大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

旅行・紀行・街(127) 奈良県奈良市 1

奈良県奈良市に行ってきました。

今回は夜行バスを利用する事にして、西新宿から…
shinjuku-street94.jpg

キラキラ号なる、正にキラキラネーム(本来の意味と違いますが)のバスに乗りました。
nara1.jpg
nara2.jpg
nara3.jpg
あ、キラキラネーム(DQNネームとも言います)と聞くと私は主人公の名前がキララである思い出の漫画、平松伸二先生の「キララ」を思い出すのですが…あの漫画が元ネタって事はないですかね。ないか。それに漫画でその名前なら安達哲先生の「キラキラ!」の方が有名ですね。

車内ではベルギービールから、陶器入りのセントセバスチャン(ST. Sebastiaan)を呑み…
nara4.jpg

他に焼酎も用意してましたが、片道10時間(予定では9時間でしたが)かかった遠路はけっこうきつかった。
新宿を出て東京八重洲口→横浜→海老名→掛川→亀山とSAに寄って休みながら行くのは有難い事かもしれませんが、やっと眠っても停車する度に起こされて、また眠れなくなって。あれ、三重県は寄った覚えがありませんが、通過のみだったかな。
そして奈良県に入るとまず天理市へ…日本で唯一宗教団体の名称が市名となっているこの宗教都市は天理教関連の施設が集中している事で有名なので、見物に寄ってみたい気持ちはありましたが今回は通過。で、到着した早朝の奈良駅です!
nara5.jpg
ここに10年ぶりの再会となる奈良県在住の友人が迎えに来てくれて、案内もしてもらったので何の苦労もなく色々行けました。ありがとうございました!

中学・高校と修学旅行で来ているので、私にとって三度目の奈良県訪問です。日本最多の世界文化遺産を擁する県でありながら、どの観光ツアーでも『京都・奈良』と京都府のおまけのように扱われ、誰でも知ってる法隆寺や東大寺などを観に来る人もほとんど泊まりは京都か大阪に行ってしまい、全然お金を落としていかないという…悲しき県。
しかし漫画好き、特にホラー漫画好き…私の目線で見たら重要な事実が、ここは楳図かずお先生の出身地だという事実!出身地中の出身地であり初期作品で何度も舞台にもなっていた自然豊かな故郷、現・五條市まで行く時間はなく奈良市のみの観光でしたが。

そういえば私は国内旅行前に河出書房新社編集部編の「県別性格診断」(河出文庫刊)を読んで行く事が多くて、
kawade-kenbetsu1.jpg

この本では各地の紹介を、その都道府県出身者が2ページ漫画でしてくれるのですが、奈良県は楳図かずお先生が担当しています。そもそもこの本を買ったのも楳図先生が参加しているからですが、その貴重なページ(単行本未収録)を皆さんにもお見せしましょう!
nara78.jpg
nara79.jpg
さらに奈良県と漫画家の話をするならば、神様・手塚治虫先生が博士号を取得したのも奈良県だし、偉大なる赤塚不二夫先生も終戦による満州国からの引き揚げ後、新潟県に移るまでの少年期を母親の故郷である奈良県は大和郡山で過ごしています。ある対談本で『あそこらへんは街がみんな下品』と発言していましたが、いつか行ってみたいものです。
水木しげる先生の「ゲゲゲの鬼太郎」から『鏡爺』では奈良県が舞台になっていて、山奥に出る鏡爺は強敵でした。

そんな奈良県ですが街中に例えば楳図かずおキャラが立っている…というような事は残念ながら無く、しかし確実に会えると踏んでいたのがせんとくん
nara6.jpg
いきなり駅で会えましたが、全国のゆるキャラ界でもトップクラスの知名度・人気を誇り、今や奈良県名物でしょうね。

もちろん、後で街に出ても何体も立っていました。
nara24.jpg
nara25.jpg
nara35.jpg

まんとくんと仲良く並んでいる所もありました。
nara50.jpg
(私のTシャツも、彼らに合わせて角付きイラストの物を着ています)

