大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

旅行・紀行・街(91) 熊本県熊本市 1 上益城郡山都町 1

今回の旅は秘密結社「大悟への道」の結社員が多くいる九州地方。まずは熊本県。熊本支部視察も兼ねて、訪熊(ほうゆう)してきたのです。といっても9月に行ったのを今更アップしているのですが。

東京でも銀座に行くと必ず"銀座熊本館"に寄って熊本の食材を仕入れる私ですし、熊本は小さい頃から何度も行った事のある土地ですので、期待心いっぱいな旅でした。
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今回は空路でしたが、羽田空港こと"東京国際空港"はこの時、国際線ターミナルが開業する直前でもあり工事も終わりかけだったのかな?盛り上がってる感じでした。
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今後は国際線の定期便も、ここから乗れるんですよね。成田よりずっと近いので助かります。

ポケモンの飛行機だ!世界中で大人気で、日本が誇るジャパニメーション作品ならばタイアップにふさわしいのかもしれません。
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さて羽田空港の"フレッシュネスバーガー"で朝食を食べ、
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空の上から雲の大陸をワクワクしながら眺め、
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到着したのは熊本県のシンボルたる阿蘇山の山麓にあり、阿蘇くまもと空港の愛称で呼ばれる"熊本空港"(上益城郡益城町)。
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この日の当地は朝から土砂降りの雨との事で、飛行機が到着した昼時も大降りでした!
しかしそこは、私が関わった行事や旅は大抵晴れると言われる…俗に『晴れ男』である私ですので、九州に上陸したと同時に晴れ、ついでに書くと私が出る時は晴れていた東京が逆に大雨に見舞われている、との事でした。
日頃からご先祖様に祈りを捧げていると、こういった部分で恩恵に授かる事があります。

当空港の『ゆるキャラ』は、あそらくん
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飛行機人間は帽子が阿蘇山で、空を飛び回る!
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空港で食べたソフトクリーム。
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こちらの写真は帰りに戻った阿蘇くまもと空港ですが、この通り…3泊4日の旅は帰りまで全て晴天でした。
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↑初公開、私のいとこ。

これも帰路ですが、最後の最後の熊本を名残惜しみながら入ったラーメン屋が"うまか軒"。もう、熊本では食べれるだけラーメンを食べなくてはなりませんよ。
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ピリ辛もやしラーメン!
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熊本土産にはこれを持ってけと、空港で買ってもらった九州ラーメンBOXでした。
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さて阿蘇くまもと空港近くには、名物の馬肉料理を食べられる名店"菅乃屋"がありました。
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馬刺し。馬肉を生で食べるのは熊本が圧倒的に本場!
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馬焼肉、
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馬肉ハンバーグ、
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サラダやパンまでグー!
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飾られていたサイン色紙は、シブがき隊のふっくんこと布川敏和、スザンヌ、DAIGO(ダイゴ)、ラ・ムーのボーカリスト・菊池桃子さんと交際していた事もある杉山清貴、そして…!
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さてさて、熊本県民といえば『肥後もっこす』という言葉がありますが、頑固で男性的な人々が多いイメージがあります。
かの反骨の漫画原作者・梶原一騎先生は東京都生まれでありながら九州男児や熊本県出身を自称する事が多かったのですが、それだけ熊本県に自身が創作してきたような『男』のイメージを持っていたという事でしょう。
それもただ見た目がカッコいいだけでなく、いや梶原先生ご自身と同じように見た目はイケてないが純粋で正義感が強い頑固者…つまりは"肥後もっこす"的な人物に対する憧れを持っていたようです。
創作したキャラでも熊本出身者として「巨人の星」左門豊作や、「男の星座」梶東輔が有名ですね。

「巨人の星」つながりで、作画を担当した川崎のぼる先生は大阪府出身ですが、現在熊本県在住。
もちろん私が相当に好きな漫画家ですが、熊本県関連のイラスト仕事を数多く手掛け、極め付けには阿蘇市のゆるキャラである五岳君火の子ちゃんのデザインも手掛けています。

他に漫画家ではたがわ靖之先生だとか、また幼少時代に映画「山下少年物語」を劇場で観て以来私が憧れ続ける柔道界で世界史上最強の男・山下泰裕…いや真の最強柔道家は一時代前の木村政彦ですか、そのどちらも熊本県出身でして、やっぱり男らしい肥後もっこすが多いじゃないですか。

いや熊本出身者は『男らしい』とばかり言ってると、女性達に失礼かもしれません。ちゃんと女性は女性で可愛らしい人が多くて、歌手ではALI PROJECT宝野アリカお姉様や森高千里など、かなりのカワイ子ちゃんキャラですね。

ともかく、熊本市へ移動しましょう。
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となるとまずはラーメンですが、今回は超メジャー店ながら今まで行った事がなかった熊本駅近くの"黒亭"へ。
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ラーメン。
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もやしラーメン。
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それから路面電車で繁華街へ。
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住人には当たり前の光景でしょうが、路面電車が走っているだけで私には物珍しい!
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教師として熊本市に住んでいた事もある、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)旧居を発見!
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愛する作家の文学に、この熊本が大きな影響を与えた…

で、熊本駅からかなり離れる熊本市の中心部です。上通商店街・下通商店街・サンロード新市街という3つの繁華街があり、その周囲に中心市街地が形成されているのですが、熊本市は何度来てもメイン通りの広さに驚きますね。
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店数も多いし何でもある・・・と普通なら思う所でしょうが、私の趣味的には東京のようにピンポイントな店はありません。
それでもようやく見つけたレコ屋が、ロックの聖地を店名に冠する"WOODSTOCK"
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熊本市の特徴として、加藤清正が築城した日本三大名城の一つである、熊本城が繁華街から見えるくらい近い事。
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今回は昼間の良い時間には行けなかったので入城しませんでしたが、前に一人で行った時は感動したものでした。これは前に来た時の写真で、
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その時にもらった冊子、
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入場券。
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あとラーメン屋はメジャー店"桂花"の、本店がここにあります。
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他に"一蘭"などは他店舗で何度か食べているので通り過ぎ、
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日も暮れているし、もう酒飲みタイムですよ。
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これがまた店数は多いので決めかねてウロウロ歩き回ってみましたが、ここ"水戸黄門"の近くに来ると『人生楽ありゃ 苦もあるさ 涙のあとには 虹も出る~♪』って、ずっと音楽がかかっているのです。
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それが辛くなって結局入店したのは、"博多餃子舎603 熊本店"
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603という店のロゴが一瞬でもマイフェイバリット映画「オーメン」の666ロゴを思わせたから。

そして、大好物のモツ鍋。これは熊本というより博多(福岡県)の名物ですが、食べたかった!美味かった!!
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(ちょい辛もつ鍋ってやつでした)

博多餃子はひと口餃子と、
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まるごと海老餃子。
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続いて、"とめ手羽"
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…上記の2店は、どちらもチェーン展開していて東京にも何店舗かあるとの事でした。
そうですか。わざわざ飛行機で行ってこれらに入る私のセンスの無さ!いや、それでも本場は味が違ったのだと思い込みたい。

ちなみに熊本に行くと話したら、詳しい友人に薦められた店は"キャサリン's BAR"
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こちらは"キャサリン's SMOKE"
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ここは当地出身タレント・スザンヌの母親であるキャサリンが経営しているBARで、スザンヌの可愛い妹・マーガリンもいる事があるとか。
しかしお勧めされても、スザンヌが出ているTV番組など一度も見た事が無い私が行くのもどうかと思って遠慮しました。
それどころか、熊本各地どこへ行っても広報委員とかでポスターなどで見かけるスザンヌですが、正直言って…私は知りませんでした。誰?誰なの?うーん、TVのバラエティ番組を見る苦行に耐えて勉強しなくてはなりません。

