大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

藤子不二雄(23) 「無名くん」

今夜は藤子不二雄先生の「無名くん」(リイド社刊)です。
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1971年からリイドコミックにて連載された作品で、1話完結の連作方式で進み、単行本は全2巻。

↑の単行本は1977年に発行された最初の物で、1巻が『変身篇』、2巻が『華麗篇』と名付けられています。
その6年後に新装丁版が出まして、そちらでは1巻が『男の顔は一つじゃない!!』、2巻が『今夜もマブくキメちゃうぜ!!』なんてサブタイトルが付いちゃってます。
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ジャケも全然違うので、ファンなら両方持っておきたいものですね。
もちろん今で言う藤子不二雄A先生の手による作品です。

話の内容ですが、ある会社に入った新人サラリーマンは冴えない奴で周りからバカにされている…しかし彼にはもう一つの顔がありました。
『ドジャーン』とカツラをかぶり、とサングラスも装着してスーツを着替えると、謎の大富豪に変身するのです!

それで何をするかといえば、基本的に先輩の佐木キザオ出羽らのピンチを救ってあげるというもの。
そのために大金をポンポンと使い、時に体を張っているのですが…何のためにそこまでしてこんな情けない奴らを救うのか、分かりません。
佐木らはいつも助けてもらってるのに自分の武勇伝・自慢話として同僚達に話すので、その姿を冴えない時の姿で黙って聞くのが生きがいなのでしょうか、この無名くんは。

そうそう、無名くんという名前も漫画でよくある"○○くん"といった名前が付いているモノとは一線を画し、本当に名前が無いという意味で無名くん。
作中、ずっと『おまえ』とか『あいつ』等と呼ばれて一度も名前が出てこないのです!

変身後は超有名大株主であり、愛人も各所にいて当然モテモテだし、それが中小企業で毎日サラリーマンとしての生活も送っている(それも能力を隠して)のだから凄い。
もちろんサラリーマンが読者であるリイドコミック購買層の人たちに向けて描いているのだから、サラリーマン姿が基本なのであって、謎の富豪姿は彼らのせめてもの願望を見せてくれてるって所でしょうが。

もちろんギャグ漫画としてもちゃんと面白くて、佐木らの滑稽さも醜さも毎回繰り返されるとブラックな笑いになってきてます。
『ウーさぶい!! 女にふられて帰る時は、とくに寒さが身にしみるなあ!
それにしてもこんとこは、なにをやってもツイてないなあ………………
麻雀やれば負けるし、酒を飲めばふつか酔いになるし 女をくどけばふられるし………
このなかで、なんといったって 女にふられるのがいちばんミジメだな~!』

…とは、佐木の実感コモッテルつぶやきでした。

彼は"スナック 魔の巣"という店にも出入りしているようですが、いかにも喪黒福造のターゲットにされそうな奴です。
今作でのマスターはヒゲモジャな風貌こそ共通しますが、「笑ゥせぇるすまん」のと違ってしゃべりますし、ピーコなるバイトの子がいるようです。

藤子不二雄作品で、実はその正体は・・・という変身モノとしては既にこのブログでも紹介している「オヤジ坊太郎」が有名ですが、その大人版が「無名くん」。さらにその女性版だと「ミス・ドラキュラ」になりまして、この三作を称してファンの間で"変身三部作"などとも呼ばれています。

ここで佐木キザオや出羽が、「オヤジ坊太郎」に出てくる同級生の"少年ご三家"と同じ名前であり…つまりは彼らの成長した姿である事に気付くでしょう(キザオは木佐→佐木となっていますが)。
というより後から描かれた「オヤジ坊太郎」の方が「無名くん」の過去編だと受け取れるのですが。
すると無名くんは、もしかしたら坊太郎かも…?そういえばドラゴンはどこへ?そんな夢も広がりますが、まぁキザオは「オバケのQ太郎」にも出るわけだし、ただのスター・システムでしょうか。

あのブルース・リー(BRUCE LEE)フリークで髪型もリーカットの少年・ドラゴンは出てきませんが、しっかりブルース・リーネタの回もありました。
ちょうど「無名くん」連載時に「燃えよドラゴン」が公開されていますので、それに熱くなった藤子不二雄先生が出さないわけがない!
ミニクイ肉体の佐木がタンレンしてブルース・リーを目指しますが、当然続かずヌンチャクも振れず…いい所を無名くんに取られるという、ただ藤子先生が独断でブルース・リーを出したかっただけの話があるのです。

変身後はいつも、何をやってもカッコいい無名くんですが、ヌードショウをしている通りがかりのカワイ子ちゃんを救うために一千万円出してあげますが…
その子にヌードショウを恥ずかしいとは思っていないしおこずかいもらってゼイタクしているほうがもっと恥ずかしい、とたしなめられてショックを受ける異色な回もありました。
ドガーン!と金槌で頭を打たれて、
『そうか!おれは思いあがっていた!金で心の満足は買えない………ということを忘れていたのだ!』
と反省し、カワイ子ちゃんはお金を返してヌードショウへ戻っていくのです。

『劇画無名くん』として、いきなり登場人物がリアルになって海外にギャンブルしに行く…
「香港の二つの顔」「マカオの二つの顔」という話がありますが、これがブラック作品を描く時の藤子作品そのままの絵柄で、今までギャグタッチで描いていたキャラ達が動くのが面白すぎです!
他に「パーマンGOLF」と題して、貴重な活字コラムも収録されていました。


いやー、おまえ
あれから、不思議な怪紳士に夜の博多を案内してもらってねェ!
それがまさに酒池肉林!この世の極楽!
アラビアの王様になったコンコロモチだったなあ!



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  1. 2009/07/31(金) 23:08:07|
  2. 藤子不二雄
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LACRIMOSAの初来日公演!

7月29日(水)・・・これは歴史的な日になりました。

あのスイスの男女ツインVo、シアトリアル・ゴシック・メタル・デュオのLACRIMOSA(ラクリモーサ) が、ついに来日してLiveを行ったのです。
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『LACRIMOSA ASIA TOUR』と名付けられたツアーの初日で、場所は東京都渋谷区の"Club Asia P"
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以前にも日本のマイナーなバンドを見るために来た事がありますが、大ホールのコンサートが苦手な私には嬉しい、狭い箱ですよ。
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ゴシックの定番として黒い服の人が圧倒的に多い中、あえて白い服で来ていた友人を発見!!
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他にもゴシック・メタル好きの友人には何人も会いました。ゴシック・メタル好き…それだけで日本ではまだ数少なく幅の狭い世界ですからね。

あのLACRIMOSAが来るのだと思って眺めると、あらためてその狭さにびっくりします。
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席は自由席…というか席など無いので、前の方に行ってメンバーの登場を待ちました。ご覧の通りステージは客席から触れられる距離だし、もちろん警備員も柵も無し。

そもそもこのLACRIMOSA。
プログレばっかり聴いてた10代後半くらいの時期、そのプログレの流れで出会ったバンドでして、このバンドのおかげでそれからゴシック・メタルを聴くきっかけにもなったものです。
VoのTilo Wolff(ティロ・ウルフ)とKeyのAnne Nurmi(アンヌ・ヌルミ)によるシアトリカルな展開を得意とするユニットで、彼らの聴き始めて10数年…当初はよもや来日するなど考えられなかったバンドですが、ゴスロリ少女の間にまで知名度が高まっている現状を考えれば遅すぎた公演でしょう。

レコーディングではあのロンドン・シンフォニック・オーケストラだとかの100人以上を使って壮大にして完成度の高い作品を作るLACRIMOSAですが、今回は他にギター二人とドラムとベースの6人編成というシンプルな(金をかけていない)編成で来てくれました。
10年以上待たせたのだから、こちらの期待度に応えてもらいたいですよ!

さて、サポートメンバーに続いてアンヌ様が出てきました。
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イントロに続く一曲目は…おおっ、ニューアルバムから「Die Sehnsucht in Mir」だ。
さぁ次はティロ様か、あれ?もう歌のパートなのに出てこない!でもちゃんと声は聞こえる!

…どうやら見えない場所で隠れて歌うなんて勿体ぶった演出だったのですが、しばらくして登場してくれました。
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何と端正な顔立ちの王子さまなのでしょう。
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ずーっとトレードマークだった、あのモヒカンは近年になって止めてしまいました。
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うん、やはり歌はヘタウマ…そして魅力満載。カッコいい!!
歌に関しては上手い下手で音楽聴いてる人間にはなりたくないものですね。
そしてあのティロが…客席との距離が近いため、気安くスキンシップも取ってくれています。
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アンヌも十分に美しい…
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あの弱弱しい声が可愛らしい、といった観点で聴いていた彼女の歌ですが、ライヴで観るとますますその声量の弱さ(聞こえないし!)や上手くないのも確認できて、でもそれが魅力あっていいんですね。

Keyから真ん中に進み出てメインVoになる曲もありました。
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デュエットの名曲「Alleine zu Zweit」をティロ様とアンヌ様の二人が見つめ合いながら歌うシーンを目撃した感動は忘れません!
同じく大事な曲であり、アルバム「Inferno」(私はここからLACRIMOSAを聴き始めました)収録の「Copycat」が一番の盛り上がりでしたでしょうか。
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初来日公演としての選曲にはとりあえず文句無し。代表曲ぎっしり満載で、曲順も計算された進行であっという間に終わってしまいました…
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もう行っちゃうの!悲しいよ!!

