大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

楳図かずお(23) 「蝶の墓」

楳図かずお作品より、「蝶の墓」(朝日ソノラマ刊)です。
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朝日ソノラマから出た『シリーズこわい本』のシリーズの2巻目に当たり、画像の左は1983年初版のサン・コミックス版で、右は1990年に同内容を装丁変えて再出版されたハロウィン少女コミック館版。

ハロウィン少女コミック館版の初版時に付いてた帯を巻くと、こう。
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今回の「蝶の墓」は単行本1冊を丸々使った長編で、初出は1969年のティーンルック(主婦と生活社刊)で連載された作品。
物語は主人公・丘ノ上めぐみの母の悲しい一生を語る所から始まります。彼女はまだ赤ん坊だっためぐみをかばってベランダから落下死したため、その事に罪悪感を感じながらもめぐみは10代の美少女に成長しました。
ただ罪悪感こそ抱えながらも何不自由ない家庭に生まれためぐみには異常と思われる部分があり、それは蝶々恐怖症。普通人間が怖がる対象ではない蝶を病的なまでに恐れるのですが、ただの蝶にあの楳図かずお作品特有の大口をあけて『きゃーーーっ』と(もちろん描き文字も怖く!)恐れる描写がされるのだから、滑稽ですらあります。

物心付いた頃からハッキリ蝶が怖かっためぐみですが、周りはもちろん自分でも分からないその原因というのが物語のキーポイントになります。
母の命日別荘へ墓参りに行くと、片目で口も不自由な墓守りの多吉なる醜い男も出てくるし、めぐみの病気もひどい方へ進展していき…めぐみにしか見えない幻の蝶が現れて不思議な力を見せてくれるのですが、これは何の意味があるのか!?

父の再婚相手の女が登場すると物語も佳境に入ります。
めぐみはその女を蝶だ蝶だと騒いでキチガイ扱いされてついには精神病院に入れられますが、女も『わたしは蝶ではない!わたしは蝶ではない!』と自ら言い聞かせ、何らかの恐怖を感じている様子…
蝶恐怖症の原因として、めぐみの物心付く前の恐怖体験がトラウマとして残っていた事が判明しますが、それと同時にある殺人事件が暴かれるのです。
物語の筋立て、展開の見事なサイコ・サスペンスであり、意外な結末まで突っ走る後半の展開は興奮もの。

めぐみが母親になっている後日譚まで、楳図かずお作品有数のきれいなまとめ方で終わっています。
それから今回強調している蝶の"絵"としての美しさ…凄い。耽美的な傑作として評価も忘れてはなりません。
あるインタビューでは、あの伊藤潤二先生が『蝶の墓は長編として、私の理想とする作品。芸術作品である。』と答えていました。

今作でもスターシステムが使用され、「ロマンスの薬」に出てた、オバQ似のチュー子や眼帯女子の姿も見えます。
(これは多いので、もう次回から書かなくていいですかね)


蝶はおそろしいわ!
蝶は悪魔よ……蝶は…よくないのよ 不吉よ…
蝶は世の中の邪悪のすべてよ!



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  1. 2012/06/25(月) 23:00:00|
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楳図かずお(22) 「映像(かげ)」

楳図かずお作品より、「映像(かげ)」(朝日ソノラマ刊)です。
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朝日ソノラマから出た『シリーズこわい本』のシリーズの1巻目に当たり、画像の左は1983年初版のサン・コミックス版で、右は1990年に同内容を装丁変えて再出版されたハロウィン少女コミック館版。

紛らわしい事にサン・コミックス版が全12巻、ハロウィン少女コミック館版が全15巻と、少し内容が変わってくるのですが…
後者の初版時に付いてた帯を巻くと、こんな感じ。
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帯の裏にはサン・コミックス版と同じく12巻までのタイトルが書いてあり、つまりこの時点ではハロウィン少女コミック館版もサンコミ版と同じく全12巻にするはずだったのが、どうせならサンコミで他に出ていた3冊もシリーズに入れちゃって全15巻にした、という事でしょう。

シリーズを名乗ってはいますが特に共通する設定やキャラなども見当たらず、それどころか掲載年も雑誌もバラバラに短編・中編・長編を寄せ集めただけ…しかし楳図かずお作品を語る上で重要な、そしてレベル高い作品の宝庫なので、順に紹介していきましょう。

今回は第1巻目、「映像(かげ)」
表題作は1968年のティーンルック(主婦と生活社刊)で連載された作品で、人々に"鏡やしき"と呼ばれる立派な洋館に生まれた少女・花野絵美が主人公。
館の中央に古く大きな鏡があり、小さい頃から鏡に自分を映す事が大好きだった絵美は、中学一年生で既にプロポーズされ、ボーイフレンドの申し込みは数えきれないほど美しく成長しました。それを十分に知っている絵美は自らの美しさに見とれている…これぞ正しいナルシシズムの姿。