ホテルは昨年に仙台でも利用して、安いわりに良かった"HOTEL DORMY INN"
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ラーメンのサービスがありましたが、熊本ラーメンではない。
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こちらは朝食。
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熊本名物で地元では超一般的な、春雨スープに五目炒めと揚げ玉子を添えた…太平燕(たいぴーえん)は、飲食店に行かずここで味わってしまいました。

前に熊本市来た時の武蔵塚公園で撮った写真も載せておきましょう。
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宮本武蔵は晩年を熊本で過ごし、没してもいるんですよね。武蔵の墓は熊本市だけで他にも数ヶ所ありますが、武蔵のブロンズ像があり、地名にもなっているここが一番有名でしょう。

ついでなので、その時連れてって頂いたどこぞの古墳も。
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当時諸星大二郎作品に心酔していた私は、「暗黒神話」に名前が出てくる古墳が熊本に多い事を知っていて、いくつも車で案内してもらったのでした。

ハイ、次は熊本市以外も行きますよ~。でも阿蘇くまもと空港と同じ上益城郡で、山都町(やまとちょう)ですよ~。

移動中に見かけた恐竜のトンネルが良かった。
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これまた同じ上益城郡で近くの御船町に"恐竜博物館"というのもあって恐竜ネタをたくさん仕入れる事が出来そうだったのですが、そこは悲しい事に時間が足りませんでした。

それより目的の山都町には、嘉永何年だか(江戸時代)に築造された有名な石造アーチ水路橋の"通潤橋"があるじゃないですか!
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と、近づいて行ったらコレ!!
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説明文もあったので読んでみると、惜しくも行った前の週くらいに開催されていた『八朔祭』"で使われていた大造り物の山車らしいのです。
こんなのが祭りとしてたくさん、街を練り歩いていたのか…

バーン!!
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迫力あるんですよ。カッチョいいんですよ。巨大な化物の下に車輪が付いてる所がまた、エマーソン・レイク&パーマーによるセカンド・アルバム「タルカス(Tarkus)」のアルバム・ジャケットをも思い起こさせる。
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土産物屋に入れば、
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熊本名物いきなり団子。小麦団子生地で包んだ薩摩芋と餡の蒸した物。
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この地域ではそこら中に旗やポスターなどで『いきなり団子』の文字が書いてありますが、このネーミングはどうしても、私くらいの世代で小学生時代にジャンプを読んでた者だとえんどコイチ先生の「ついでにとんちんかん」を思い出すじゃないですか。
つまり、間抜作の『いきなり尻見せ』や天地無用(天地くん)の『いきなり前見せ』…を。まぁいいか。

喉が渇いて買った矢部茶は通潤橋ジャケ。
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次はいよいよ通潤橋へ。
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そう、これこれ…
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って、いやいや!!

私はこういうイメージでしたが!?(↓インターネットで見つけた写真)
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そう、考えてみれば当たり前なのですが、現在も農業用水路として使用しているとはいえいつも放水しているわけもなく、土日の正午とか決まった条件があったのです。さらに悔しいのが、知っていれば予約して放水料一万円でいつでも見れたのだそうで。
シーリング材料もポンプも無い時代にこれを漏水させずに放水していて、さらに現在も使えるというのだから肥後の石工技術に驚くばかりで、それを目の当たりにしてみたかった。

まぁ仕方ありません。とにかく登ってみると、上はこんな感じ。
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通潤橋からは去りましょう。
次はすぐ近くの、山都町にはいくつかある滝の中でも最大の"五老ヶ滝"を目指しました。
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おおーっ!これ!滝好きにはたまらんのです。
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今夜は最後になりますが、温泉地でもある熊本では湯にも入らなくてはなりません。ここは"通潤山荘"内にある"浜の湯"
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前回来た時も、熊本市周辺各地の温泉巡りをしたものです。

ここの入口でも、八朔祭の大造り物を発見しました。
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また、道端にも!
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大造り物は樹木に葉っぱや松ぼっくりなど自然の材料を使って造るのが凄いのですが、このミッキーはヤバイですね。

はい、熊本からスタートした九州旅行は、もうちょっと続きます。


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  1. 2010/11/30(火) 23:46:08|
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週刊少年ジャンプ(58) 本宮ひろ志 8 「サラリーマン金太郎 マネーウォーズ編」

前回は本宮ひろ志先生の「サラリーマン金太郎」でしたが、今夜は続編の「サラリーマン金太郎 マネーウォーズ編」(集英社刊)で続けましょう。
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現在ではシリーズ物だと認識されている「サラリーマン金太郎」ですが、2002年に連載終了して全30巻が終わった時点ではそれで完結なのだと思ってました。
それが突如…3年後の2005年に続編が始まったのです。それも掲載の場は、週刊ヤングジャンプではなくインターネット総合サービス会社の楽天でした!
ネット上でお金払ってダウンロードしなくてはならないインターネット公開形式にて、パソコン画面で読む『デジタルコミック』という次世代形式。これについて行けず読めなかった私ですが、結局普通に紙媒体の単行本として上梓されたのが↑画像の物。

この楽天掲載分はプロローグとして0巻のような扱いになっていて、すぐにヤングジャンプでも連載されるのですが、そちら4巻までの単行本でまとめています。つまり少しややこしいけど、マネーウォーズ編は全5巻。
作風などは変わらない純粋な続編ですが、金太郎の活躍する舞台が建設業界から金融業界に移ったため、このタイトルですね。

今や伝説のサラリーマン・矢島金太郎は、前作で世界有数の成功者でありモーガングループ総帥のグレート・モーガン(フランクリン・モーガン)と親戚になりましたが、ここではまずモーガンの所有する外資系投資銀行"インターナショナルバンク(INB)"の日本支社に転職します。また『偶然』面接に来たらモーガンの会社だったというのですが。
ありとあらゆる仕事をしてみたいと、どんな仕事をするのかも知らないまま金太郎は、未経験の為替ディーラーとして再出発するのです。

会社ではいきなり大物扱いなのか、ニューヨーク本社の大トレーダーで美女のジャネット・テイラーが指導員として付き、後に仕事のパートナーのようになります。
それに、また金太郎がかつて伝説の頭として束ねていた暴走族"八州連合"のメンバーが集まってきて、INBの玄関先まで集団バイクで乗り付けてバンザイするのですが、彼らももう30代半ば…このお約束はいつまでやるのでしょうか。

新シリーズ・マネーウォーズ編は前作の登場人物も出てきますが、鷹司誠士がすっかり味方になるし、その弟・圭吾なる野心家のキャラも出てきます。
話は同じレベルの事をやっていては盛り上がらないからか、金太郎の活躍のスケールはさらにエスカレート。相変わらずすごい確立の偶然が続いて本宮ひろ志先生の願望・妄想を叶えまくるわけですが、プロローグでのメインは前作で行って苦い思いをしているサハラ砂漠のナビリアで行われた、負け知らずの伝説の投資家ジョー・ロスとのギラ売り合戦。

『今まで どんな人間に対しても怖いと思った事はなかった 一度もです…
 しかしあのジョー・ロスって男…生まれて初めて恐怖を感じました』

とは、金太郎のジョー・ロスに初めて会った時の感想。そこまで言わせる最強のライバルの登場です。
他にも散々ジョー・ロスの凄さを聞かされますが、素人の金太郎が投資初勝負で勝っちゃうんですけどね。このナビリアでの勝負だけで、金太郎が挙げた収益は1兆3千億円。世界中のディーラー達にその名を響かせる事になる…
この後も続くマネーウォーズ編では、金太郎は有名人にもなるし動かす金の額も桁外れになり、全く親しみを持てないスーパーマンへと成長していきます。

