大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

月刊漫画ガロ(70) 永島慎二 6 「首」

この勢いで永島慎二作品をもうちょっと続けますが、今回もサンコミックスから、「首」(朝日ソノラマ刊)です。
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今回は短めの作品ばかりで9編を収録していて、表題作の「首」…首供養にまつわる人間の執着と呪いにまつわるサスペンス要素も入った時代劇の傑作に始まり、次にまずタイトルが素晴らしい「せむしの肖像」、そして正に永島慎二先生らしく漫画家と純情な若者の気持ちを描いた「坂道」と続きます。
特に「坂道」は、本来「漫画家残酷物語」の1話として描かれていた物ですので、説明するまでもなく傑作に決まっていますよ!

それから「朝日をあびて死」「ゲンコツの味」「殺人者たち」「道づれ」「雨の季節」
例によってどれも絵が上手く、しかもそれだけでなく斬新で…
突っ込んで紹介したい所はあるのですが、時間の関係でカットします。

ラストが「斑鳩鉄平」で、これも表題作の「首」と同じく時代劇です。ジャケの武士の絵も実はこの作品の主人公である元百姓の浪人。
この作品で特筆すべきは、ここで出る美湖という娘がつげ義春先生の描く少女…それも全盛期の作品に出てきた「紅い花」キクチサヨコらと激似なのが気になってしょうがないです。
永島慎二&つげ義春という両先生が貸本漫画時代から交流がある事は当然存じていますが、この女性キャラを模写した意味は一体・・・
その問題を抜きにしても「斑鳩鉄平」は終わりの渋さなんかでシビれる傑作ですが。


つまらないからやめたのです……………!
全国行脚の途上なんです………
剣を通して自分の人間としての行き方をつかみたいからです……



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  1. 2009/05/31(日) 23:33:29|
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月刊漫画ガロ(69) 永島慎二 5 「愛と死の詩」

今夜も永島慎二作品で続けて、短編集"ダンさんコレクション"としては2冊目の…
「愛と死の詩」(朝日ソノラマ刊)です。
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これは貸本から少年向け漫画雑誌へ進出した永島慎二先生が、再び貸本の世界へ戻って描いていた時代の作品を中心に集めた6編が収録されています。

会話の妙を楽しめるハードボイルド作品「マルマル食堂の午後」に始まり、永島作品には珍しい非現実的な存在が登場する「死神」オー・ヘンリーの名作短編小説「最後の一葉」(The Last Leaf)を新宿版でリメイクした「友情」、たった2ページのふざけた作品「完全犯罪」

そしてかつて私が特に感銘を受けた、「春」
わざと狂わせたデッサンからしていいのですが、内容はまさに青春の悩みや焦りを描いた永島慎二先生らしい作品で、おとなしく実家に居てニコニコできていれば良かったのに、それはしていられなかったしげるは…漫画家志望。
世間や家族に認められる事は何にも出来ていないけど、成功者から見たら情けないと思われる生活をしているけど、でも誰も分かってくれなくても自分で選んだ道を歩いているのです。
ラストで降る東京の雪もいいなぁ。

最後に表題作の「愛と死の詩」で、広島の原爆で妻と自分の片足を取られた50歳近い境刑事(あだ名はびっこ犬!)が主人公。
境刑事はごく平凡な人間ながら、残された一人娘の道子までが原爆症で重病で…悩み、結局は悲劇的な最後を迎える涙の名作でした。


生活をかえないと 作品もかわらねぇんじゃないかな……
世の中はきびしい 世間のきびしさを知るには……
家族に守られて家の中でヌクヌクしてたんじゃだめなんだ……
そうだ家を出よう……そして何んでもいい……
多くを知る事だ……



  1. 2009/05/30(土) 23:35:51|
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マクドナルドのハッピーセットでゲゲゲの鬼太郎 2

今日も街を歩いていると・・・
マクドナルドでこんなのを発見しました!!
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おやおや、これは買わなくてはなりません。
ハッピーセットで「ゲゲゲの鬼太郎」のキャラクターを使ったおもちゃをセットにした"ハッピーセット"なる物を販売するのは、「ココ」で紹介した時以来。
今現在の子供達にも鬼太郎人気が高いと分かり、嬉しい限りです。

こんな事でもなければ入店しないマクドナルドへ、いざ入店!
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5月29日(金)から6月18日(木)までの21日間限定で販売されるセットらしいのですが、全7種類のうち現在買えるのは4種類。
残りの3種類は6月5日(金)からの販売開始になるのだとか。

今回も「ゲゲゲの鬼太郎」キャラそれぞれが何かの機能を持っていて、ただ立っているだけのオモチャではないのです。
しかも鬼太郎ネコ娘はマクドナルドのクルーに扮して
『ゲゲゲの鬼太郎です マックへようこそ!』
なんて声出して挨拶してくれたりするのですが…
これを許可するんだから、水木しげる先生の器の大きさは相変わらず凄いです。

今はまだ4種類しか買えないというので、連れてた友人1人と2回に渡って入店し、一日にして揃えました。
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しかしマズイ…これらの食べ物は友人にほとんど食べてもらいました。
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わざわざ細かいシールを何枚も貼らなくてはならないのが少し面倒でしたが、子供にとってはそれが楽しい遊びなのでしょうか。
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残りの3種類を買えるようになるまで、1週間待ちです。
  1. 2009/05/29(金) 23:48:21|
  2. 古本 番外編
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月刊漫画ガロ(68) 永島慎二 4 「源太とおっかあ」

今夜の永島慎二作品は、「源太とおっかあ」(朝日ソノラマ刊)です。
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今度は貸本ではなくて、少年キング(少年画報社刊)等の少年誌で発表された作品を中心に6編収録していて、このサンコミックスで全8冊出された短編集"ダンさんコレクション"の1冊目に当たります。

少年キングといえばこの後すぐに梶原一騎原作と出会った永島慎二先生が「挑戦者AAA」「柔道一直線」を描く事になる雑誌ですね。
ほぼ同時期なので、一条直也にしか見えない若者主人公の話なんかもあって梶原ファンとしても嬉しい短編集。
フーテン漫画のイメージだけを大事にする永島ファンからしたら梶原一騎原作なんてムチャな試みをしたのだ…と、「柔道一直線」は失敗だったようにも言われるのですが、ここに収録されている作品を読めば、アクション漫画を描いても一流だと分かるはずです。いや「柔道一直線」を読むだけでも十分に分かってもらいたいのですが。

もっとも、永島慎二作品では格闘技やアクションを描いても、感動に重きを置いた描き方をしています。
なので1話目に収録されている「あばれパンチ」は、城南中学の番長でケンカ太郎の異名を取る負け無しの一力太郎が、とあるボクサーに打ちのめされて以降はボクシングで復讐を誓って特訓開始する…
そんな話なのですが、とある秘密を知るまでが重要なのであって、ボクシングはあくまで道具の一つ。
初試合に向かう途中で終わって試合描写は無い、そんなカッコいい作品に仕上がってます。

続いて「拳銃物語」「夜明け」「地下鉄サム物語」「チビッコ・セブン」と続いていくのですが、描かれるのは大抵がふきだまり(スラム)の長屋に住む貧乏人だったりして、人間は良心とお金とどちらが大事なのかを読者の子供達に教える内容が多い。

ラストが表題作の「源太とおっかあ」で、これだけは昔話でハゲトコ山の白馬・おっかあ源太少年との交流を描いた感動話になっています。
おっと、この本自体は「大先輩永島慎二さん」と題した川崎のぼる先生による貴重な話を含むコラムで幕を開けた事を忘れてはなりません。

今夜も美しい永島慎二作品を読んでから眠れるのが幸せです。


おっかあ………お おらに あうため原にいたんだっ
おっかあは 狂ってなんかいたんじゃねえ………
おっかあは お お おらに………
おらにあいにきてただーっ



  1. 2009/05/28(木) 23:12:47|
  2. 月刊漫画ガロ
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月刊漫画ガロ(67) 永島慎二 3 「人間劇場」

続いて永島慎二先生の作品を紹介しますが、今回は「人間劇場」(朝日ソノラマ刊)です。
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この朝日ソノラマ、サンコミックス永島慎二作品はとっくの昔に全て揃えている所でもありますので、順に紹介していきましょう。

今夜の「人間劇場」に収録されているのは1962年から1963年にさいとうプロが発行していた貸本"ゴリラマガジン"にて掲載された短編がほとんどで、タイトルの意味を考えると、人生を一つの劇場に見立ててクライマックス部分を見せている…そんな感じでしょうか。
全部で7話が収録されています。

永島慎二先生の真骨頂である私漫画的な要素は薄くて、殺し屋とかヤクザが出てくるあの時代の劇画らしい作品が中心で絵柄もそんな感じですが、そんな中にも話のメインを人情とか哀しみに持ってきていますよ。

特にいいのが「夏の祭り」「おふくろ」あたりで、正直泣いてしまう作品なのですが、比べてみるとそれらは登場人物が"ただの凡人"で、そんな人の悩みや苦しみを描いた作品なんですよね。「漫画家残酷物語」にも通じる…


みえたかネ……君の会いたがっていた人だ
つまり君のさがしていた人とは自分自身だったというわけだ!
君は その人に会うため病気にも勝った
そしてりっぱな人間として生きている



  1. 2009/05/27(水) 23:23:23|
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月刊漫画ガロ(66) 永島慎二 2 「漫画家残酷物語」

今夜は永島慎二先生の「漫画家残酷物語」(朝日ソノラマ刊)です。
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貸本時代の伝説の短編誌・刑事(東京トップ社刊)にて、1961年から1964年にかけて掲載された作品を集めた短編集で、単行本は全3巻。

これは永島慎二先生の出世作にして代表作であり、日本の漫画史上に残る名作であり、詩的で文学的で、そして私の中で…特に若者時代にバイブルだった作品です。
結婚して子供も生まれながら世間を知るため勉強したいと奥さんに断り、ふろしきに漫画を描く道具を包んで家出した永島先生が上井草に下宿を借り、毎日のように新宿に出てフーテンみたいな生活を二年半に渡ってしている間に描いた漫画家残酷物語・・・・"シリーズ黄色い涙"
登場人物も作風さえも違う作品でつづる短編集ながら、そのタイトルの通り漫画家や漫画に関わる人達を描いている所が共通しています。
しかし主人公はけっして普通の売れっ子漫画家ではなく、夢と現実の違いに悩み苦しむ貧乏な漫画家…いや漫画家志望の人なんかが中心で、悲劇的な青春の話が多いのです。
時代的に、まだピカドンを受けた戦災孤児の話なんかもありますよ。

永島慎二作品に正義の味方のようなヒーローはいらない。はたから見たらただ酔っ払って管を巻いてだけの人なんかをリアルに描くのです。
正に私小説…じゃなくて私漫画で、大人になると忘れがちな、痛くなるような若い時代の痛みとか思い出すためにも読んだ方がいいでしょう。

夢を捨てられずに葛藤する大人の姿を見て、私はもう自分がそこから離れてしまった事に気付かされたり…
『サラリーマンをしていて その日その日をなんとなく……
それほど大きな喜びもないかわりに……大きな悲しみもない
そんな毎日になれて知らぬ間に……年をとってしまうのが おそろしい………』


永島慎二先生(ダンさん)本人がそのまま漫画家の役で出て、「フーテン」等の他作品でもおなじみのサラリーマン・緑川ヒロキや他のフーテン仲間と交流を描いている話もあります。
そこで永島先生、
『ケッ なにがすばらしいだウスラ奴がよ エエ チクショウメ
オイよく聞けヤ オラァな もう漫画なんかスッパリやめた
やめてどうするって あたりめえよ 旅に出るのよ 旅に!』

なんて言ってる話もありますが…
これ、後に本当に全く同じ行動を梶原一騎原作の「柔道一直線」執筆時にやってるじゃないですか!