しかし高校生になった頃から誰かの憎しみを込めた視線を感じるようになり、ある日…鏡の中の絵美が人格を持って出てきて、こちら側の絵美に成り代わるべく動き始めるのです!
その行動は狡猾で、ある作略にはまると誰もが振り向く美しさだった絵美は町で『女こじき』と蔑まされ、家族からは怖がられて精神病院に入れられそうにまでなるのです。親友にまで根回しされて、自分はこの世界で一人ぼっちと思わされたその時、今まで全く相手にして無かった同級生の男子・若殿とその妹・みつこと関わって気も持ち直し、かげに対抗する解決策も思いつきました。
この二人にかなりのページ数を割き、恐怖漫画の中にギャグ場面を挿入する工夫は珍しい企みであり、効果的に殺伐とした雰囲気を和らげていて面白いですね。
一応書いておくと…この作品でも「ロマンスの薬」のチュー子が同級生として登場してます。

併録作品が、「谷間のユリ」
これは1972年の女性セブン(小学館刊)にて掲載された短編で、かなりの傑作。地味な顔…いやリアリティあふれるそれは はっきり書くと『ブスな顔』であり、そのように生まれたために婚期を迎えながらも孤独に生きるOLが、本編の主人公。
彼女の独白で物語は進みますが、この文学性を持たせた人間ドラマの感じは…おお、超名作「イアラ」を髣髴とさせます。ただ実直に生きてきた大人の女性が負のエネルギーを爆発させてある行動に移り、そして知った人間の心、それから贖罪。人間の美醜というものにこだわり、描き続けてきた楳図かずお先生だからこそ描けた女の業に刮目せよ!


あなたは認識を改めなくてはいけないわ
わたしから見ればあなたのほうが かげよ!
あなたこそ鏡に写っている わたしのかげよ!
あなたたちは自分が本体だと思っているけどちがうのよ
べつに信じなくてもいいの
おろかな者ほど 常識のわくからはみ出ることをきらうのよ



  1. 2012/06/23(土) 23:59:38|
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楳図かずお(21) 「楳図かずおの呪い」

楳図かずお作品より、「楳図かずおの呪い」(朝日ソノラマ刊)です。
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サンデーコミックス楳図かずお作品はほぼ紹介しましたが(訳あって飛ばした物もあり)、こちらも重要レーベルで…そろそろハロウィン少女コミック館から上梓した作品も紹介していこうと思うのです。画像の左は1986年に、右は1989年に同内容を装丁変えて再出版された物。

まずタイトル作の「楳図かずおの呪い」は、1986年にハロウィンで掲載されたシリーズで、
『第1話/ビデオカメラに何が写ったか?』
『第2話/4の恐怖』
『第3話/幽霊屋敷』

という3話の短編からなっています。
これは1990年にアニメ化されていて、そのビデオは持っていますが…内容は原作に忠実ながら「ビデオカメラに何が写ったか?」「幽霊屋敷」だけの2話構成になされていました。うーん、「4の恐怖」を省かれたのは無念でした。

「第1話/ビデオカメラに何が写ったか?」は、まさみの通う"桜ヶ台中学校"にメキシコから帰国した小川りまという美人が転校してくる所から物語が始まります。
まさみは彼女と目が合ったとたんにゾクーッとしてしまい、とても怖い夢を見るようになります。そして喉元に小さな傷が残っている…。その謎を解明すべく相談する相手が同級生の謀図(ぼうず)くん!もちろん楳図先生に似た少年なのですが、彼のアイデアによりまさみは自分の寝ている寝室を盗み撮りする事にしました。
さぁ、タイトルの通り『ビデオカメラに何が写ったか?』というのがこの話。撮影した映像を怖くて見れないというまさみの代わりに見てくれた謀図くんはその後で変死し、ついにまさみ自身が知った真実とは!ヒー、怖い!!

「第2話/4の恐怖」は、女学生・水月理子が自分の通う学校で先生達が集まってしていたある話し合いと儀式を目撃してしまいます。あの先生もあの先生もあんな事を1?そして理子が見ていたのは気付かれたのか…そして、降りかかる受難。

「第3話/幽霊屋敷」は、興味本位で幽霊屋敷を探検に行き、しかもそこにいた『霊的なもの』をからかった少女達の話。その場は逃げ出したと思われたのですが、後日彼女達のそれぞれ別の部位に傷痕が付いているのに気付きます。その謎とは…!?
オチの持っていき方も見事であり、さすが「神の左手悪魔の右手」を連載開始した年に描かれた作品だと納得のグロテスクさを持った怖い話でした。

さてこのシリーズ、ある効果を上げるためにナレーションで楳図かずお先生が登場します。しかも、ロッカーに扮したこの姿で…
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こちらは漫画の通りにコスプレした写真ですが、このメイクって対談も二度している大槻ケンヂさまの影響でしょうか!?