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続いて連載の舞台をホームグラウンドのヤングジャンプに移して開始された、プロローグに続く本編では疑問を感じる事もあってINBへ出社しなくなり、無気力になりながらも競馬に行けば7千万円の勝ち…とか、もういい加減に『強運』もエスカレートしすぎなわけです。
有名人の大金持ちサラリーマンとなった金太郎はヤマト建設時代懐かしみ、またあの頃に戻りたいなどと考えますが、それは不可能でありまだジョー・ロスとの戦いの続きも残っていると気付いてINBに復帰し、独自に"金太郎ファンド"を立ち上げます。

ところで為替ディーラーだのファンドだのというマネーウォーズというかマネーゲームというか、このジャンルの仕事には金太郎自身が
『なんなんだこの仕事は 物を創り出す訳でもねぇっ…何かを残す訳でもねぇっ
 儲けりゃいいだとォ…本当にこれでいいのか』

などと悩んでますし、大金持ちの協力者であるおなじみ中村加代ばあさんには
『何がファンドマネージャーだ 貴様らはハゲタカだっ 己の金は一銭も使わず…人の金にたかって死肉を食らう…
 自分は一円の損もせず人の金でバクチを打つ身じゃろうが』

なんて言われてます。
読者である私も全然知識は無いし興味の無すぎる仕事ですが、それらの説明もあるので人によっては勉強するのに良い本になるのかもしれません。株とかFXとかやる人には超基本的な事しか書いてないのかな。私にはそのお勉強が難しいし読んでも興味を持てず、ちょっと辛い感じでしたが。

さて金太郎ファンドはまずデビュー戦として、テレビ局買収に向けて動きます。
これは時事ネタで、ライブドアの堀江貴文(ホリエモン)氏による騒動を反映してますね。同じようにテレビ局は様々な手で妨害するわけです。
この時の「サラリーマン金太郎」はテレビ局やマスコミに対する批判が強烈で、面白いです。

続くエピソードではジョー・ロスが出てきて、何と日本国に対するマネーでの攻撃を仕掛けてきます。つまり日本国債が狙われて国の存続の危機に陥るのですが、そこで立ち上がったのは矢島金太郎…
とある作戦で1兆ドルなんて金を動かして、あとはなんだかんだで勝利するのですが、これはもう一人で国を救った英雄ですよ。もちろんとんでもない金額の利益も挙げますが、元々は暴走族の頭が大企業に中途入社して頑張るって話だったのがこういうスケールになっています。

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この規模のマネーウォーズをやってしまった後では、漫画としては同じやり方で続けられなかったのでしょう。
儲けまくった金太郎ファンドをあっさり解散して、『マネーウォーズ編』後半での金太郎は前妻である明美の故郷、四国の大北町へ戻って漁師をやる。
…のかと思ったら、今度は事実上財政破綻した地方自治体を再建する事に取り組みます。今度は北海道の夕張市問題がネタ元になっていますね。

集中すれば3時間でやれる仕事をチンタラと引き伸ばして1週間かけたりしてる役所職員の仕事や、国から下りてくる金だけを当てにして無ければとっくの昔に赤字倒産な地方自治体への批判から始まり、それをどう立て直すのか、金太郎のアイデアと行動力が見物です。
またもヤクザの事務所に殴りこむ定番の見せ場を経て、大北町が面白い事になるとまた金太郎は次なる活躍の場に…
『マネーウォーズ編』はここまでで完結しますが、前作より内容は濃くなり、人間はどこへ行こうとしているのか考える哲学的なシーンも出てくるし、終わり方がなかなかクールでしびれたものでした。


経済とは一体何だ?人間の生き方を複雑にしているだけじゃないのか?人間の知恵やみせかけの道徳は自然に抱かれて生きる事と相違している!!
世界中の人間はどこまで数が増えていくんだ 逆に日本の人口の減少はどうやったって止めようがない 若い世代は子供を欲しがっていないからな 自分だけの短い人生の為に!!
地球の環境はいつまで人間のわがままを許してくれるんだ!!
今は何とかなっている…しかし近い将来 人間の限りない欲望をエネルギーとする成長は 必ず大規模な破綻を導く!!
それでもその中から またやり直し 人間は生き延びて行くだろう…しかしはっきり予測できる破綻への道を
人間は変える事ができないのか?人間は人間が過った道をなぜ変えられない?人間は絶対に間違いを犯す生き物なのに!!
人間の美徳は話して他と協調できるという点に尽きるはずだ!!



  1. 2010/11/29(月) 23:48:02|
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週刊少年ジャンプ(57) 本宮ひろ志 7 「サラリーマン金太郎」

今夜は本宮ひろ志先生の「サラリーマン金太郎」(集英社刊)。
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連載は1994年からの週刊ヤングジャンプですが、本宮ひろ志先生は我がブログのカテゴリでは常に週刊少年ジャンプでまとめます。

有名な代表作は多数ある偉大な本宮ひろ志先生ですが、ここ10…いや20年での代表作といえばこれしかないでしょう、「サラリーマン金太郎」。ついに見つけたライフワークでもあると思います。
この作品に関してはストーリーを細かく書くような無駄な事はしたいと思いません。それも別にバカにしてるわけじゃないし、それどころかこんな私でもメチャクチャ面白い作品だと思ってはいるんですよ。特に初期のパワーは凄い。

当たり前のあらすじを書くと、主人公の矢島金太郎はメンバー数一万人とも言われた暴走族"八州連合"を二年間束ねた伝説の頭で、彼が海の船上事故で漂流していた大和守之助を七時間泳ぎ続けて命を救ったら、その大和は偶然にも天下の"ヤマト建設"の会長で、そのきっかけで金太郎はヤマト建設に見習い社員として入社し、成長していく…そんな所です。

暴走族のヘッドで工業高校中退少年院出身の金太郎が、たまたま会長の命を救ったからといって日本有数の建築会社に入れちゃうのは、会長が
『サラリーマンとは何ぞ……?
いつから大学出でなくてはならなくなった?いつから背広姿と決められたのだ
いつから減点法によってしか勤務の評価をしないようになった
なぜこんなにも周りを気にして不自由になった なぜつまらん規則で自分達の首をしめ続けるのだ』

そう疑問に思っている人だったからよしとしましょうか。
しかしこの後もず~っと、度胸と腕力もあるけど驚くべき『偶然』の力が主でまず活躍していきます。手始めにヤクザと喧嘩して会社に乗り込まれても、その組長が元八州連合の特攻隊長・椎名忠志だったために助かったり…
ヤマト建設は天下りした元官僚の大島社長が実権を握ろうとしていた時期でしたが、創業時からの叩き上げ組の会長や黒川専務を一介の平社員である金太郎が退陣から救う形になって社長を叩き出し、まずは正社員になりました。そして問題をかかえる浅沼ダムの工事現場へ。

ちなみにちょっと過去を振り返れば、不良が大好きな『伝説』も出てくるのですが、輪姦された盲目の恋人・明美をバイクに乗せて東京中の大爆走した話。
金太郎と八州連合の熱さに他の族もやられて関東全域の族が次々と合流し、警察の妨害も物ともせずに2万台に膨れ上がった大爆走…ついには目的地の多摩川に到着。さらに名乗り出た、明美を犯した奴らに取った態度でますます矢島金太郎の名は伝説になる。

少年院から出て明美と結婚した金太郎ですが、明美は長男の竜太を出産して死亡。
その後は『俺は喪中だ』と言い、それは10年か20年か分からないとまで言っていたわりには、後に銀座の高級クラブ"ジャルダン"のママにして政財界の大物達の憧れでもある末永美鈴に何故か一目惚れされてその日にやっちゃって、夢の中に出てきた明美が笑って去って行く…そんな羨ましい、己に都合のいい精神構造も持っています。
さらに後で、美鈴は金太郎の後妻となりました。

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金太郎は『運が良い』、とは作中何度も言われていますが…とにかくその運の良さは異常すぎます。
線路に落ちた赤ん坊を命がけで助けるとか、川に落ちて溺れてる子犬を飛び込んで助ける、そういった普通の人は一生に一度も遭遇しない出来事に日常的に関わり、英雄的な行動をしては何かが好転し続けるのです。

ある時は偶然で関わった関東の総会屋を束ねる大物政治フィクサー三田善吉だとか、政界財界等に影響力を持ち日本の裏金を一手に引き受けているド級の大金持ちばあさん・中村加代といった人々が金太郎を気に入って理解者になるし、妻は政財界の人気者で、父親の照男は元ヤクザですが刑務所で日本最大の暴力団の総帥・本城勝の命の恩人になったため、このヤクザのドンまで金太郎の協力者になり、果ては一時は内閣総理大臣になった山金幸四郎まで…
その他、とんでもなく膨れ上がっていく金太郎のコネの力!

