみてくださいね。
漫画と同じく、ハラハラしながら読み進んでいく事は間違いない傑作ですよ。

しかし世間知らずのお嬢様で心が真っ直ぐな麗子は、簡単にコロコロ騙されるキャラとして描かれていましたが、本当に新興宗教に引っかかる大部分がこうっちゃうのでしょうか。
宗教は現実社会に順応できなくなった人々の逃げ場として使われているような印象が目立ちますが…無くなると生きていけない人や、本当に救われている人もいますよね、確かに。
私の周りにも愚かな信仰を持つ人はいますが…神などBRUCE LEEしかいない事を学校教育で教えるべきかもしれませんね。


私はいつも孤独だった…
世間の冷たい風の中を一人で歩いて来た…
身寄りもなく 生活力もなく 夢も希望もなく生きていた…
食うや食わずの私に 誰一人手を差し伸べてはくれなかった…
もちろん神の救いもない……
当然だ 神なんて人間の生み出した虚像なのだから…
私はその虚像を恨んだ……
神を騙る人間…それを崇める人間…それらを容認する社会…全てを恨んだ…
そして私は誓った…自らが「神」となることで 愚かな人間達を地獄に突き落としてやろうと…
それは社会への報復であり 神への復讐でもあった…



  1. 2008/11/12(水) 23:27:50|
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劇画(59) 新堂冬樹&西崎泰正 1 「カリスマ」 1

優しかった母の顔
美しかった母の顔
それがあの日を境にー
狂気に変わった



今夜は新堂冬樹原作、西崎泰正作画の「カリスマ」(双葉社刊)です。
SHINDO-NISHIZAKI-charisma1-2.jpg
初の青年漫画誌で劇画のパイオニア、そして数々の名作を生んできた漫画アクションが、しばしの休刊を経て復刊した2004年、私も喜んだその復刊号で一挙二話掲載という扱いで登場した作品で、単行本は全4巻。

裏社会を描くノワール小説と、対極的な純愛小説の共に評価の高い新堂冬樹の小説を原作として、西崎泰正先生がノベライズした作品なのです。
ではこの西崎先生とはどんな漫画家なのか!
…すみません、この「カリスマ」以外全然知りません。
この作品を見る限りでは絵は凄く上手いわけではないのですが、作品の内容には見事にマッチした絵柄で、見事に分厚い小説を漫画作品として昇華してくれました。
おっと、構成担当として八湖路つとむという名もクレジットされていますね。


「カリスマ」の主題は宗教。
それも"カルト教団"の教祖、洗脳されていく側の人々を描いています。
カルト教団をテーマにした漫画といえば先月も「DOKURO -毒狼-」を紹介したばかりですが、こちらはもちろんバトル物じゃないし、もっとリアル。

ある時、ある場所で。
明るい小学生だった岡崎平八郎の母親佐代子は、カルト教団に狂ってしまい…
笑顔を取り戻してもらいたくてクリスマスにプレゼントされた、平八郎の絵をビリビリ破き、
『こんな忌まわしい日にプレゼントですってぇっ!?
お前はあの悪魔キリストの降誕祭を祝いたいわけ!?』

と首を絞めて殺しかけます。

夫が帰ってきて何とか子供を助けたものの、悪魔の手先と見なした佐代子は夫を平八郎の目の前で何度も刺しまくり、殺してしまいました。
さらに腹を割いて夫に取り憑いた悪魔を探すのですが、腸引っ張り出しても悪魔は見つからず、自分に乗り移ったらしい悪魔を追い出すため、全裸になって自ら女性器に包丁を付き立て、胸の下まで斬り割きました!
そして平八郎に内臓から悪魔を探させているうちに息絶える…

この衝撃シーンを冒頭に、
『母ちゃんも父ちゃんも あの神様に殺された…
いや…神様じゃない この世に神なんているもんか
たとえいたとしても 僕は死ぬまで神を信じない』

と誓った平八郎が、ずっと後年に宗教法人"神の郷"の教祖でメシア(救世主)の神郷宝仙として、巨体になって世に出てくるのです。

この神を憎む男が自らを神と名乗り、悩む人々が持つ不安な気持ちを言葉巧みに操り、合宿に参加させて洗脳しする。
若くて美人の獲物は啓示室で"色欲解放の儀式"と名付けたエロ行為で体を弄び、己の欲望を満足させる…
(ここはエロ漫画としても秀逸!)

しかもこの啓示室の隠し部屋があり、信者達に禁欲的な生活を強いておきながら、そこは高級な酒、タバコ、衣類にアダルトグッズ等を取り揃えた、正に俗物の欲望にまみれた部屋になっています。
ただの薄汚いオッサンが、眼が眩んだ宗教者にとっては人間を超越した存在にうつる、その辺りを描いているわけですが…とにかくそんなひどい教祖なのです!

こういうのは誰もが正義感に燃えて、例えばどこぞの教祖がセクハラで訴えられたりすると怒ってみたりするのですが、男達の本音では『羨ましい。いい思いしやがって』てのがありますよね。
どんな美女も絶対服従で言う事を聞く、そんな状況になったら人間なんて同じ事をするのはほとんどなのではないでしょうか。
かつてモテなかった男が金を手にしたりして女性が寄って来るようになると、だいたいやる事は同じなんだし。
そんな状況でもストイックに座禅を組み続けられるのは、私(BRUCE)くらいのものでしょう。

…と、それはさておき。
カルト教団、神の郷にも天敵はありました。
それが脱会カウンセラー"覚醒会"と、その武石藤夫会長。
過去に脱会した約300人の教徒の大多数が武石に洗脳を解かれているのですが、今回は教団の経理を一任していて金の出入りを把握していた曽根昌一が拉致されました。
この曽根は、氷室誠二という最も熱心な若者を刺客に差し向けて、『魂を永遠に救済する』として始末しましたが…

次に登場するのは城山信康
"ハッピーツーリスト"という小さな旅行会社の店長なのですが、こいつが善良ながらも小さい人間で、カルト教団にだまされる被害者側の主人公となるのです。

近所の古本屋"岩尾書店"の老人・三蔵さんちで卓球やるのがストレス発散方法という気の弱い男なのですが、妻の麗子は元は店に来たお客で、大手不動産業若林グループの社長令嬢…つまり高嶺の花なのですが、努力の奇跡が起きて結婚できたのです。
生まれた子供が利治で、中学校受験が控えています。

彼らの神の郷との関わりは…
"啓発塾"という塾。ここが実は、神の郷が信者獲得と金集めのためにやってる塾でした。
神の郷は麗子が若林グループ令嬢だという事を嗅ぎ付け、子供の受験をダシに狙ってくるのですが、この、麗子の風貌があのカルトに狂って死んだ神郷宝仙の母・佐代子そっくりだったのが問題です。
メシアの神郷宝仙自らが『彼女のすべてを手に入れてみせる!』と決意。

言葉たくみに"悟りの会"なるセミナーに参加させられて…
山奥の合宿場でマントラを唱えさせられ続ける。
『私は誓う 永久の帰依を! 私は誓うメシアと一体になることを!』
と繰り返し、頭にはヘッドホンです。
ヘッドホン!既にどの教団が神の郷のモデルになっているかは分かっていましたが、ここまで露骨に!!
それから麗子は教育部の真山千夏の言葉によって心の暗部が開かれていく…ちう所で、続きはまた次回です。