この単行本には最後に短編「悪魔の数式」が併録されています。これは初出が1973年の高二時代(旺文社刊)で、この作品が恐ろしいタイトルとうらはらに…何とギャグ漫画。それもそのはず、掲載当事のオリジナルタイトルは「愛の方程式」でした。
"青葉高校"の男子生徒であるピタゴラス『数学きちがい』と噂される変わり者で、いつもの通り数学で遊んでいたら偶然にも発見した方程式は…自分の意識を他の物に乗り移り、果ては変身出来るようになる物でした!
ピタゴラスが乗り移るのはハエやクモや蝶や、何とパンティーまで…そんな物の目線で見て初めて分かる人間の姿がお下劣で可笑しすぎるのですが、これはまだ連載開始前だった「まことちゃん」(「アゲイン」のスピンオフ読切としては登場していた)のノリそのままで、物語にもまこととピョンコがたった2コマだけ、しかし効果的に登場しています。ついでに、赤塚不二夫作品からイヤミも!

朝日ソノラマからはこの「楳図かずおの呪い」の他に『シリーズこわい本』が続けて出版されていきますので、次回から順に紹介していく事にしましょう。


思い出したっ
全部思い出してしまったっ
わたしだった!!



  1. 2012/06/21(木) 23:59:47|
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旅行・紀行・街(120) 東京都世田谷区 1 「地上最大の手塚治虫」展…等

先日は巷で話題の『地上最大の手塚治虫』展へ行ってきました。
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会場は芦花公園駅近くの"世田谷文学館"
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会場に向かう途中の景観も良く、芦花翠風邸や…株式会社ウテナ(UTENA)!?
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「少女革命ウテナ」ファンとしては嬉しい会社ですが、化粧品メーカーですね。
ここのバス停の名前まで『ウテナ前』で、かつ目の前が"芦花公園女子学生会館"だというのも出来すぎてる感じでドキドキしちゃいます。
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絶対運命黙示録…「少女革命ウテナ」は、何と音楽担当がJ・A・シーザーさま!サントラたくさん出してましたが、私も10枚ほど持っているのです。

そして到着。
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この世田谷文学館、2階展示室が「地上最大の手塚治虫」展の会場です。
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入場チケットの半券。紙質まで良い。
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宣伝ポスターもですが、デザインが素晴らしいので調べてみたら、アベキヒロカズ氏の手によるもの。

肝心の企画展は感動しっ放しで、かなり時間かけて回りました。
手塚治虫先生の愛用品、代表作を中心とした解説や原稿・原画…そうだ、「ブラックジャック」の『二つの愛』を1話丸々原画で読めました!!
全人類の歴史的に見てもベストテンに入るであろう偉大な手塚治虫先生の直筆物は、貴重な文化遺産。ずーっと前に行った兵庫県の宝塚市立手塚治虫記念館以来で観ました。

撮影許可の下りているポイントは3箇所のみで、まず入口のアトム、
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サファイア王女、
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そしてブラック・ジャック。
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出口では通常読者が手塚作品に触れる手段である印刷物(漫画単行本)で読めるスペースがありましたが、置いてる本は現行されている文庫や、全集ばかりだったのはちょっと残念。読んだ事ない貴重な作品も手に取れたら嬉しかった…
今年の4月28日から始まり7月1日までやっているこの展示会、まだ間に合いますよ!

ちなみに私、着て行ったTシャツはコレ。この場所に手塚キャラTシャツで行ったらオタクかと思われるので避けたのですが、
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異色のデュオ・KIRIHITO(キリヒト)のTシャツで…確か彼らの名前の由来は「きりひと讃歌」からだったと思います。
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そして、今回はついでに東京都世田谷区観光です。
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まずは「地上最大の手塚治虫」展会場の世田谷文学館がある南烏山
最寄り駅の芦花公園駅周辺だと、渋いアーケード街・丸美ストアー、
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その入口にある"アイバンラーメン"(ivan ramen)は有名ですね。
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オープン!
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店主がアメリカ人で、ニューヨークでシェフをやってた方。「たんぽぽ」(…と店頭に書いてましたが伊丹十三監督映画「タンポポ」の事でしょう)に感銘を受けてラーメン屋を始めたのだとか。
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ローストガーリック麺、
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スパイシーレッドチリ麺。
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他に、醤油ラーメンや塩ラーメンもありました。
ところで外国人がラーメンを作るといえば、「タンポポ」のオマージュ作品として少しだけ話題になったアメリカ映画「ラーメンガール」が数年前に公開されましたね。20年以上の間が空いているものの両方に山崎努が出演しているし、主人公を可愛い白人女性にしたのはなかなか良かったのですが…その主演者、ブリタニー・マーフィは翌年亡くなってしまいました!
なんにしても、外国人がラーメン産業に参入する事によって新たな味が出てきたり進歩するなら、大歓迎です。