それでも喧嘩は何度か負けてるし、その他のピンチはいくつもあります。
ヤマト建設東北支社へ転勤になった時はある事件で爆弾仕掛けられて竜太まで怪我させられ、切れて旧八州連合の今やおっさんなメンバーを6千人動かしちゃって捕まるし、北アフリカはサハラ砂漠のど真ん中にあるナビリアでのプロジェクトに長々と行った時は、結果的に仕事はボロ負けで会社に57億円の大赤字を負わせたりもしたのですが…その時は美鈴が砂漠の真ん中まで訪ねてきて、その姿を見るなりボロボロの金太郎は飛び掛って砂漠でセックス!
ここのシーンは「サラリーマン金太郎」屈指の名シーンだと思っていますが、とにかく当時は大爆笑したものです。作者は真面目に感動させるシーンとして描いているっぽい所が、またいい。

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帰国した金太郎は営業第二課第三係の主任を命じられて、ついに部下が4人できたのですが、これがどいつもクセのありすぎる奴ら。
この新メンバーで日本全国のパチンコ屋を大きなビルに再開発する画期的なプロジェクトを進めますが、するとパチンコ業界には付き物の暴力団問題で揉めて襲われて大怪我もするし、敵対する会社の二代目社長として松平一平という、同じ本宮ひろ志先生が「俺の空」で生んだ名キャラ…安田一平を思わす奴が出てくるのも見もの。
スカッとするシーンが必ず各巻にあり、長編ですが物語の展開も凡百のサラリーマン漫画と違ってセックス&バイオレンス要素たっぷりで飽きさせずに進みますよ、「サラリーマン金太郎」

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サラリーマンとしての手腕はとっくに認められるようになり、次は結婚したのにモテすぎる金太郎の女関係のトラブルだったりまた暴力団が関わってきたり…
会社内でも最低な上司とはいえ守之助会長の孫・有希と結婚した大場光司を会議中に殴り飛ばしたり、いやもう結局暴力に訴える癖は直らないのですが、それがいつも結果的に良い方に転ぶんだから都合の良すぎるし、パターンも読めてきてます。
ザ・ご都合主義の展開だから取って付けたようなピンチも当然乗り越えるのですが、サラリーマン読者は特に破天荒で熱血な金太郎の活躍にスカッとして読み続けているんでしょうね。

次は金太郎、やる気のない子会社の"YMTランド"に転属します。当然そこを盛り上げていくという展開になるのですが…
それはともかく、唯一の女子社員である篠塚洋子を他の社員が紹介する時に、ふざけて『スーザン・アントン子』と言うのですね。おおっ!それは本宮ひろ志先生が影響を与えた漫画家でもある宮下あきら先生の「激!!極虎一家」に出るキャラの名前(漢字では枢斬暗屯子)じゃないですか。懐かしいなぁ。
後で彼女はアラビア王国の王子にプロポーズされるのですが、もう…いくらでもスケール大きくして好きにやってください。

順風満帆になってきた金太郎は、美鈴の間には長女の美香が生まれ、本社に戻って新人社員の研修班長をやります。
『会社に入ったから 会社があんたらを守ってくれるって事じゃない あんたらが会社を守ってやるんだ
 守ってもらうのか 守ってやるのか この考え方の違いひとつでやるべき行動は正反対になる
 守ってもらうってのは 生活を人質に取られて 我慢して仕事をやるって事だ
 つまらねえぞ こいつは…仕事がつまらなかったら生きてる時間の無駄使いだ……』

そう演説をする立場になったわけですが、常識外れのようでいて金太郎はいつもいい事を言います。私も耳が痛い。

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しかし、次は労働組合の委員長になった事で会社に疑問を持ち、葛藤する。
今度ばかりは味方を失くして孤立する自体に発展しますが、リストラされた組合員で新しい会社を作る作戦で逆転勝利。
その件が元でヤマト建設社長は黒川優作から伊郷龍蔵へと交代し、金太郎は社長室長となって女だらけの職場で似合わない仕事に転向。

次の大きな問題は美鈴が前夫との間に生んだ、金太郎にとっての義理の娘でアイドルタレントの末永美々。彼女が伊能修二というウソ付きのクソ男にひっかかり、本人が本気で好きだと思い込んでるのにその二人をどうやって別れさせるのか!?
プレイボーイの男の狡猾さや常套手段の勉強にもなるので、女性は特に読んでおいた方がいいかもしれません!
いや本当、ありえない展開続きでビジネス漫画としては真面目に読むには無理がありすぎる「サラリーマン金太郎」ですが、ここは妙にリアリティがあるように感じるのです。だいたい作中で一番の可愛さを持つ美々ちゃんがいいようにやられちゃって、悔しい~!
連載中も、久々に次週はどうなるかドキドキしながら読んでたものでした。
(後に美々はアメリカに渡り、大財閥の御曹司ジャック・モーガンと結婚)

血生臭くなりながらもその問題が解決したら、ヤマト建設鹿児島支社に転属となった金太郎は指宿温泉で美鈴と夫婦団欒を過ごし、美鈴が東京に帰った三日後…
一人で適当に入った"小料理 たか"のママ・石積貴子とあっさり浮気してやっちゃう金太郎。しかも『初めてSEXに心を失ったよ…』とか言っちゃってます。
愛人となった貴子の所に通いつめ、仕事もスランプの金太郎でしたが、凶暴な野犬の群れに向かって『二度とここへ入るな 次に見たら殺すぞ!!』と命じて(!)、とにかく当地での仕事を終えてまた東京へ帰るのです。

しかもヤマト建設の筆頭株主にもなってしまいましたが、モテまくってきた金太郎も初めて迎える家庭内の問題は揉めに揉めた上で解決しました。
で、次はとある選挙戦のお手伝い。この選挙編もなかなかバカらしくて面白いのですが…

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新人研修で新入社員を『クソ女』と呼んだ事でセクハラとして訴えられたりもしましたが、サラリーマンとして安定が見えた金太郎は次のステージに前進するためか、ヤマトを辞めて一人でアメリカの大学に入るため旅立ってしまいました!