まんとくんがかぶっている帽子は平城京の朱雀門を模した物ですが、本物の平城京はこちらは大極殿!
nara7.jpg
nara8.jpg

遷都された710年という年号を覚える為に『710(南都)きれいな平城京』とかって語呂合わせを習った覚えがありますが、奈良時代の歴史に特に興味の無い私は、車窓から見ただけであっという間のお別れでした。
nara9.jpg

平城京の710年から、この間の2010年でちょうど遷都1300年記念ですから、地元では大いに盛り上った事でしょう。
nara19.jpg

さてさて近鉄奈良駅を降りると…
nara10.jpg

いるわいるわ、楽しみにしていた鹿ちゃん達。
nara11.jpg
nara12.jpg
nara13.jpg

そう、彼等は全て野生動物なんですよね。つまり野良鹿。東京でも野良猫ならたくさんいますが、そんな感じで鹿ちゃんが野放しになっています。
nara15.jpg

残念なのは今年の"鹿の角きり"をされたばかりの時期で、オス鹿の頭がこういう状態であった事。
nara14.jpg

たまに角が残っている鹿ちゃんがいますが、鹿捕りの追手から逃れた猛者でしょうか。しかしほとんどが枝角のない一本角の奴ばかりだったので、子供だから見逃されているのかな。
nara16.jpg
nara17.jpg
nara18.jpg

元より私は相当な鹿好きの方でしたが、やはり可愛い…鹿に萌えすぎな私でした!
nara20.jpgnara21.jpg

当地はマンホールも鹿!
nara49.jpg

鹿せんべい持っていると人気者になれますよ。
nara22.jpg
nara-todaiji10.jpg

『奈良の大仏』で有名な"東大寺"へ向かう道。奈良に来たらやはり東大寺は参拝しなくちゃなりませんからね。
nara26.jpg
nara27.jpg
nara28.jpgnara29.jpg

カメラ向けたらウインクしてくれた!
nara30.jpg

人間の子供VS鹿ちゃん、可愛い対決。
nara-todaiji3.jpg
nara-todaiji4.jpg
nara-todaiji5.jpg

仔鹿もいますが、正にバンビ…もう、可愛すぎて倒れそう!
そういえば、つボイノリオさまの名曲「極付け!お万の方」でも奈良が登場しますよね。少年を真ん中にして仔鹿を触る少女が二人いますが…このどちらかの娘の名前がお万であるならば、
nara-todaiji12.jpg
あの歌詞…『お万小鹿に触わる』(おまんこじかにさわる)が再現されているのですが。

世界遺産の記念碑。世界遺産登録は『古都奈良の文化財』としての登録であり、東大寺単独ではないんですけどね。
nara-todaiji1.jpg

南大門。何と風格ある門でしょう。
nara-todaiji2.jpg
nara-todaiji6.jpg

二体の金剛力士像。中学生の時、観光客向けの安っぽい銅像を買っちゃいましたが、多分まだ実家にあるでしょう。左が阿形で、右が吽形です。
nara-todaiji7.jpgnara-todaiji8.jpg

私は特に吽形が好きでした。
nara-todaiji9.jpg

ずいずいと進み・・・
nara-todaiji11.jpg

あ、これは龍の旗ポール!
nara-todaiji13.jpg

有料(500円)になりますが、東大寺大仏殿の入場チケットを買い、
nara-todaiji14.jpg

進みましょう。
nara-todaiji15.jpg

中に入る前に、まず外で鎮座する賓頭盧尊者(びんずるそんじゃ)…
nara-todaiji28.jpg

こいつの顔が怖い!!
nara-todaiji29.jpg
nara-todaiji30.jpg
この方はお釈迦さまと禁酒の約束をしたにも関わらず、お酒が好きすぎて破ったために内陣に入れず、外に安置されているのだとか…そんな所は親しみを持てます。釈迦だろうが他の誰が言おうが、我は飲酒を止めんぞ!と。