八幡山では、何といっても精神科専門の"東京都立松沢病院"が有名です。
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歴代佐川一政他、膨大な数のガイキチを診てきた所だけに、様々な噂も絶えませんね。

その周りの"松沢けやき公園"。
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ここにはリスのオブジェが地味にたくさん有ります。
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そしてキノコ。
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映画「カッコーの巣の上で」よろしく、凶暴な患者もロボトミー手術で植物(キノコ)や小動物(リス)のようにする、という病院からのメッセージでしょうか。

続いて、千歳船橋の商店街。
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かつて環八沿いに"宮崎ラーメン日向屋"という有名店がありましたが、その姉妹店としてオープンした"豚骨らーめん ひむか屋"がここにあります。
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本店及び各地に出店していた日向屋グループのお店は全て閉店して現在はここしかないとの事で、半ば焦りつつ食べに行きました。

まず餃子、
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ラーメン、
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宮崎ラーメン。
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その先の住宅街の中に、最近オープンした担々麺の専門店の"よつ葉"があるのですが…残念ながら閉店日でした。
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経堂
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南口のハートフル農大通り商店街には…
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ハートフルファミリーが立っていて、ゆるキャラにしてはちょっと不気味。
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古本屋の"おもしろ文庫 大河堂書店"、
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北口方面の経堂すずらん通り商店街には…
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"遠藤書店"などの古本屋があるので、わりと来てました。
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経堂にはかつて、もっと個人経営の古本屋がたくさんあったのですが…久々に行ったらほとんど無くなってますね。

私が東京で一番多く食べてきた、安くて美味い…"せい家"の本店はここ。
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そんなわけで以前せい家目当てに経堂へ来て、聖地巡礼的にラーメンを食したのですが、特に本店だからどうという事もない結果に終わりました。

"らあめん英"。ここも前に食べた事があります。
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ああー、芦花公園にあったアイバンラーメンがここにも出来てる!
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これが2号店で、"アイバンラーメンPLUS"となってました。残念ながらこの時は休み時間でしたが。
メニューが外に貼ってあったので見てみると本店と変えていて…チーズまぜめん、塩ラーメン、しょうゆラーメン、あごだしラーメン、つけめん、という事でした。

最後にからあげ専門店の"すごいっ手羽"
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楽しんごちゃんも来ているこの店で、
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手羽スティックと、ももを購入。
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その鶏肉を食べた直後、上用賀東京農業大学「食と農」の博物館の横に立つコイツを観に行きました。
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少年時代ずっとチャボを飼っていた、鶏好き(愛でる方も食べる方も)の私にはたまらないオブジェですね。こんなのが家に欲しいです。

すぐ近くに、"馬事公苑"もあります。
日本中央競馬会(JRA)馬事普及の拠点としている公園で、馬も好き(愛でる方も食べる方も)な私には、これまた嬉しい。
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競走馬か騎手のファンでしょうか。少年ファンが駆け寄って話をしてます。
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凄くお洒落な少年でした。
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広い場内、馬を観ながら散歩。
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何故か自転車の空気入れサービスもしています。
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続いて上野毛の、"多摩美術大学"を通りかかりました。
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ここが古屋兎丸先生、しりあがり寿先生、沙村広明先生、喜国雅彦先生…他、多くの漫画家を輩出したのですね。

次、若林辺りを通りかかった時に見つけた"松陰神社"
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もちろんあの吉田松陰先生を祀る神社ですが、政府(幕府)転覆を狙って処刑された松陰も、今やこうして拝まれています。そして…彼がいなければ、つボイノリオの名曲「吉田松陰物語」(最近では週刊少年マガジンで連載中の加瀬あつし「ばくだん! ~幕末男子~」でも歌われてました!)だって生まれてなかったのです。

そして、ニコタマこと二子玉川へ。最近では森田まさのり先生の漫画、そして実写ドラマ化・映画化もした「ROOKIES」(ルーキーズ)の舞台として脚光を浴びました。
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ここにある"二子玉川ライズ・ショッピングセンター"、このバカでかい施設には友人が二人(それも全く別経由の人)働いています。
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まず"アンジェリーナ・セレクション"
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これは先日頂いたアンジェリーナの品ですが、こういったつまみがあると晩酌ワインの美味さが増す増す!
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そして、"オッシュマンズ"(OSHMAN'S)に…
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いたいたー!!
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彼とはけっこう古い付き合いながら、近年はずっと疎遠になっていました。そこで最後に会った日を思い出してみると、そうだ一緒に新宿の映画館で押井守監督の「イノセンス」(INNOCENCE)を観た時だから…え?調べたらあれって2004年公開、つまりざっと8年ぶりって事ですか!?
考えてみれば、せっかく出会っていながらずっと疎遠になっている友人ってのはかなりの数います。これを機に『友人再訪キャンペーン』を決行して、他の人もどんどん連絡取ってみようか…