なーんて、アンコールで出てきてくれましたよ。
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でも、やっぱり来るお別れ・・・
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いや、もう1回出てきてくれました。
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観客に握手の手を差し伸べるアンヌ・ヌルミ様。
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アンコールも2回あると少しだらけますね。しかし今度こそ、本当の終わりです。
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サバラ…ありがとうLACRIMOSA!
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あ!日本(東京)の女性Vo擁するシンフォニック・ゴシック・メタル・バンドSincerityGreenのVo・Michiさんもいらしてたんじゃないですか!
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LACRIMOSAといえば正直、欧州だとかアジアの他の国でさえも大きな会場でやっている大物バンドなのに、日本ではこんな狭いところでやらせてと怒られないか心配だったのですが…明らかにいい人そうな人たちだったので安心しました。
お客さんはこの会場ならいっぱいに見えるくらいは入っていたし、またいつか来てくれるでしょうか。
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・・・・実はこの後、チケット代が2500円も高い『プレミアムチケット』を買っていたお客さんだけもう一度入場できて、LACRIMOSAオリジナルグッズを貰った上にサイン・握手会に参加できるという特典が付いていたのです。
私は諸事情からノーマルのチケットでしたので、すごすご帰りましたが、プレミアムチケット買っていた友人からメンバー二人と撮った写真を送ってもらいました!
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凄い!羨ましすぎる!!


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この機会に私が作品を全て持っているのか確認してみたら、ちゃんとコンプリートされていました。
せっかくなので画像を載せておきましょう。
彼らの音と同じく暗いし、彼らのファッションと同じく痛い部分も目立ちますが…

まずはアルバム。

2009年 「Sehnsucht」
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2007年 「Lichtjahre」
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2005年 「Lichtgestalt」
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2003年 「Echos」
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2001年 「Fassade」
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1999年 「Elodia」
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1998年 「Live」
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1997年 「Stille」
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1995年 「Inferno」
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1993年 「Satura」
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1992年 「Einsamkeit」
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1991年 「Angst」
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シングル。

2009年 「Feuer」
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2005年 「Lichtgestalten EP」
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2002年 「Durch Nacht und Flut SE」
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2002年 「Durch Nacht und Flut」
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2001年 「Der Morgen danach」
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1999年 「Alleine zu zweit」
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1996年 「Stolzes Herz」
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1994年 「Schakal」
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1993年 「Alles Lüge」
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あとは映像ソフトや各種レア盤なんかもあるのですが、今夜はこれでお別れです。


  1. 2009/07/30(木) 23:54:35|
  2. 映画、音楽、将棋、等
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劇画(100) 谷口ジロー 1 夢枕獏 1 「餓狼伝」

今回紹介する谷口ジロー先生は超の付く実力者ではありますが、その凄さのわりにはどうも知名度が低いようです。
驚くほど地味なテーマを漫画にしたりマニアックすぎるネタで描いたりするためか…もちろん、不特定少数(といってもけっこうな数)のファンが付いている事は確かです。

特にその渋すぎる内容から若者にはウケにくいようですが、少なくとも私は大絶賛と共に薦めたい谷口ジロー先生は1947年生まれの鳥取県出身。
石川球太先生のアシスタントを経て1971年に「嗄れた部屋」でデビューしているのですが、さらにその後も上村一夫先生のアシスタントを経験してます。師匠が石川球太先生→上村一夫先生だなんて、そりゃ絵が上手くて当然ですね。
しかも二人の影響もそのまま受けているわけではなく、あくまでオリジナルな作風を確立しています。

その絵の細かい描写力は本当に凄くて、やはり絵に集中するためなのか原作者付きの作品が多いのですが、久住昌之先生、関川夏央先生、狩撫麻礼先生・・・他、組む原作者も素晴らしい方々が多いです。
「イカル」という作品では、何とあのフランスBD界の巨匠・メビウスを原作に迎えてます。メビウスは、もう一つのペンネームに本名のジャン・ジロー(Jean Giraud)というのも使っているのですが、そうだ二人ともジローなんですね…
本当にフランスでも知名度が高くて、実際に私自身がフランス版を見つけた時の事も「ココ」で書いてますが、それ以前にも以後にもフランス人からJIRO TANIGUCHIの名前は聞いた事があり、同じ日本人として誇りに思ったものです。

描く作品ジャンルも幅広い上にどれも一級品ですが、ハードボイルドが得意なイメージがありますね。
代表作は「事件屋稼業」「「坊っちゃん」の時代」「ナックルウォーズ」「ブランカ」「岳人列伝」「神々の山嶺」等々…
他に私が特に好きなのはペット・エッセイ漫画の名作「犬を飼う」、それにノスタルジックな人間ドラマの名作「父の暦」では地味な作品ながら泣いてしまいましたし、久住昌之原作で食べ歩きや散歩物の「孤独のグルメ」「散歩もの」は近年の名作でしょう。


そんな谷口ジロー先生の作品の中から今回特に紹介したい一作は・・・「餓狼伝」(朝日ソノラマ刊)。
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もちろんあの夢枕獏作の格闘小説が原作で、地味な小説雑誌である獅子王にて1989年から1年ちょっと連載された作品で、単行本は全1巻。
オリジナルの小説は「新・餓狼伝」とタイトルを変えながらも未だに続いているわけですが、これの最初期…原作名も「餓狼伝」だった時代のわずか第1巻の部分を、ほぼ忠実に漫画化した内容になっています。

あの長い小説のわずかに1巻だけという事は、原作ではほんのエピローグ部分になるのでしょうが、これは掲載誌の獅子王が休刊になったので仕方ないのです。
それでも私には唐突とも言えるこの終わりが上手く、またちょうど良く思えますよ。もちろん登場したばかりのキャラがどんな奴かまるで分からないし、張っていた伏線は生かせなかったとかありますが…

さて、主人公は丹波文七
空手家であった丹波は、17歳の時に自分より強い先輩の斉藤がヤクザに殺される事件に立ち会ってしまい、逃げようと思って気付いたらそのヤクザをボコボコにしていた自分…そして一つ殴るごとに快感を感じている自分に気付き、それから自分の闘う生き方を運命付けられた考えています。
そして25歳…鍛え抜かれた丹波は"東洋プロレス"へ道場破りし、そこで出会った若手プロレスラーの梶原年男に激しい闘いの末に、17歳の事件以来初の敗北を喫するのです。

それから二人は鍛えに鍛えて6年後…と、この谷口ジロー「餓狼伝」では丹波文七VS梶原年男という二人の対決を軸に描かれます。
丹波はあの敗北の時に自分で悲鳴を上げてしまい、その悲鳴が耳にこびりついているために何としても今や売れるレスラーになっている梶原を倒さなくてはならない。

北辰会館の空手家も関わる三つ巴となった最終決戦は公園のアスファルトの上…ついに丹波は梶原に勝利して終わるのです。
ここまでほぼ原作通りに進んできた漫画版ですが、このラストシーンは原作と違いますね。
いよいよ闘える段階になってから丹波には『何のために闘うのか』と自問するようになり、また梶原に勝ってからも、
『…たまらない孤独が文七の顔に張りついていた』
という言葉で終わる勝ったのに哀しさ漂うラストなのだから渋すぎ、子供が大好きな"バトル漫画"というくくりになるとしても、これはあくまで大人向け作品である事を感じさせますね。

本当は漫画「餓狼伝」といえば、今では現在も連載中である板垣恵介版が有名ですね。私もずっと楽しみにして読んでいる読者の一人です。
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(これは最新刊の23巻)

こちらの講談社から出た文庫版では、その板垣恵介先生があとがきを書いていますよ!
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板垣恵介版はさらに化物揃いで、オリジナルキャラや他の夢枕獏作品に出てくるキャラも融合させた傑作になっているのですが、リアル志向の谷口ジロー版はあくまで主人公も含め登場人物はちゃんと"人間"レベル。
描かれる肉体も板垣版のようにスマートじゃないし、顔もまぁ女子供のウケを取れるようなイケメンではないし…
あの華奢で女性のような綺麗な顔をしているはずの姫川勉すらも、ちゃんとゴツイ人である所を見て、これは原作小説よりもはるかにリアルである事を実感します。

新書版ではあとがきを原作者の夢枕獏先生が書いていて、
『谷口さんは、プロボクサー、アマレスラー、プロレスラーの肉体の違いを、はっきり描き分けられる稀有な作家である』
などと述べていますが、格闘技ごとの選手の体の描きわけ…そこまでのリアリズムを追求するのが谷口ジロー先生。

闘いの最中の描写も凄くて見入ってしまうのですが、この地味で緻密な関節技の攻防と呻き声…
『恐ろしくどろどろとした闘いであった 血液の中でのたうち もつれあう 二匹の蛇さながらであった』

あと丹波は最初の方で竹宮流という、あの竹内流(日本の歴史上最古と言われる柔術の流派)をモデルにした流派の泉宗一郎とも闘うのですが、個人的にはこの竹宮流をもっと谷口ジロー先生の手で描いて欲しかったですね。

ケンカの強さに取りつかれた男の、ただただ鍛えた男の肉体のぶつかり合い、そしてその種の男の生き様を描いたと言える「餓狼伝」は、谷口ジロー作品の入口としてもオススメできます。
貴方も是非、読んでみてください。


血の小便が出たよ…
おれは…梶原とやる時のことばかり考えて生きてきたんだ



  1. 2009/07/27(月) 23:00:10|
  2. 劇画
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手塚治虫(12) 「やけっぱちのマリア」

今夜は手塚治虫先生の「やけっぱちのマリア」(秋田書店刊)です。
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これは1970年に週刊少年チャンピオンで連載された作品で、単行本は全2巻。

あの手塚治虫先生が"性教育マンガ"として描いた作品ですが、その意図した所を理解できなかった福岡県では、ただのハレンチマンガだと捉えて有害図書に指定した事で知られています。

実際に性に関して奥手だった私は、思春期にこの本を読んで性に関する知識を学んじゃいましたし、他にも人体や人相についても勉強になり…
そして何より面白い学園モノなのですが、その中に斬新なアイデアを盛り込んでいて、またしても手塚治虫先生の才能や偉大さを再確認する事になるでしょう。


主人公は中学一年生(だが一年落第している)の焼野矢八…あだ名はヤケッパチです。
彼は暴れん坊で喧嘩は強いのですが、一匹狼で不良グループとは対立しています。
『おれの目が……こういうふうになりゃ………あらしを呼ぶぜ…台風だっ』
とか言って敵をブッ飛ばしまくって、カッコいー!!