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正に珠玉の短編集ですので、一話一話の細かいストーリーもここで紹介したいのですが、時間の都合で省略します。
そして、この作品は本当に自分の眼で読んで頂きたいのです。若者なら特に!

そして私が永島慎二作品を愛し続けているわけは、実はそのストーリーと同じように研ぎ澄まされている絵があまりにもいいからでもあります。
特に後期は挿絵の仕事もかなりやっていますが、単純に上手いとか下手じゃなくてとにかく魅力のある絵で、絵画を観るように楽しむ事もできるレベルですよね。
永島先生が開発したので有名な手法でもあり特徴的な、白目と黒目が逆になっている眼、または全部黒目とか全部白目、スクリーントーンの眼もいいですね。


そうだ みんなおなじ穴のムジナだな
ヤレバイタリティだ ヤレ実存だと口をひらきゃ えらそうだけどよ
けっきょく てきとうにあそんで……
そこそこの年がくりゃ おちつくところにおちつく……

ヘッ いやじゃございませんか おきまりのコース
今までの敵で地獄があんがいーと住みよい社会で
金さえありゃあけっこう幸せ

人間と云う名前のドーブツに進化するわけだ……



  1. 2009/05/26(火) 23:55:37|
  2. 月刊漫画ガロ
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ETSUSHI ROCK JAM♪ 2009 (宣伝編)

今夜は私が出演するイベントの宣伝です。

2009年6月9日(火)…ロック(69)の日に、新潟県出身のセンチメンタルが切り裂いたアーティスト・エツシホシノ氏の企画によるライブイベント、
ETSUSHI ROCK JAM♪ 2009
が開催されます!!
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会場は東京都中野区東中野にある、東中野プリズントーキョー
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出演は・・・・

AN INNER RIOT
THE KEATS
FULL&EMPTY
まちやゆき with 野島健太郎
中原チャーリー
海月光
日比谷カタン
エツシホシノ

という豪華な顔ぶれ(ビーズ、グレー、ラルクもビックリ!)になっていて、オープン17:30でスタートは18:00。
料金は前売1500円、当日2000円です。

あれ、ヌンチャク振るくらいしか能が無い私が、この人達の中で何をやるんだ?
…出演者たちの準備中(転換中)にDJとして曲を流す役割を頼まれたのです。

そこで先日、主催者・エツシホシノ氏を交えて飲みながらお話をしました。
だんだん酒が回ってきたのがいけなかった。Tangerine Dreamあたりのジャーマンプログレかけながら"詩(死)の皇子さま"の異名を取る友人に朗読してもらうとか、DJである私自身が曲の合間にマイクを取って下手な生歌をかぶせて痛い感じにしようかとか、酔っ払ってきてそんな話をしていたら…
その場にいた主催者の顔色ががみるみる変わっていきまして、厳しい制約を受けてしまいました。

普通、私がDJやるならかけそうな曲は…どんなプログレの名曲か、はたまたゴシック・メタルか、いやフレンチか?!
そんな期待も受けそうですが、そういった辺りはかけられず、しかし主催者の希望通り私が全音源を持っていると思われる日本人の某歌手の特集になりそうです。それはそれで楽しそうですが。
もちろん、このブログを見て来る方は漫画の話でも何でも、振ってきて下さい。

以前撮ったこの写真は、同会場でのエツシホシノ氏と。
ETSUSHI-ROCK5.jpg
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それでは来月、6月9日(火)に来れそうな方は、是非とも遊びに来てください!
まぁ他人が作った曲を流すだけなので気楽な私も、素晴らしい出演者達と共に貴方のご来場をお待ちしております。
  1. 2009/05/25(月) 22:11:40|
  2. 映画、音楽、将棋、等
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ホラー漫画(57) なかのゆみ 1 「呪われた人形」

今夜もまだ紹介していなかったホラー漫画家で、なかのゆみ先生です。

この方は何と、あのつげ義春先生の大ファンであり、自宅に押しかけてお話をし、サインを貰ってツーショット写真まで撮っている凄い方です!
…漫画の内容じゃなくてその部分で凄いって言われても違うかもしれませんが。

しかし内容の完成度は二の次で次々と作品を量産し続けたひばり書房に作品を描いてた漫画家であるなかのゆみ先生とつげ義春先生…
その漫画に対するスタンスはあまりにもかけ離れているので違和感を覚えますね。
この二人の邂逅に関しましては、「血に染まる月下美人」(ひばり書房刊)の巻末でご確認ください。

今回紹介する、私の好きななかのゆみ作品は「呪われた人形」(ひばり書房刊)です。
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この後、同内容のジャケ違いで「夜がこわい!呪われた人形」「死を呼ぶ呪われた人形」のタイトルでも出ています。

大金持ちのお嬢さまである片桐リサは、お手伝いさんやその子供達にもはれ物に触るように接せられて友達がいませんでした。
しかしある時庭で泣いていたら汚いお人形を拾い、それに生まれてすぐに死んだらしいたった一人の妹の名からモモと呼んで大事にします。

しかしこれが、大変な"呪われた人形"でした…
人形のくせにまず橋の上でママを襲い、
『ママ 私はあなたの子供だったモモなのよ わかるでしょ!
こんな顔の私がうまれたのでママは私を殺したワ
こんな顔の私がいたら片桐家にキズがつき世間にも出られなくなるってネ
パパがとめるのもきかずママは うまれたばかりの私にぬれた綿をかぶせて うつぶせにして殺したのヨ
私がうまれたその日にネ
パパは医者なのでみんなにこう言ったは 私は死んでうまれて来たって!
このことを知ってるのはパパとママだけなのヨ
予定より早く真夜中に 私がうまれてきたからネ
私は人間になりたい この世で生きてみたい 私を殺したおまえみたいな女は殺してやる!!』

と饒舌に一席ぶった後、
『私は人間になりたかった』
『殺してやる!』
『おまえみたいな親は死ね!』

と言う度にナイフで刺して、殺してしまいました。
この怨念あふれるシーンが、序盤ながらこの作品のハイライトでもあります。

それから美春おばさんのうちで住む事になったリサは小学校に上がり、成長していきますが…
やがてモモ人形を避けるようになると、モモは人間になりたい欲求を増してリサに成りかわろうとするのです!

肩に続いて目と口まで人形のモモと入れかわり、とても人に見せられない顔になったリサは映画「犬神家の一族」スケキヨを思わせるマスクをかぶって生活し、終わり間際には普通のマスクとサングラスに帽子姿で家出し、
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山の中でモモに襲われると、聖水(『水道の水でいいワ』だそうですが…)と聖書と十字架で追い払おうとしますが効き目無し。

しかしラスト数ページ、自分が死ねばこれ以上犠牲者も出ないと自殺しようとして、そしたらモモは勝手に溶けていきました!
『……私のたったひとつの弱点 それはリサがもっている人を思いやる気持ちだったのさ……
自分のために ぎせい者を出すまいとして自殺する その心が私の最もきらう弱点だったのサ
ヘビがヤニをきらうように…ドラキュラが朝日をきらうように 私はやさしい心をきらう』
のだそうで、リサの方は助かって呪いからも解放されるハッピーエンド。よかったネ!!


このことをしゃべったりすると そこにいる二人も殺すぞ
私は人間になりたい どうしても人間になりたい
それでやっとこの世に出られたんだ おまえの妹としてな!
みにくい顔だという理由だけで うまれたばかりの私を母親が殺したんだ 片桐家にキズがつくと言ってな!
だから私もあのメス豚を殺してやったんだ



  1. 2009/05/24(日) 23:44:44|
  2. ホラー漫画
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ホラー漫画(56) 黒田みのる 1 「死神天使」

まだこのホラー漫画界の大御所を紹介してませんでした…
今回は黒田みのる先生です。

1928年の東京生まれである黒田みのる先生は、大学在学中から老人になった現在まで真面目に心霊現象の研究を続けている方で、1958年の漫画家デビュー。日本初の本格的心霊漫画家だなんていう評価もされてます。
書物で霊の世界を広め続けていますが、それ以外にもご自身が"ス光光波世界神団"という宗教団体を設立して教祖になっています。
自身の漫画でも"手かざし"という行為を絶対の力であるかのように描いているように、ス光光波世界神団設立以前は"崇教真光"に在籍していました。

同じく新興宗教らしき物の教祖様になってしまった美内すずえ先生や山本鈴美香先生の教団と違って、ス光光波世界神団は宗教法人に認定されている団体ですし、黒田みのる作品で言っている事も普通に悪い事したら地獄に行くとか、おじいちゃんがいいそうな事ばかりな印象があります。

その漫画作品はどうかといえば、絵は例えば日野日出志先生や楳図かずお先生のような超ビッグネームに比べて特徴も無いし見劣りします。
話の方も、まぁ説教くさくてエンターテイメントとしては辛い所もあるのですが、その啓蒙的な内容は他の誰もやらない部分であり、何か妙に感動したりしますし、ひねくれ者は…その怪しい世界を信じきって真面目に語る姿を笑って読むのだってそれも読み方の一つでしょう。

一応読者サービスも考えているとみえて、一部の作品では女性の霊は裸で出まくります。心霊について説明するシーンでも…意味無く女性の裸が使われていたりします!
とにかくそんな、私自身もそこまでファンじゃないけどどこか愛すべき黒田みのる作品。

1回目の今回は「死神天使」(笠倉出版社刊)でいきましょう。
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単行本は全3巻で、著者は黒田みのる先生ともう一人、古出幸子先生とのダブルネームになっていて、 後者はアシスタントなのですが、この作品に関しては少女漫画チックな絵柄を見ると作画のほぼ全部を受け持っていると思われます。

話は今(といっても昭和52年)から4百年前の時代からスタートします。
お城のお姫さま(やはり姫カット)が敗走中、味方の裏切りで危ない所を顔が火傷だらけで姫に怖がられてる醜い家来によって命がけで助けられました。

山の奥に隠されて一人ぼっち、しかも体が動かない姫はお腹が空きすぎて目がくらんでいます。
そこへ討死にした両親の霊魂が励ますために現れ、また宇宙人みたいな姿をした死神の小僧も来て諦めて死ぬようにとほのめかします。
姫はついに力尽きて生きるのを諦めると、霊魂が体から抜けるのですが…この魂に顔が付いた霊魂の表情や姿が可愛いすぎる!