アメリカ編はまず、大学入りの前にシアトルからニューヨークまで一年半歩いて自然と勉強して英語もマスターした後、美々が嫁入りした大金持ちのモーガン家が建てた一流大学でビジネスを学ぶ事となります。
家賃の安いハーレムで住みながら地元の黒人達と仲良く暮らしながら大学生として勉強を始めるのですが…美々とジャック・モーガンを祝うアメリカのVIP揃いのパーティー中に、元大統領の愛人で人種差別しているアメリカ女・コニィ・ケイジを叩き返して訴えられて逮捕され、その裁判を自分で弁護士もやって法廷で争う金太郎。

レディーファーストの国においてあまりにも不利なこの争いは、都合良い時だけ肉体的弱者の地位を利用する自分勝手な女性との戦い…日本でも痴漢冤罪問題などが話題になりましたが、狡猾に今や性的強者になった女性への挑戦…というほど大げさにもなりませんでしたが、しばらく『裁判漫画』になりました。
アメリカ編全般ですが、ちょっと金太郎はスーパーマンになりすぎてて、いやいつもそうでしたが特にそうで、親しみを持てなすぎますな。

偉大なモーガン家の一員として将来を託したいという申し出を断って帰国した金太郎がまたヤマトに戻ると、現在は会長の伊郷の元で会社は激変していました。
そこでまた金太郎はどでかい未来都市を作る考案をし、強力なコネも総動員してプロジェクト始動しますが、かつてヤマト建設にいて金太郎を敵視していた超エリートの鷹司誠士が汚い手で邪魔をしてきます。
彼との争いがメインとも言えますが、同じく敵対していた大島元社長に続いて、ついに鷹司とも和解するのはなかなか感動的です。

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金太郎、次は北海道支社長になったと思ったらいきなり半年間の有給を取ってある美談絡みでアマゾンへ遊びに行き、帰国すると肝心のヤマトが他社と合併して"ヤマト中央建設"となりっちゃいました。そこでまた本社の社長室長になって新社長の丸山登や様々な陰謀と関わって建築業界がどうのとか小難しくなってくるのですが、金太郎は会社を辞めて一度は土木作業員になりますが、何と次はヤマト中央建設社長…になりそうな所を蹴って総務部長へ。
何度も何度も地位が変わって弘兼憲史先生の『島耕作シリーズ』みたいな出世していくサラリーマン漫画を目指した部分も見受けられる「サラリーマン金太郎」ですが、この第一シリーズではこれが金太郎の最終地位。

総会屋との抗争と、大和守之助の妾の子で新社長になる龍平の登場などで波乱は続きます。
それは何と守之助の暗殺という事態にまで発展し、ついに金太郎は力が抜けてサラリーマン放棄。家族を連れて田舎で真黒になりながら漁師として生活をしていきます。
やはり漁師としての才能や人望も集めた金太郎は、相変わらずモテて美女から処女奪ってと頼まれながらもカッコよく断ったり…
で、気の緩みから船が大破したのがきっかけで、なかなか長かった漁師編も終わって再び背広を着て東京へ!

ヤマト以外の会社でサラリーマンを最初からやり直してみたいと思った金太郎は、まずはコンドームの訪問販売の会社で営業、それから"東紅株式会社"という商社へ入社して前野久美という不思議な女性との出会い。
そしてどこからも必要とされる男・矢島金太郎はさらなる新天地へ。

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多少マンネリも目立つ展開の末、全30巻の「サラリーマン金太郎」は次なる金太郎の挑戦を匂わせて終わりました。
キャリアだとか関係なく運と強力で人望を集めて出世していく彼は、グレてた過去に輝かしい伝説を持ち、喧嘩に強くて、女にモテまくり、取り巻きは異常なほど大物ばかり…普通の男が一般に憧れる要素の寄せ集めキャラ。
男像を描いて大ヒットした今作は、まさにサラリーマンの夢、希望。
確かにいわゆる社会的な成功を得るには不利に思えるけど、本当は学歴無しの叩き上げの方がカッコいいですしね。

初期代表作「男一匹ガキ大将」の昔から、ただのガキ大将だった戸川万吉が株に手を出して大成功するエピソードもあるし、実は本宮ひろ志先生自身が経済とか政治にも昔から興味を持っているんですよね。
ただ、「サラリーマン金太郎」を本当に大人に読ませるビジネス漫画として描かれてる部分で真に受けちゃう人もいるんじゃないかと心配しちゃいますが、あくまでこれはギャグ漫画、とかSF漫画として気楽に読まないと・・・

さらに、「サラリーマン金太郎」全30巻は終わっても、物語の完結ではありません。
休載期間を挟みながら、続いて「サラリーマン金太郎 マネーウォーズ編」「新サラリーマン金太郎」、そして今年始まって現在も連載中の「新サラリーマン金太郎 順不同」へと続いていきます。


今、日本中のサラリーマンに元気がない
お前は…………日本の元気だ 元気だ!!



  1. 2010/11/26(金) 23:23:50|
  2. 週刊少年ジャンプ
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「画狂人 上村一夫展」、そして「上村一夫 原画展 in ギャラリー小暮」

2010年・・・ブルース・リー(李小龍)と同じ1940年生まれである上村一夫先生は、当然同じように今年で生誕70年目。おかげでここへきて、かつてないほどの原画展ラッシュですよ。

以前にも、昨年末ですが「ココ」『ブルーな女たち』「ココ」で先月まで開催の『量画の先を見た巨匠たち この一枚のために』と上村一夫原画を観てきた事を伝えましたが、今月の東京都だけでまた2軒のギャラリーにて企画展が開かれています!!

まずは世田谷区代沢の下北沢GAoh!にて、
画狂人 上村一夫展 狂人関係ー北斎に最も近づいた漫画家。
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会期は2010年11月2日~21日です。
『浮世絵版画』という物が今年完成したのは先のイベントでも実物を確認済みでしたが、浮世絵といえば上村一夫先生自身も敬愛し今年で生誕250年の葛飾北斎。この両者といえば上村先生が北斎を描いて代表作にもなった「狂人関係」
この展示会では「狂人関係」に的を絞って生原稿、カラーイラスト等を展示していました。同作品で感動した、あの絵この絵を、生涯でもまさか見れるとは思わなかった生原稿で鑑賞出来たのだから嬉しい…

下北沢GAoh!…1階はショップになっていて、上村一夫先生の現行されている単行本やグッズ等の販売をしてました。ギャラリーは地下になります。
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続いて、千代田区神田神保町のギャラリー小暮にて、
上村一夫 原画展
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会期は2010年11月13日~20日です。
また別の日に行きました。こちらでは挿絵の小作品を集めて展示しおり、下北沢の方と違って見覚えの無い絵がほとんどなので、また別の感動がありました。
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両方ともまだギリギリ間に合います。興味ある方は駆けつけてはいかがでしょう。
私は大好きな劇画家の貴重な作品を次々と鑑賞出来て、これはもう本当に至福。
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帰りには秘密基地で美味い酒を呑み、持参した「同棲時代と僕」を少し読み…終わり。
  1. 2010/11/18(木) 23:54:48|
  2. 古本 番外編
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週刊少年ジャンプ(56) ゆでたまご 2 「蹴撃手マモル」

続いてのゆでたまご作品は、「蹴撃手マモル」(集英社刊)です。
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週刊少年ジャンプにてデビュー作であり空前のヒット作となった「キン肉マン」連載終了後、前回紹介した「ゆうれい小僧がやってきた!」を描いたゆでたまご先生は、次に「SCRAP三太夫」を始めるも全く人気が出ずに短期打ち切りとなり、そろそろ「キン肉マン」の実績による威光も無くなっていた1990年…
起死回生の気持ちで挑んだのが、この「蹴撃手マモル」。『キックボクサーマモル』と読みます。キックボクサーを『蹴撃手』って、カッコいいですよね。
三太夫の失敗で懲りたのか主人公は普通の人間、それも三枚目ではなくわりとイケメンにしてみたのですが、これも最後まで大した人気を得る事が出来ずに翌年の早々に連載打ち切りとなり、ついにゆでたまご先生はその後少年ジャンプでの連載を持つ事がなくなった…

その後は他誌に移って「トータルファイターK」「ライオンハート」「グルマンくん」等を描いていたのですが、これらの作品を知っている人はほとんどいないでしょう。
一般的には消えた漫画家扱いとなっていましたが、もはや開き直ったのか自分たちには「キン肉マン」しかないと気付いたのか、前者の連載終了から10年以上が経って週刊プレイボーイで始めた続編「キン肉マンII世」で再び脚光を浴びて現在に至るわけで、かつての大ファンとしてはやっと安心しましたよ。