そのヤケッパチが妊娠したと本気で心配し、あるきっかけで産まれたのは…エクトプラズム!つまり生き霊でした。
父子家庭で育ったヤケッパチは強がっていても実は母性愛に飢えていて、そのために産まれた自分の心の中の女の部分が分身となって出てきたのです。

そのエクトプラズムがちゃんと意志を持っていて話もするので、適当な入れ物に入れようと…父親のヒゲオヤジが出してきたのは何とオトナのオモチャ!ダッチワイフです!!
エクトプラズムはそのダッチワイフを体にしてマリアと名付けられました。
かなり可愛い女の子なのですが、ヤケッパチの分身だけに男まさりな暴れん坊。

マリアもヤケッパチと同じ"市立第十三中学校"に編入して、二人とも男女の違いや諸々を学んでいくのですが、前々からヤケッパチが対立していた学校の不良グループ"タテヨコの会"がいいです。
会長は女王雪杉みどりという美人でエッチ、しかも金持ちで強いスケ番。
実はヤケッパチを好きだと判明するのですが、パンチラは当たり前だし中学生のくせに全裸で誘惑してきたり…
「やけっぱちのマリア」のサービスカットで、かなり活躍してくれました。

その下にはボス・ナンバー2の若松という男がいて、特殊な仕掛けのあるステッキを使う彼は強くて渋い。髪型は矢吹ジョーのようです。
ボス・ナンバー3はすぐに出てこなくなりましたが…

幽霊が出てくる話や、タテヨコの会によって宅配便で網走番外地に送られたマリアが、十五人殺した死刑囚と結婚させられたり…
まぁ色々あるのですが、常に物語の間に性教育をはさみながら進行するのは忘れていません。

苦難を共にしているヤケッパチとマリアは恋愛感情が生まれていますが、体が所詮はダッチワイフ…つまり人形であるマリアです。
最後はボロボロの状態になってヤケッパチとは涙の別れ…

結局、ヤケッパチも人形(しかも自分の分身)との道ならぬ恋は諦め、また羽澄マリというカワイ子ちゃんとの恋も芽生えてハッピーエンドでした。
ただマリちゃんという名前がマリアに似ている事にはしっかり反応していたのは泣かせます。
少年漫画の学園モノらしく戦いに恋愛に、それにギャグ色も強い名作で…大好きな作品でした。

ちなみに2巻の巻末には、同じく週刊少年チャンピオンにて毎回短編で連載していた「ザ・クレーター」シリーズより「オクチンの大いなる怪盗」が収録されているのですが、これは同時期の作品だから選ばれたのでしょう。奇想モノのSF作品です。


おまえは子どもを生むことも できないし………
そのうえ虫みたいに すぐ死んでしまうんだなァ
こっちへすわんなよ…………………



  1. 2009/07/25(土) 23:20:35|
  2. 手塚治虫
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トキワ荘(49) 石森章太郎 39 「番長惑星」

今夜の石森章太郎作品は、「番長惑星」(秋田書店刊)です。
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1975年から一年と少し週刊少年チャンピオンにて掲載された作品で、単行本は全5巻。

既に紹介した「リュウの道」「原始少年リュウ」から続く"リュウ三部作"の最後を飾る作品ですが、舞台となる時代設定はその2作の真ん中に当たる、現代です。
主人公の名前がリュウである事以外には関連性は無いこの三部作ですが…

しかし「番長惑星」というタイトルはどうかと思いますよね。
番長+惑星というミスマッチな単語を合わせた意外さを出したかったのでしょうが、どうしても車田正美先生の「男坂」的な…番長連合が抗争を繰り広げている惑星の図が浮かんできてしまうではないですか。
なのに実際は番長、不良やケンカの漫画ではない純然たるSFです。

星城中学校の生徒であるリュウこと等々力竜が、稲荷神社の大木に開いてる穴からパラレルワールド(多重世界)へ入り込んでしまう…
その日からリュウはそっくり同じ地球、同じ日本でありながら時間と空間のズレた世界で生活する事になるのですが、実はその世界はいろんな面で違っていて、殺人許可証の持ち主は許可さえあれば殺人もできるし、警官は全てロボット、動物や乗り物なんかも違う。
ポルノは解禁されていて、カップルは街中でキス…どころかセックスすら平気でしています!

しかもリュウはこの世界にいたリュウと合体して、力も倍になったようです。意識や記憶は元いた世界のリュウの部分が生きているのですが。
強いだけでなく勇敢で正義感も強く、"リュウ三部作"の他2作と比べてひょうきんでもあるリュウは、こちらの世界でもいろんな出会いがあり仲間を増やしていきます。同時に娯楽色が確実に一番強いですね。

唯一前の世界でもいたのは、頭のいいハカセこと左巻ツトム。
爆弾作りの名手のバクダンこと伴太郎。
傷だらけの顔したツギハギこと五井四狼は、同じ石森章太郎先生の代表作「サイボーグ009」におけるアルベルト・ハインリヒ(004)のように身体の大部分を機械化してマシンガン等の様々な武器を内蔵していて、やはり性格も渋い。
他にも逃げ足の哲こと富田哲朗、葉巻くわえてるネズミ、片目のオカマでカタメ等、仲間達が個性的でいいです!

基本的に1話完結の連作なのですが、「リュウとドラゴン」という話ではいきなり扉がブルース・リー(BRUCE LEE)なのが嬉しいです。
ここではブロース竜(ドラゴン)という負け知らずの決闘男が登場して、当然ヌンチャクも使うカンフーの達人。
『あっちの世界にブルース・リーという男がいたんだ…!
空手使いあがりの映画スターなんだが…顔がそっくりなんだよ!もっともその男は もう死んでるがな
…こっちとあっちには すこしずつのズレがある
なまえや運命はちがうが……あのブロース竜はあっちではブルース・リーなのかもしれないな』

とはリュウの談ですが、その後二人は対決して…結果としてリュウが始めて殺人をする事になります。
こちらの世界では許可証があれば殺人してもいい事になっていますが、そんな事は関係なく傷付いて落ち込むリュウでした。

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そのうちにこちらの世界を支配しているらしい"影(シャドウ)"という正体不明の存在に気付いたリュウは、その正体を暴いて倒して自由を取り戻すという目的を持ち、それから「番長惑星」はいかにもな少年漫画の展開に変わって長編が増えていくのです。

同じくシャドウを倒すべく活動しているゲリラ組織の"サンシャイン"と協力し、戦いのスケールも大きくなっていき…
こちらの世界の両親はあっさり殺されちゃいました。
最初は悩んでいたリュウも、もう普通に人を殺しまくってますよ!!

「番長惑星」はリュウの周りに美人が多く登場して、ヒロインを特定しにくいのも特筆すべきでしょうが、パンチラやヌードにラブシーンまであったのはスケバン転校生のポルノちゃんこと秋津久美。
何と彼女はアトランチスに住んでた"マヤ一族"の末裔で、シャドウに追われて地底に隠れ住んでいるのです。
彼女によって超能力にも覚醒したリュウは、ますます力を増して怖いくらいです。

次々と強力な仲間も増えてきたリュウですが、極め付けはシャドウから逃げ出して天魔城に立てこもっていた反乱ロボット兵三千体の集団でしょうか。
シャドウ側にとっても脅威の力を付けたリュウの一族とのアーマゲドン(最終決戦)が、いよいよ開始されます…

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本編の最後を飾る話でもあり単行本1冊とちょっとかけた"アーマゲドン"の章では、イースター島のモアイ、ナスカの地上絵やインカ帝国、バミューダトライアングルにピラミッド…
それらの石森章太郎先生が大好きな地球に残る不思議な超古代文明を題材にして、独自の推理や空想を交えた展開で戦いを描きます。
1970年代はオカルト、UFOや超能力なんかもブームだったのでそれらを題材にした作品もとにかく多い。いい時代だったんですよね。

ピラミッドの中で全ての謎が解け、シャドウの正体や人類の行く道も分かって力も与えられたリュウ…その姿は学生服ですが、悟りを開いて神のようになっていますね。
その大きな謎の答えがまた壮大な話なのですが、ここでは明記せずにおきます(理屈がややこしいし)。

もっともっとリュウやその仲間達の活躍は見たかったのですが…最後はあっさりしています。
とにかくリュウが元々いた世界に帰って、こちらではまだ生きている両親に会いに家の玄関へ向かって終わるラストはなかなか泣かせるではないですか。
読んでいて面白い上に、古代文明その他いろんな事に興味を持つきっかけにもなる古き良き少年漫画であり、個人的な思い入れも深い「番長惑星」でした。


…オレはこわい……
オレは…生きてゆくには"愛"も必要だと思うのに…………
オレの目ざめた もうひとつの心は…………
闘うことをよろこんでいる……!!