死んで霊魂になった姫は精霊界でいろんな教えを受けた後、死体のある山の奥地に戻されるのですが、自分の死体を見て第一声が
『やだーッ わたしが死んでるーッ ミジメーッ』
なんて言ってますよ。4百年前のお姫さまなのに!
この作品全体を通してこんな感じの軽さがあり、絵が可愛いのも女性漫画家である古出幸子先生に任せたのが良かったかもしれません。

姫の肉体はボロボロに腐って骨となって土にかえり、それから4百年が経つと…
山を切り開く工事によって精霊界も何もかも壊されて行き所が無くなった、姫の霊魂。

しかしこの工事中にある事件が続発し、それは姫の姿を見た者が次々と死んでいく、というもの。
自分が死神になってしまったのかと泣く姫は、霊魂なのに山に遊びにくる現代の女の子たちの服装や髪型を真似ますが、これがカラーリングとカールした髪型になってしまって失笑します。
『いまのみなさんのようなニュースタイル』『街のヤングたちの服装にひきつけられて』との事で…いやオシャレで可愛いのですが。

そこへ死神の小僧が登場!
『ひさしぶりだったね………お姫さまよ
四百年もみないうちにモダンにスカッとなっちゃって………まぁッ』

とか言っていろいろ教えてくれるのですが、本当に姫も死神の仲間になってしまったのか。

例によって霊界の仕組み等の説明や、人が自然を壊す事に対する警告やら含めながら進められる物語。途中で突っ込み所がたくさんありますが…
とにかく、姫は死神みどりと名付けられて本当に死神の仲間入りをしてしまいました。

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相変わらず死神になるという運命を受け入れられずにいるみどりは、白い光の神や日本の妖怪たちに脅されたりしながらも、指導霊に助けられたり。

指導霊に説明を受けた事によると、おおもとの神様の真下にある美しい日本の国も自然が壊され精霊界が無くなり、神の光が通りにくくなって外国の悪魔たちに狙われ、日本の力がない死神たちも外国の集団と手を結んだ…とか、そっちの世界でもそういった争いが熾烈を極めている事が分かります。

みどりは死神の小僧は、何だか漫才のコンビのように突っ込みやなにやらで結局仲良しみたいにも見えてきましたが…
ついに外国の悪霊、それも悪魔の帝王・サタンが登場!
4百年前に姫(みどり)を助けた火傷顔の家来の霊まで操られて罪の無い女の子を殺そうとしますが、そこで何と!死神の小僧が身を挺して阻止し、サタン達は逃げていきました。
強大な力を持っているはずの外国の悪霊って…あまりにもショボイです。

傷付いたみどりも死神の小僧も一緒に消えていきますが、みどりは最後まで人の命を奪う死神になる事を気高く拒否し、死神の小僧も最後だけは死神じゃなかった。
火傷顔の家来の霊だけはこの世に残されて泣き、感動の大団円です。一応。
それからこの作品通して何度も出てくるのですが、長い文章で自然を壊す事に対する警告とかあって終わりました。

自身が新興宗教の教祖になったというのがまずキてますが、その内容からしてもカルト作、という意味ではホラー漫画界の最右翼と言っても過言ではない黒田みのる作品を、貴方もいかがでしょうか。


描くこころ

◇死神を描こうとすると あっちからもこっちからも いろんな霊が原稿をのぞきこむ
◇そのなかに死神がまじっていて どうか描かないでくれと かなしそうなかおで みている
 わたしは しらんかおして描くと死神の目に涙がひかった

ーみのるー



  1. 2009/05/23(土) 23:39:25|
  2. ホラー漫画
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日野日出志 「怪談絵はがき」

久々に日野日出志グッズの自慢をしましょう。

今回は…怪談絵はがきシリーズです。
前にも少し触れた事がありましたが、当時ひばり書房の怪談コミックスにはさまっていた絵はがきで、抽選で"ゲームデンタク"(後期はホラーテレホンカードも)が当たる抽選に応募するためのはがきでもあります。

漫画の欄外で
ひばり書房の本に君の名前がのっていたら、その本の題名を葉書で知らせてよ。次回のゲームデンタクが当る抽選に優先参加できちゃうんだよ~ん。
と宣伝していて、応募するとひばり書房の新刊に名前が載って、その中からホラー漫画家の手によって抽選されて誰かが当選する、というシステムでした。

当選品のゲームデンタクもしくはホラーテレホンカードってのがどんな物だったか、未だに見た事なくて気になる所ですが、しかしこの応募はがき自体が素晴らしい…
No.1からNo.4までのイラストをさがみゆき先生、No.5からNo.8までを日野日出志先生が描いていて、当然ながら後者の大ファンである私はこの葉書も大事に保管しています。

見てもらうと、
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こうですよ!!
このイラストそのまま、やはりひばり書房の"怪談マンガ文庫"版の表紙にも使われていますね。

絵の上に
『このはがきのアンケートにこたえてゲームデンタクをあてよう!』
と書いてありますが、後期は
『このアンケートにこたえて、ホラーテレホンカードを手に入れよう!』
というのもあるのです。

はがき表面は、今は無きひばり書房の住所、そしてアンケートの質問が書いてあります。
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さて日野日出志先生で絵はがきといえば、随分前に「ココ」でポストカード集「地獄のどくどく絵葉書」を紹介していましたが、あれから私はこの封筒違い版も手に入れてました。
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こちらではそれぞれのカードについての説明された紙も付いてましたが、ただオールカラー10枚の内容は全く同じ…つまりそれぞれ2枚ずつ持っています。
やはり誰にも送れないので本来のはがきの機能は果たせず、ポストに投函されないまま部屋で眠っています。


  1. 2009/05/22(金) 23:22:23|
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ホラー漫画(55) 川島のりかず 2 「悪魔の花は血の匂い」

昨夜に引き続き川島のりかず作品から、今回は「悪魔の花は血の匂い」(ひばり書房刊)です。
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柱木直樹さなえの兄妹が雪山の山小屋を目指すシーンから始まるこの作品。
すると一人で苦しんでいる先客がいまして、それは二十数億円を持つ資産家の娘・高見沢ユリカでした。
しかもそのユリカはさなえと瓜二つで歳も同じ高校2年生。
そのためユリカを殺して入れ替わり、その財産を狙う…そんなサスペンス話。

何の関係もない貧乏人の娘が、金持ちの娘とそっくりで家族も気付かないほどって…一卵性双生児だって家族には見分け付くのに、それは絶対にありえない!
そんな設定におけるリアリティの無さは、まぁいつもの川島節って事でいいでしょう。
だいたいあの江戸川乱歩の名作小説「パノラマ島綺譚」だって同じような話だし。

そんなわけで話としては珍しくないのですが、さすがは川島のりかず先生だと思うのが、さなえがユリカとなって侵入したこの資産家一家が全員極悪で、マトモな殺人を犯した兄妹こそが普通の人間に見えるという事。

次に兄妹は家主である野獣系の父親を殺すため、食事に塩を入れるのです。
普通、毒物を混入させるじゃないですか。しかしここでは父親の血圧が高いからと塩を入れる…やっぱりこの兄妹は甘い。

あとタイトルの通り、作品の重要なモチーフになっているのが悪魔の花。
KAWASHIMA-devils-flower3.jpg
この花 別名、悪魔の花という 樹液は黒い
黒い樹液をあびると狂い死ぬという


この毒草の花粉を浴びて顔が化物になったユリカの姉・なつみ
そして意地悪にもほどがある弟・ルイ
彼はこの植物の感情を機械で表示させる事に成功していて、真っ先にユリカが偽者であると見破るのです。

さらに続く貧乏兄妹VS資産家一家の話ですが、結論を書くと兄妹のかなり強引な手段で乗っ取りに成功します。
が、地下室に監禁されて一ヶ月も飲まず食わずで生き続けたなつみの恐ろしい執念が、最後は首を切られながらも人魂となって悪魔の花に乗り移り、兄妹はその樹液を浴びて狂い死に。

主要登場人物では唯一生き残ったルイも、発狂してこんなんなって…
KAWASHIMA-devils-flower2.jpg
財産は相続できる人間がいなくて館は廃墟となり、浮浪者のたまり場になったという後日談がラスト1ページで描かれて、END。

このラストの救いの無さが漫画マニア達の間で語り草にもなっている名作でした。
しかし川島のりかず作品、全作品の登場人物で死亡&発狂率を調べてみる必要があるかもしれません。かなり高い数字が出るでしょうね。


よく考えろ オレたちの両親はオレが中学生の時に交通事故で死んだ……
それからオレはお前を食わせるために毎日あくせく働いてきた
オレはそんな生活でも幸せだと思っていたよ
あの写真の高見沢ユリカの写真を見るまではな
くそーっ!奴等は遊んでも食っていけるんだぞ!
この女さえ死ねば…大金が手に入るんだぞ


  1. 2009/05/21(木) 23:35:12|
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ホラー漫画(54) 川島のりかず 1 「恐怖の都市へ」

ここまでホラー漫画を、しかもひばり書房から作品を上梓していた漫画家を多めに紹介しているこの大悟への道ですが、何であの人が出てこないんだと訝しんでいる方もいる事でしょう・・・
それが川島のりかず先生。

そうです。首や目玉が飛び、流血する過激な残酷・スプラッタ描写が多く、しかも何十冊も出している作品の全てがひばり書房からの出版という事でホラー漫画ファンには超重要人物。
ふくしま政美先生のアシスタント経験もあり、1980年代に大活躍した川島のりかず先生ですが、現在では激レア化してしまった問題作「中学生殺人事件」を最後に漫画界から姿を消してしまいました。川島先生、元気にしていますでしょうか…

残された傑作の数々を順次紹介していきたいとは思いますが、まずは「恐怖の都市へ」(ひばり書房刊)です。
KAWASHIMA-for-kyohu-no-toshi.jpg
この後、同内容のジャケ違いで「狂乱!!恐怖の都市へ」「みな殺しの家」のタイトルでも出ています。

おっきなリボン付けた可愛い少女・森尾紫音が、ある朝目覚めると…
外に近所の人達が集まってガヤガヤ騒いでます。
パパとママも出てきて一緒に見上げると、正体不明の巨大な黒いボール状の物体が、家の真上に浮かんでいるのです!
KAWASHIMA-for-kyohu-no-toshi2.jpg
二人の警官が来て触ってみると、感電して屋根から転落死しました。

マスコミにも騒がれ、野次馬に見られながら生活する事になった森尾家は、そんな生活が嫌になってママの実家に車で逃げようとしましたが、紫音ちゃんが車から降りて野ションしようとしたら、上から影が!
そう、あのボールがついて来てたのです!林の中に逃げてもダメで、結局逃げるのを諦めて帰宅した森尾家。
その姿を不気味に見ている黒装束の化物と肩にはカラスが変形したような変な生き物、そして巷では赤ん坊や小学生の行方不明事件が頻発している…

それからボールに変化がありました。
オレンジジュースみたいなきれいな液体を出し始めまして、紫音がテーブルに置いといたら飲んじゃった、体の弱いおじいちゃん。
するとおじいちゃん、元気になって『ウオオーーッ』と力がみなぎり、家の中を走り回っちゃってます!