そして大仏、東大寺盧舎那仏像です!奈良県出身である楳図かずお先生の生んだ傑作群の中でもトップクラスに凄い、あの「イアラ」では大仏の命として大仏開眼の際に『さなめ』が鋳込まれています。
nara-todaiji16.jpg
nara-todaiji17.jpg

右脇には虚空蔵菩薩、
nara-todaiji18.jpg

裏側から。
nara-todaiji21.jpg

左脇には如意輪観音です。
nara-todaiji23.jpg

映画「エクソシスト」のラストシーンでカラス神父が転げ落ちる階段、もしくは「蒲田行進曲」の階段落ちシーン!?そういった物を思い出す急な階段の隣に立つのは…
nara-todaiji19.jpg

廣目天。
nara-todaiji20.jpg

反対側に、多聞天。
nara-todaiji22.jpg

こちら、有名な"柱の穴"ですね。大仏の鼻の穴と同じ大きさ(高さ30cm、幅37cm、長さ120cm)であり、穴をくぐると御利益がある。
nara-todaiji24.jpg
nara-todaiji25.jpg

あの大きさですか。
nara-todaiji26.jpg

ではサバラだ、大仏さま。
nara-todaiji27.jpg

外に立つ、花まつり千僧法要記念宝塔(アショカ・ピラー)。
nara-todaiji31.jpg

はい、また鹿ちゃんですよ。水を飲んでるだけの姿が、何故こんなにも美しい…
nara-todaiji32.jpg
nara-todaiji33.jpg
nara-todaiji34.jpg

高台へ向かい…
nara-todaiji35.jpg

"東大寺絵馬堂茶屋"で食事です。
nara-todaiji36.jpg

大揚げきつねうどん。久々に関西のうどんを食べますが、やはり美味い…実は私は関西うどんが大好物!昆布ダシの出汁が美味いんですよ。
nara-todaiji37.jpg

他に今回は京都府には行かないので、ここで京都名物のにしんそば、
nara-todaiji38.jpg

天ぷらそば。
nara-todaiji39.jpg

後でマルちゃんの赤いきつねと緑のたぬきも関西限定の、つまり昆布ダシのを見つけたのでいくつか買っておきました。
nara32.jpg

(東京に戻ってからも、寿がきやの『だし名人』シリーズ・関西風うどんを買いに走りました。)
nagoya-sugakiya18.jpg
nagoya-sugakiya19.jpg
nagoya-sugakiya20.jpg

食後、そのまま歩を進めると…二月堂へ到着。
nara-todaiji40.jpg
nara-todaiji41.jpg
nara-todaiji42.jpg
nara-todaiji43.jpg
nara-todaiji44.jpg
nara-todaiji45.jpg

奈良の景色を一望出来るのですが、
nara-todaiji46.jpg

あそこに見えるは潰れた遊園地"奈良ドリームランド"でしょうか…今は廃墟と化して不気味だと聞いた事があります。
nara-todaiji47.jpg

そのまま奈良公園を散歩。
nara36.jpg
nara37.jpg
nara38.jpg
nara39.jpg

改めて着ているTシャツを見てもらえればお分かりの通り、私は角に憧れを持つ者。
nara34.jpg
nara33.jpg

その角で俺を突き刺してくれー!
nara40.jpgnara41.jpg

お、鹿ちゃんの授乳シーンに遭遇。
nara42.jpg
nara43.jpg

奈良の人々は鹿を神格化して手厚い保護をしてきたわけですが、その思想は間違っていない!何と神々しいのでしょう。
nara44.jpg

ところで、奈良県はことグルメというジャンルになるとちょっと弱いですよね。実は名物も多々あるのですが、イマイチ他県に知られていない。
そんな中では有名なのが釜めしですが、ここ"釜めし 志津香"は特に人気があるそうです。
nara23.jpg