  1. 2009/07/23(木) 23:45:01|
  2. トキワ荘
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ブルース・リーの命日には(2009)

今年も7月20日がやってきましたね。

全世界のある人々には一年で一番悲しいとも言える、喪に服すべき日…
分からない方もいるかと思いますので一応説明すると、ブルース・リー(BRUCE LEE)の命日なのです。

2009年なので没後36年になる今年の7月20日。
世界中のファン達が様々な過ごし方をしているでしょうが、私は新宿武蔵野館へ走りました。
何故ならここでは、8月1日から始まる香港映画「コネクテッド」の公開を記念して(という名目で)、何とこの時期に「燃えよドラゴン<ディレクターズ・カット版>」を一週間上映しているのです!!
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1日1回限りのレイトショー限定公開ですが、こんな素晴らしい映画館が日本にいくつあるでしょうか…

そこかしこに貼られている「燃えよドラゴン」のポスターにチラシ、嬉しすぎますよ!!
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これはチケット。
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そう、入場料金は当日で1000円という安さ。
さらに「コネクテッド」の前売券を持っていると500円だったようですよ。

さらにさらに!
私が行ったブルース・リーの命日…7月20日のみ『お宝グッズ抽選会』がありまして、整理券の番号によっていろんな物が当たる可能性があったのです。
あの伝説のTVシリーズ「ロングストリート」のDVDボックスとか、ヤバイ物がどんどん配られ、しかし私の番号はなかなか呼ばれず…

待っていたら、最後に運良く私の番号が呼ばれました!
つまり当選したのですが、当たった物は一番ショボいチラシ10枚セットというもの。
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こんなのはとっくに持ってるし!と全く嬉しくなかったのですが、帰宅して確認したら1枚だけ取り損ねたらしく持ってなかったのもありましたので、まぁタダで貰えたわけだし喜んでおきましょう。

さて、いよいよ始まった上映ですが…本編の前に「ドラゴン危機一発」「ドラゴンへの道」のオリジナル予告編、2本が上映されました。
これが約10分のレアな予告編で、嬉しくて気持ちが高ぶり、次はいよいよ!劇場で観るのは貴重な
「燃えよドラゴン<ディレクターズ・カット版>」
が始まりましたよ。
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「燃えよドラゴン」を知らないなんていう人はいないでしょうが、もしかしたらこの"ディレクターズ・カット版"の意味を知らない方はいるかもしれませんね。
1998年というブルース・リーの没後25年(そして「燃えよドラゴン」公開から25周年)の年に日本で公開された、貴重にして重要なシーンを約5分加えた完全版なのです。
ただの未公開シーンを付け足したようなのとは意味が違い、これによりそれまで観ていた「燃えよドラゴン」の本当の意味が分かる事となった完全版…
かつてのこの記念公開時にも、田舎に住んでいた私は上京して映画館へ行きましたが、それからだけでもビデオやDVDで100回以上は観ている「燃えよドラゴン」。久々の劇場で観るブルース・リーでした。

そして…違う、やっぱり劇場で観るのは違う!
私は現代人が映画館に行かなくなった事にはさほど憂いの感情も無いし、自分も部屋で酒呑んでダラダラしながら一人、DVDで観る映画スタイルも大好きです。
しかしブルース・リー映画は、やはりこういう方の作品は劇場で観るために作られているんだなと改めて感じます。
部屋で観るのとは音響も違うので、気付かなかった音、声なんかもありますし!!
それに今回は敵役のボス…つまり鉄の爪のハン、ことシー・キエンが先月亡くなった事もあって(96歳でした!)、涙が止まらない公開となりました。

そういえばブルース・リーが自ら主演するつもりでアメリカのテレビドラマ用に物語を作ったのに、アジア人では主演は出来なかった当時の風潮のために"原案"クレジットのみとなった因縁の作品「燃えよ!カンフー」で代わりに主役を演じたデヴィッド・キャラダインも同じく先月に亡くなりましたね。
クエンティン・タランティーノ監督の「キル・ビル」シリーズでビル役を演じた彼です。
それも滞在していたバンコクで、ホテルのクローゼット内で首と性器にロープが巻きつけられた状態で…というショッキングな死に方だったとか!

とにかく感動の公開も終わり、最後にポスター前で記念撮影して去りました。
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Don't think, Feel!
It is like a finger pointing a way to the moon.
Don't concentrate on the finger or you will miss all that heavenly glory.


  1. 2009/07/21(火) 23:06:28|
  2. 映画、音楽、将棋、等
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トキワ荘(48) 石森章太郎 38 「原始少年リュウ」

今夜の石森章太郎作品は、「原始少年リュウ」(秋田書店刊)です。
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1971年の週刊少年チャンピオンにて掲載された作品で、単行本は全3巻。

前回までの「リュウの道」で始まる『リュウ3部作』の2作目です。
しかし時系列ではこの「原始少年リュウ」が最初の"太古編"であり、続いてこの後に連載される「番長惑星」"現代編"、そして「リュウの道」"未来編"に当たるのです。
とはいえ主人公の名前がリュウなのと、顔も似ている以外は全く関係なく独立した別作品で、関連性は見受けられないのですが…
この「原始少年リュウ」だけ、テレビアニメ化もされた事があります。

ここでのリュウは、タイトルの通り原始時代を舞台に活躍します。
人類と恐竜、猿人や現代では絶滅している様々な動物が共存する時代に、キバトラ一族で生まれたリュウは…肌が白かったために呪われた子だからと、りゅうの王という恐竜(ティラノサウルス)が住む"りゅうの谷"へ捨てられます。
そこを猿人のキティに拾われて育てられ、第二幕はそれから十数年後。

成長したリュウはランという少女と出会いますが、そのランがいる一族によって追われ、火あぶりにされかけたあげくにキティも槍で射られてしまいました。
そこへ、りゅうの王が現れて部族をメチャクチャにし、キティも喰われてしまうのです。
それからリュウはりゅうの王を殺す事、また他にいると分かったまだ見ぬ母を捜す事を目的として、この物語は進行するのです。

実は売られてきていたランもリュウの旅に同行し、それまで全裸だったリュウのために豹の皮で服も作ってくれました。
ランの弟のドンにも会えて仲間に加わりましたが、たくさんの部落を支配する野望に燃えるタカやランを好きなヤムからは命を狙われ、マンモスやオオカミや雪男、テレパシーを使えるオオトカゲなんかも襲ってくる…苦難と旅が続きます。

しかし憎い敵であるタカの実兄・キバはリュウと同じく、いやそれ以上にりゅうの王を殺す事に執念を燃やしていて、彼とは熱い友情が生まれます。
というより、キバの方が強くて度胸もあって、人として器の大きい兄貴分ですね。
彼はりゅうの王によって自分の部落、そして妻も子も殺された過去があったのです。
ついに出会えた仇との無謀とも言える対決は、勝てないながらも勇敢に戦ったキバが無残に殺されてしまいましたが…めくらにしてやったので、リュウが上手く神殿の石を崩して下敷きにし、ついにりゅうの王は息絶えました!

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リュウは後半、ちょっとしたヒントから火を起こしたり弓矢やそりを開発したり、原始時代にはあまりにも貴重な知識を開発していくのですが、それもそのはず…
白い肌で神と崇められるようになる彼は、何とアトランティスの一族でした!
トリ型の円盤に乗って宇宙まで飛び出たりして、いきなりSFになるのにはビックリします。

まぁ石森章太郎先生の大好きな…海中に沈んだとされる伝説の島アトランティスのネタ、これを出したら何でもありですからね。
ついには生まれて初めて見る母にも会えるのですが、この時こそがアトランティスの最後の時代でした。
地震と洪水で一気に崩壊したアトランティスから、ランとドンだけ連れて逃げ出したリュウでしたが、母は死んでしまうのです。
このラスト近くの急展開に、原始時代好きとか恐竜好きでこの「原始少年リュウ」に辿り着いた読者は違和感を覚えるかもしれません。しかしシンプルな話でありながらドラマチックに展開しまくる、なかなか面白い作品なのでした。

最終巻である3巻にはまず、もっと低学年向けに描かれた類似作品の「原始少年サラン」が収録されています。
いきなり子供達に石を投げられながら『かたわものーっ ヤーイ ヤーイ まっ白けの雪ダルマ』なんて馬鹿にされてる少年サランが、ついに火を作り出して認められるまでの短編でした。

次に「おわりからはじまる物語」というのがあり、こちらは未来の世界を行きぬく数人の少年を描いた作品。
また「リュウの道」のアイザック型ロボット(今回の名前はボットワン)が登場していろいろ助けてくれるのでした。


余談ですが、本作を連載した1971年といえばトキワ荘時代からの朋友でもある漫画家・つのだじろう先生らと設立したアニメ製作会社"スタジオ・ゼロ"が解散してしまった年。
しかしその末弟である角田ヒロ(現・つのだ☆ひろ)らのバンド、ストロベリー・パス(フライド・エッグの前身バンドでもある)が唯一残したアルバムにして傑作「大烏が地球にやってきた日」のジャケットを石森先生が手がけたりもしています。
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…リュウ!
…人間にはな…むりなことだとわかっていても…
おろかなことだと わかっていても…
…どうしてもやらなければいかんというのがあるんだ!!
…いまのわしのように!!

くるなっリュウ!!手だしはゆるさん!!
…これは こいつとわしだけのたたかいだ!!
こいつだけが わしがいままで生きてきたささえだったのだ!!



  1. 2009/07/19(日) 23:39:45|
  2. トキワ荘
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トキワ荘(47) 石森章太郎 37 「リュウの道」 2

今夜は石森章太郎先生の「リュウの道」(講談社刊)の続きです。
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主人公の柴田リュウは、魔人が統治する町の兵士達によってさらわれたゴット達を助けるため、新たに仲間になったミュータント軍団のボスで三つ目のコンドルと共に城壁の中へ入り込み、大神像(巨大ロボ!)が動き出してそこをほぼ壊滅させます。

ミュータントを忌み嫌うこの町の"神"の正体にして大神像を操作していたヤツも実はミュータントで、死ぬ間際の彼からいろんな秘密を明かされたリュウ。
リュウこそは、この"神"が何と千年待ち続けた人物でした。
『そうなのじゃリュウ おまえこそがわしのあとをつぐ者じゃ
人類の未来のために"神"になる者がおまえなのじゃ!』

そして地球が滅亡しかけている理由や、新世界誕生の壮大なドラマなんかを教え込まされるのです。
週刊誌連載なのにここをあまりにも丹念に、長いページを使っていて驚きます。それだけ重要なメッセージが含まれている…ような気もします。

「リュウの道」はそのままリュウの成長物語になっているわけですが、自己中心的な理由から宇宙船に密航して冷凍睡眠させられ、目覚めた後もあまりにも幼稚で困った奴だったリュウでしたが、精神的に成長し、この辺りから本当に神に近づいていきます。
まずはミュータントが"神"の名の下で支配していたその町の人々を指導者として導き、人間とミュータントの共存する未来を作っていく決意をして…第一部 完。


それから一年。
老サイボーグのゴットは町の議長、ペキがすっかり成長した猿人になって警備隊長、コンドルは護民官長、ロボットのアイザックもリュウの助手として働き、ジミイも大きくなっていますが…その姉にして作品のヒロインであるマリアは未だ狂ったまま(自分の世界で"ゆめ"を見ている)という状態。

しかし姿は見えず精神攻撃をしてくる異次元からの怪物との対決で、ようやく初期から狂っていたマリアの精神は元に戻りました。
その敵を撃退した時から、主人公なのに恐怖で髪の毛が真っ白になってしまったリュウですが、これは後に潜在能力を覚醒させて精神を自由に操れるようになり、精神は肉体を支配できる…というわけで、黒く戻しました。

一見平和でも、恐ろしい死の裂け目、落とし穴がある事を学んだリュウ達は、今度は一年前にここから逃げ出したかつての住人一派とそいつらが操る悪魔の蠅や回虫と対決!