私は全知全能の神の化身
この世に私の知らないことなど存在しないのだ



  1. 2008/11/11(火) 23:26:01|
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劇画(58) 安達哲 1 「さくらの唄」

今回は安達哲先生の名作「さくらの唄」(講談社刊)です。
ADACHI-sakuranouta.jpg
ヤングマガジンで1990年から連載した作品で、単行本はオリジナルのヤンマガコミックスでは全3巻ですが、使った画像は10年ちょっと前に出た当時買った愛蔵版で、こちらでは上下のみの全2巻です。

まずお断りですが、私のブログでは今の所この作品を入れる適当なジャンルが無いため"劇画"の所に入れさせてもらいましたが、気にしないでください。劇画という言葉は、広い意味で使っていいと思いますしね。

安達哲先生は1968年生まれの東京都出身。
1988年に週刊少年マガジン(講談社刊)にて「卒業アルバム」でデビューして、今回の「さくらの唄」の他には「キラキラ!」「お天気お姉さん」あたりが代表作でしょうか。

「さくらの唄」の主人公は暗い高校生の市ノ瀬利彦で、『みんなが見てる みんながオレのこと 変な目でみてる』などと他人の視線を怖がり、妄想癖のある少年です。
ヤンキーやスポーツマンではなく、クラスの目立たない奴、文系男子側を主人公にしての学生漫画って、それだけで私には好感持てますが…
後半のすさまじい展開によって、伝説的な扱いをされている作品です。

ガラッと作品が変貌を遂げて、だからこそ名作になった漫画といえば「デビルマン」「東大快進撃」や…って例を挙げたらキリが無いかもしれませんが、「さくらの唄」もそのパターンで、さらに日常生活描写の隅々や脇役まで面白いです。


市ノ瀬は憧れていた担任で美術教師の三ツ輪先生が妊娠(つまりセックスしてた!)して学校を去る事で想いは終わり、それでもすぐに学校でもアイドル的な美少女にして同じ美術部でもある仲村真理に憧れるのですが、暗い性格なので話しかける事もできません。
家庭は両親がシンガポールで生活していて、出戻りの姉・詠子と二人暮らし。
く三ツ輪先生が残していった"アトリエ武蔵"のパンフレットを見て、『オナニーより大切なものが生活に欲しかった』とかで絵を真面目に描く決意をします。

ある日、姉弟で住む自宅にあくどい不動産業を営む金春のおじさん夫妻が強引に引っ越してきて…共同生活が始まるのですが、これが運命の狂い所でした。
この夫妻は五十半ばというのに夜は夫婦生活(しかも変態プレイ)があるし、生活の押し付けも増えて自由が無くなり、さらにおじは姪の詠子を目当てで来たようなのです。

しかし一方では、暗い童貞の主人公だった市ノ瀬、本格的に絵を習い始めると同じ塾で見つけた真理と急激に打ち解けてゆき、文化祭で映画上映する企画の主演を真理にお願いしました。
クラスメートとも意気投合して皆とワイワイやる存在になっていき、普通なら読者は頑張れと応援する所なのですが…市ノ瀬の性格が変わっていきます。

実はおじが本当に街を牛耳るほどの権力者で、でかいバックもいるのだと分かったからなのですが、市ノ瀬を後継者に決めたおじはあれこれ世話を焼き始めるのです。
憧れの三ツ輪先生の旦那を脅して性教育させ(もちろん童貞喪失も)、ヤクザをボディガードに付け、豪邸に住まわせる。

市ノ瀬は、前に真理の住む豪邸に行って生活レベルの違いを思い知らされるシーンがありましたが、今や自分が御曹司扱いで周りからチヤホヤされ、パーティー会場で見かけた宝塚女優の名取葉子を皮切りに、アイドルやモデルなんかも権力使って抱いていきます!
あの絵が得意なだけだった暗い少年が…
『社長か・・・・こんな生活できるなら それにこしたことないじゃん
自分のめざした道とは違うけど そんなにやっきになって貫くほどのもんじゃないし
売り渡して困るほど気高い魂ももってるとは思えない・・・・』

なんて、開き直ってエロ三昧の日々なのですから。

しかしクラスの奴らは急に羽振りが良くなったバカ殿のような市ノ瀬を敬遠し始め、いろいろ考えてやっと目がさめて美大に進学する決意をするのですが…
すると今度は金春おじの執拗な妨害が入ります。
文化祭で上映するために3年7組の皆で力を合わせて、ついに完成した「さくらの唄」は…上映本番の時に市ノ瀬と三ツ輪先生のポルノに入れ替えられていて、学校では大の嫌われ者になりました。
さらにおじが姉を強姦する衝撃シーン!その写真を見せ付けられ、おじを殺す計画を実行に移すべく爆弾作りに残りの青春をかけ、本当にショック死させてやりました。
それから利彦と詠子の市ノ瀬姉弟で近親相姦、それをおばとアイドルの真理とに見られ…

五年後ー
ニューヨークに住んでいる市ノ瀬は、偉大な画家として世界的な評価を得ています!
高校時代で既にアメリカ美術界の権威であるマルセル・クリスプ
『長い間迫害蹂躙され祖国を奪われた民族しか知り得ない嘆き哀しみが滲んでいる』
と評価しているのですが、要はあの異常で過酷な体験こそが市ノ瀬の美術の才能を開花させたようです。
そうなると三ツ輪先生も『偉大な芸術家に性を手ほどきした情熱的な教師として伝説的マドンナ扱い』され、高校の美術室は"市ノ瀬記念館"扱いして…
といった、まぁこのラストは安達哲先生らしいハッピーエンドを取って付た所でしょう、とにかくこれで終わり。
最後の言葉は、美術教師になった真理の『最初から自分信用してやればよかったのよ』でした。


ちなみに後半の暴走は、描くのがイヤになって悩んだ安達哲先生が、どうグチャグチャにしてやろうかと考えながらのだそうです。
これのせいで、例の"有害図書論争"で発禁にされかけ…成人指定図書となった時代もありました。

もちろん童貞が女子に対して思う気持ちだとか、親から金出してもらってるくせに美術家や芸術家気取りの奴らのダサい自意識だとか、そんなのも上手く表現されているので嬉しいです。
目まぐるしい環境に支配された市ノ瀬の心情描写が痛々しく、前半で感情移入した登場人物達のレイプを含む性描写が衝撃的な名作、「さくらの唄」でした!