他には飛鳥鍋、しし鍋、茶粥…とかは聞いた事ありますが、奈良県在住の友人曰くそれらは家庭料理だからお店でここ、というのが分からないとか。
移動中に一つ、これは最強の奈良名物でしょうか…柿千の、柿の葉寿司を食べました。鯖・鮭・鯛が入ったやつ。
nara74.jpg
nara75.jpg
nara76.jpg
美味い!実は新宿駅なんかでも売っている事を知ってますけどね、やっぱり奈良で食べると気分が出ます。

こちらは今回一泊させてくれた友人宅(尼ケ辻駅近く)の近所にあり、お薦めされた"きなこだんご たまうさぎ"
nara68.jpg
nara67.jpg
nara69.jpg

観光名所に戻って、"春日大社"へ。
nara-kasugataisha1.jpg
nara-kasugataisha2.jpg
nara-kasugataisha3.jpg

おっ、手水舎が鹿!
nara-kasugataisha4.jpg

長々と散歩して回りました。
nara-kasugataisha9.jpg
nara-kasugataisha5.jpg
nara-kasugataisha6.jpg
nara-kasugataisha7.jpg
nara-kasugataisha8.jpg

続いて"興福寺"
nara-kohfukuji7.jpg
nara-kohfukuji6.jpg

五重塔と東金堂、
nara-kohfukuji1.jpg
nara-kohfukuji2.jpg

南円堂。
nara-kohfukuji3.jpg

ここの手水舎はドラゴン!
nara-kohfukuji4.jpg
nara-kohfukuji5.jpg
国宝を一気に大量に観れる国宝館は、今回は行きませんでした…

そういえば奈良に行くという事でテレビ番組『みうらじゅん・いとうせいこうのテレビ見仏記』のDVD化した物から「新TV見仏記 (2) 天理・桜井編」「新TV見仏記 (4) 奈良・斑鳩編」を観て行ったから、逆にもう観れた感を得てしまったのかな。
nara80.jpg

『元興寺の鬼』で有名な、"元興寺"
nara54.jpg
nara55.jpg

まだまだ世界遺産がありますが、文化財の見物はこんなものにして…
この商店街を入っていくと奈良市の中心市街地に入っていきますが、
nara31.jpg

『ならまち』と呼ばれる地域があります。ほとんどが↑の元興寺旧境内らしいのですが、歴史的町並みや建物を数多く残しながら、東京で言うと代官山みたいな新しいオシャレ地域になってます。
nara56.jpg
nara65.jpg

猿沢池。
nara45.jpg
nara46.jpg

TVに出まくっている、"中谷堂"の高速餅つきは一見の価値がありますね。餅はいらないので買ってませんが…
nara47.jpg
nara48.jpg

おおっ、澁澤龍彦さまを描いたイラストでアピールする古本屋!
nara59.jpg
nara60.jpg

他にも古本屋が多くて嬉しい街でした。
nara61.jpgnara62.jpg
nara63.jpgnara64.jpg

変り種としては、野菜と古着の店なんかもあり!
nara66.jpg

"おかにし"でコロッケ類、
nara57.jpg
nara58.jpg

"粉もん屋 八"でたこ焼き。
nara51.jpgnara52.jpg
nara53.jpg
次の日に大阪府へ行くスケジュールでしたが、我慢出来ずに奈良県でも頂いてみた所、これが大当たり!やっぱり関西のたこ焼きは素晴らしい。

夕食は泊めて頂いた友人宅でご馳走になりましたが、ワイン好き夫妻のお宅だったので、早い時間から日付が変わるまで、ずーっと美味しいワインとつまみ、そして会話を楽しみました。
nara70.jpg
nara71.jpg
nara72.jpg

翌日はお世話になった友人達と別れ、近畿圏乗車用プリペイドカード『スルッとKANSAI』を購入して鉄道を利用しました。奈良県の大和路と、三重県の伊勢・志摩がプリントされています。
nara77.jpg
大昔から携帯で『するっ』とか入力すると予測変換機能で『スルッとKANSAI』と出てきてたので、これ何なんだろうと思って調べた事があったのを思い出しました。