家族全員が飲んで躍進し、この液体は"魔法の水"で人間の願望をかなえてくれる力があると知った森尾家ですが、効力を知った者達が我々にもよこせと押しかけてきたため、瓶1本100万円で販売する事になりました。
森尾家の大人はすっかり金の亡者になり、魔法の水を巡る事件も起こるようになりますが、紫音が誘拐された時はその犯人を魔法の水だとだまして毒殺。
家の外では黒装束の化物が、『あの家の人間は完全に狂った』と満足気に見ています。

やがて浮遊するボールは膨張を始め、ついには爆発すると円盤が出てきて、去っていきました。
すると魔法の水は効力が無くなり、今までの効果すらも消えてしまいました!
それでも返金には応じない森尾家には暴徒が押し寄せ、救いなく大人達は惨殺されました。
それもパパ殺しは丁寧な描写で目玉も一つずつ飛ぶし、ママも押さえつけられて目玉を棒で突かれ、おじいちゃんも殺されて家に火をつけられました・・・
この狂気のクライマックス場面は、やはり「デビルマン」のあれを彷彿とさせますね。

最後に紫音も見つかって殺されかけた時、あの黒装束の化物が助けてくれて円盤に連れて行かれました。
そもそもの発端となった浮遊する黒いボール騒ぎは、全てこの化物・宇宙人達が地球を支配するにあたって仕組んだ実験で、地球人の反応や欲の深さなどを調べるためだったと分かるのでした。
行方不明になった子供達もこの円盤に全員いましたが、紫音も含めて彼らの星へ連れていかれて教育を受け、実験されるため飛び立った…のですが、紫音が操縦スイッチをメチャクチャにいじりまくったら円盤は墜落!

都合よく宇宙人達は全滅しますが、連れ去られていた子供達は無事に助かるという大団円を迎えるのです。
このラストはひどいですが、川島のりかず作品においてそんなのはどうでもいいですね。
あの人間による惨殺シーンの後ですので、わざとふざけてなごませる計算で終わらせたのかもしれません。

幽霊や妖怪などのが起こす恐怖よりはるかに怖く後味の悪い、"人間"の狂気や身勝手さを描き続けた川島のりかず色は十分に発揮された名作でした。


紫音は一人ぼっちになってしまったが 祖母がかわいがってくれるので淋しくはなかった……
平和な生活がつづいた……
しかし、地球に飛来する円盤は一機だけではない……
もっと恐ろしい目的で飛んで来る円盤もある…



  1. 2009/05/20(水) 23:39:10|
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ホラー漫画(53) 岩田れんたろう 1 「幽霊が!夜の教室に」

今夜は岩田れんたろう先生の 「幽霊が!夜の教室に」(ひばり書房刊)です。
IWATA-yureiga-yoruno-kyoshitsuni.jpg

まず岩田れんたろう先生…
ひばり書房から出している漫画家としてはかなりマトモな少年漫画を描いている方で、だからこそカルトな人気も出ずに現在ではほとんど忘れ去られているわけですが、なかなか見所はあります。

ちなみに今回の 「幽霊が!夜の教室に」は、この前に同内容のタイトル違い(つまりひばり書房手法)で「死神学園」として出ているのですが、この方に関しては私も両方買う必要無いかと思いそちらは持ってません。
他には同じくひばり書房から上梓されている「幽霊になった少女」だけ持っていますが、それ以外に漫画家としての活動をしていたのか、また作者自身についても何も知らない私です。

それでは「幽霊が!夜の教室に」の内容を追ってみますが、主人公は"市立犬神中学校"に転校してきた中学2年生の御子神霊
物語冒頭で彼が学校の下見に行くと他の男子生徒がいて、

『目があった瞬間…ぼくは目まいを覚えた
気がつくとぼくのまわりは 真黒な闇に包まれていた
そして闇の中に奇妙なものを見た
真黒な闇に真紅のシミが現れたのだ…
やがてそのシミはどろりと流れ出し…いく筋も糸を広げていった
そして最後にとんでもないものをつくりあげた
なんと真紅のシミは人型をつくりあげたのだ
まるで血だるまの死体がころがっているような錯覚にとらわれながら ぼう然と見つめた』

・・・云々と、いきなり文字多すぎの、しかし文学的とも言える描写に期待する私。
この御子神霊の心情描写は、結論から言ってしまうと彼には予知能力がある、という事実が分かるためのもの。

ヒロインの星乃絵理香に好意を寄せる同級生が次々と変死していき、その謎解きのスリルを味わうサスペンスでもあります。
絵理香に恨みを持つ女子・小林ノリ子もからんで謎の真犯人を巡る推理。

もしかしたらこれから楽しみに読む方もいるかもしれないので、最後に判明する犯人の名前は書かずにおきますが、これだけ書くと…犯人は誰かの…生霊です!
その本人も知らずに自分から出て行った存在なのだから、ちょっと難しい。

ちょっと面白いシーンなんかもはさんで事件は悲劇的な幕切れを迎えますが、最後に御子神霊の超能力が凄い事になります。
何で彼にこんな能力があるのか、しかも転校してから急に…そこらへんの説明は一切ないし感情移入もできない欠点がありますけどね。
それに、これもタイトルが内容と全く合ってなくてひどすぎる…
エピローグで、いきなりこれは純粋な愛ゆえに起きた事件だとまとめちゃうので笑って、今夜は終わりです。


たしかに自分で手をくだしてはいないわ
でも死んだのは あなたを追ってあなたに近づいた人たちよ
あなたは人を不幸にする力があるんだわ
そうよ!あなたには死神がついているのよ!
これ以上犠牲者を出さないためにも死ぬべきだわ!
あははは 死になさい星乃さん!



  1. 2009/05/19(火) 23:55:55|
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ホラー漫画(52) 浜慎二 3 「闇に光る少女の目」「夜歩く死体」

既に何作品か紹介している浜慎二先生ですが、最重要と言っても過言では無い作品を忘れていました。
それが「闇に光る少女の目」「夜歩く死体」(ひばり書房刊)。
HAMA-yaminihikaru-yojonome.jpg
言うまでもないでしょうが上記の2作品は同内容で、例の新作として騙し売りするひばり書房手法のため、タイトルが違うだけです。そして、私は分かっていても両方買ってしまうのです。

これは珍しく3編を収録した中短編集になっていて、表題作はタイトルで分かる通り浜慎二作品のいつもの例によって少女モノ、しかも今回は幼女です。

夜中に一人で車道を歩き、はねられ続けている謎の幼女…
しかもこの子は霊ではなく、実体がある存在のようです。
無垢な可愛い顔して、自分をはねて逃げる車に事故を起こさせて殺したりしてます。

ある時、はねてしまったのは"ドクロエンゼルズ"というグループを作ってチームロゴ入りの皮ジャン着て走るタケシ(武)。
彼は幼女をはねた後、ちゃんと介抱して怪我が無い(そんなバカな)と見るや置いて行こうとしますが、車道から動こうとせずに『おにいちゃんちに行く…』などと言っています。

幼女が気になって結局家に連れ帰ってしまったタケシは、次の日職場の工場長に相談して市の養護施設に入れました…やはり全然幽霊ではありませんね。
その後も何故か幼女に呼び出されたりでひっかきまわされているタケシですが、そんな時は決まって幸運に恵まれるのです。アパートで爆発事故があって、出てなかったら確実に死んでいた、とか。

そして敵対グループの"ブラックイーグル"に襲われて危ない時、現れた幼女が彼らを眠らせ、またも助けられます。
幼女をつかまえてみると、目から血を流して
『もうお兄ちゃんちへ行かなくていいの…目が見えなくなったの……』
そう言い残して消えてしまいました!

しかも手術代を送金していた田舎に住む盲目の妹・美枝の目が幼女の代わりに治っていたのです!
あの子は神様だったのかと思い、それから毎日オートバイを走らせながらその姿を探すタケシでした…で、終わり。
例えば幼女は昔車にひき逃げされて死んでいて、親切にしてくれる人が現れるまで車にひかれ続けていた、とかそういったバックグラウンドは一切明かされないままでしたので、狐につつまれたような気分が無いではないですが、ハッピーエンドのイイ話もたまには良いですね。
改題された方の「夜歩く死体」というタイトルは内容見るとひどい事も分かりますが…


残りの2話は表紙のイメージからはほど遠い画風の、おそらくはかなり昔に描かれた作品で、ハードボイルドさもある怪奇劇画に仕上がった傑作なのです!

まず「魔首」
またいきなり人が車にはねられる描写からスタートしましたが…
はねられた男は半年前、大レジャーセンターを作る計画に反対して土地を売らなかったために村人の陰謀で殺された章太でした。
それも先に殺された兄の章一の首が同化し、腹に兄の顔を持って埋められたはずの章太。

自分を殺した奴はもちろん、命令した奴やグルになっていた奴らも含めて復讐のために甦ったのです。
素手で首を引きちぎり、その頭を抱えて歩く章太の姿は鬼気迫るものがあります。
絵柄も80年代のに比べてずっと味があるし(可愛い女の子は80年代に軍敗があがりますが)、この作風でいったらもっと大御所になれたのではないかと思わせる名作。

最後に「いぬ男」
犬猫病院を経営する獣医の山野は、息子の一郎が野犬にかみ殺されて死んでから精神に変調をきたし、自分の病院で扱う犬たちを殺したりするようになり…
ついには妄想から助手を殺してしまい、自分の姿が犬になって犬殺し(野犬狩りの業者)に連れて行かれてしまう。
それを一郎の同級生・たけし『人間なんだよそのいぬ そのいぬ一郎くんのおとうさんなんだよ 人間なんだよう!』と追いかけて終わる…ヤバイ作品で、これも同じく80年代になって作風変えて、ぬるくなってしまった浜慎二先生に残念さを覚えるほどの作品でした。


土地はおらのだ
ぜったいてばなさねえだ
弟とふたりではたけをつくるだ

くそっ だましたなっ
お おら死なね
ぜったい死なねえ



  1. 2009/05/18(月) 23:05:08|
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ホラー漫画(51) ゆめのよう 1 「助けて!だれか。」

ついに来ました…ゆめのよう先生の「助けて!だれか。」(立風書房刊)です。
YUMENOYOU-tasukete-dareka.jpg

ゆめのよう…つまりは"夢の様"という、そのペンネームと同じように主人公である2人の名前も安直で、早目ユウ白衣レイです。
2人そろってユウとレイの"ユウレイコンビ"って…

この二人は夢園中学の2年生で、"怪奇探偵局"なるクラブに所属して超自然現象を研究調査しています。
そして偶然出会った小学5年生の倉井一人(くらいかずと)なる男子がいじめられているのを目撃してから係わり合いになるのですが、この男子の名前も倉井=暗い、一人はそのまま一人ぼっち、そんなネーミングで分かる通り根暗で、ひきつった笑いのいじめられっこなわけです。
あだ名はウジ虫。何とクラスで先生にまでひどくいじめられています!