こいつはどうして こう声がでかいんだろう
オレたちぐらいの年になって やたら声がでかいやつを オレは信用しない
人間の深みも生い立ちの哀しみもない ガサツなヤツ



  1. 2008/11/10(月) 23:54:47|
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トキワ荘(35) 石森章太郎 26 「北斎」

今夜の石森章太郎作品は、「北斎」(世界文化社刊)です。
ISHIMORI-hokusai1-2.jpg
石ノ森章太郎名義に改名された後の作品で、単行本は全3巻。
作画協力としてあのシュガー佐藤先生の名前もクレジットされています。

タイトルでお分かりの通り、世界的にも著名な江戸時代に活躍した浮世絵師・葛飾北斎の生涯を描いた作品です。
とはいえ北斎の生涯は謎があまりに多いため、石森章太郎先生の予想や空想によるフィクションの部分が多いと思います。
改名につぐ改名は30回、90回以上もの転居、3万点を超える作品数に画風の変化…そしてこの時代に九十歳と、人の倍近く生きたと言われる人物ですからね。

序章と終章以外に1~9章に分かれているのですが、これが時間軸をバラバラにした構成で面白いです。

俵屋宗理の名で売れていた42歳時に『このまンまジジイじゃもったいねえ』と葛飾北斎に改名し、寺で150畳の巨大な絵を描いて"葛飾の画狂老人"北斎の名を天下に知らしめた、要は精力盛んな時期から始まります。
(そういえば石森章太郎先生も第一線の漫画家時代に改名しましたね)

次は少年→青年時代の回想から戴斗と改名する56歳時…
先に書いた通り、北斎は30回と言われる改名をしていますが、若者時代に
『名前なんざどうでもいい!
絵が描きつづけられりゃそれでいいんだ!!』

と決意するまでも描かれています。

もう晩年も近い85歳で勝手に三浦屋八右衛門なんて名乗って貧乏暮らししている北斎、その次に最も慢心して技と人気に溺れて自分を見失っていた50歳…
時代がコロコロと行きつ戻りつし、67歳であの「富嶽三十六景」を手がけている描写もありますが、この時は弟子を二人連れて旅して富士を教え、さらに北斎が命を狙われるサスペンス仕立てにもなっていて、面白いです。

ISHIMORI-hokusai3.jpg
『わしは……別に富士を描いておるわけじゃない
人間を描いておる 時間を描いておる
…なぜならいくら美しい景色でも 人間の眼を通さなければ 美しい景色にならんからだ
…その人の眼を通して 人の世とは違って 変わらぬように見える大自然も……
人の世と同様 時々刻々に変わることを 描いておる』


『富士山は 決して同じ形ではない……
見る時と場所によって さまざまに色と形が変化する……
それにまた……富士に限らず景色というものは
見る人のその時の心のありさまによっても たたずまいを変える
つまりじゃ 自然も生きておるということじゃ
人の心を通して 生きも死にもするということじゃ…!』


などと難しい事を言って弟子達を悩ませますが、何度も挿入される北斎の有名な画は凄い。
この「富嶽三十六景」を後世、ゴッホが賞賛し、ドビュッシーが交響詩「海」を作曲するまでの影響を与える事となるのですね…

タフな北斎ですが、74歳の貧乏暮らし時には奇妙な幻を見るようになった上、ぐれた孫の栄吉に金をせびられる話があるのですが…
この栄吉、自分の女房に色仕掛けさせてまで北斎に金になる絵を描かせ、あげくは刺客に殺されるやり切れないエピソードでした。
何より弱い北斎が辛い。

両親の悲しいお話、北斎自身の家庭問題、あの滝沢馬琴との交流…
いろいろあって、絵を描き続ける80歳で
『…なぜ人は死ぬ?わしは……死なんぞ!!
百までも いやそれ以上も生きてやる!
……でないとでないと やりたいことをやり終えることができん…!
…九十歳よりはまたまた画風を改め
百歳の後にいたりては 此道を改革せんことのみ願う……』

と、海を見ながら宣言するわけですが、このおよそ10年後の嘉永二年(1847年)に、このバイタリティありすぎる画狂も死にました。

葛飾北斎。
フランス印象派に大きな影響を与え、ピカソも絶賛した…いや、もうこの方の偉大さはこういう事だけで評価できるものではありませんが、この石ノ森章太郎版では売れない時の貧乏生活や大変な性格、業績よりも謎が多い空白の部分にこそ想像の光を当てて描かれています。
北斎の絵をかなりの数引用しているのはいいのですが、これで自身の絵が素敵で勢いもあった石森章太郎名義の時代に描かれていたら…もっと凄い傑作になっていたのかもしれませんね。


…わしが旅を好むのは
じっとしていては見れんものが見られることじゃ……
景色 建物 そして いろんな人々

…特にこの"人"というのがおもしろい…
むずかしいかと思うと簡単で 簡単かと思うとむずかしい
人の動きの向こうに見えないものが見えてくる……それがたまらない…!
…絵を描くのが実は旅によく似ている
新しい絵を一枚描くのは 新しい景色を見るのと同じ
そして絵のなかでは 人を描くのがいちばんむずかしい

人の形を写すのはだれにでもできる…
だが いろんな動きを描き写すのはむずかしいし
その動きの後ろの 人の心まで描くのは さらにむずかしいことなんじゃ



  1. 2008/11/09(日) 23:16:03|
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劇画(57) 矢口高雄 5 「はばたけ!太郎丸」

今回は久々の矢口高雄作品で、サンコミックス(SUN COMICS)の「はばたけ!太郎丸」(朝日ソノラマ刊)です。
YAGUCHI-habatake-taromaru.jpg
単行本は全2巻の、鷹匠(たかじょう)を主題に使った作品です。

ちなみに鷹匠とは、鷹を訓練して使い、鷹とのチームワークによって獲物を捕らえる人の事で、この狩猟方法を"鷹狩り"と言います。
それにしても鷹匠漫画…こんな物、まさに矢口高雄先生しか描けないでしょう。
そして当然、持ち味の大自然と人間と動物を描いた、感動のドラマに仕上がっていますよ。

舞台は東北地方の奥羽山脈の奥地、鳥海山。
この地で暮らす名人鷹匠の源造が、その精神や技術等を継ぐ孫でまだ少年の源太郎に、とある野性の角鷹(くまたか)をつかわせようと決意します。

この角鷹の母親こそは、源造が60年もの間求め続けていた本物の空の王者で、金色に輝く瞳、カギ状に鋭く研ぎ澄まされたくちばし、一旦獲物をつかんだらひと握りに窒息させるだろう頑丈な爪を持っていた角鷹で…。
かつて惚れたその角鷹の子が、後に太郎丸と名付けられ、日本一の鷹匠を目指す源太郎と友情で結ばれていく様を描いた作品なのです。

『源太郎 わしは伝統ある鷹匠の技を消したくねえのよ
今の世は文明ちゅう えたいの知れねえバケモノがのさばって
いつの間にか生きもんが すめなくなっちまってる
このままいけば やがては鳥や獣ばっかしじゃねえ
わしら人間もすめねえ世の中になっちまうじゃろ
それをとめるのは源太郎!! おめえたち若いモンの仕事!!
そのため最高の鷹をおめえにやるんじゃ』


そう言う源造の指導の下、後に太郎丸と名付けられる角鷹の王を捕らえますが、読者は猛禽類の習性も勉強できて、ちょっとした鷹博士にもなれるようになっています。
さて捕らえた鷹を自分のモノと言うには、この鷹が主人となる人間の手からエサをもらってから初めて言えるのだそうです。
しかし野性の鷹にエサを食わせるほど難しいものはない…