「蹴撃手マモル」に話を戻すと、こちらは単行本がJC(ジャンプ・コミックス)で全4巻。
私は連載当時中学1年生だったので、まだ全員がジャンプ読んでる時代でしたし周りの男子の間ではそれなりに流行っていたんですよ。チャランボ、チャランボ、とかやってましたねぇ。
ゆでたまご先生は高森朝雄(梶原一騎)原作、中城健画の同じキックボクシング漫画の名作「紅の挑戦者」を勉強のため読んだのでしょう。とても良く似た内容に仕上がってます。いや、好きな物をそのままパクるのが得意なゆでたまご先生にしては多少設定を変えている方ですが…
もちろん「紅の挑戦者」以外にも、多々他作品からの影響がうかがえる場面があります。

ストーリーなどを説明すると、主人公の蹴田マモルは走り高跳びの天才中学生で、陸上競技大会に出場するためタイに渡っていました。ちなみに日本で彼が通う学校名は"寺安府(じやんぷ)中学"という名前でした。
オフの日にガイド(可愛い女の子)のプーアンに連れられて日本選手団と共にバンコク市内を観光していると、たまたまムエタイの偉大なライト級チャンピオンであるキング・パイソンが、脱走した門下生達に制裁を加えている場面に遭遇します。

このキング・パイソン(ニシキ蛇王の意を持つリングネーム)は、プーアンの説明によると
『1歳の頃よりムエタイ道場に通い 中学生の頃には道場で彼の相手になる選手はいなくなってしまい そして20歳の現在バンコク ライト級チャンピオンとして無敗の快進撃を続けているのです…』
との事で、胸にはニシキヘビの頭の刺青をしている"ニシキ蛇会"の総帥。

彼の強さに衝撃を受けたマモルはムエタイを忘れられなくなっている所に、たまたまキング・パイソンが出るラジャダムナンスタジアムに駆け込んだら、対戦相手は3年前にムエタイ打倒を決めて格闘技修行のため家を出た兄のイサオでした!
結果はイサオの攻撃を一撃も受ける事無くキング・パイソンの圧勝。しかも圧倒的な力の差がありながら必殺技の『パイソン・ブラッシキック』まで使って兄を残忍に痛めつけた事にキレたマモルは、リング上のキング・パイソンに向けて走り高跳び仕込みのジャンプを生かした蹴り『ベリーロール・ソバット』を放つ!!

これが当たりはしなかったものの、風圧でキング・パイソンを吹っ飛ばすのです。
しかし、続けての攻撃はまるで威力の無い素人キック。ここでキング・パイソン、
『このガキ 一撃目のロープ越しのソバットは プロのリングでも通用する蹴りであったというのに…その後の蹴りはまったくの素人…』
とあきれるのですが、このセリフはお分かりですね。
そう、「あしたのジョー」でジョーこと矢吹丈が、力石徹に初挑戦した時の
『さいしょのジャブだけがプロなみの本格で あとのパンチは まるっきりの子どもだましだとはな』
と言われるシーンそっくりですよ。
この後、他にも「あしたのジョー」から頂いたと思われるアイデアなどもどんどん出てきます。

とにかく、これによりキング・パイソンは素人である蹴田マモルの挑戦を受け、しかし条件として三ヶ月以内に挑戦してくる事と、その前にニシキ蛇会の弟子四人全員に勝ち抜く事を言い渡すのです。
さらにマモルが逃げ出さないように、兄のイサオに『九十日殺し蛇刻印』なる秘技をかけます。これはイサオの足の甲の骨を折り取り、その骨片が体内にを巡ってちょうど九十日後に心臓に突き刺さって死ぬ、という物。
本当にわずか三ヶ月(九十日)でムエタイの特訓をし、さらにキング・パイソンを含め五人を倒さなくてはならなくなったマモル…当然走り高跳びの選手としての自分も三日後に控えた大会も捨てて頑張るのですが、打倒キング・パイソンは果たせるのか!?

マモルの小学校時代からの仲間にしてデブなのに日本陸上選手団の1人である部田丸男、そしてガイド女子のプーアンも協力してくれて、マモルはバンコク中のムエタイ道場に入門を断られながらも最後に訪ねたチェンマイ西部のストープ山に住むゼペット・チャンガーという幻の達人に惚れ込んで追い掛け回し、ついには入門を認められて修行を始めます。
しかしチャンガー家が代々伝承してきたのは、ムエタイと起源は同じで、よく似ていながらも非なる格闘技・バツヤリ(うちのパソコンでは漢字出せない…)なのです。
つまりマモルはバツヤリを習うのであって、ムエタイ(=タイ式キックボクシング)ではないのです。そうするとこのタイトルではおかしい事にもなりますが、それは突っ込んだら酷というものでしょう。

マモルは人並外れたジャンプ力以外にも格闘技の天才的センスを持っているし、名前まで『タイでは強さと勇気の象徴』であるマモォール鳥と似ているのでゼペット・チャンガーを驚かせ、唯一のバツヤリ道場練習生仲間である10歳の少年、タノン・ムアスリンとも親しくなり…
厳しく、しかしそこは漫画なりのユニークな修行によって防御(ディフェンス)、蹴り(テツ)、ヒジ打ち(ティー・ソーク)、そして首相撲からのヒザ蹴り(チャランボ)までを苦労しながら次々とマスターしていったマモルは、何故か関西弁で喋るでしゃべるバナナ好きの大巨人・ヒガンテをニシキ蛇会前の特訓として倒し、『悪魔の舌震い道』の難関をもクリアして、マモォール鳥の頭飾りとバツヤリ道場のライセンスを取得しました!

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となるといよいよ、ニシキ蛇会の五人を倒して兄の命を救わなくてはなりませんね。
ちなみに敵の五人は全員横並びになると胸の刺青がつながって一匹のニシキヘビになるのですが、これは子供心にもどうかと思ったものです。頭の刺青であるキング・パイソン以外は胴体とか尻尾で酷い、メンバーの誰か抜けたらどうするのかと…

いよいよ決まった試合の前日までルンピニー公園で特訓したマモルは、まずニシキ蛇会の1番目の相手…
マモルと同じ13歳でもある、チンタオ・スコルピオンとの対決です。
彼は「あしたのジョー」の金龍飛が使うダウンを許さない必殺技・舞々(チョムチョム)から頂いたアイデアであろう『ティムティム人形の舞』を必殺技に持つ強敵。
その技を使う時のスコルピオンはどう考えても空に浮いてますが、マモルはマモルでリングに両足をめりこませて身体を竹のようにしならせてかわす離れ技を開発して勝利しました。

内容には全く関係無いのですが、3巻に収録されているこの戦いの決着が着く話「ACT.22 ニシキ蛇会 死の掟!!」の扉絵で、マモルがブルース・リー映画「死亡遊戯」のトラックスーツを着ています!
その上から短パンだけ履いちゃってますが、これはブルース・リー好きでもあるゆでたまご先生の遊びでしょう。デザイン者もブルース・リーだと言われるトラックスーツをこんな所でも見れて、私も嬉しい。

マモルの態度を受けて改心し、友情まで築いたスコルピオンでしたが、ニシキ蛇会死の掟によってボロボロにされ右手も折られる制裁を加えられてしまいました。
それを実行したマンティス・ボーイがマモルの2番目の相手で、自分もやられた上でその光景を見ていたマモルは『オ…オレは今まで これほど怒りを感じたことはない~~』と涙まで流しますが、これも「あしたのジョー」でジョーが力石に…って、もうイチイチ突っ込まなくていいですよね。