多摩川沿いでバーガー喰って、二子玉川とお別れです。
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もちろん多摩川といえば友川かずきさまの名曲「だがづぐ」に登場する川だから、感激もひとしおでした。もう、あの曲は私の半生でどれだけの数聴いた事か。
大槻ケンヂさまは、エッセイ「オーケンの散歩マン旅マン」でここの川沿いをトコトコと歩いた時の事を書いていました。

野沢へ行くとしたら目当ては一つ…ラーメン!店は"せたが屋 本店"ですね。
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らーめん+味玉、
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海老わんたん麺。
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この店は、ガツンカレー及び玉葱を細かく刻んだのを入れ放題。
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カップラーメンでもおなじみの有名店でした。
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まぁ他にも、環七沿いを走っていると美味そうなラーメン屋がたくさん出てくるので、ちょっとずつ食べていきたいと思います。

すぐ近くの駒沢では、"大阪王将"へ。
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もちろん元祖焼き餃子、
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そして水餃子、若鶏の一枚揚げ、薄焼き玉子春巻き、ごま揚げ団子…といった他のつまみも値段のわりに美味い。
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世田谷区のオシャレスポットとして有名なのは下北沢
最近ではあの友川カズキさまが、ヴィンセント・ムーン監督のドキュメンタリー映画「 花々の過失」の中でここの商店街を歩いていたシーンが思い出されます。
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昔から毎度通っているのは"Disk Union"や、
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数店舗ある"DORAMA"
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"古書ビビビ"もオープン以来行ってるし…
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と、せっかくオシャレタウンに来ても他と全く同じく、古本屋や中古レコード・CDばかり漁ってますね。

大昔は下北に来るとここや、路地に凄い数ある服屋さんで衣服を探したりもしてたのですが…
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流行って何か考えたり、オシャレするのってダサいんじゃないか、とか一回りして悩み始めるともう駄目です。そういう店には入れなくなりました。

こちらは新刊本屋…というより雑貨店ですが、どの地方に行ってもあるのも嬉しい遊べる本屋"ヴィレッジヴァンガード"(Village Vanguard)。
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演劇専用の劇場"ザ・スズナリ"
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演劇より圧倒的に映画派の私ですが、この時は友人が出演したために行ってみました。
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嗚呼…顔ハメ見つけると大体ヤル私ですが、これは酷かった…
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下北沢でももちろん、ラーメンは食べます。
最近行ったのはまず、「熱血!!スタミナタンメン五郎ちゃん」
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ここは有名な"なんつっ亭"のグループですよ!

ラーメン(なんつッ亭のやつ)、
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そしてこの店舗のメインは、タンメン。
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なんつっ亭といえば、カップラーメンでも度々頂いてました。
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安い!"味の店 共楽"
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これは、下北スジトロめん。
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"餃子の王将"。ここも10回以上入ってます。
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ランチはワンコインからの"PALAZZO"(パラッツォ)。
安くて美味い、しかもイタリアンな雰囲気は良いのですが…何と『スポーツカフェ』を名乗る店なので、時間によってはモニターでスポーツを流していてきつい時もあります(それが好きな人の方が多いのでしょうが)。
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ジャーン!甘い物苦手な私が、人生で初めて挑戦したコレ。
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お好み焼き激戦区でもある下北沢で、私が行くのは"安芸もみじ亭"
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お好み焼きって自分で焼くのが面倒な時もありますが、ここは店員さんが焼いてくれる店です。
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広島定番、
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ネギすじコン焼。
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最近オープンした、"甲州×イタリアンバル Kado(カド)"
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酒を呑みながら…
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パン+アンチョビ・オリーブオイル、Kado流春巻コブサラダ、
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国産牛サーロインステーキ、サーモンとほうれん草のトマトソース、
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Kadoパフェ。
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こういったお店のわりに安い値段設定、そして美味いし店員さんも親切。これはまた行きたい店です。