本当に、これから源太郎が太郎丸にエサを食わせるまでの戦いが長々と描かれます。
ここらへん、リアルな絵柄以上に徹底したリアリズム。
愛情が通じて腕にとまってくれるようになると、その人間こそ鷹に名前を付ける権利があるのですが、とにかく太郎丸は野性の本能と誇りを命より大事にするような空の王者で…
三週間近く経っても何も食わず、つまり人間の手からエサを受け取るくらいなら、このまま餓え死にする方を選ぶのです。

この誇り高い鷹を死なせるくらいならと、源太郎はついに根負けして太郎丸を野性にかえしてやるのですが…
後に考えられない事が起きました。
一旦野性にかえった太郎丸が、源太郎の家まで勝手に獲物を運んできたのです!
それから山で源太郎とミヨちゃんが冬眠からさめたばかりの凶暴な熊に襲われている時には空から助けに来てくれ、またマムシに噛まれた時は源太郎を助けるために源太郎のえり巻きを持って祖父の源蔵に知らせ、案内する…
そこまでの友情が育ちました。

源太郎の籠手に呼渡り(おきわたり)もするようになりますが、しかし源太郎は太郎丸の主人になったとはいっても飼っているという関係ではなく、太郎丸は夜になれば山に帰っていくし、鷹匠と鷹というより仲の良い友達のような関係になったのです。

とある工事現場で人間に囚われた子狐と、助けに来た親の感動的な話をはさむと、源太郎は狐に同情してみなしご動物を作るから鷹匠はやりたくないと言い出し…
それを食物連鎖、大自然の調和、人間が自然の中でどうしているかという話をして考えさせ、源造と源太郎はお互いの鷹を連れて鷹狩りへ出かけるラストでした。

おっと、その少し前に机に向かう作者本人が登場して、
『ボクは近ごろ とみに世界のハンサムボーイとうわさの高い矢口高雄です…』
なんて言って、長々と作者の自然に対する警告や考えを語った場面は、笑いました。


2巻の巻末には秋田県羽後町上仙道桧山に生きた鷹匠・土田力三氏の人生を描いた短編「最後の鷹匠」も納められていて、これも感動的な話に仕上がっているのですが…
鷹匠の伝統を受け継ぐ気になれず、浪曲師を夢見てとある師匠の前で得意の一節をうなった少年時代のシーンが強烈でした。
『ひどいズーズー弁だ ここはお前のような百姓の来るところではないッ
百姓なら百姓らしく肥桶でもかついでろッ
伝統の芸術にさびがつくわい ハハハハ』

なんて言って去っていく師匠の言葉にショックを受ける土田少年。

「はばたけ!太郎丸」の方でも、矢口高雄先生が知る鷹匠の固有名詞が出ていましたが、現在では鷹匠という職は完全に失われいるのでしょうか。
惜しいものですが、これもまた"自然"なのでしょうね。


源太郎ようく見ておくんじゃぞ
鷹匠の鷹は なぜヒモなんかでしばってなくとも
にげていかねえものかをな



  1. 2008/11/08(土) 23:26:30|
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ホラー漫画(28) 杉戸光史 2 「死少女のたより」

昨夜に引き続き、今回も杉戸光史先生の作品で続けて、「死少女のたより」(ひばり書房刊)です。
SUGITO-dead-girl-letter.jpg
これは心霊現象に主題を置かれた作品で、私としては興味深いジャンルであります。

ボーイフレンドの佐々木努くんと、近くの天神さまへ写真撮影に出かけたのは主人公の友栄
しかし友栄が便利なポラロイドカメラで写真撮ってもらったら…そこに写ったのは気味の悪い幽霊女の顔でした。

これは実は近くにいた少女・早乙女百恵が"念写"して写りこませたモノだったのですが、この少女を気違いだと思って努は再び撮影を続けると、今度は橋の上にベンツが写ります!
何とも意味のないシュールな展開ですが…
半月後、偶然にも近所の大邸宅で出会ったのが百恵とは一卵性双生児で姉の美代子
百恵と美代子は"念力通信"と呼んでる力で、相手が何をしているか手に取るように分かるのだというから、超能力姉妹ですね。

ちなみに百恵の方が強力な念写能力の持ち主で、左目の下に小さなホクロがあるのが目印と教えられますが…
友栄と努は最初の一度しか会う事は出来ませんでした。
何と百恵は、雪山でスキー中に雪崩に巻き込まれて死んでしまったのです。

それから美代子は、寂しさのあまり百恵が生きてた時と同じように念力通信を試みて、実際に死んで真っ暗で冷たい闇の中にいる百恵との通信に成功しました!
そして周りの恐ろしい悪霊達に狙われているからと、供養も頼んできます。

何故か悪霊に襲われ続ける友栄と努は、心霊についての説明的なセリフや現象で読者を勉強させつつ、古典的すぎて笑っちゃう方法で脅され…
ラストは何と、これまで全く出ていなかった通りすがりの霊能力者(!)によって悪霊は退散するハッピーエンドで無理矢理〆るのです。

その通りがかりのおじさんが、
『わしもいささか霊能には自信をもつものじゃが…
よかったら話してごらん』

とか言って、しかも指先からオーラ(霊光)を発して助けてくれるなんていう都合よすぎな展開、この怖さのかけらもない杉戸光史先生の作風を許せる自分、暖かい眼で見守る自分を、また一つ人間が大きくなったと納得できる…そんな意味でも役に立つ作品でした。


まだまだ霊については わからぬことが多すぎます
今後もいろいろなことがあるでしょうが
ひとつひとつ解決する以外にないのですよ
それがどんなに危険で苦しい斗いであってもね



  1. 2008/11/07(金) 23:07:12|
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ホラー漫画(27) 杉戸光史 1 「妖怪百の目少女」

今回は杉戸光史先生の「妖怪百の目少女」(ひばり書房刊)です。
SUGITO-youkai-hyakunome-syojo.jpg
これまたジャケが良く、もちろん昨夜の「百の眼が見ていた」から百目つながりで思い出しただけの選択ですが…杉戸光史先生を今まで紹介してなかったのはマズいですからね。

杉戸光史先生は1942年生まれで埼玉県出身。
池川伸一先生、さがみゆき先生らも在籍していた"太陽プロ"の中心人物でもあり、日本古来の怪談と変なモンスターを絡めたホラー漫画を得意としていた方ですね。
とはいえ絵柄を使い分けホラー以外でも何でも描ける器用な作風は、貸本業界から雑誌漫画への移行も成功していたし、後に作風を変えてエロ劇画家みたいになってしまいましたが…最後は新作への挑戦中に、ペンを握ったまま!絶命したそうです。

凄い狂い方した傑作はいくつもあるのですが、とにかく今夜は「妖怪百の目少女」

日本アルプス…剣・立山連峰への山登り中に谷底に落ち、一時行方不明になっていた少女・花村洋子は、無事に生還したはいいが、日に日に痩せ衰えてしまったそうです。
その洋子の登場シーンはかなりインパクトがあり、
『こんやも目玉たちが……ああ……いったい私はどうすればいいの
この目玉を!! こののろわれた目玉たちを!!』

そう言いながら泣く少女の眉間のちょっと上、つまり"第三の目"の位置には、くっきりと不気味な目玉が開いているアップページです!

今度は見開きの2ページ使って、
『これでは まるで化物だわ!!』
と続く全身のショット。そこにはブラとパンツで隠されている部分以外の全体無数の目玉だらけでした!!