しかしこの子にも友達がいました!
彼はパソコンやコンピューターゲームが大好きで自分でゲームを作ってもいるのですが、そこで創作した美人のレディ・ネーターというキャラクターと話をし、レディ・ネーターにいじめっ子達を惨殺させるうさ晴らしで、自殺もせずに生き続ける支えになっていたのですが…

ある時からレディ・ネーターが現実の世界に現れ、本当に倉井少年の復讐を果たしてくれるようになったのです。
必殺技も大量のナイフ投げでメッタ刺しにするハリネズミ、100発100中の命中精度を誇るマグナム銃のレーザーマグナム、手首に隠した細いロープで敵の体をじわじわ切り取って殺すカッターロープ
等、バリエーションも豊富です。

なのでその復讐もトドメに目玉を投げナイフで刺されたり、体がバラバラになってひき肉のようになったり、その殺し方は残酷。
捕まって電車の前に吊るされたガキなんかは片手と片足の先端部分しか残ってない…

この殺人劇を阻止できなかったユウレイコンビも、外装が剥がれてロボット姿になったレディ・ネーターのハリネズミで殺されようとしたその時!
倉井一人が飛び出してきて盾になって死んでしまうという悲しい結果に終わってしまいました。
いや、死んでこんな世界から旅立って、レディ・ネーターと幸せに暮らしているのかもしれません。
絵はB級臭がプンプンする下手糞なものですが、いじめはいけないとメッセージを送る社会派ドラマであり、漫画好きならむしろこういう作品をこそ愛せるようになって欲しいと願う私です。


倉井くん
心の底から血の涙を流しているのね
たったひとりで……
あなたの悲しさを知っていながら
私はなにもしてあげられない



  1. 2009/05/17(日) 23:59:05|
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劇画(97) 篠原とおる 1 「現代牝犬物語」

今夜は篠原とおる先生です。

強い"女"を劇画にした最初の人だとか、闘う女(ヒロイン)を描かせたら右に出る者がいない、そんな印象を持っている方も多い篠原とおる先生は、1936年生まれの愛媛県出身。
実はあの劇画黎明期の人々が集まった"日の丸文庫"で描いていた人ですので、劇画家として凄い方なのです。

「女豹マコ」「ズベ公探偵ラン」「人間昆虫記」といったヒロイン物作品が1967年ですので、この位の時期から早くも"目覚めた"のですね。
そして1970年にはビッグコミック(小学館刊)にて、"女囚モノ"の古典となった「さそり」の連載開始です。

これはもう漫画について語るより、これを原作として映画化した「女囚さそり」シリーズの名前を出せば早いでしょう。
KAJI-sasori.gif
梶芽衣子主演のこの映画版も名作すぎで、海外で賞を取ったりするようなアートがかった日本映画の何倍も素晴らしいエンターテイメント作だと思ってます。
クエンティン・タランティーノもこのシリーズが好きだそうで、「キル・ビル」「女囚さそり」の主題歌「怨み節」を使ったわけですが、あの時はオタクに愛されるカルト映画だったこのシリーズが、オシャレ系みたいな雑誌とかに流行で追われちゃって辟易しました。
でもおかげでDVD化された…そんな嬉しい副産物もありました。
1990年代に入って作られたVシネマ版、つまりは岡本夏生とか小松千春主演の作品も喜んで観てますし、もはや松島ナミことさそりによって性癖まで影響を受けたと言っても過言ではない私…
いや、映画版の話は長くなるのでここまでにしましょう。

「さそり」以外にも「ワニ分署」「0課の女」等、いくつも映画化している篠原とおる作品の中から、今回は「現代牝犬物語」(大都社刊)です。
SHINOHARA-mesuneko.jpg

単純に「さそり」は長いので薦めても誰も読んでくれないという問題もありますが、実はこの「現代牝犬物語」は私が初めて出会った篠原とおる作品で、面白くて驚いたものでした。
だいたいタイトルが素晴らしい。当たり前ですが"牝犬"と付くのは犬漫画だからじゃなくて、したたかな女性をそのように呼んでいるわけです。

連作の短編集なのですが、大抵は心に何かを秘めているオンナの狂気を描き、時には人を殺してしまったり…ほとんど不幸な結末が用意されています。
「現代牝犬物語」として7話が収録されているので、それぞれの話について語ろうかと思ったのですが…何か思い直して止めちゃいました。
ただ女の怖さを知ったり、逆に時に同情したりしたい、そんな人はこれを読むべきでしょう。

この単行本にはさらに「新昆虫記」という女を昆虫となぞらえた傑作が3編、さらに独立した短編傑が4編…それも最後の「牝の狼はふるえて眠る」だけ原作に阿久悠を迎えていて、これが一人の女の過去に迫る放送作家を描いたいい出来の作品なのです。
歌謡曲等の作詞で偉大な功績を残した阿久悠ですが、私としてはそんな詞なんかに集中してないで漫画原作に力を入れていれ、これや上村一夫作品に書いてたレベルの物を書き続けていたら、私の愛するこちらのジャンルでも小池一夫先生クラスの活躍をしていたのかもしれない…そんな事も思ってしまいます。

それはさておき篠原とおる作品ですが、やはり梶芽衣子のように冷たい眼をしたヒロイン…でもどこかで見せる人情や浪花節が魅力で、絵もいいしハズレが少ない先生だと思うので、未読の方はどれか読んでみては如何でしょうか。


ほんとに馬鹿げている!
狂っているわ………なにもかも………
学校が なんなの!? 家庭がなんなの!?
社会が………馬鹿げているわ!

狂っているわ!
オスとメス………犬や猫………
みんな狂気の群れ!
ふふふふふ………おかしく………
馬鹿げている!



  1. 2009/05/16(土) 23:34:50|
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劇画(96) 小池一夫 9 松森正 2 「片恋さぶろう」 2

前回に引き続き小池一夫原作、松森正作画の「片恋さぶろう」(スタジオシップ刊)です。
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徳川家康の遺言を受け、孫娘である和子姫(ひいさま)が入内するのに反対し刺客を送ってくる公家勢力から、その身を守る事に命をかける"大捨流"の使い手・片乞三郎信綱

徳川譜代の大忠臣である上野介正純の哀しい乱心を防ぐために斬り、次に京の公家が仕込んだ手は力でダメなら色でと、蝶の綱雪という色男を送り込んできました。
『男と女 男と男 あらゆる色の道を仕込ンでござる』
と言われるこの色男が和子を落とそうとし、ついには夜這いをかけるのですが…
これは珍しく、片乞三郎の手を借りずに和子自身の手で綱雪を撃退します。

今までどのような女子でも想いを寄せてきた美しい綱雪の最期に、和子は
『武家の女子はた剛き者に想いを寄せるもの しかして心やさしき者にッ』
と言い放つのですが、それは正に片乞三郎の事。
この辺りから、二人の許されぬ恋愛が、もちろんストイックなままに描かれます。

しかし和子も強くなったものです。片乞三郎に習っている武芸の腕はもちろん、精神的にも。
綱雪に手相を見せてあげた時も、大あくびした後に
『人の運命を左右するものは掌紋などではありませぬ その人間の強い意思じゃッ
綱雪どのにはわからぬかもしれぬが 武士という者は常に死を背負うておるもの
士道とは死ぬことと見つけたりという 自分の意思で死を選ぶ者に掌紋など何の影響あるや』

と言っていました。

しかし意外と片乞三郎の方は易を重要視していて、人の心が見えすぎるゆえに人の中に棲めず山奥で暮らしている稀代の占い師・水笑婆を訪ねて占ってもらいます。
そこで和子についての想いを吐くように強要され、始めは
『天地神明に誓いそのようなことはないッ 色恋などそれがしの心には微塵もござらぬわッ』
と言っていた三郎が…素直な心を引き出され、ついに作中で初めて好きだと自白しました。
そして川に向かって『ひいさまが すきじゃアアア~~ッ』と叫びまくるのです。

この水笑婆から譲り受けた犬のシロクロを引き連れて城へ戻り、次なる敵は…
「片恋さぶろう」の全編通して最強の敵、中国の"墨者"と呼ばれる思想教団の生き残り姉妹・李掌朴踵
この二人を連れてきた雇い主の商人・平戸屋重蔵は卑怯な手で二人を犯し、すぐに殺されるのですが、それでも約束のため李掌と朴踵は和子の命を狙ってきます。

この敵の二人がまた哀しい運命を背負っていて、そしてバカ強い。
関所破りでついに江戸まで到着し、城下町は焼き払われ城を守る忍者軍団は全滅、シロとクロまでやられて、何とか和子を護りきった片乞三郎をして
『げにも凄まじき者たち さすがは墨者というべきか
かかる強きの者たちには出会うたこともない』

と言わしめました。

李掌と朴踵の姉妹によって江戸や和子の警護部隊もあまりにも大きな痛手を受けましたが、ここからがさすがは片乞三郎。
殺してしまっては殺された者たちが無駄死にしたことになると、味方にして和子を守護させるのです。

ところでこの李掌と朴踵。
同じく小池一夫&松森正コンビの生んだ名作「拳神 海渡勇次郎伝」に出てくる女間諜の道眼洋子とかなりかぶるキャラなのも嬉しい。

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最終の7巻・・・

いよいよ和子の入内の日が決まり、最後の刺客との対決です。
ここで猟師で風嗅ぎの六根治という鉄砲の名手が登場し、没落した武家・勘解由小路家の姫とのロマンスが描かれて…
確かに暗殺依頼を受けた六根治ですが、彼は囮にすぎず、その裏に合伝流銃術でプロの鉄砲撃ちが控えていました。
それらを見抜いた片乞三郎による裏読みも見事でしたが、捕らえた六根治が黒幕の名を吐かぬと判断した後の対応も凄い。

鉄砲を持つ六根治と果し合いをし、打ち損じたら吐かせ、しかし見事に仕止めれば自由にしてやると約束するのです。
片乞三郎も鉄砲の弾をかわせるなどと考えてはおらず、撃たれても即死さえ避ければ雇い主の名を聞き、残った命の時間でそいつを斬りに出向くというのです。
黒幕も和子が入内すれば皇家の一員となり、手出し出来なくなるため、これが正真正銘最後の戦い。
『彼奴等もこれが最期のくわだて わしも最後のおつとめだッ 彼奴等を斬れるだけの生命が残ればよいのじゃッ』
というのが三郎の覚悟なのです。

果し合いの結果は予言通り。片乞三郎は撃たれながらも六根治の鉄砲を叩き落し、雇い主は母外寺の住職・崇源和上と右大臣・近衛信尋だと判明しました。
大量の血を流しながらもこの二人に天誅を下し、ついに全ての不安要素を取り除いた・・・・

しかしそれも束の間、江戸から知らせで、出発の時間になっているのに和子が
『三郎がもどるまでは和子はここを動きませぬッ 三郎を待ちますッ』
などと迷惑すぎる意地を張り、そのため片乞三郎、満身創痍の体で何とか江戸まで生命が保つように祈りながら継ぎ馬で走りまくるのです。

破傷風も起こし、死にかけてボロボロの体で江戸に着いた三郎は酒風呂に入って泥や血を洗い流し、正装をして登城。
和子は入内の晴れ姿を完了し、その姿は父である殿よりも三郎に見せるのだと待っていますが…
いよいよこれが最後になる対面です。
その場に座った三郎は、
『ひいさま……お美しゅうあらせられて……この世のものとは思えぬほどに
ご入内の儀まことにもって祝着至極に存知まする』