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イルカとテレパシーで会話したり、幕末の日本から馬淵小平なる侍が一人でタイムスリップしてきたり…ちょっと作品が暴走気味のような気もしてきました。
で、次は新人間(ニューマン)を名乗る、人間よりはるかに進化した人造生命体(人工人間)との関わり。ここでは人間や生命という物について考えさせる内容になっていますが、人間がほとんどいなくなった未来の地球では自然が己のその本来の姿を再び取り戻してきているとして、食物連鎖についてのお勉強に10ページ以上かけたりしています…

『人間は地球の細菌なんだ!そしておれはその中で・・・・"怪物"になりかかってる細菌だ!
この"おれ"という細菌の存在は・・・・病める地球というからだにとって どういう意味をもっているのか?
新しい"良薬"としてか?それとも死をもたらす病菌としてか?』


クライマックスのエピソードで、今までの神もどきではなく本当の神様らしきモノが登場しますが、その姿は"多角形の透明な柱"
これは作品を読んでもらえば一発で分かるのですが、スタンリー・キューブリック監督が生んだ…映画史上の大傑作SF作品、「2001年宇宙の旅」におけるモノリスですね。

この"神の意志"に呼ばれて、次代の地球の主人が人間族とイヌ族のどちらになるかという戦いをさせられたリュウ。
神に新しい能力を授けられた犬のタロウも撃退したリュウは、ついに神である透明な柱に触れると…
ここからますます「2001年宇宙の旅」で、あの芸術的で見入ってしまうイメージの洪水も、難解さで答えをぼかされる所も、手法としてそっくりパクリ…です。
そう、あんな感じで良く分からないまま壮大なイメージだけ残して終わってしますのです!

それでも連載当時はかなり人気もあり、また漫画史全体を見回してみてもフリークス(ミュータント)がこんなに出てくる作品は少ないとか、評価出来るポイントはいくつもあります。
ストーリーもテーマも上手くまとめた方だと思うのですが、あまり名前が挙がらない、そしてもう一つ記憶に残らない作品となったのは石森章太郎先生らしい実験的なコマ割りや描画が過ぎたからか、目的が散漫になって寄り道しすぎたからか…はたまたヒロインのマリアが地味だった(しかも狂ってたし)からか。
ただ、波長が合えばこれが一番好きな石森作品だと言う人もいると思います。私も、かなり好きです。

しかも、これは前回も書いた通り、『リュウ3部作』の第1作目に過ぎません。
週刊少年マガジンから週刊少年チャンピオンに発表の場を移して描かれた、続く「原始少年リュウ」「番長惑星」の紹介も次回からしていきましょう。


おまえのいく道は一つ
お前の"仲間"をふやし
"仲間"とともに"地球"の"意識"となり
ワタシと"合体"すること

ワタシはおまえ
リュウはわたし
おまえはリュウ

そして無数の"リュウ"が
ひとつの大きな"意識"に成長した
遠い未来 宇宙は・・・・
"リュウ"になる



  1. 2009/07/17(金) 23:41:13|
  2. トキワ荘
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トキワ荘(46) 石森章太郎 36 「リュウの道」 1

今夜の石森章太郎作品は、「リュウの道」(講談社刊)です。
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1969年から70年の週刊少年マガジンで連載された作品で、単行本は全8巻。

数多い石森章太郎作品の中でも私が特に好きな時期の、またジャンルとしても一番好きなシリアス物SF萬画で、思い出の一作です。
石森章太郎先生自身もライフワークとして意気込んで描いた、『リュウ3部作』の第1作目でもあります。

壮大なオープニングの後で出てくるサブタイトルが、

第一部 第一章 太陽系第三惑星 地球
①長き眠りよりのめざめ


ですので、その重厚なプロットが想像できますよね。

物語はの舞台は未来世界で、まず2020年に地球を出発した宇宙船の"フジ一号"の船内で目覚めた16歳の少年が主人公の柴田リュウ
彼は宇宙旅行をしたいという熱望の結果、シリウス第5惑星行きのフジ一号に密航しますが見つかって冷凍睡眠(コールドスリープ)させられ、目覚めると宇宙船内カプセルの船員達は全員死んでいて、到着した惑星は実はリュウが育った次代から何百年も経過して、荒廃した地球だった…
しかもそこではまず猿人達に襲われるのだから、これは映画「猿の惑星」のパクリかと思わせるのですが、それをはるかに上回るスケールと面白さです。

生態系が激変して恐ろしい化物だらけになっている地球上で、リュウは壊れた宇宙船からマリア・ヘンダーゾンとその弟ジミイと出会って行動を共にし、それから他の生存者や文明社会を求めて厳しい旅が始まる…

未知への冒険物語で、猿人のペキ、ロボットのアイザック(ずっと古い作品「G・Rナンバー5」のガラクタとほぼ同じキャラ)、目が一つで手は四つのミュータント一つ目(ずっと後で付く名前はムツンバイ)、そして老サイボーグのゴットと次第に仲間が増えていくので、ロール・プレイング・ゲーム的な楽しさもあります。
静かで平和な宇宙船の中で育ったヒロインのマリア(サイボーグ003そっくり)は、地球で恐ろしい体験をするうちに…何と気が狂ってしまうし、とにかく厳しいサバイバル競争で笑ってられないのですが!

『・・・・リュウ 見てみろ・・・・ あの子どもたちを・・・・
なんとまあひよわそうなこと!たよりない・・・・動物だこと・・・・!
こうして見ておると・・・・この世界ではすでに人間は・・・・
単なる力の弱い動物にすぎなくなっていることを つくづく感じさせられる!』

『まだわからんのかリュウ
この世界では人間なんて力の弱い動物・・・・それも少数種族の・・・・動物にすぎないんだ!』


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特殊な仲間達に比べて主人公のリュウはただの少年でしかなかったのですが、宇宙船での冷凍中に睡眠学習をさせられていて膨大な知識を身につけているし、ゴットに殴られたり説教されたりもしてさらに成長し、また他の能力にも目覚めていく…
なかなか風刺的で考えさせられる会話なんかも多いですよ。

リュウ達一行が移動する度に次々と出てくる敵達も不思議で、強大な奴等ばかり。
全く正体が分からないままリュウ達は逃げてしまいましたが、人間を成長させて脳味噌吸うらしい"収穫の塔"の住人、人間を追い出して機械だけで管理している"ロボット・シティ"、"神殿"のある町とそこから追い出されたミュータント(生まれそこない、かたわ者、できそこない、ばけもの…)達の集団等、他にも歩を進めれば進めるだけ、いろんな遭遇があるのです。
本当に次から次へと事件で…この後でリュウは次代の"神"的な存在に選ばれし者だとして展開していくのですが、続きはまた次回にします。

ちなみに、アニメファン向けの漫画雑誌アニメージュ増刊 リュウ月刊COMICリュウ(徳間書店刊)なんかを覚えている方はいますかね…
あれはこの「リュウの道」に始まる『リュウ三部作』に由来して付けられた誌名なのだそうです。


・・・・しかし いずれは追いつめられる!
にげている あいだはな!
戦いというものはなリュウ
まもっているだけでは 勝てないものなんだ



  1. 2009/07/15(水) 23:46:24|
  2. トキワ荘
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トキワ荘(45) 石森章太郎 35 「となりのたまげ太くん」

今夜の石森章太郎作品は、「となりのたまげ太くん」(朝日ソノラマ刊)です。
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1965年の週刊少年マガジン(講談社刊)にて掲載されていた作品で、単行本はサンコミックス版で全2巻。

いかにも一般的な家庭で育つ普通の子供・ヤスシの家の隣りに、変な子供が引っ越してきました。
そいつがたまげ太だから、タイトルは「となりのたまげ太くん」なわけです。漢字で書くと多摩毛太となるこの子は、未来からタイムマシンでやってたヤツ。頭は尖って髪の毛は無い…それが現代の子供達と一緒になって遊んだり暴れたりする様を描いたSFギャグ漫画。

前回の「テレビ小僧」と同系列と言えるドタバタギャグで、五里羅(ごりら)、田抜(たぬき)、木常(きつね)という3人組のイジメっ子達と、少女ガキ大将のヘルメ子ちゃん、白痴的な西郷どんこと西郷寺彦、気取った金持ちの大阪ベン、警官は犬でわんわんおまわりさん…出てくるキャラクター達がいいです。

たまげ太くんはポチというペットの恐竜だとかロボットに忍者、いろんな者をタイムマシンで連れてくるし、
♪チンチン チナパイポ ナシャリコ シャリパイポ
 アタチャ チナパイポ チノ ポイポイ ポイ!
という本人にもわけの分からない唄…たまげ太くんのテーマソングである『たまげ太小唄』というのを唄っています。