洋子は例の立山の崖底に落ちた時、賽の河原のような光景を目撃し…三途の川のような川の底いっぱいに光る目玉に襲われていたのです。
登場した妖怪・百目曰く、これで洋子は一生目玉たちのめしつかいになるのだとか。
百目の風貌が良く、笑い口で目玉だらけの不気味な物体ですが、どうも怖くありませんね。
本のカバー(ジャケ)の百目はさらに可愛くされてますし。

それから人間界に戻った洋子の元に再び現れた百目は、洋子の両親と兄の重雄、姉の雪絵、その婚約者で親友ルミ子の兄でもある伸治までも次々と目玉を取り憑かせて仲間にしました。
異変に気付いて何とか逃げたルミ子は追われ、その事実を信じないルミ子の両親とねえやまで目玉だらけにされ、発見した百目の弱点で光も遮断されて…
あるもはや絶対絶命のピンチの時、傷だらけの体を引きずって洋子が助けに来てくれました!

真っ先に百目の仲間にされたはずの洋子が何故!?
百目が『そ、その体は……お…おまえ体中の目玉をつぶしたな!!』
と気付きますが、体中傷だらけの洋子は苦しい中で不敵な笑みを浮かべ、
『フフ…そうよ 死ぬほどのいたみをのりこえてね…………
だから もうあんたなんか こわくないわ』

そう言って硫酸を投げつけようとします。自分の体を犠牲にしたこの根性がカッコいいですよ。
しかし、めまいを起こして倒れ、逃げられました。

そのめまいの原因は、やはり出血多量か何かでしょうか?
助けてもらったルミ子が駆けつけると、
『だ…大丈夫よ……それより なにかたべものを………
お…おなかペコペコなの』

ですって。
あと一歩で百目を倒す所まで来て力尽きた原因は腹ペコだったのです!

ルミ子が、パパとママを連れて逃げた車に気を取られていると…後ろで洋子のうなり声。
『ごめんなさい さっこれをたべて』
とパンを渡すと、ムシャムシャと食べ始める洋子。それを見て
『かわいそうに…すごくおなかが すいていたのね』
と同情するルミ子ですが、体中に出来た目玉をつぶして血だらけの洋子に対して、そこですか!
でも、確かに女子は体の痛みには強いのに、食べ物に関しては我慢できない生き物ですもんね。

この後ルミ子は、あの時洋子が百目に取り憑かれた立山の賽の河原へ行き、ページ数の都合でしょう、硫酸をぶっかけてあっさり百目を倒しました。
操られていたルミ子の家族と洋子の家族も全員が元通りになり、目玉だらけだった肌も全員が玉のように綺麗になってルミ子の兄と洋子の姉はもうすぐ結婚。
みんなが笑顔の取って付けた様なハッピーエンドで終わるのでした。
あー怖かった…って、そんなバカな。


ケッケケ よくきたな娘さんよ わたしは百目という妖怪じゃよ!!
バカめにげようとしてもムダじゃ
その目玉はすいついたがさいご どんなことをしても絶対にはなれぬぞえ
あとはその目玉たちの いうとおりにすることじゃ



  1. 2008/11/06(木) 23:37:36|
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ホラー漫画(26) 菊川近子 1 「百の眼が見ていた」

今回は菊川近子先生の紹介です。

富山県出身で、1972年に「P.Sアイラブユー」でデビューしている菊川近子先生…
このタイトルで驚く方もいるでしょうが、そうです。
同タイトルでセシリア・アハーンによるベストセラー純愛小説を原作とした映画が現在公開中ですね。もちろん内容には何の関係もありませんが、菊川先生を思い出し、本棚を探して著作を引っ張り出してくるきっかけになりました。

元々は王道的な少女漫画を描いていた菊川近子先生ですが、1979年に突如、ホラー漫画の傑作「赤い爪あと」を連載開始して、そのヒット以降はホラー、サスペンス系を得意とする漫画家として開花するわけですね。

代表作でもあるこの「赤い爪あと」は…週刊マーガレット(集英社刊)にて1979年から21回にわたって連載された作品なのですが、怪奇趣味丸出しの素晴らしい作品に仕上がってまして、これが王道少女漫画誌で連載された事実だけでも拍手したいのです。
菊川近子先生は絵柄を少女漫画そのままにして、ホラーを描いた所が一般女性読者の目にも抵抗無くて良かったのでしょうね。
隕石と共にアメーバ状の生物が落ちてきて、人間に寄生して吸血鬼へと変化させていき…という話なのですが、残酷描写も凄いし、またラストに救いがなくて怖い名作でした。

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現在では大ベテランであり、数多くの作品を発表している菊川近子先生ですが、今回紹介するのはこれ、「百の眼が見ていた」(講談社刊)にします。
KIKUKAWA-hyakume.jpg
もう、ジャケが素晴らしいでしょう。


4編を収録した短編集なのですが、まずは表題作の「百の眼が見ていた」

両親が交通事故で亡くなって一人残された少女・赤祖父紗紀の住む広い家に、親戚が三人で引っ越してきました。
この家の近くの樹海。その近くの洞窟には赤祖父家に代々伝わる言い伝えがあり、それは平安時代初期から伝わる百眼鬼の怨念にまつわる話なのですが…
それを恐れる紗紀を元気付けるために、越してきたいとこのが封印を解いて洞窟に侵入し、そしたら本当に百眼鬼に取り憑かれ、杏の体中に目玉が出てきました!

この目玉はすぐに消える事も出来るし、杏も意識しない所で体を操って自殺死体から目玉を取って食べたりし始める。
これは千二百年近くも機会を待っていた百眼鬼が、百の眼を食べると甦る事ができるからなんだそうで。
杏の実の両親も、百眼鬼にとっては仇の子孫でしかないとかで殺して眼を食べたあげく樹海に埋めたそうです。

グロテスクな外見になって意識せずとも恐ろしい事をしてしまう杏、途中で目が見えなくなりながらも百眼鬼に襲われる紗紀、二人の少女の心理的な恐怖も描いた傑作でした。
異物に乗り移られ、恐ろしい行為をしていくのは「赤い爪あと」と同じですが、ラストに救いの無い描写をサラッと入れてるあたりも似ていますね。


他に「過去を知る黒子」「天児の呪い」「黄泉への誘い」の三編を収録していますが、細かい内容については触れません。
ただ一つ、菊川近子先生の特徴として、これいいのかっていうくらいモロに楳図かずお作品のパクリ…いや、オマージュとかリメイクと言えばいいのでしょうか。
まぁそんな作品が多くてですね、元ネタを知っている楳図マニアとしては嬉しいような悲しいような。
「いのちの火が見える」という作品などは、小学生時代に読んで面白いアイデアだと思っていただけに、 後に楳図作品で全く同じ話を見つけた時はショックもでかかった…


あなたにも犠牲になってもらうわ
あとふたつ……あなたのその眼さえあれば
百眼鬼はこの世のものとなることができるの
紗紀あなたこそ 最後の眼球提供者にふさわしいと思わない?