と、最後に残った生命で挨拶をし、頭を下げて
『この片乞三郎信綱 魂魄と成りて ひいさまを守護し奉り 御供つかまつらン』
そう言いきると頭を床につけたまま動きが止まり、命も尽きてしまいました。

その後和子は入内して公家との繋がりが出来て、ご存知のように徳川家は長い安泰の時代に入るのですが…
締めくくりのナレーションは、
『入内予定日は六月八日なれど 和子病気のため十日間の延期となり
 六月十八日 和子入内の儀 無事に何事もなくとり行われる
 この空白の十日間になにがあったのか 世人知る由もなく
 無役無冠の士 片乞三郎信綱が事 史実にも無シ』
でした。
最後までストイックに和子を護り、愛し、文字通り命をかけた片乞三郎の哀しすぎる物語でした。


片乞三郎~~ッ 日本一じゃ~~ッ
日本一強くて日本一哀しい男じゃ~~ッ
ご入内のひいさまを想うておるッ さればこそわしの心がわかるッ
さればこそ哀しいッ 哀しくて強いッ
片恋さぶろうじゃ~~ッ
実らぬ哀しい恋してさぶろうーーッ



  1. 2009/05/15(金) 23:16:17|
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劇画(95) 小池一夫 8 松森正 1 「片恋さぶろう」 1

今夜も思い入れたっぷりの小池一夫原作作品で、「片恋さぶろう」(スタジオシップ刊)。
KOIKE-MURAMORI-katakoi-saburo1-2.jpg

作画担当は、中学生の時に読んだからという理由も大きいでしょうが、個人的には偉大なる小池一夫(雄)作品全ての中でも一番好きな「拳神 海渡勇次郎伝」と同じ…
松森正先生。

松森正先生は1947年生まれの熊本県出身で、劇画の第一人者である佐藤まさあき先生のアシスタントを経て、1984年に「黒い疾走の終わり」でデビューしています。
その魅力的な"絵"のみに集中して描くためか、ほとんど原作付きの作品ばかりですが…組んだ原作者としては小池一夫先生の他にも、代表作になっている「湯けむりスナイパー」ひじかた憂峰名義を使った狩撫麻礼先生だし、関川夏央先生や滝沢解先生といった凄い面々が揃っています。

今回紹介する「片恋さぶろう」週刊現代(講談社刊)にて1992年から連載された作品で、単行本は全7巻です。

ストーリーの大筋は単純で、舞台は江戸時代最初期・・・
主人公は徳川家康直参で"大捨流"の使い手・片乞三郎信綱で、家康が死ぬ間際の遺言を聞きます。
それは徳川家の安泰を図るために孫娘の和子姫を入内(皇室に嫁がせる事)させて天皇と親戚になる事で、すると入内を反対する公卿どもに狙われる事になる和子を守ってくれ、というもの。

その言葉通りに和子(ひいさま)の命を狙って次々と刺客を送られますが、和子はこの時まだ9歳。
作中一貫して和子の守護神のように守り続ける、当代無双の片乞三郎はそろそろ27歳…
この二人の決して実る事は無い恋愛も作品後半には描かれ、つまり「無法松の一生」タイプの許されぬ愛も描いていると分かるのです。
それでタイトルは、無私の献身を行う主人公の名字である片乞(かたこい)を片恋と変えたのですね。
それに恐ろしい作戦を立てる敵を様々な方法で迎え撃つ、バトル物としても楽しめる作品です。

刺客を送られても、江戸から後に和子が入内する京を攻めるわけにはいかず、そこで片乞三郎曰く、
『攻めるも戦なら 守るも戦かと心得まするッ なればここは守りぬくべきなと!!
攻めても攻めても難攻不落と相手に思わせれば この戦は勝ちにございまするッ』


黒蛙という強敵から和子を守った時に毒でやられ、生命は助かりながらも死んだ事にする作戦で呪詛を使う千早矢なる黒巫女と黒幕をも倒し…
和子の入内を邪魔する徒輩を一網打尽にするのですが、和子自身が祖父の家康亡き後は片乞三郎が全てのようになってしまったため、殿に頼まれてそのまま他人眼につかぬ二荒山の中へひっそりと身を隠しました!

命がけで和子を守り続けたのに山中で世捨て人生活をさせられる仕打ちを…4年!
それどころか和子の危機を知るや、
『南無不動明王ッ 吾を阿修羅と化させ姫を守らせ給えッ』
と、自ら顔を焼いて髪を白く染めた醜い糞虫となって新たに出てきた"鞍馬金剛党"からを守るのです。

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ところで13歳になった和子は、美しく成長しています。お姫さまだけに、髪型は姫カット!

和子に生きている事を伏せる命令を受けたために、主人公なのに顔を焼いて醜い糞虫にまでなった片乞三郎ですが、結局糞虫は三郎であると和子に看破されました。
嫁ぎ先から命を狙われる事に苦悩している和子は、自分は祖父家康の野望の犠牲なのか…そういった問いかけにも答えなくてはならない三郎。

帝の守護神を名乗る鞍馬金剛党の鞍馬大浄介…その正体は陰陽師であり、公家にして鞍馬古流という戦いの奥義を極めた裏辻信忠
こいつは凄い強敵でしたが、闇に棲む陰陽師に合わせて闇に潜み、何と和子を連れて京にまで乗り込んだ片乞三郎が勝利しました。

片乞三郎の持つ武士道、男気と強さ、そして特にその知略の凄さに…つまりは小池一夫先生の凄さに感服するわけです。
いちいち出てくる理屈、小池節が面白い!
…続きはまた次回。


心まではその毒もとどくまい!
この身朽ち果つるとも わが心は常にひいさまと共にあり
わが魂もまた ひいさまのお側にありて
守護し奉らンッ!



  1. 2009/05/13(水) 23:58:20|
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劇画(94) 筒井康隆 1 「筒井康隆漫画全集」

今夜は筒井康隆先生の「筒井康隆漫画全集」(実業之日本社刊)です。
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そう、あの日本を代表するSF作家であり、SF以外にも幅広いジャンルの傑作を生み出してきた筒井康隆先生です。
その活動は小説家や劇作家として大御所であり多くの著作を持つのはもちろん、俳優としても有名ですね。
学生時代によく読んでいた小説については長くなるので省略しますが、実は1970年代初期に漫画作品も描いていたのです!!

この「筒井康隆漫画全集」は、主に小説サンデー毎日(毎日新聞社刊)で連載していた作品が中心の短編集としてまとめてあります。

小説の漫画化は様々な漫画家の手によっていくつもされていますが、これは正真正銘筒井康隆先生ご本人の手によるオリジナル漫画。
内容は…小説のイメージとさほど変わらずナンセンス、ブラックユーモアが多いですね。土人ネタ等のちょっとヤバイのも交え、実験的な作品もあります。
自身の名作小説を原作として、石森章太郎先生、山上たつひこ先生、長谷邦夫先生にも漫画で描かれている「アフリカの爆弾」があったり、自身の漫画を後に小説化した逆パターンもあります。

最後の「メイキング・オブ・筒井康隆漫画全集」と名付けたボリュームたっぷりの自作解説は、手塚治虫先生や他の凄い人々との貴重な交友関係にも触れたエッセイになっていて必読です。

少年時代には藤子不二雄先生や赤塚不二夫先生などと同じく、伝説の漫画雑誌である漫画少年(学童社刊)で投稿欄の常連だった事でも知られる筒井康隆先生ですので、絵もけっこう上手いですよ。

ただ、どうしても小説で読む筒井康隆作品の方が面白いという思いは残り、小説家が描いたからこそ生まれたプロの漫画家にも出せない面白さ、なんてのはさほど無いかな…
筒井マニアならなら当然持っておくべき「筒井康隆漫画全集」ですが、それ以外の方は、あの筒井先生が漫画も描いているのだと、ネタで覚えておけばイイくらいかもしれません。


待てどこへいく
おのへたくそなマンガがいいというのか
おぼえてろ売れっ子のマンガ家たちにいいつけてやるぞ
今に活字文化はほろびて マンガbかりの世の中になる
おれたち新人のマンガ家をそまつに扱うと
その時になって泣くことになるんだ
そうなった時には小説家はみんなルンペンだ



  1. 2009/05/11(月) 23:50:02|
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劇画(93) 小池一夫 7 叶精作 4 「BROTHERS」 2

小池一夫原作、叶精作作画…「BROTHERS」(小学館刊)の続きです。
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主人公のマッキーは体の成長を遅らせていますが、普通の人間の能力。
それに"HEM"(ヘム)の兄貴リッキーと、近親相姦の恋人でもある妹メモリーとで3人ブラザーズのお話。

画像の5巻から読んでいくと「GUN」という、ブラザーズはマッキーだけでHEMの兄と妹が登場しない話から始まります。
パミルという可愛い娘がテニスのコーチに強姦され、警察に訴えに行ったら状況証拠だけでは起訴に持っていけないと追い返され、送ってくれた警官にも強姦されます!
さらに帰宅して彼氏に相談したら、彼は『おれだって………まだやってないのにーーッ!!』と悔しがられて犯され…日に3人にやられるという、悲惨ながらもコントみたいな展開で、可哀想なパミルには申し訳ないけど、エロいい話です。
このパミルの復讐にマッキーが手を貸して見事にやり遂げるのですが、マッキーは他の男とは違う事を見せるために自分の一物をしゃぶらせて、全く反応しない事で信用を得るのだから面白い。

ちなみに「BROTHERS」では、全編通して勃起した一物はバットの姿で表現されています。

次の「ジャンキートリック」は、この「BROTHERS」全9巻のメインとなる長編。
麻薬王のウィリー・マクレーンの手下、グラハム・ワイルダー博士が造ったロボットのアイザックはHEMをも凌ぐ強さですが、しかし動源力が太陽電池である事を付いて倒し、さらに頭のLSIを改良して味方にしました。

そしてマクレーンとワイルダー博士にも協力させて、実は自殺直後にHEMに脳移植をして生きているアドルフ・ヒトラーと愛人エバ・ブラウンが沈んでいるカムチャツカ半島近海を探索します。
冷凍睡眠している二人をついに発見し、完全に甦りました!!
あのヒトラーが、それもクローンとかでなく本人が現代に甦るのだから、夢がありますね。

ヒトラーの大ファンであるというマクレーンは取り入って信用されましたが、ヒトラーが本当に本人なのか疑って確かめたワイルダー博士は、顔面を殴られて目玉飛び出して死んでしまいました…
かつてのナチス関係者にも本人と認められ、キリストのように甦ったヒトラーですが、それを知ってユダヤ民族の工作機関であるモサドが狙ってきます。

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まだ生きていたゲシュタポ長官のハインリッヒ・ミュラーやナチの副総統だったルドルフ・ヘス、他に博士たちも再会してHEMにしてしまい、ヒトラーは第四帝国を作るつもりになっていますが…