SFとすると石森章太郎先生の中でも得意ジャンルであり、アニメ化もされた作品ながらイマイチ知名度が低いのですが…
人気も当時それほど無かったのでしょうか、「となりのたまげ太くん」最終回にたまげ太くんは未来へ去り、「ドテピン大将」へバトンタッチしてしまいます。

「ドテピン大将」の方はSF要素が無くなった日常ギャグへと設定を変えるのですが、ドテピン大将の他にヒロイン役になってヘルメ子ちゃんが出てきます。
ヘルメ子ちゃん…この凄い名前はヘルメットみたいな髪型からきているのでしょう。
1巻の巻末には「サイボーグちゃん」というレアなSFギャグ短編も収録されていますが、そちらでもヘルメ子ちゃんそっくりなキャラが出ますよ。

もっと広く読まれて欲しい面白い作品なのに簡単に復刻されないのは、下半身が無くなったキャラが出たり、人喰い土人が出たり等、今ではちょっとヤバいネタがあるからもあるのでしょうか。


おとなはこれだからこまる
SFまんがを見てないから知能がひくいんだ!
タイムマシンは日本語でいうと時間機といって
時間をじゆうにできる機械なのさ
つまり過去へも未来へもいけるし
どんな時代のどんな人でも
よびだしたい人をよびだせるんだ



  1. 2009/07/13(月) 23:38:12|
  2. トキワ荘
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トキワ荘(44) 石森章太郎 34 「テレビ小僧」

今夜は石森章太郎作品で、「テレビ小僧」(朝日ソノラマ刊)です。
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単行本はサンコミックス版で全2巻。

幅広いジャンルで描き続けた石森章太郎先生ですが、ギャグ漫画の中では代表作と言える作品ではないでしょうか。
1959年に日の丸(集英社刊)で描き始め、続いて同じく集英社の少年ブック冒険王(秋田書店刊)と連載の場を移りながらも長期に渡って描き続けられた「テレビ小僧」ですが、あまり単行本化されていない事でも知られているレア作品でもあります。

まず冒頭、いきなり両親の葬式で始まり、残された少年・テレビ小僧ことテレスケは借金のかたに家を売り払い、残された遺産はアヒルのガア公だけでした。
…と、かなり暗い悲劇が始まりそうですが、全く逆でむしろ能天気なギャグ漫画なのです。
アニメ化もされた同じ石森先生の「ドンキッコ」に似てると思われるでしょうが、あれはこの「テレビ小僧」をモデルにした作品。

とにかくテレビ小僧は、その状況からテレビ局のセットの家に住みついてスターを目指して頑張るのですが、自分の売り込み方は普通じゃありません。
またテレビ小僧はすぐ頭にカーッときて大暴れし、全てをメチャクチャにしてしまう。

ドタバタ系のギャグで、メチャクチャに暴れ回るテレビ小僧が痛快ながらバカすぎて笑ってしまうのですが、テレビ局からも『有名な特殊注意児童』として有名になっていきます。
この時代はテレビが一般的になってきたばかりの新しいメディアだった時代であり、放送は全て生放送だし…舞台となっているテレビ界自体が違っていて面白い所もありますね。

当時の宣伝文に『マンガで描いたモダンジャズ。ギャグのアクロバット。お笑いのアヴァンギャルド』というのがあって、その通り破天荒で素晴らしいのですが、ただこの手のギャグ漫画だとどうしても、同じトキワ荘仲間の赤塚不二夫先生に分があるためにイマイチ知名度が上がらなかったのでしょうか…
もちろんしっかりと石森章太郎先生ならではの味があって、もっと多くの人々に読んでもらいたいとも思う傑作です。


男が爆発するとき……
ぼくはまだ子供なんだぞ その子供の心をきずつけてくれちゃって…………
あいつらなんて大人たちなんだ くそっあんなことをされたら
ぼくじゃなくってもカーッとくらあ
みてろ しかえししてやるからな!



  1. 2009/07/11(土) 23:08:15|
  2. トキワ荘
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月刊漫画ガロ(83) 永島慎二 19 「フーテン」

今夜の永島慎二作品は、まずほとんどの人が真っ先に思い浮かぶであろう代表作「フーテン」(青林堂刊)です。
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あのCOM(虫プロ商事刊)にて1967年から連載された作品で、何度も単行本化されている私小説…ならぬ私漫画ですが、この青林堂の上下巻に分冊された全2巻が一番一般的でしょう。
1967年スタートといえば、その翌年がいくつも抱えて人気を博していた連載を全て休んでアメリカ旅行へ行ってしまった時に重なりますね。もちろん「フーテン」も中断し…
仕切り直しは1969年から、プレイコミック(秋田書店刊)に移って始まります。

主人公は自称児童漫画家の長暇貧治。『ながひまひんじ』と読みまして、そのまま永島慎二の事だと考えて問題ないでしょう。あだ名はハナのダンさん
阿佐ヶ谷で結婚生活をして子供もいたのに『ご家庭とやらにおさまってヌクヌクしている自分に腹がたち』、漫画を描けなくなって家を出て上井草に安アパートを借りたのです。本物のフーテンにもなりきれず、しかし彼らの相談役的な人物として物語の狂言回し役になります。

その長暇と、周りに集まる新宿のフーテンたちを描いた物語が「フーテン」で、これも「漫画家残酷物語」と同じく"シリーズ黄色い涙"

フーテンには定番キャラも1回だけの登場キャラもいますが、個性的なヤツ揃いですね。

いつもスーツながら、フーテン達にまじって仕事始まるまで遊んでるカッコいいサラリーマンが緑川ヒロキ
『みんなフーテン フーテンって さもなにかこう新しいことでもおっぱじめたように考えてるみたいだけど…べつにぼくは新しいことだとも思えないんだな
遠いむかし西行とか円空なんて人物がいたからね』

とか言ってて、個人的に大好きなヤツ。

新宿のフーテン仲間たちの有名人はコート氏
両親によって人生の目標と設定された東大に入ってしまうと、自分の人生がそこで終わったような気がして…その時から自分のために生きる事にした、味わい深い人物。

1話完結の長暇貧治がほとんど登場しない話では、ダイこと村上大吾を描いた暗い劇画タッチの話が好きで、若い苛立ち、どうにもならない気持ちなんかも表現した傑作です。

若者たちの他にも大会社の社長がからんできたり、もちろん女の子も出てくる青春群像。
最終話は芸術色の強い、集大成的な無言劇で終わるのですが…どうやらこれも本当の完結ではなく、「フーテン」は未完のまま連載終了した、という事になっているようです。
ほとんどが1話完結の連作形式なので問題ありませんが。
ただ、まだ続くのならもっともっと長暇貧治や他のフーテン達の物語を読みたかった。

ちなみに、単行本収録作の中で「はたちの夜」「漂流者たち」、そして「青春裁判」にも収録されている「星の降った夜」はそれぞれ傑作ではありますが、この3話はフーテンがテーマの話だから同シリーズへ入れたようなのですが、本来は連作「フーテン」とは関係ない話のようです。

近年まんだらけ出版より、編集にこだわった完全版的な「フーテン」が上梓されましたね。
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ここでは作品発表順の収録…とか、さすがのこだわりもともかくとして、とにかく「残光」と題された「フーテン」の後日談、長暇貧治の十年後が描かれた貴重な作品を収録しているのが凄い!!
これは1975年にマイナー誌でひっそりと掲載された作品だったのです。

個人的にはこちらのちくま文庫版、これを10代の時に初めて買って衝撃を受け何度も読み返したため、一番深い思い入れはあるのですけどね。
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悲しい話が多いし、時に胸が痛くもなりますが・・・・今夜は泣いて寝ましょう。


都会はいい……
本当に孤独になれるところだ………



  1. 2009/07/09(木) 23:24:57|
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月刊漫画ガロ(82) 永島慎二 18 「ね太郎の大冒険」

今夜の永島慎二作品は、絵本から…「ね太郎の大冒険」(大都社刊)です。
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永島慎二先生で絵本といえば、他には「イソップものがたり」(雄鶏社刊)が有名ですが、挿画だけ描いた作品も含めるとまだまだいくつもあります。

今回の「ね太郎の大冒険」は、永島慎二先生が子供の頃に母から何度も聞かせてもらった話を読み切り漫画にして少年サンデー(小学館刊)にて掲載し、その後で絵本に描き直した作品になります。
という事はストーリーはオリジナルではなく、民話が基になっています。

二年ぶりに起こされたね太郎がフクロウのだんなとアルトコロ山に登るとオニババに狙われ、絶体絶命のピンチの時に便所で神様に祈るとべんじょの神様が現れて『ハリとクシ』をくれて、そのおかげで追っていたオニババから逃げ切る…という話。
すると基になった民話は「三枚のお礼」でしょうか。
民話には地方によって様々なパターンがあるものですが、あれは三枚のお札の代わりにクシやハリを投げる例もあるのです。
ハリを天に投げると針の山になり、クシを投げると川になる…あれです。

聞いた事のある、またありがちな話ではあるのですが、やはり大好きな永島慎二先生が絵を描いていると思い入れが違いますね。カラーで綺麗だし。
オニババは最初、美しい娘に化けているのですが…この娘の顔が正に永島漫画に出る美人の絵で、しかも姫カット!
さらに最後に現した正体は大蛇ですが。

ね太郎も最初はすっかり娘姿のオニババの美しさにやられて感動し、『胸のあたりがキラキラ』しています…
人は見かけで判断すると大変な事になるという教訓も含んだこの絵本を、日本中の子供達に読んで欲しい。そして、大人になったら永島慎二先生の漫画を読んで欲しい…


うまそうなガキが一匹、ふくろうが一羽、なんて楽しい夜なんだ。
ヒッヒッヒッ、生き血をすえばすうほど、人をくらえばくらうほど、
わたしゃ美しくなれるのさ。



  1. 2009/07/07(火) 19:07:07|
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月刊漫画ガロ(81) 永島慎二 17 「独りくん」