マンティス・ボーイとの対戦前は車イスに乗った兄・イサオが弟・マモルに特訓指導しているのですが、この様は正にいけうち誠一の、アクション漫画作品で「大型熱血空手漫画 虎の兄弟」そのものじゃないですか。
ゆでたまご先生は他作品から流用しているアイデア多すぎて、それを全部書いてるとイジワルな読者みたいで嫌だから、ばらすのはこんなもんにしておきます…

ところで、せっかくゆでたまご作品にしては類を見ないくらいリアル路線で攻めた格闘技漫画の「蹴撃手マモル」でしたが、マンティス・ボーイは人間離れしすぎていて、ほとんどいつもの超人、または妖怪。他のニシキ蛇会員もそうですが、ヘッドギアやグローブもおかしすぎるし。
荒唐無稽なのが持ち味な作者でもあるので、それでこそ面白いとは思うのですが…既に書いた通り、このマンティス・ボーイに勝利した話までで打ち切り。今度はラスボスまで遠すぎる時点で終わったからか、単行本に描き下ろしで物語に結末を付けてくれるような事もありませんでした。
(連載決定前に同年のジャンプで掲載した、前身となる読切作品「KickBoxer マモル」は4巻巻末に収録されています)

ただし本来ならニシキ蛇会の3番目、4番目の相手だったダニエルクロコダイルが一気に出てきましたよ。
彼らもまた異様で、ダニエルはムエタイ選手なのに逆立ちしているカポエイラの使い手だし(最初からダウンになるのでは?)、クロコダイルは必殺技も出なかったけどヘッドギア、いや、かぶり物のインパクトが強すぎます。
タイのムエタイ界でランキング上位を独占している選手達なのに、何でここまでニシキ蛇会はキワモノ揃いなんでしょうか!?
タノンとヒガンテもそれぞれウサギさんとゾウさんのかぶり物…いや、ヘッドギアをしてマモルのためにリングに上がり、ってバトルロワイヤルでもするつもりでしょうか。
この場面で、イサオの命とニシキ蛇会打倒の猶予期間残り三十三日という時点での連載終了でしたが、これは続いたらもっと路線変更やらあってメチャクチャやってくれて面白くなっただろうになぁ。
アシスタントが描いてるにしても最後の方は特に観客の絵が酷すぎたり、投げやりになってきてたし。

キング・パイソンとゼペット・チャンガーが実は顔なじみで、それどころか過去に因縁があったようで、それは
『おまえがこのままニシキ蛇会に順調に勝ち抜いていけばいずれわかる時がくる…』
との事でしたが、勝ち抜く所まで描かれなかったために永遠の謎となりましたよ。いつか作者にお会い出来たら、聞かなくちゃなりませんね。

また、日本は回想シーンでしか登場しない、ずっとタイが舞台の作品でもあるので、タイ好きでもある私にはポイントアップ。20年前の少年ジャンプ連載である事を考えても結構凄い事ですよね。
タイ旅行に行く予定がある皆さんには是非、読んでから行ってもらいたい。そして『ここに四十八裸闘人がいる鍛練館がある』とか、そんなのを見つけたら教えて欲しい。

最後に…もう大人になってから、というよりわずか数年前ですが、ある衝撃の事実が発覚した事があります。いや、未だ謎なんだったかな。
ちょうど私が率いる秘密結社内での会議の合間にですね、当時世間で盛り上がってきた「キン肉マンII世」の話題から、ならば「蹴撃手マモル」の再評価を望む、いや続編を描いて欲しいなどと意見を出してみた所、ある結社員が
『マモルといえばチャランボ、というほどあの技の名前は普及したけど、あれってゆでたまご先生の造語らしいですね
などとポロッと言ったのです。
ええーっ!!本当!?とその時は驚いて、でもそんな話題は他のどこでも出ないからそのまま忘れていましたが、今思い出しました。どうなんでしょうね、実際は。あと、蹴りを全て『テツ』とルビふってましたよね。
『スネ蹴り(テツ)、ロー蹴り(テツ)、ミドル蹴り(テツ)、蹴り(テツ)連打ー!!』といった具合に。

それでは今夜は、出番が少なかったけど好きだった、ラァン・ティン巻き一筋何十年の大名人!"心のドクター"ことバカンボの言葉でお別れです。


パンチや蹴り(テツ)を喰らうことは それほど悪いことでもないんじゃぞ
考えてみろ カマドで陶器を強い火で焼きあげれば 色あせることのない丈夫で立派な器ができる
それと同じように困難や苦しみの烈火にさらされた人間は 絶対の強さをほこるようになる!



  1. 2010/11/15(月) 23:36:00|
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週刊少年ジャンプ(55) ゆでたまご 1 「ゆうれい小僧がやってきた!」

今夜はいよいよ、ゆでたまご先生。
いわずと知れた「キン肉マン」の作者なので、私に近い世代の人々は分かると思いますがジャンプといえばゆでたまご先生が一番のスター漫画家…そんな時期もありました。

そもそも『ゆでたまご』というのは嶋田隆司原作&中井義則作画の二人組合同ペンネームです。二人は大阪市の小学校で出会い、小学5年生の時にはキン肉マンというキャラは誕生していたのだとか。
中学校から本格的に合作し(原作と作画を分担したのは高校時代から)、漫画家目指して投稿を続け…家庭の事情で高校卒業までに漫画家になれなければ夢を諦めなくてはならなかったのですが、1978年に見事「キン肉マン」で第9回赤塚賞に準入選し、同作が翌年に週刊少年ジャンプに掲載されデビューしました!!

藤子不二雄ばりの『まんが道』を共に歩み続ける二人ですが、そのデビュー作の時点では絵は下手クソだしギャグも面白くないんですよ。
当然編集部内でも評判良くなかったのに、出ました当時の編集長…西村繁男。彼だけは二人の素質を見抜いて大阪の親まで説得し、秘蔵っ子扱いでプロの漫画家に育てていくのです。
そう思えば担当編集者の技量や『発見の才』如何によっても、漫画家は才能を引き出されたり出せずに終わったりする事が日常的にあるのでしょうね。

「キン肉マン」がデビュー作にしてとんでもないヒット作となった事は誰でも知っているでしょう。私も保育園児時代からずっと心を熱くして見てきた作品で、当然単行本は何度も読み返してキン消し集めも熱中したし、スピンオフ作品で同じくアニメ化もされて人気を博した「闘将!!拉麺男」も大好きだった…

そんな大事な大事なゆでたまご作品ですが、今回は「キン肉マン」が連載終了した1987年、さほど間も空けずに同じく週刊少年ジャンプにて連載された…
「ゆうれい小僧がやってきた!」を紹介しましょう。
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実はこれ、「キン肉マン」連載中に読切作品として掲載されていて、評判が良かったために連載が開始されたのでした。その読切版も『妖の零』(第0話)として単行本第1巻に収録されています。
毎週発売されるジャンプだけが楽しみで、辛い学校生活にただ耐えていた少年時代の私…
初めて見るゆでたまご先生によるキン肉マン関連以外の新作は新連載から3号連続巻頭カラーというスペシャル扱いで始まり、しかも好きなホラーテイストのある妖怪モノでしたから、それは楽しみでワクワクしながら読み始めたものでした。


江戸時代の日本で悪行を重ねていた108匹の妖怪達を、神の命を受けた『正義の妖怪』である亜鎖亜童子(アーサアどうじ)が伊山諸島最北部にある王島に封じ込め、自分の姿をした石像を妖怪封じの守り像として立たせていたが…
200年が経った現在(1986年)、かの地の大噴火が原因で亜鎖亜童子の石像が真っ二つに割れ、封じ込められていた108の妖怪も甦って日本中に散らばってしまいました。
再び108の妖怪達を退治すべく、神は石像に命を与えて亜鎖亜童子も復活するのです。