世田谷区にはまだ有名なオシャレ地域がありますね…そう、三軒茶屋
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ここは何年も前に仕事でしばらく通っていた事があり、当然色々な飲食店に行きました。しかしその時期はこの三軒茶屋すずらん通り商店会の、
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チェーン店ですが"餃子の王将"にて、帰りにビール1杯と餃子2枚食べて帰るのが定番でした。
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そんなわけでここの餃子、何十食も食べています。
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最近はここに"四文屋"もオープンしてたので、入店。
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中央線の新宿以西の店舗だけで何軒もあり、日常的に行っている店なのに…この時は冒険より、馴染みのある店での落ち着きを求めたのです。
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商業施設のキャロットタワーがあり、
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周辺は細かく張り巡らされた商店街が目立ちます。細い路地裏の一帯も…
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椅子はグラグラで床はベトベトの映画館"三軒茶屋シネマ"、ここもまだ現役で頑張ってましたか。
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大衆居酒屋の"浦沢"
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ここは〆に我が故郷・新潟のへぎそばを食べられるというのも嬉しい。
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よく通った中古CD屋さんの"FlapNotes"(フラップノーツ)
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江戸アケミさまの言葉を看板にでかでかと書いている店が、まだあった!昔から滅多に開いてなかったし、やはり先日もだけど…どうやって経営が成り立ってるのですかね?しかもアングラなCDとか置いてる店だし。
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ゴリラ。
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そして三軒茶屋といえば、三茶de大道芸でしょう。
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あとはゴシック・メタルのDJイベント、"GOTHIC METAL GATHERING"
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会場は"DJBAR Chrome"
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この時は20回記念で、DJ四人がプリントされたKitKatが配られました。
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ゴシック・メタルを愛する私ですので、このイベントは2004年のVol.1(当初の会場は渋谷EDGE ENDでした)から行ってましたが、ここ最近はあまり行けてません…
次回の「Gothic Metal Gathering Vol.25」は来月、2012年7月7日(土)という事です。
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Vol.1からずっと変わらず続けているDJ四人ですが、イベントを立ち上げたのはこの二人で…
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純生氏、
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タイジュ氏、
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Koh氏、
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vovin氏、
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となっております。

お客の中に、あのスターバト・マーテル(Stabat Mater)の面々が!
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心地よい地下の暗闇の中で、暗い音楽と共に呑む酒が美味い…
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では、さようなら。
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  1. 2012/06/15(金) 23:59:59|
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楳図かずお(20) 「のろいの館」

楳図かずお作品より、「のろいの館」(秋田書店刊)です。
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出ました楳図かずお先生の生んだ大スター、赤んぼう少女・タマミ

初出は1967年の少女フレンド(講談社刊)で、連載時のタイトルは「赤んぼう少女」サンデーコミックスにて単行本化する際に「のろいの館」と改題されてしまったのですが、これは失敗だったのではないでしょうか。「のろいの館」と言われてもピンとこない人もいるかもしれませんが、少しでも楳図作品を好きな方なら名前も姿もインパクトの強い『タマミ』を知らないなんて事はないでしょう。
筋肉少女帯の名曲「マタンゴ」のモチーフとしても一部使われており、歌詞に登場するのも嬉しい所です。

冒頭、ボロボロの服を着て登場する主人公の少女(被害者側)・葉子は今まで孤児院に入れられたりひどい家にもらわれてお手伝いさんとしてこき使われたりしていたようですが、実は南条家というお金持ちの娘だった事が分かって引き取られ、生活は一変して豪邸で夢のような生活をする事になりました。
しかしそこには悪魔のような姉、タマミが幽閉されていた!このタマミは赤んぼうサイズのまま大きくならないフリークスながら、葉子と同じ12歳のようです。後で12年前に産院で間違って取り違えられた事など、出生の秘密も明らかになっていきますよ。

ともかくこのタマミ。赤んぼうのふりして実は歩ける上に鋭い歯や悪魔の右腕を持っているし、悪知恵を働かせて葉子を苛め抜くのです。それは拷問のレベルまで…
葉子の味方であり家長の父までやられた南条家はタマミに乗っ取られ、ばあやの田舎である野原(楳図先生の育った奈良県五條市でしょう、バス停に『十津川ー五条』の文字が見えます)に逃げるも、ある方法で執拗に追跡してきたタマミ。
ここでばあやの孫で二枚目の高也が登場し、葉子の味方になるのですが…何とタマミが高也に惚れたために嫉妬深さも加わった葉子イジメに展開します。
それからまた怖い展開が続いた後、とうとうタマミは自滅するように死んで、その直前に改心までするハッピーエンド(母親は最後まで気が違ってますが)。

…というのはやはり葉子を主人公としてタマミを怪物のように見た場合の話であって、タマミ側に感情移入して読むと全然違った悲劇になります。実際そう読ませるようなつくりにもなっているのですが、醜く生まれたばかりに父親からは凄まじいまでに憎まれ、一人で綺麗な服を着てお化粧してみても美しくなれずに泣き、高也に好かれようとおしろいを塗ってみたら逆に気味悪がられる。
突然現れた美しくて性格も良い、しかも正統な南条家の人間である葉子は、果たして無垢な被害者なのか。
『足と手を短くして わたしと同じ姿にしてやるわ そうしたらわたしの苦しみがわかるわ
 おまえはわたしがいじめてばかりいたと思っていただろうけど ほんとうはおまえがわたしをいじめていたのよ』

というセリフが全てを表していますが、タマミが葉子を追い出そうとするのもむしろ人間の女の子らしい行為であり、タマミを想えば楳図作品有数の悲哀に満ちた物語と読めるのです。