マッキー達ブラザーズが苦労してヒトラーを甦らせ、ここまで協力してきた本当の理由は同じくHEM化して生きていた両親と再会した時に明かされます。
それはヒトラーを抹殺する事。それも第四帝国を火星で作らせる計画を薦めて、ヒトラーに関係ある物は金も物資も兵器も人間も全て集めて、それを平和のために破壊しなければならない…大いなる目的。

猜疑心の強すぎるヘスの目をごまかし、いろんな障害を取り除いて巧妙に進めた作戦の甲斐あってついに火星へ出発したロケットから宇宙空間での戦いまで、緊張感もあってかなり面白い。

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その後もいくつかの話があるのですが、残されたヒトラーの財宝を使って世界中の麻薬を買いまくり、全てを焼いてこの世から麻薬を無くす、という正義の行動を開始してチャイニーズ・マフィアを倒しました。
リッキーに殴られたボスは首が引きちぎれ、思いっきり目玉が飛び出しています・・・

それから最終話の「特別契約」ではアメリカ政府が巧妙な作戦で生き残りのHEMであるブラザーズを抹殺しようと企みますが、見事に見破って殺されたように見せかけた3人は日本へ着き、海で童謡のさくらを歌ってハッピーエンド。
セックス&バイオレンスをたっぷり楽しめる、小池一夫先生らしい名作でした。


父さン 母さン
人間として生まれHEMとして生きて…
今日までの年月を過ごしました…
ヒトラーを葬り父さン母さンの宿願を果たした
おれたちとしても何かをうありとげたいのです
人間としての倖せを得られないのなら……
HEMとして生きた自分たちだけの証拠をのこしたいのです
見ててください 父さン 母さン そしてアニタ



  1. 2009/05/09(土) 23:18:35|
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劇画(92) 小池一夫 6 叶精作 3 「BROTHERS」 1

今夜は小池一夫原作、叶精作作画という黄金コンビの作品「BROTHERS」(小学館刊)です。
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これは…私はまだ10代の頃に読ンでしまい、その激しい性描写ゆえに興奮しまくり、またブッ飛びンだ発想にやられた思い出もあるために数多い小池一夫作品の中でも個人的にはかなり上位に位置しています。

叶精作先生の絵も相変わらず素晴らしいのですが、忙しかったのでしょう。少し手抜きしたコピーの多用が目立ちます。もちろンそンな事くらいで作品の魅力が下がるわけはないのですけどね。
セックス&バイオレンス、そして全盛期の小池一夫先生による奇想たっぷりな設定が面白くてたまりませン!

主人公のマッキー(マッキー・プルート・ケラ)は人間ですが、兄貴のリッキー(リッキー・ネプチューン・ケラ)と妹のメモリー"HEM"(ヘム)なのです。
そしてマッキーもHEMである成長しない兄と妹の体に合わせて、薬で成長を遅らせています。

おっと、いきなりHEMって言われてピンとくる人もいないと思いますが、それはHOMO ELECTRO MECHANICS(ホモ・エレクトロ・メカニクス-電子機械人間)の略で、人類をホモ・サピエンスと呼ぶのに相対する言葉です。
ロボットやアンドロイドではなく…面倒な説明もなされていますが、簡単に言うと人間の脳を残したサイボーグみたいなもの(正確には少し違うのですが)で、性能も人間の姿の下にある姿も映画「ターミネーター」のT-800に近いです。
このHEMという名称もそのまま、同じ小池一夫原作作品である「さよなら!!岸壁先生」でも使われたネタなンですけどね。

人間の能力をはるかに凌駕したこのHEM。
エネルギー源は核融合反応炉で、10~50トンもの物を持ち上げるパワーを持ち、銃に被弾しても人口細胞がすぐに自己修復してしまう。
他にも様々な場面でその肉体の強さを見せつけられますが、そのHEMが1944年のドイツ陸軍生物化学班が暗号名"ガンブルー"として密かに開発していたのですが、わけあって現代まで地下に潜伏していたのです。

さらにHEMの凄いのは人間ともセックスが出来て、人間と同じエクスタシーも感じられる。
HEMと寝た女は二度と人間と寝れなくなる、というほどの凄さで、人間ではとても出来ない事をしています。
セックス用に造られたHEMも登場するし、それにマッキーは妹のメモリーと愛し合ってセックスしまくる…
もちろンHEM同士の激しすぎるセックス描写もありますよ!

過去に遡る話でリッキーとメモリーが1944年にHEMになっていて、両親も二人共HEM化して…また何故なったかの謎も分かりますが、3人のブラザーズの本名はそれぞれ、リッキー=カール、マッキー=ルドルフ、メモリー=エベリンで、その後も数奇な運命を辿ってきました。
この時代のドイツ軍となるとナチスが絡む話になってきますので、アドルフ・ヒトラーとその恋人(自殺前日に結婚しましたが)のエバ・ブラウンの脳もHEMの体に移植されている事実も判明します!
しかしヒトラー達は冷凍保存状態になって海の底に眠って一旦話からそれて…

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再び現代。
ある目的を持ってヒトラー達を甦らせるため、マッキー達は金を稼ぐべく行動します。それはいつも命の危険と隣り合わせの戦いの連続で…
不死身に近いHEMは危険じゃないのかもしれませンが、生身の人間であるマッキーはいつも狙われて麻薬中毒にされたり、大変です。

HEMの存在を把握したアメリカ合衆国政府ともマッキー達は話し合い、基本的人権を得るために交換条件の国際テロリスト一味を一掃するのですが、この時の話も面白かった。

そンなわけで「BROTHERS」というタイトルの通り、この3人ブラザーズの活躍を長さはまちまちの全11話、単行本にして全9巻で描いている傑作なのです。
ついに復活するヒトラーやエバの話は、また次回に回しましょう。


HEMだからこそ人間がわかるンだぜ
人間にあこがれ人間になりたくて
もっとも人間のようにふるまってるHEMだからこそ
おまえなンかより人間のことをわかってるンだ
メモリーだってそうさ
でなくてだれがあンなことを買ってでるもンか
人間であるおまえを愛しているからこそ人間がわかるンだよ



  1. 2009/05/07(木) 23:54:04|
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旅行・紀行・街(64) 東京都杉並区高円寺 7 高円寺びっくり大道芸2009…等

今回の旅は東京都杉並区高円寺
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またか…というくらい最近は私の住居から近くの御当地ネタばかりですが、遠くに旅に出る時間もお金も無い生活をしています。
でもその分、交通費のかからない地元では楽しもうかと思うわけです。

ここは高円寺駅。
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この派手な人は、あの高円寺辺りを中心に活動するバンド東洋の魔女の方!
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私のカンフー着に合いそうなメガネをかけてたので、借りちゃいました。
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つまりは中国人のイメージである自転車とカンフーのコラボとなったのです。危ない人にしか見えませんが…


さて、先週末の2日間かけて行われたのは高円寺びっくり大道芸2009でした。
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私は毎年三軒茶屋で開催される大道芸イベントの"三茶de大道芸"なんかも毎年見に行ってますが、地元である高円寺では初めての試みになるイベント。
人ごみになっているのは面倒でしたが、軽く見て回りました。
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まぁ静止している写真で見ても何が面白いんだか分からないかな・・・・
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高円寺の街を広い範囲で使って様々な大道芸人達が活躍するイベントでしたが、私は熱心にタイムテーブルを調べて見に行ったわけではなく、たまたまいた人たちを少し見たくらい。
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北中通りでフリマもやってたので、いくつか買物しました。
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嬉しかったのが石森章太郎アニメ等の主題歌CDが大量にあった事で、当然ながら購入。子供の頃に車でテープを聞くのが楽しみだった、名曲の数々です。
あと、フレンチポップスのレコードもいくつか安く入手しました。

それにこの日は入れかわり激しくいろんな知り合いから連絡をいただき、夜も含めたら二日間でかなりの人達と会って面白かったですよ~。

あと高円寺びっくり大道芸2009で感心した事の一つに、東高円寺の閑静な住宅街の中にある"女子美術大学"の生徒達が熱心に参加した事がありまして、無料でフェイスペイントをしていました。

同行した友人はすぐさまお願いして…
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顔にキズが完成!スカーフェイス!!
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他の友人もやってもらい・・・・
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もちろん、私もやってもらいました。
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ここまでで何か分かるかな・・・・?


ここで何を描いてもらうかは、用意されてるファイルの中から選ぶ形だったのですが、キティちゃんやポケモン等のキャラクターがあったのに目をつけ、やっぱり私ならこれだろうとお願いしたのが・・・


"ブックオフ"のマスコットであるよむよむくんでした!
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描いてくれた女子美大の可愛いお姉さんと記念撮影。
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久々に若い娘っ子と触れ合う機会にもなりましたが(エロい!)、こうして深い仲になった彼女には是非とも立派なアーティストになって欲しい。
これを機によむよむくんを30年描き続ければ、きっと『よむよむくんに関しては世界一のアーティスト』を名乗る事が出来るでしょう。

喜ぶ私たち。
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で、当然ながら行きましたよ・・・ブックオフへ!!
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店内へ。
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このメイクで店員さんと共に『いらっしゃいませ、こんにちは~』とか『お売りいただける本やCDなどありましたら是非お持ちください』とか言ったりしたかったのですが、まぁここの人たちはどう見てもジョークの分かる人たちではないだろうと思い…止めておきました。

今度は本当のタトゥでよむよむくんを入れて、私くらいの頻度でいろんなブックオフを回ってたら、名物客になれるな…そんな妄想もしちゃいます。
皆オシャレなのばかり入れててつまらない、タトゥ愛好家達へのアンチテーゼとしてもいいんじゃないでしょうか。

次は、おなじみの"アニマル洋子"へ。
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キズの友人と、
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よむよむくんの私、そして一緒に写っているのは店員のKaiman
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ブックオフペイントで他の古本屋へ行く私と苦笑する店員の図ですが…

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このKaimanは、ちょうど子供の日(5月5日)の今日で何と30歳の誕生日を迎えました。

彼とは付き合いが長くて、いつも若いイメージがあったから・・・30歳と聞くと驚きます。
初めて会ったのはいつも一緒に呑んでた現・アニマル洋子店長のオコノギオック氏が連れてきた時で、まだお互い20代前半だった初対面の時にいきなり諸星大二郎先生が新聞に載ってたからと、コンビニでその時の同席者全員分のコピーをしてきて配ってくれたのが思い出されます。
とにかく大事な親友ですし、盛大にお祝いしようと思います。

あと、大道芸イベントの日ばかりは私がヌンチャクを振り回しても誰に咎められる事も無く、むしろ大道芸人の一人くらいに思われるからいいですね。
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油断させといてそのうち、都井睦雄ばりに暴れまわって皆の頭をカチ割ってやる!