いきなり6ページをかけたこのシリアスなオープニングの後、2人の少年が"賽の河原中学校"に転校してきていよいよ本編のスタート。
2人の少年とはもちろん主人公で…恐山百太郎(おそれやまももたろう)と恐山琴太郎(おそれやまきんたろう)。双子の兄弟を名乗ってますが、タネをばらせばオープニングで二つに割れた亜鎖亜童子の石像が姿を変えて二人の少年になっているのであり、百太郎と琴太郎が合体すると、再び完全無欠のパワーを持つ亜鎖亜童子となるのです。
これはやはり、さいとう・たかを先生の名作「バロム・1」…それも東映の特撮テレビドラマ「超人バロム・1」の方から頂いた設定でしょうか。

とにかく百太郎と琴太郎が合体して亜鎖亜童子となり、賽の河原中学校を舞台に起こる怪奇事件を解決しつつ悪の妖怪を倒していく…それが基本ストーリーであり、108匹の妖怪達を退治するのが目的だったわけですが、その設定はすぐに崩れていきました。
始めのうちはゆでたまご先生がグロテスクさも強調した学園・妖怪物語に挑戦していたのですが、すぐに飽きたのか、いやおそらくは人気が出なかったのでしょう。路線変更し、そのイメージから脱却したかったはずの大ヒット作「キン肉マン」に近づいていくのです。

妖怪は『善行妖怪』と『悪行妖怪』に分かれている事が分かり…つまりこれは「キン肉マン」でいう『正義超人』と『悪魔超人』。
しかも出てくる妖怪というのはいわゆる民間伝承されているモノなどではなく、ゆでたまご先生お得意の、そして「キン肉マン」で大成功した手法で、読者に考えてもらって募集したオリジナル妖怪。ちなみに今回は妖怪以外にも、キャラクターが使う妖怪退治霊具までも読者応募によるものでした。
これがもうあからさまな「キン肉マン」の焼き直しで、『超人』と『妖怪』に特別な定義や区切りも無いため、呼び直しているだけだとしか思えないのです。
そもそも主人公の亜鎖亜童子にしてからが、まだ連載中だった「キン肉マン」に向けて読者が応募してきた超人・アポロンマン(「キン肉マン」の単行本でもJC35巻で確認出来ます)の流用!他にも三面地獄という一応主要キャラである善行妖怪はほとんどアシュラマンでは…

そういえば、宮崎県にあって悪行妖怪の隠れ家であり人間界征服のための攻撃基地でもある洞窟が"夥赤血峰"(たかちほう)という山にあるのですが、これは日本神話の故郷でもある高千穂峡(同じ宮崎県)がモデルでしょうか。
そんな彼ら、恐ろしい敵であるはずの悪行妖怪界のトップに『悪行妖怪界三幹部』と呼ばれる麒麟男爵ヨロイ蜂蛇喰入道なる奴らがいましたが、彼らはあまり強くもカッコ良くもなかった。

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そして『決戦!!日本妖怪VS西洋妖怪編』という、あからさまなバトル物へと移行していきます。
悪行妖怪よりもっと怖い西洋妖怪が日本支配を狙ってきたら、日本妖怪には善行妖怪にも悪行妖怪にも属さない未知の恐ろしい妖怪がたくさんいるという事になり、西洋妖怪に対抗するための妖怪選抜会の開催。
しかも108匹の妖怪退治という目的はどこかへいってしまったどころか、せっかく倒した陰陽入道どろべら蝦蟇あやし百猫妖怪をあっさり復活させて一緒に西洋妖怪と戦おうとするのですよ…

その妖怪選抜会では日本妖怪同士で殺し合う結果になっているのが矛盾してますが、とにかく選ばれた日本妖怪代表は7人です。
亜鎖亜童子(百太郎と琴太郎)、副将格に同じく合体妖怪の摩亜照童子(マーテルどうじ-山彦と海彦)、青銅魔、朱雀鬼、蝦蟇あやし、捕血豈棲、三面地獄。
彼らが感情を失くした赤ん坊の毬理男を西洋妖怪の手から奪い返すため、青森県の恐山に作られた様々な仕掛けの中で決戦するのです。
霊魂を7分割された毬理男の争奪戦で決着を着けようとするのですが、これはそのまんま「キン肉マン」『7人の悪魔超人編』においてミートの体を7分割にして奪い合ったのと同じ設定ですね。

もう全然妖怪漫画ではなくなりましたが、開き直って「キン肉マン」系のトンデモバトル漫画を楽しもうと思えば、なかなか面白くなってきました。
学園モノでもあった初期に出ていた賽の河原中学校の非影狼呪井三途霊子四谷巫子…名前も良い彼らが出なくなったのは惜しいですが。
ともかく亜鎖亜童子が合体出来ずに百太郎だけで強敵と戦う事になったり、西洋妖怪編から突然出てきた味方妖怪達にもストーリーを背負わせて趣向をこらしてもいます。

そういえば、最初はおしのキャラなのかと思われた…すぐに話せるようになっても人形使って腹話術のように話していた琴太郎はいつの間にか自分で話すどころか饒舌に解説とかしてくれてますね。しかも語尾に『だぎゃ』が付きます。それぞれの妖怪達に出身地を設定しているのですが、東京都出身であるはずの琴太郎が何で名古屋弁を!?

敵である西洋妖怪の7人は、リーダー格は凶竜妖怪エルシリア、他にMr.ハロウィン蟹男コマンドー・ゾンビ食屍首デオドーラゴルゴダ・聖柩トーテム・キッド
いくら何でも蟹男はないだろう…ひねりの無いネーミングそのままの姿をしているこいつはフランスのマルセイユ出身なのですが、マルセイユではそんなに蟹が有名でしたっけ?
他にリビア、スーダン、エクアドル等、少年読者が考えてるにしてはマニアックな出身国の設定が目に付くのが微笑ましい。

戦いは続き、いよいよ第5巻。これが最終巻となります。
YUDETAMAGO-ghost-boy5.jpg

蓋を開けてみればほぼ日本妖怪の圧勝で進み、最後に残る強敵にしてラスボス・凶竜妖怪エルシリアを倒すべく、ついに合体できた亜鎖亜童子が妖葬霊縛の杖を持って向かう…
という所で、何と無念の打ち切り!!バトル物に路線変更して盛り上がったかに見えた「ゆうれい小僧がやってきた!」ですが、人気を得る事は出来なかったようです。
わずか1年弱の連載で、敵を倒さずに未完のまま終わったこのラストシーン!当時小学生だった私の悔しさはよく覚えています。

だがしかし!
最終の第5巻には最終回に数ページ描き足す形で、凶竜妖怪エルシリアとの戦いに決着を付けているのです!!
でもこの部分はアシスタントの手によるのでしょうか、絵柄が変わっているのです。ラスト数ページで見られる亜鎖亜童子の顔など、ビックリしました…見なきゃ良かったかも。

もしも打ち切りにならなかったら、このまま「キン肉マン」の焼き直しで続けていたのでしょうか。それも見たい。
キムチが大好物で三角形の物が苦手(その理由がまた良い)とかの設定はあまり生かされなかったし、ゆでたまご作品は設定もすぐに変わっちゃって突っ込み所満載な部分も見所ですよね。

百太郎と琴太郎の皮膚はリバーシブルになっていて、裏返ると強靭な皮膚になるのですが、裏表自在というのなら通常を強い裏側にしておけなかったんですかね。
それはともかく、わりと丁寧に描かれている二人の皮膚裏返りシーン…肉体が口からズルズルとめくれていくシーンは連載当時から印象深かったものでした。


オロロ~ン
オロロ~ン
どこかに人を惑わす妖怪おらんか~
どこかに人を泣かす妖怪おらんか~
ゆうれい小僧がやっつけてやるぞ~



  1. 2010/11/09(火) 23:47:20|
  2. 週刊少年ジャンプ
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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