きみの存在が……ぼくには…悲しい
オレが本当にオレ一人だったら…
どんなに自由になれるか知れやしないのに……な



今夜の永島慎二作品は「独りくん」(オハヨー出版刊)です。
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中学生向けの学習雑誌、チャレンジ(福武書店刊)にて連載された作品で、単行本は全2巻。
「少年期たち」収録の作品と同じ"シリーズ赤い風船"と名付けられていますが、「旅人くん」タイプの単調な作品です。

特筆すべきはこの作品が1970年代終わりの3年間に渡って描かれている事で、1980年代以降はほとんど漫画を描いていない永島慎二先生ですので、漫画作品としては最後期の物になるのです。

ジャケでお分かりの通り、主人公は全然可愛く無い孤独な中学生の独りくんで、一番最初の話(4コマ)が…
口笛で犬を呼んで、寄って来たその犬を殴りつけて『人間に気を許すな…!』なんて言って立ち去るというもの。
いきなり人を殴りつけて『イキがってるヤツより孤独がってるヤツがキライだ…………目をさましたら早いとこそんな気分はすてるんだ!!』などとも言ってるし、人にイジワルばかりしてどうやら性格も悪いらしいです。
と、思わせておいて回が進むごとにだんだん純粋な性格も現れてくるのですけどね。

いつも被っている帽子を取ると、頭の形が相当ヘン。
彼が失恋して激ヤセしたり、おじが死んで二百五十億円の遺産が入ったり、パンサという黒いノラ猫の相棒が出来てずっと一緒に出てくるのに何とそいつが死んでしまったり…
「旅人くん」に比べると幾分かはドラマチックな展開もあるのですが、何しろ絵には時間をかけてませんね。

最後は4コマがほとんど無くなって長い話が増えますよ。
『今までにはじめて会った人間としての存在感を持った人物』だと、こじきに弟子入りを申し込みますが断られ、トモダチギツネのジムと交流して天国の両親と再会して、その直後に完結します。

ほとんどはどうという事も無くただめくるページの片隅に、タイトルの通り独り・孤独などといったテーマを隠している…のだと思います。
わぁ面白い、とかって引き込まれる作品ではありませんが、どこか"少しだけ"印象に残る作品なのでした。


今年の夏こそ……見つけるぞ……
長年夢みて来た親友を!!
できるだけ孤独な奴がいい……
このオレより……ずーっと孤独な奴でなきゃ………
だめなんだ!!



  1. 2009/07/06(月) 23:11:21|
  2. 月刊漫画ガロ
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旅行・紀行・街(67) 東京都杉並区高円寺 8 第9回世界将棋大会…等

今回は東京都杉並区高円寺

相変わらず旅に出る余裕は全く無いの生活のため、現在住んでいる所の近場ネタばかりが続きますが…せめてもの楽しみとして近所で酒を呑み、またライヴハウスにはたまに行っています。
永島慎二先生が生んだ名キャラクター・旅人くんは、
『旅というのは……いつだってそうなんだけど…どこへいったのかということは あまり重要じゃない…
ある感性と…どんな目ン玉くっつけて何を見て来たかということが…問題なのだ』

と言ってます。
故郷を持つ私にとってはこの東京生活も旅の一環ですし、日常でも旅人の感性で生きているわけです。

今回はまず、お馴染みの"喫茶プログレ"から始めます。
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現在お店ではプログレ好きな方・・・ではなく、将棋をやる方を大募集中のようです!
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5月の喫茶プログレ八周年記念日には、散々飲み食いした後で記念の割引くじ引きしたらいいのが出て・・・元より安い店なのにタダみたいな額になりました。ありがとうございました。そして、おめでとうございます。
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ここでプログレを聴きながら呑むワインが美味しくて、人生を輝かせるお宝とも言えるお店。
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つい先日は、この店で第9回世界将棋大会というのが行われまして、
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この喫茶プログレTシャツ、
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そして賞金を目指し、日曜の昼間からビールを飲み楽しみながらも真剣に対局を繰り返した参加者達。
その猛者達の中で優勝し、見事に世界一の座に輝いたのは・・・・

この男!!
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・・・早くも商品のTシャツを着ているのは、私です。

マスターに連敗してお店のランキングでは現在2位に下降している私ですが、かつて名人戦で中原誠に挑戦した時に剃髪現れた、終盤の魔術師こと森けい二に習って私も頭を刈り上げて対局場に向かったのが功を奏したのでしょうか!!

戦績は9戦7勝1敗1分け、でした。
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世界将棋大会は名前の通り9回目でしたが、私は今回が初参加でした。

それでは一旦、さよならプログレ・・・・ってKENSOか。
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続いてライブですが、まずは"高円寺 live Music Bar Mission's"
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ここで行われた族音二重奏には楽しませてもらいました!!
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族音二重奏…林久悦氏(Drums)と林由恭氏(Bass)の双子による新ユニットで、今回は2daysの両方に行けましたよ。

まずは6月10日の方。トリでの出演でした。
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ファンとの写真撮影にも、快く応じてくれました。
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(こちらは林久悦氏)

続いて7月3日。
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ここでも林久悦氏を呼びとめ、撮影時間。
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族音二重奏の二人が揃ったショットもゲットしました。
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音楽歴は長い二人ですが、このユニット結成にあたっては故郷である山梨県の山奥にこもって二人だけでセッションを重ねたりしたそうです。
族音二重奏の行動に・・・今後とも目が離せません。
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この日は次にもベースとドラムのみのユニットが出てきて、
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その次が…待ってました!日比谷カタン氏の登場です!
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やっぱりこの方、凄すぎる…先月もライブを観て、「ココ」で記念撮影とかした模様をアップしたばかりでしたね。
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6弦が切れて付け替える間、再び大ブームを巻き起こしている「新世紀エヴァンゲリオン」の主題歌である高橋洋子「残酷な天使のテーゼ」をアカペラで唄ってくれました。
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次は"UFO CLUB"
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この日は、素晴らしすぎるコモグチテルヲ
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そしてエツシホシノと、カタカナのしと二人を観てきました。
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ここは古着・古本・雑貨・自費出版本等の"アニマル洋子"
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友人が店員のKaimanと記念撮影。
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この日は何と「はだしのゲン」Tシャツを着ているKaiman、
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彼は今度はRepomanという名義で、CD「The Catcher In The 99」をリリースしました!!
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今度のCDシンプルな作りになっていて、10曲入りで\300。
しかも限定20枚のみの製作らしいので、もう無いかもしれません。
それぞれに通しNoが付いていて、貴重なNo001は私が買わせて頂きました!
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曲目を載せておきましょう。

1.三遊亭馬並之輔
2.さんじゅわん様
3.糞尿少女工房
4.威喝山ゴリ子の恋患い
5.照
6.99市場でつかまえて
7.電脳義体ババア
8.近距離パワー型
9.キノコでポン!
10.dogwood

です。
今までのバンド時代からは想像もつかないピコピコな打ち込みサウンドになっています。

続いて、夜のアニマル洋子でも記念撮影。
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店の前ではカワイ子ちゃんに遭遇!
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それでは、最近の高円寺飲食コーナーにいきましょう。

まずはタイ料理の"BAAN-ESAN"(バーンイサーン)です。
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定番のこの店ですが…この日は何と!
我等が御当地アイドル・ユニット、キンジョリーナユキユキロちゃん(別ユニットに「死顔」、「GUN CLUB CHECK」もあります)を招いて、ファンの集いを開催したのです。
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アイドルにして絶対音感を持ち、作詞・作曲・アレンジ・演奏(管・鍵・打・電子楽器)からミックスダウンまで、音作りに関する事ならなんでもやってしまうユキロちゃんと、まずは会食コーナー。
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緊張でビールを飲みまくりながら、おしゃべりしました。
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アイドルの私服は何と、猪木酒場のTシャツにデニムパンツ、そして白ソックスという萌え姿。
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続いてツーショット写真撮影コーナーと、握手会も用意しました!

ユキロファン、一人目。
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ユキロファン、二人目。
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ユキロファン、三人目。
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ユキロファン、四人目。
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ユキロファン、五人目。
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ユキロファン、六人目…やっと私の番が来ました。
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ちなみにユキロちゃんは、かなりのカンフー映画好き。よくBRUCE LEEに間違えられる私はモテてもいいはずですね。

続いて、今度は携帯での撮影を許可された、アイドルオタクの参加者たちの方へ視点を向けたカメラだと、こう。
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ユキロちゃんのポーズも素晴らしい。
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これは物販コーナーに用意されたキンジョリーナのファーストCDですが、
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準メンバーの純メンバーとして参加している、羽生生純先生が世界に一つしかない直筆イラストを盤面に描き入れたプレミアムエディションも同じ500円でしたよ!!
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一応男たちも少し撮って、この日は店を出て・・・
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さらにさらに!!
サプライズ特典として、キンジョリーナの相方・ホンマチナツちゃんのいる"写真BAR 白&黒"へも連れてってもらいまいした。
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CDにサイン貰えた!!ありがとうございました。

ようやく行ったのは知人が経営するお店"Bar Lula"
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元々はブルースバーだったのですが、今は…何と入店したらEL&P(エマーソン・レイク・アンド・パーマー)がかかっていて、私は大喜び!
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そうとう臭いこの焼酎に、はまりました。

"大将"の3号店。
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ここではやはり、焼き鳥と火鍋ですね。
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人生で一番多くの回数利用している中華料理屋は、"成都"
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"揚州商人"
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占い入り菓子なんてのがあったので、買ってみました。
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ガード下にあった古いゲーセンが、いつの間にか韓国料理の"オムニマツ 母の味"なる店になっていました。
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友人のこのTシャツは・・・
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奈良県のゆるキャラ、せんとくんをパクったキャラが自転車に乗ってます!