  1. 2008/11/05(水) 23:53:46|
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永井豪 (14) 「バイオレンスジャック」 3

(今回はゲストライター、奈落ハジメ氏の投稿です)


今回で永井豪「バイオレンスジャック」(講談社版)も3回目。いよいよ『黄金都市(エルドラド)編』の紹介に入ります。
NAGAI-violence-jack6-7.jpg

この章は逞馬竜や海堂猛のような、力なき善良な少年の成長編ではありません。
6~70年代初頭に吹き荒れた学生運動の嵐。その善悪すら超越した、若く混沌に満ちたエネルギーが具現化したかの如きアウトロウ・早乙女門土……そしてその相棒の女と見まがう美青年・身堂竜馬の明日なき暴走コンビが暴れ狂う、痛快きわまりないピカレスクロマン(悪漢物語)なのです。

この二人はやはり学園闘争に題材を得た「ガクエン退屈男」(S45年)の主人公たちなのですが、作品知名度的にはこのバイオレンスジャックの登場人物としての方が有名かもしれませんね。
彼らが特異な点は、運命の悪戯で関東に取り残されたのではなく、自らの意思でその地獄に飛び込んでいった点でしょう。
暴力による社会転覆――世界の変革を夢見た二人に取って、法も秩序も及ばぬ関東は地獄などではなく、実力のみで理想を追求できるユートピアなのです。

「関東にはおれたちに手錠(ワッパ)をかけ
 ケダモノみてえにオリにぶちこむやつなんかいねえんだ
 自分の法律は自分でつくる そいつが関東だ
 まさに! 早乙女門土が生きるにふさわしい土地だぜ!」


活断層の地割れによって、海で隔てられた関東に泳ぎ着く二人。そこで早速、地回りヤクザ「関東羅刹組」と一戦を交えます。手錠に繋がれたまま、ヌンチャクや手裏剣使いとの息詰まる死闘。永井豪作品には珍しい作者視点での格闘解説なども入り、緊迫感あるアクションシーンが展開!

羅刹組のチンピラは苦もなく退けた門土と身堂ですが、その二人の前に突然現われる巨人の影。仰天した二人の頭上から、「グゴオオ!」といきなり振り下ろされるジャックナイフ!
恐怖する二人を前に、刃は手錠の鎖を断ち切り、その戒めを解くのでした。果たして敵か味方か!?
悪魔のように高笑いしながら、ここは地獄だとうそぶく暴力の巨人――バイオレンスジャックの登場です!
あっという間に鉄拳で二人を叩きのめすと、二人が体験していない地獄地震当日の中に放り込むジャック。
幻覚の中で門土たちは何度も死んで地獄をやり直しますが、そのたび他人を踏みつけて生き延びようとするエゴに満ちた姿に、目の前に現れたジャックは審判を下すのでした。

「怨霊たちはいった おまえたちは関東に生きる資格がないとな!」

そして、超自然的な力で二人を関東の外の海へ放り出すジャック。もはや神か悪魔でなければ成し得ない所業を目の当たりにして、身堂はすっかり意気消沈。
しかし、神も悪魔も恐れぬ反逆児・門土の台詞は熱い。

「おれたちゃー たしかに悪党よう!
 人ごろしもへっちゃらだぜ!
 だからどうだってんだっ!
 悪党に生きる資格がなけりゃ どうして生まれてくるんだ?
 生まれたからにゃー生きてみろってことだろうが~~~っ?」


この台詞こそが、まさに早乙女門土という男を体現する哲学であり、人間たちが剥き出しの欲望をぶつけ合う『黄金都市編』のテーマであるとも言えるでしょう。

懲りずに関東に舞い戻る二人。その前に、薄汚いバラックで出来た集落が現れます。それこそが黄金都市(エルドラド)! かつては池袋だったこの土地の地下に、日銀から輸送途中だった莫大な金塊が眠っているのです。そしてその金塊を守護するのは、集団狂気に陥った元自衛隊の戦車部隊・黄金の軍隊

この黄金を狙って関東中から集まってきた、無数のヤクザ組織たち。その中の一つ関東羅刹組は既に門土とニアミスしていますが、多勢に無勢、しかもハラペコな状況で不利と見た門土、今度は恥も外聞もなく土下座。
しかし、羅刹組の代貸・クロスに器を見切られ踏みつけられる屈辱を……。
ここで怒りを爆発させる門土の台詞が熱い(またかと言わない!)。

「ガキのケンカをするために関東にとびこんできやがったといったなー
 へっへっへ そうさ そのとおりよ 図星だよ
 おれは 早乙女門土はガキのケンカをしたくて無法地帯 関東へきたのさ!
 だが ガキのケンカはてめえら大人のケンカとちがって
 のぞみがでっけえ~~~んだ~~~っ!
 関東羅刹組 ガキのケンカを見せてやるぜ~~~っ!
 これが早乙女門土のガキのケンカじゃ~~~っ!」


か……かっこよすぎる!
早乙女門土、まさに歩く名台詞の宝庫と言っても過言ではないでしょう。以後、門土は羅刹組組長・錦織つばさ(同じく「ガクエン退屈男」の登場人物)と手を組み、金塊強奪への道を踏み出します。

この後、物語のテンションの高まりにつれて門土の性格が変貌していく心理描写が圧巻です。
悪党ながらも何処か愛嬌があった門土の中に、次第に芽生えていく悪魔の心……。それはやがて、バイオレンスジャックとの避けられぬ対決を呼ぶのでした。
様々な策謀を巡らし、黄金都市のヤクザ連合軍と黄金の軍隊を噛み合わせ漁夫の利を得ようとする門土ですが……黄金は、その前に逞馬竜ら孤児たちの力を借りたジャックによって何処かへと隠されてしまっていました。
黄金の在り処を賭けて、ジャックとバズーカ砲による決闘に臨む門土。

「おまえは黄金都市にちかづくべきではなかったのだ
 関東のほかの地ならおまえの力は生きた…
 だが黄金都市の黄金は…おまえの心のなかの悪魔をひっぱりだしてしまった!」


ここでも悪魔の謀略を働かせ、ジャックが使う方の砲弾を砂に詰め替えておく門土ですが……策士策に溺れる。門土がクロスを殺した事を見抜いていた錦織つばさは、復讐のため密かにジャックのバズーカを実弾にすり替えていたのです。

「死ね! バイオレンスジャック!」

火を噴く門土のバズーカ。しかしジャックのバズーカも同時に!
驚きと絶望の中、砲弾の炸裂で五体バラバラに吹き飛んで爆死する門土。

この後、瀕死のジャックの背中に描かれた黄金の地図を求めて群がる関東羅刹組。最初は東京復興の大義名分を掲げていた錦織つばさも、欲に狂った浅ましい本性を剥き出しにします。
飛び散る血飛沫の中、殺し合うジャックとヤクザたち。その横で門土の骸を抱きながら慟哭する身堂……漫画の中に描かれる、紛れもない地獄絵図。読者は上がりっぱなしにも程がある物語のボルテージに、ただただ圧倒されるのみなのでした……しかも!

この上スラムキングまで登場するのだから堪らない!