そのように楳図かずお先生の驚くほど秀逸な心理描写は悪役側にまで配慮され、また例によって細部まで緻密な絵柄とキャラクター力が合わさり、50年近い年月(!)を経ても全く色あせない、とてつもない傑作になったのです。タマミは右手と牙は化け物じみているものの醜いだけの人間だし、つまり「のろいの館」って実はモンスターの類は全く登場しない心理的恐怖漫画なんですよね。
翌年には「蛇娘と白髪魔」としてリメイクされ、全く違う姿のタマミが出てきます。

余談ですが、夢枕獏の「餓狼伝」…あれの板垣恵介版コミカライズで、丹波文七がFAWのレスラー三人(麻田亮、犬飼五郎、須黒康介)に襲われる場面。倒れた体の顔面に乗せられたピザをムシャっと喰って復活してくるじゃないですか。あれはタマミが入り込んだぬいぐるみを食い破って出てくる所のオマージュだと思います。ちょっと現実離れしたシーンなのに、絵面がそっくりなんですよ。

タマミというキャラでこれほどのインパクトを残した「のろいの館」ですが、実は単行本1冊にも満たないページ数の作品でありまして、このサンデーコミックスでは「怪談」が併録されています。
これは1966年の少女フレンド誌上にて、『楳図かずおの怪談』と題して掲載された「悪夢」「鬼ばば」「とりつかれた男」「人食い雪」の全4話からなる連作短編をまとめた作品。バラエティに富んだ怪談話に仕上がっていて、こちらも傑作です。


ふん 高也ったらわたしのことを
きっとこんな姿を見たらきらいになるにきまってるわ
くやしい!葉子のやつ もっとひどいめにあわせてやるわ



  1. 2012/06/10(日) 23:59:59|
  2. 楳図かずお
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楳図かずお(19) 「ミイラ先生」

楳図かずお作品より、「ミイラ先生」(秋田書店刊)。
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初出は1967年の少女フレンド(講談社刊)です。

この時代の楳図かずお作品といえば自身の故郷を投影した田舎が舞台の作品の方が多いと思いますが、実は強い西洋趣味の『洋館』が舞台として登場する作品もけっこうありまして、この「ミイラ先生」はその代表格でもあります。
派手な洋館のみならず、"聖白バラ女学院"なるキリスト教主義の学校(つまりミッションスクール)の人々を描く学園ホラーで、スプラッター的なグロテスク表現は抑えつつも十字架、教会、修道女、吸血鬼などを重要アイテムとして使い、極め付けに楳図先生の美しい少女漫画タッチの画風ですので…これはゴシック文化に興味ある人々、現在の若いゴスロリちゃんなんかにもアピールしやすいと思います。

物語の内容はといえば、教会の地下に長年安置されていた聖アンヌのミイラがよみがえって葉山先生と入れ替わってなりすまし(この設定にシスター服は便利)、女学院の生徒達を襲う…という物。
主人公はしつこく襲われまくる美少女・絵美子。ただ怖い怪物が出てくるだけでなく、自分の身近な存在が怖ろしいモノに入れ替わり、かつ周りの人に信じてもらえず恐怖を増す設定は、「まだらの恐怖」の時に紹介した『へび女モノ』と全く同じ。あれのへび女がミイラになったと思っていいし、ミイラとはいえ吸血鬼なんですよね。包帯を伸ばして獲物を捕まえるシーンがあったから、そこでミイラの設定を活かしたくらいか。
おや、この作品でも「ロマンスの薬」のチュー子が女生徒の一人として登場しています。

ちなみに復活して人を襲いまくるアンヌのミイラが何故この教会に安置されていたのかというと、
『バテレンとよばれた昔 日本へわたってきたわたしは美しかった だがわたしは幕府の者にはくがいされミイラにされた
そうしてよみがえったときわたしの顔はこんなになっていた たしは何としても もとのきれいな顔をもどしてほしい
それには血が…………きれいな…きれいな の子の血が

という事で、江戸幕府による禁教令の犠牲になった楳図かずお作品にありがちな悪役の悲しみも与えようとしているのですが、これはあまり同情出来ません!ラストのオチでも、登場人物にシビアな事を言われて終わってます。

おなじみ小学館クリエイティブからは、少女フレンドで連載直後に佐藤プロから刊行されたオリジナル版である単行本を基にして「ミイラ先生」「続ミイラ先生」という2冊で2007年に復刻されました。
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「続ミイラ先生」の方には「4年目が怖い」「のろいの面」の2編が併録されています。