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(せんとくん)

そういえば、この近くの美容室"BAD NICE"には、その自転車マニアの友人も喜ぶ、カッコいいマシンが置いてあります。
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次はお気に入りの餃子店"たちばな"
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ロスト・チルドレン。
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"リトルウイング"
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数年ぶりに行った、"居酒屋 ごっち"
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プロレスの神様である、あのカール・ゴッチに由来する店名なのですが、メニューや店内の模様もプロレス要素は無く、むしろミーハーなポスターとか貼ってあるチョー普通の居酒屋です。
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"ちよだ鮨"
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安く寿司を食いながらの昼ビールなんて、サイコーじゃないですか。
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ここも大のオススメです、ホルモン・焼肉の"二楽亭"
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同じくホルモン・焼肉の"縁"(えん)。
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"古本酒場コクテイル"
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ここはもう何年も入ってませんが、表に山下洋輔トリオの宣伝ポスターがあり、その絵を敬愛する佐伯俊男さまが描いているのです!
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そして"唐変木"
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ボロい建物の奥にあり、全く中は見えずにメニューも分からないので、未だに入れてません。
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さて、『1日1麺』を合言葉に、ほぼ毎日ラーメン食べている私。

最近行った店を紹介していきますが、まずは大好きな"ひら石"
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一番左は…また見つけました。私の敬愛するゾマホン・ルフィン(Zomahoun Idossou Rufin)さんのサイン色紙です。
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ひら石は、あの菊地凛子主演で、カンヌ映画祭でも上映された「Map of the Sounds of Tokyo」の撮影で使われた店でもありますよ。

ご存知、最強の"せい家"
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ンマーイ!!
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"大陸"
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"不知火"
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BURRN!
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らーめんで白、黒、赤という種類があるのです。
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"ラーメン&カレー タブチ"
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続いて美味い、無料トッピングの野菜がドでかい!!"らーめん 大"
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醤油味と、
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塩味です。
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"中国家常菜 祥龍房"
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"誠屋 高円寺店"
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パル商店街を抜けてルック商店街に入り、新高円寺方面へどんどん進むと・・・・・

隠れた名店"天王"
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そして"ラーメン万福"へ。
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よく行く店ですが、ここでは何といっても牛乳ラーメンでしょう。これがキワモノではなく、本当にンマーイ!
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"中華や 彩香亭"
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"やきとり 大八"の横にある狭い脇道を進むと、
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こんなマニアックな場所にオープンしたのが、"しなそば 麺 風武"
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青梅街道に到着したら、東高円寺方面へ向かいましょう。

"花の木"
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"支那そばや"
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↑一番下のは、あさりらーめん。こんなの初めて食べました。

"中華成都"では今回はタンタンメンにしましたが、想像してたのと全然違って、ただの辛口ラーメン…
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"儀佐衛門"…今回はあえ麺にしました!
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その隣りにあるのが"ホープ軒本舗"
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後半戦はカウンターに置いてある唐華(オリジナルの一味唐辛子)を投入して激辛にするのが私流。
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"らうめん じゃんけんぽん"
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名前がヤバイ、"中華 珍満"
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"香蘭"
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ここは大槻ケンヂ氏の「猫VS犬 オーケン・ソロベストR」
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あれに収録の名曲「高円寺心中」でも登場し、ロックヒーローとスーパーモデル目指す若いカップル二人がこの店の前で朽ち果てると聞くのでした。
歌詞カードでは「こうらん」となってますが、東高円寺だし間違いなくここですよ。オーケンファンなら聖地として一度は食べに行くべきでしょう。
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「はじめの一歩」を全巻置いてるので、読み出したらしばらく通う事になるかもしれませんね。

"中華 寿楽"
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今回のインドカレー屋は・・・・"MILAN 東高円寺"と、
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"サプラ"にしました。
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また高円寺駅の方へ戻り、"富士そば"
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ここにもラーメンもあります。
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"みはる"
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"松屋"では、基本的に値下がりした豚めしばかり食べてる私でしたが、
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最近発売開始したフレッシュトマトカレー290円(当然みそ汁付き)も既に何度か食べてます。
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これは高円寺のヒグマドンと。
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さらに今回は、方南町駅の方へも行きましょう。
昔は、方南町なんてブックオフしか行く所がないと思っていた私ですが…

居酒屋の"一心太助"が名店で、現在は頻繁に行くようになりました。
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こちらは海の家みたいな感じが素晴らしい、2階席。
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つまみは200円から400円…ほとんどが300円の物になるのですが、その値段で感動のクオリティなのです。
まずは、刺身類。
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他のいろいろ。
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〆の麺類も300円で食べられるのです。
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同じ方南町通りにあるのが、まず"定食のヤシロ"
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高円寺や、他にも杉並区でたまに見かける名前ですが、系列店なのでしょうか。
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"ラーメン華族"
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ラーメン。
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トッピングにワカメ。
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トッピングにワンタン。
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ご飯と納豆。
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あとは…方南町にはこの偽ミッキーがいます。
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高円寺のこいつもいいんですけどね。
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これも、高円寺の古着屋で見つけた偽ミッキーTシャツ。
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今回も長くなって疲れました・・・終わりましょう。
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それでは、また。
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おやすみなさい。
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  1. 2009/07/04(土) 23:44:13|
  2. 旅行・紀行・街
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月刊漫画ガロ(80) 永島慎二 16 「旅人くん」

おいらは生まれた時に旅をしていた。
だから名前は旅人くん いつでも一人で歩いている。
おもに、君の心のすみのほうを。
…ほら…ペタペタ…ペタペタ…



今夜の永島慎二作品は「旅人くん」(大都社刊)です。
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これは永島慎二先生の代表作の一つでもありながら、内容的にはかなりの異色作。
旅人くんという少年が、肩で持った木の棒の先にボロ包みをぶら下げて…独り言をつぶやきながら旅をしているだけ。

おもに4コマで進みながらページの右から左へ。
ずっと歩き続けているのですが、宙に浮いているように見える絵が多いですね。
主な登場人物は旅人くんだけですが、何かの物や動物だったり、風船、幽霊…そんなのが少しの間だけ旅の共になる事もあります。
そして、基本的にはいつも淋しがっている。

これは20年近く描いてきた漫画に飽きた永島慎二先生が、その時かかえていた仕事を全て打ち切り、阿佐ヶ谷のマンションを売ってこの「旅人くん」だけを描いて暮らした…という作品になるのです。
以降はいろんな所で掲載し、単行本も各種ありますが…この大都社版は全3巻。
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旅人くんのつぶやきには、何の意味も無いものから可笑しいもの、孤独で悲しいものや…とにかくいろいろあり、たまにドキッとするほど名言みたいなものもあるのです。いくつか抜き出してみましょう。


『おいらでも…ときたま…とても淋しくて人のぬくもりが ほしくなる時があるんだ!
そんな時は思い切って…!人の中にとびこんで…
もみくちゃになって そうして……
いつだって…苦しい…闘いの思い出だけが…残るんだ』

『おいらが歩くとどうしても…影ができる
…一瞬ではあるけれど…草、花が陽かげになるという…
生物って生まれつき…罪深きもんなんだなあ…』

『この季節の風物を楽しむには……夜歩くにかぎるんだ…』

『人間が無言で信じ合えて…仲間がいつも美しいところ………
幸せになるための…てき度の労働と……
ちっちゃな愛があって そうして…最後はイッパイお祭りのあるところ…
おいらがさがしている美しい世界って!そんなにむずかしいかな…?』

『人間は利息をとって生きてる人と…
その利息をはらうために生きている人が…いる!
いつでもどこでもそうなんだけど…………
どうして、その利息をはらう方がペコペコして…
利息をとるほうがいばって…いるのだろう……?』

『今日もまた………一日………
なんにもしないうちに……陽がしずむ……
そしておもたいつかれと……深い悲しみだけが残る…
今日はとりあえずねることにして!あしたこそ…なンかしよう……!』

『世の中にはダメな奴とダメでない奴とがいる…
ダメな奴が…… ……ある日…ダメでない人になる事が……
革命だと思う………』



永島慎二漫画のほのぼのした部分を前面に押し出した絵柄で、淡々と歩き続けるだけの作品が「旅人くん」。あまり皆に薦められる種類の物ではないのですが、私には大切な本の一つです。
ストーリー展開は無いのですが、たまに歩くだけの日常と違う話もあり、サーカス団にバイトで入ってピエロをやり、空中ブランコのサヨリちゃんに惚れるも
『いつだってさ…本当の恋とは片思いのことをいうンだ』
と去ってまた旅に出た事もありました。

旅の共としては、病気ドリというのが長く出ていました。
こいつはしゃべるのですが、いつも『死にたい』とか絶望的な事ばかり言っていました。

いつも、しかも生まれた時から一人で旅を続けている旅人くんには家族もいませんが、
『おいらのとうちゃんが むこうからやってくる………
おいらに気がつくと 手を上げてニッコリ笑う…………
その手をおいらのかたにおいて二人は………歩きだす…
とうちゃんの手はあったかいな…!』

なんて想像して涙を流す、悲しいシーンもありました。

警官とすれ違った時は、
『おまわりさんには わるいんだけど……おいら…
警官がきらいなんだ……どうしてかな…?
そうか…大戦中にナチスドイツの強制収容所にいた頃のことを思い出すからなんだな、きっと…………』
と暗い過去をばらすのですが、でもそんなバカなと、ますます謎は深まるばかりですね。


おいらの名前は…旅人くん!
おいらはいつだって こうやって歩いているんだ!
どうも生まれた時からこうやって歩いていた…らしいのさ
そうしておいらは これからもずうっと…歩きつづけるんだ…………
だから旅人くんとみんながそうよぶ……
どうして旅をするのか… だって…だって!……
それがわからないから…こうやってサ 旅をしつづけるんじゃないか
なにをいうとるンかね!



  1. 2009/07/02(木) 23:19:34|
  2. 月刊漫画ガロ
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プロフィール

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Author:BRUCE
BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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