なんというか、誘爆を起こしまくっている火薬庫にガソリン満載のタンクローリーが突っ込んでいくような暴挙です。
スラムキングVSバイオレンスジャック、ラウンドツー! カーン!(ゴング)
……もうこの辺りの怒涛の展開は、ひたすら読んでいただきたいとしか言えません。

この『黄金都市編』は週刊少年マガジン版の連載最後のエピソードとなりますが、後に月刊マガジンで連載が再開された折に、その冒頭部分のみが『激闘!門土編』として再録されました。
なぜ、わざわざ遡って過去のエピソードを再録したのか。なぜ、週刊連載中断から再開まで3年もの月日を要したのか。

当時、月刊少年マガジン誌上に掲載されたその理由とは……

「愛読者のみなさんへ!

 この作品は,かつて週刊少年マガジン誌上に「バイオレンスジャック」(黄金都市編)として掲載されたものです。しかし‥‥。
(黄金都市編)の主人公早乙女門土の若きエネルギーは,当時の作者の手にあまるものだったのです。作者のしいた(黄金都市編)のストーリーのレールをいつしかふみはずし,自分かってに暴走し,元のストーリー構成をめちゃくちゃにこわしてしまったのです。
 門土と人物のあつかいのまちがいに気づいた作者は,「バイオレンスジャック」の連載を中断し,いつかふたたび門土をよみがえらせ,バイオレンスジャックに対抗する巨大な力として描かなければならないと思い,読者が,かつての門土をわすれてくれる時間をまっていたのです‥‥。そういう意味で,今回の(激闘!門土編)は,一部過去の作品と重複しますが,新しい門土の活躍を生みだすために,どうしても必要なシーンですので,読者のみなさんにあらかじめおことわりしておきたいと思います。新生早乙女門土の活躍を,ひきつづきご声援ください。

永井豪 」


つまり要約すれば……

「つい筆が乗りすぎてやり過ぎちゃったでガス、てへ☆」

と、いうことです。

作者の意図に逆らって勝手に死んでしまう登場人物!
それを忘れろと読者に堂々要求する作者!

もはや野暮な突っ込みなど無用の境地。この凄まじすぎるアナーキズムもまた、永井豪作品の醍醐味と言えましょう。

裏を返せばどれだけこの物語が、早乙女門土のキャラに引っ張られていたかということですね。確かに全体のムードも、門土が陽気だった最初の方とは随分と変わっています。
最初の頃は、女と間違えられて胸を触られ「きゃっ」と赤くなったり、門土の妄想の中でヌードになったりする身堂竜馬のイケナイお色気描写や、「ドラゴンだって? ブルース・リーかしら それともチャーリー・チャンかな ブルース・リャンかな まさかジミー・ウォングでは?」なんてこのブログの管理人が喜びそうな小ネタなど、ギャグシーンが入り込む余地もあったものですが……。

ところで門土ですが、作者の復活宣言通りこの後の『疾風ドラゴン編』にも普通に登場していたり、版元が変わった漫画ゴラク編でも活躍しまくります。そのオチも、一応ストーリーの中で付けられています。
その後の門土の運命に興味のある方は、現在は文庫サイズで発売されている「完全版バイオレンスジャック」(中公文庫)をどうぞ。

『疾風ドラゴン編』

マガジン版バイオレンスジャックの悼尾を飾るエピソードです。
どんな話かというと……。

精強のドラゴン(スラムキング配下の騎馬隊)「二天疾風隊」が延々とバイレンスジャックと闘う話

以上、といった感じです。正直なところ、炎ジュンが再登場する位で、ストーリー的にはあまり語り所の少ない章ですね。特にコミックスで通して読むと、『黄金都市編』の凄まじい盛り上がりで燃え尽きた後に来るので、非常に蛇足感が強くなってしまいます。

その代り、徹頭徹尾ド派手な戦闘シーンの目白押しです。またこの章では絵の石川賢率が非常に高く、全体の7~8割は石川先生の描くあのタッチの暴力描写で構成されています。ジャックの顔も、良く見ると永井バージョンとは微妙に違ったり。
特にクライマックス、ドラゴンが一斉攻撃を駆けるシーンでジャックが巨大化し、そのまま竜の姿と化したドラゴン二天疾風隊と取っ組み合うシーンは非常に石川賢らしさが出ています。

極限状態の中、最後まで怪物バイオレンスジャックに立ち向かうドラゴン二天疾風隊の雄姿。バトル漫画のノリで、後に引きずるものなくスカッと終わります。後の漫画ゴラク版は、こういった感じのエピソードが多かったような気がしますね。そういった意味で、後期バイオレンスジャックの雛型になった部分があるとも言えるでしょうか。

では以上、少年マガジン版バイオレンスジャックの紹介でした。また機会があれば新たな名作でお会いしましょう。


史上空前の大地震によって ほろびた関東に…
黄金都市とよばれる土地があった…
その地には…
黄金をめぐる人間の 欲と 希望と あらそいと
すさまじい活気があったという…
いまはもうない
あるものはただ…
静寂のみ…!



奈落ハジメ(ならく・-) ゲームシナリオライター。東京在住。酒と美女と漫画を愛する中年男子高校生。


  1. 2008/11/04(火) 21:47:13|
  2. 永井豪
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旅行・紀行・街(42) 東京都杉並区高円寺 4

また我が家の近所ですが、今回は東京都杉並区高円寺紹介です。

まず、先日は曹洞宗のお寺"宿鳳山高円寺"へ行ってきましたよ。
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もちろん高円寺の駅や町名は、このお寺から来ているのです。

敷地はそれほど大きくなく、本堂にはすぐに着きます。
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江戸幕府三代目将軍の徳川家光が、鷹狩りの折にいつも立ち寄っていた場所なのだとか。
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観光名所ではないので、いつも人はほとんどいないし、都会の中にあってはかなり静かで落ち着きます。
今度はここだけじゃなく、高円寺中のお寺巡りでもしたいな。

ここは頻繁に通る庚申通り商店街の、"庚申塔"
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このような、中国の道教は庚申信仰にまつわる石塔は全国各地にあると思いますが、ここの特徴は三猿(見ざる、言わざる、聞かざる)のうち、見ざるがいないという事でしょうか。
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おなじみの、"アニマル洋子"
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この日の店員さん、K氏は…「ココ」で紹介した時と同じく「ジョジョの奇妙な冒険」の『第三部 空条承太郎 ―未来への遺産―』Tシャツですが、今度はホル・ホースエンペラー(皇帝)じゃないですか!
タロットカードはTHE EMPEROR、カッコいいなぁ。
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…ではまた、最近行った飲食店部門に行きましょう。

まずは定番、いつも出る中華料理屋の"成都"
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またここで、今期も火鍋デビューしました。大好物なのでまた確実に10回以上は食べると思います。
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まだ四川の火鍋料理を食べた事のない方には、映画「スパイシー・ラブスープ」を観てから食べる事をお薦めします。
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中華料理屋の定番、もう一軒が"揚州商人"ですね。
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こちらは少し高くなりますが、確実にクオリティは高いし、店員さんの態度なんかも最高!
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そしてここでも火鍋。
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これはつい昨夜の写真ですが、何故か「AKIRA」のZIPPOをこんなに持ち歩き、おもむろに並べ出す友人でした。
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中華料理屋をあと一軒だけ続けると、"明月房"もたま~に行きます。
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「ココ」でした前回の高円寺紹介で問い合わせが多かったのが、"ラーメン万福"
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なので名物の牛乳ラーメンを食べてこようと、ビールを飲みつつ待つと…
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おおっ!用意されたあのスープ。
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はい、これが牛乳ラーメン。
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こちらは普通のラーメン。
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そして、何と言っても好きなのは"せい家"
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先日は店内で怒鳴り、暴れそうになっている客をなだめるという…大変な一幕もありました。