今回紹介しているサンデーコミックス「ミイラ先生」に話を戻すと、それは1965年の少女フレンドで連載された「ねこ目の少女」が同時収録されています。
猫が嫌いで部下に捕まえさせては殺していた加賀の殿さまに女の双子が生れますが、一人は猫の顔をしていた…はい、「猫面」「黒いねこ面」などでも見られるプロットですね。
殿さまは我が子に毒を盛って殺し、その時の因果が現代に現れる…というのも、まぁ何度も見ているような気がしますがそれだけ読者にウケる定番ネタだったのでしょう。もちろんこの作品ならではのトラウマシーンもあり、しっかりした名作です。


聖なるミイラのはずだったのに…
すすんで神の世界を選んだはずが どこでこんなに狂ったんだろう
でも見ろ 今度こそ完全に神の世界にかえったんだ



  1. 2012/06/05(火) 23:00:00|
  2. 楳図かずお
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楳図かずお(18) 「恐怖」

楳図かずお作品より、「恐怖」(秋田書店刊)です。
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楳図かずお先生が描いてきた一番重要な主題である、そのものズバリ『恐怖』をタイトルにしたオムニバス短編集ですが、収録されているのは『高校生記者シリーズ』と呼ばれ、月刊平凡(平凡出版刊)で1966年から1970年までの長期に渡り連載された物です。

その名の通り高校生の新聞記者が主人公で…いや、記者とはいっても"みやこ高校"の新聞部というだけですが、そこに所属する荒井エミ子青木夏彦が体験したり、時にはただ聞いただけだったりする恐怖譚を集めた短編シリーズ。
このサンデーコミックスでは月刊平凡掲載の21編を全3巻で収録しているのですが、順番やタイトルを変え(そりゃ「きちがいの住む家」なんてタイトル変えなきゃまずいですか…)、加筆修正もした上で以下の通りに収録されています。

1巻は「うばわれた心臓」「吸血面」「毒ガ」「恐怖の館」「白い右手」「顔を見ないで」「こわい絵」「雪女」
2巻は「魔性の目」「とりつかれた主役」「800年目のミイラ」「枯れ木」「孤独なヨット」「夜あるく者」「雪山のまねき」
3巻は「みにくい人」「サンタクロースがやってくる」「われたつり鐘」「コンドラの童話」「イヌ神つき」「灰色の待合室」

同シリーズにはこの時は単行本未収録だった「悪魔の24時間」という作品があり、2001年に「単行本未収録作品集 妄想の花園」(小学館刊)で初収録されました。
また最後の「灰色の待合室」だけはエミ子らが登場しない…つまり高校生記者シリーズでない物で、1969年にティーンルック(主婦と生活社刊)で掲載された作品。

描かれた順番で言うと「800年目のミイラ」が一番最初であり、内容的にも登場人物紹介があるし絵柄もその時期の物です。最初はエミ子がテリーというニックネームで呼ばれており、その設定はすぐに消滅したのだな…なんて事も分かります。
しかしあえて「うばわれた心臓」(後に実写映画化もしている作品)をトップに持ってきた事で、読者に多大なインパクトを与えるのに成功していると思います。女生徒たちが百物語をする話なのですが、生きているのに死んだと思われ、声が出せぬまま手術で心臓を取り出されて親友に移植されてしまう…うわー!
現に保育園時代に読んでしまった私、この話を一番覚えてました。おっと実はこれ、個人的な思い出がありまして…そうですよ、幼少期に友達の家にあったお姉ちゃんの本から読んでしまい、心底震え上がった作品なのです。つまりこの「恐怖」の第一巻が、私の楳図かずお初体験本でした。

次の「吸血面」では「ロマンスの薬」のオバQ顔したチュー子がいきなり出てくるし(ここでは『聞きこみ屋のチエ子』という役)、小泉八雲の「怪談」を漫画化したような作品からSF作品、幽霊・モンスター物、不条理ホラー、やはり得意の美醜と女の心理を描いたサイコホラー…
バラエティ豊かにあの手この手で読者を怖がらせる、極上のアンソロジー集である事は間違いありません。一つの短編として見て楳図先生屈指の名作と評価出来そうな作品もいくつかあります。

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おわっ、この3巻の表紙がまた怖い…

今回は短編作品個々の紹介は避けておきますが、最後にまたカバー内側にある楳図先生の言葉を載せておきましょう。
『恐怖は……実生活の中に、ひそかにたむろするとともに心の虚構の中にたくみに、その姿を組み立てはじめる。人によって、ついに恐怖のとらわれの身となる人もいれば、ひややかな笑いで恐怖をあざけることさえ出来る人もいる。あるいは、心の中の経験とするなら、最後の一点をめざして、積み上げていく微妙なかけ引きは、どんな物語よりも強烈に感情をとらえて、はなさないでしょう。
これは、恐怖を多角度のパターンで、集めたものです。』

とありました。


助けて!!ああっ 声が出ない 私は意識があるのよっ!!
私はまだ死んでいないのよ 生きているというのに!!助けて!!



  1. 2012/06/01(金) 23:49:42|
  2. 楳図かずお
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BRUCE

Author:BRUCE
BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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