今年最後の花見は、映画化もされた有吉佐和子の長編小説「恍惚の人」で舞台になった事でも知られる梅里児童遊園
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そして名前は知らないけど庚申商店街の近くにある公園でやりました。
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さてさて、次は例によって自虐的にも自分の胃の内容物を公表する、最近の飲み食い日記に行きましょう。

まずは105円の鮨(寿司)を喰いながら軽くビール…ここ"ちよだ鮨"は、私の殿堂入りにしていいでしょう。
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最後は店の前で、この人と記念撮影です。
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PAL商店街の"デビルズキッチン"
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私の尊敬するゾマホン・ルフィン(Zomahoun Idossou Rufin)さんのサイン色紙が飾ってあります!
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そして辛い物に目がない私にとって、ここで本当にいいのはコレ。
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ビールを飲みながら激辛のハンバーグを食べる事なのです。

まず、こちらは辛さNo.2のリベンジハンバーグ。
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これがNo.1のサドンデスで、辛さはタバスコの166倍だそうです!
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それも別名『辛味キング』とも呼ばれる我々は、当然ながら完食。まだまだ辛くしてもらっても大丈夫…
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"松屋"
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"みはる"
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そしてこれは激レア・・・甘い物が苦手な私が、女友達に付き合って人生初(にして最後かも?)の"ミスタードーナツ"へ入店!
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一応誰かに見られてたら大変と周りをキョロキョロしてから一気に入りましたが、写真も撮られてしまった事だし、もうここで公表しちゃいましょう。
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ドーナツ、艱難辛苦を味わいながらも一個完食しましたよ!
エルビス・プレスリーは好きですが、ドーナッツを食べ過ぎが一番の原因で死んだ事にガッカリ感を持っていました…
でもこれで、私も彼に近づけたでしょうか。

インド料理のお店、"サンティ"(SANTY)。
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ビールにカレーとナン。最高ですね。
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青梅街道沿いに最近オープンした"本場インド料理 ギータ"( Indian Restaurant & Bar GEETA)にも行きました。
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たまにはベトナム料理で、生麺フォーが美味しい"チョップスティックス"
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チキンライスと、フォーを2種類。
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中華料理なら、もちろん行きつけの"成都"
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定番の火鍋しゃぶしゃぶに、
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その他のつまみと、お酒。
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青梅街道に"中華 成都"なるラーメン屋もあるので、ここは成都の別店舗なのかと思って行ってみたら…店員さんは日本人で、全く関係ない店でした。
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同じく中華料理で呑むのにいいのが・・・・"福來門"
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次は最近行ったラーメン屋に移りますが、私は毎日のようにラーメン食べてますので…写真がすぐにたまってしまいます。
前より行くようになったのが東高円寺あたりのお店。

札幌から進出してきた有名店"らーめん てつや"は青梅街道と環七の交差点の所にあります。
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10周年記念特別記念らーめんとして『三代目「てつや正油」~匠』なる仰々しい名前の付いた物を頼みました。
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和風とんこつ正油味…おおっ、確かに美味い。しかし880円は高い。この店は全般的に値段が高い。

"儀左衛門"
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食べたあとで店内の張り紙により、地獄味噌なる激辛のラーメンもあるのに気付きました。次はそれかな。
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"福利亭"
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ラーメンだけでなく、お粥も名物の"支那そばや"
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私はお粥を食べる習慣が全く無く、まして外でなんて…てなわけでラーメン類しか食べた事はありませんが。

ランチ時間は、この野菜が食べ放題。
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しかも野菜らーめん食べて、野菜が不足しまくりな一人暮らしの男には有難い一食となりました。
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ルック商店街はアニマル洋子前にある"天王"
ここは一年ぶりくらいで行きましたが、安いのに美味いですね~。これからもっと頻繁に通います。
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あとはこのブログで何度か紹介済みの定番店をいくつか。

まずは"風風ラーメン"
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"大陸"
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"せい家"
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そしてそろそろ、夜のお店紹介に移ります。

高円寺に沖縄料理屋は数あれど、私の中では"抱瓶"(だちびん)。
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店の前に魚介類が並んでいる、"港や"
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青(オールー)!
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全品280円のチェーン店"鳥貴族"
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最後は眼鏡美人の店員さんと記念撮影…って、後ろ姿だから分かりませんが。
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"四文屋"…ここは大一市場店。
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ちょうどキン肉マンTシャツを着ていたので、店内にあるゆでたまご先生のサイン色紙と共に記念撮影!
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"ツートン"(豚豚)。
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"ボカン亭"
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"居酒屋 竜ちゃん"
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まだ入った事は無いのですが、入口の扉にBRUCE LEE様が貼ってあるので気になっています。

そして、"喫茶プログレ"でワイン等。
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もちろん、将棋にオセロも。
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またすぐにお邪魔します。
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そして今度行きたいと思ってるのは昨年知人がオープンしたここ、"Bar Lula"
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飲み屋じゃないけど、相変わらずヤバイのは"バロック"
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そういえばいつの間にか、すっかり近所のライブハウスに足を運ぶ回数が減ってしまった私ですが…
先日久しぶりに行ったのは、どうしてもまた見たかった御当地アイドル・ユニット、キンジョリーナ♡を観るため"円盤"へ久しぶりに行きました。
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この日はあの内條雲嵐(ナイジョウウラ ン)氏のイベ ントでした。
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それでは、おやすみなさい。
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  1. 2009/05/05(火) 23:59:57|
  2. 旅行・紀行・街
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ホラー漫画(50) 浜慎二 2 「亡霊!呪いの村」

今夜は浜慎二先生の作品で、「亡霊!呪いの村」(立風書房刊)です。
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浜慎二作品は「ココ」以来2回目になりますが、この時の3作品と同じくやっぱり小学生女子が主人公!
しかし舞台は小学校ではなく、夏休み中の田舎…東北地方の烏舞村(うぶむら)を舞台にしています。

かつて矢萩村と呼ばれていたこの村は、土一揆を起こした農民達が拷問にかけられて大勢殺された血塗られた歴史があり、その時に死体の肉をつつきに来た烏(カラス)の大群で村が毎日覆われていたいたため、烏舞村と呼ばれるようになり…
のちに村人の白骨遺体が埋葬された丘に立つ、夜には人面が浮かぶ不気味な巨木と、それに手を出した大森栄蔵の会社のせいで、妻の美江と娘で小学6年生の由里子が大変な目に合う、という話です。

美江と由里子で殺された農民達が住む、住人全員が同じ顔の謎の世界に迷い込むのですが、そこの旅籠の老婆がイイ。
全然話がかみ合わないボケ老人のような感じなのですが笑顔が素敵で、それなのにやはり笑顔で美江と由里子を生き埋めにするための穴を掘らせていたりします。
最後はその老婆の孫で、由里子と同い年の志乃に助けてもらって二人は逃げ切るのですが…
この志乃は、かつて火あぶりで殺されたってのにここでも同じ亡霊の鍬で顔面に打ち下ろされて無残な死に方をするのだから、むごい。

いつもながら少し地味めな浜慎二作品ですが、土一揆にまつわる悲しい話な上になかなか怖い描写もあり、好きな作品でした。


見ての通りの穴でございますよ ホッホッホ
お客さんがたに入っていただくためにでございますよ
ワシらの苦しみを知ってもらうためにじゃ
生きたまま入ってもらいますぞ
いま使いのものを来させますでの…



  1. 2009/05/03(日) 23:40:46|
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ホラー漫画(49) 広永マキ 1 「乙女座裏切りのワルツ」

今夜は広永マキ先生の「乙女座裏切りのワルツ」(立風書房刊)です。
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広永マキ先生は立風書房の後期に作品を次々と描いていた方で、絵は下手な少女漫画な上に地味な話・・・
なのでそれほど重要視はしていなかったのですが、少女漫画ならではのテーマでしょう、この"星座恐怖シリーズ"

ただ、シリーズとはいえ12星座全部を描けずに結局は「さそり座の少女呪いの微笑み」「双子座呪われた誕生日」「牡羊座呪いの学園祭」、そして今回の「乙女座裏切りのワルツ」と4つの星座のみで終わってしまいました。

私自身が乙女座なので今回は「乙女座裏切りのワルツ」に決めたのですが、8/24~9/23生まれの乙女座な貴方は是非読んでみてはどうでしょうか。
乙女座の由来となった女神アストレアの話から始まり、その特徴や性質を学ぶ事ができます。

主人公で乙女座の少女星子が、夏になると別荘に来る理想の王子様の大門春樹に憧れ、それを姉の陽子に邪魔をされて…
それが春樹の方にも秘密があって陽子は殺され、星子がその死体を地下室の壁に塗りこめる手伝いをさせられたりと怖い話ではあるのですが、それはまぁいいのです。

星座恐怖シリーズですので作中何度も星子の行動になぞらえて、
『乙女座の批判精神は 相手のルーズさを決して許さないのです』
『乙女座の人は過去の思い出を忘れがたく整理し、残しておきます』
『乙女座の人は正義感が強く不正や俗悪に対する批判精神が強いのです』
『乙女座の人は生まれながらにすばらしい識別力を持っています
無意識のうちに周囲の人やあらゆる物をはかりにかけ、熟考します
それは完全主義で物質的な理想を追求するためです』
・・・等といちいち解説が入るのです。

もっとネガティブな特徴がいっぱい挙げられますので、正に自分が乙女座、という人はむしろ読まない方がいいのかもしれません。
まぁ私は占い類を全く信じてないので笑って読んでいますが。

最後姉殺しの共犯になってまでシンデレラストーリーのように幸せを掴んだ星子でしたが、
『私とっても幸せだわ 涙が出そうなくらい』
と感激している裏で姉の死体が見つかって・・・バッドエンドは、なかなか上手い感じですよ。


乙女座(8/24~9/23)
この星座生まれの人は人間社会の俗悪をきらい 天界へ去った女神アストレアの性格(きびしい批判力、潔癖症の完全主義者)を そのまま受けついでいます
そのため乙女座生まれの人は理想が高く、12星座中もっとも愚痴の多い星座でもあります
また長所であるはずの緻密で細部にまでこだわる繊細さは逆に物事を大局的にとらえることができにくい欠点ともなります
"寛容"こそが乙女座の人にとって幸運のキーポイントなのです



  1. 2009/05/02(土) 23:35:51|
  2. ホラー漫画
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日野日出志(51) 「恐怖の招待状 日野日出志 collection」

今夜は少し変り種の日野日出志コレクションとして、「恐怖の招待状 日野日出志 collection」(太田出版刊)です。
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これは本ではなくてパソコン用のCD-ROMで、1998年に出たデジタル・ムービー・コミックスというやつです。
3045円もしましたが、内容はパソコンならではの物だし、日野日出志コレクターなら持っておく必要があるでしょう。

箱を開けると中にCD-ROMが入っています。
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収録されている漫画作品は
「赤い花」「マネキンの部屋」「腐乱の胎児」「呪われた赤ん坊が…」
の4作で、もちろん本で持っている私にはわざわざパソコンで読む必要がないと思ったのですが…そうではありませんでした。
音声入りで効果的な見せ方をしているし、何と日野日出志先生自らの加筆部分もあるのです!

他にオリジナル・スクリーン・セイバー、カラー画集、サウンドファイルも収録されていますよ。
パソコンで漫画を読むなど全く考えられなかった時代に実験的に出た物だと思いますが、10年以上経った今ならもっとはるかに面白い事もできるのではないでしょうか。


  1. 2009/05/01(金) 23:59:59|
  2. 日野日出志
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プロフィール

BRUCE

Author:BRUCE
BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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