辛い味噌ラーメンが食べたくなると、環七と青梅街道が交わる高円寺下陸橋の脇、"味噌一"へ。
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メニューは味噌ラーメンだけというこだわりの専門店。さすがに美味いです!味噌は身礎!!
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↑この二つは辛さが違います。

300円ラーメンの"大陸"
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ここへ行く機会があれば、是非店主に田中角栄の話をふってみて欲しいです。

立ち食いそば屋の"みはる"
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一皿105円の回転寿司店、"ちよだ鮨"でビールと寿司というのも好き。
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"薔薇亭"(ローズ亭)。
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お店の外は、お花さんがいっぱいで素敵。

しかし中に入ると…
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こういった注意書きが多くて、何か怒られそうで怖いんですよね。

ここはとにかく量が多くて有名な店なんですが、この日の私は日替わりランチでカツカレー丼。
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日替わりはいつも450円で、キャベツ付けて500円という安さです。
一応書いておくと、店名から想像されるように薔薇族…ゲイ関係の店ではないですよ。夫婦で経営されているのですが、奥さんが素敵な薔薇ヘアバンドをしています。

次は"四文屋"
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飲み物一杯につき何度でも焼き餃子を無料で食える激安の名店"たちばな"
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黒ビールを安くなら、"Gaburi"(ガブリ)。
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環七まで行っちゃった時、珍しく"華屋与兵衛 高円寺店"なんかも行ってみました。
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高円寺で一番古い店と噂される"洗濯船"には、先日数年ぶりに行ったのですが…
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とある貸し切りパーティーに呼ばれて行ったため、食べ物は持ち寄りで、店のメニューは味わえなかった…
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その近くの"唐変木"には、数年前からずっと気になっているのに入れません。
いい味出してる壊れそうなボロい建物の奥にあって…
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店内の様子も全く分からない上に怪しいので、まず一人では入れなくて入口まで行っても引き返してしまうのです。

"バーボンハウス"
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"Blue on velvet"(ブルー・オン・ベルベット)。
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"喫茶プログレ"
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近所の"COFFEE RUI"は、完全に趣味でやってるような店で…
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思い切って行こうと思ったらやってなかったりして、まだ入店してないのです。店の側面にある顔が怖いです。
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馬橋公園で特訓して、
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規律正しい軍人のイメージを保とうと日頃から軍帽かぶってる私ですが、先日は女子に『あ、こまわり君だーっ、キャッキャッ』と面白がられてしまい、仕方なく「がきデカ」『死刑』ポーズ。
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はい、最後は高円寺駅からの写真でサバラ。
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  1. 2008/11/03(月) 23:27:28|
  2. 旅行・紀行・街
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杉作J太郎先生、「恋と股間」発売記念に半日店長(サイン会)

本日11月2日(日)…いつも通り中野ブロードウェイを巡回していたら…
タコシェで、杉作J太郎先生が「恋と股間」発売記念に半日店長をしてた!
半日店長とは言っても、実際に店の業務をやるわけではなく、サイン会ですね(当たり前か)。

以前もこういうのやってたけど、その時は緊張して顔を見るだけですぐに店出たものですが…今回も一人でしたが、思い切ってアタックしました!!

この間上梓された新刊「恋と股間」(理論社刊)、
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これを購入してサインを頂きました。
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杉作J太郎先生がかつて梶原一騎を詠んだ詩、大好きな「一騎道」の一部を書いてもらおうかと思いましたが、言えずに断念。

ちなみにこの本では、『真に男子の血肉となる、ハードボイルドに超絶な「恋愛術」を指南する』のだそうで、この場で恋愛に悩む皆さんへのアドバイスも受け付ける、という特典付きでした。
しかし私は相談したい事など何も無く、しかも緊張してマトモにお話なんてできませんでしたよ!

記念のツーショット写真!!
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もう一枚!!
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私は緊張しまくりでしたが、杉作J太郎先生のこの笑顔は最高ですね。
地獄の墓堀人…そして暗黒の魔王、ジ ・アンダーテイカーのTシャツもカッコ良かったです!

ところで、タコシェってお買い物袋が太田螢一画伯による描きおろしイラストなのも嬉しいです。
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大小二種あり、大きいの買うとこちらの絵柄。
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また、次の機会もあればお邪魔しようと思います。ありがとうございました!


  1. 2008/11/02(日) 23:24:37|
  2. 古本 番外編
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トキワ荘(34) 石森章太郎 25 「武蔵伝説」

今夜の石森章太郎作品は、昨夜の「宮本武蔵」に続いて、もう一つの武蔵…「武蔵伝説」(双葉社刊)です。
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ビッグゴールド(小学館刊)にて1995年に連載された作品で…そうです、1995年といえばとっくに石ノ森章太郎名義に改名された後で、最晩年にあたりますね。改名以降の作品を紹介するのは、このブログでは初めてです。

前にも書いた通り石ノ森章太郎名義になってからの作品は、どれもかつてのレベルが見る影も無いほどがた落ちしているわけで、しかもこれは原作が昨夜の吉川英治版ではなく、講談本立川文庫の少年向け剣豪小説の方なので、あまりにも違和感があります。

それでもこちらの原作の方がずっと古く、もちろん読んでいるはずの吉川英治を始め、昔の少年達にはこちらの方が馴染みがあるのだそうです。
まず宮本武蔵が小倉生まれ!
そして吉川英治版の厳流佐々木小次郎に当たるキャラが佐々木玄東斎岸柳という名で15歳も年上、さらに何と父の仇なのですよ!!

何より石ノ森章太郎先生の描く武蔵の風貌は子供!
原作は少年向けの読み物とはいえ、子供向け雑誌に連載したわけじゃないのに…少年剣士の武蔵が大人達も倒す大活躍して父の仇を追う旅をし、目的を果たすというのが大筋になっているのです。

山賊の軍団、ムササビ返しの柏木彦助などというサイボーグ007(グレート・ブリテン)そっくりのハゲや、本物の化け猫までを退治し、信州路松本で修行した後、ついに豊前島での決闘にて佐々木岸柳を倒して父の仇討ちを終了する…

そして最後の解説で、武蔵が没したのは八十六歳の時であるが云々とありまして、そんな長生きしたのかよ…
まぁとにかく、私は吉川英治「宮本武蔵」愛するものですから、同じ剣豪・宮本武蔵の生涯がこうも違うものになるかと悲しくなったり、でも吉川英治版もあくまで創作であって絶対ではないと思い直させてくれます。
あまり好きではないけど、ここで描かれる武蔵も確かに武蔵なのでした。


…剣の修行とは、どんな理屈をつけたって、
人を斬る技を、身につけるだけのこと。
…怨みも度を越すと、妖怪変化になるぞよ!!



  1. 2008/11/01(土) 23:12:00|
  2. トキワ荘
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プロフィール

BRUCE

Author:BRUCE
BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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