で、実は今回の関西旅行のメインだった大阪府へ向かったのです…そちらはまた、次回。


スポンサーサイト
  1. 2012/10/31(水) 23:00:00|
  2. 旅行・紀行・街
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

劇画(152) 上村一夫 26 「一葉裏日誌」

今夜も上村一夫作品から、「一葉裏日誌」(小学館刊)。
KAMIMURA-ichiyou-ura-nisshi1.jpg
表題作の「一葉裏日誌」ビッグゴールドで1984年から翌年にかけて掲載された作品で、これこそが偉大なる上村一夫先生の遺作に当たります。
単行本も1986年5月発行と、死後4ヶ月ほど経ってから発売されたので帯に『最後の珠玉集』とありますね。

「一葉裏日誌」は、もちろん「たけくらべ」「にごりえ」などの小説家・樋口一葉が主人公。
一葉の顔は五千円紙幣(2004年以降のお札)で肖像を確認出来るので小説に興味の無い皆さんも知っているでしょうが、私の中ではこの作品の影響で上村一夫絵に変換されてしまいます。上村先生はこれ以前に「修羅雪姫 復活之章」でも一葉を描いてます。
ここで描かれる一葉は紙幣になるような立派な人という部分より、人間らしい、そして女らしい情念でドロドロした側面を強調して描かれていて、いつも机の元を離れない病弱の小説家。一日中家から出ない女の日常を描いても普通なら面白くならないでしょうが、何とこの作品では樋口一葉の生涯にミステリーの要素を盛り込んでいるのです。
書道を教えてる弟子の少年を通して得た情報などから殺人事件を解決してしまう一葉…この女主人公が家に居ながら机上で推理し、その鋭い洞察力をもって難事件を解決する様はアガサ・クリスティ作の推理小説に出てくるミス・マープルを思い起こさせますが、一葉は探偵でも正義の味方でもなく情で動く女。時に少年を不幸に落とし入れ、時に意図的に真の殺人犯を見過ごし、いや殺人に加担した事もありました。その時の、
『たとえ地獄に堕ちようとも、一本の筆さえあれば、閻魔大王を楽しませるぐらいの小説を書く自信を私はもっている。
御仏を喜ばせず、地獄の亡者どもが群がり読む小説こそを、私は書いてみたい』

という独白が初めて読んだ時からずっと印象に残っています。

今作は「たけくらべの頃」「花ごもりの頃」「にごりえの頃」という三篇が描かれましたが、前述の通り遺作なので24歳で短い生涯を閉じるまでの一葉を描くつもりだったのかは分かりません。もしも描くつもりだったのだとしたら…上村一夫先生が一葉の最期をどのように描くはずだったのか、興味は尽きません。
ちなみに樋口一葉は小説以外にも膨大な量の日記や雑記を残している事でも知られていますが、今作で一葉が書いているのは他人に読まれたら困る日記(裏日誌)、というわけです。

続いてこの単行本には、表題作の他に1983年の作品が二つ併録されてまして、まずビッグゴールドで掲載された「うたまる」
江戸時代の天才絵師・喜多川歌麿(うたまる)と、大版元の蔦屋重三郎。そして後の美女画モデルとして歌麿が教育する少女・おひさの物語です。

そしてビッグコミック増刊で掲載された「帯の男」。実はこれが単行本の半分以上を占める、全6話。
かつて"帯源"と呼ばれた祇園の名帯師でありながら、現在は神楽坂で帯を扱う橘源次郎…帯の男。また渋いオジサンを主人公にしたものですが、帯を扱う彼の凄腕ぶりは締められた女に
『源さんに締められると どうしてこうも気持ち良いのかしら。まるで帯に抱きしめられているような……』
と言わしめるほど。同様に解かれる時も気持ち良いらしいですが、もっと凄いのは帯をシュルシュッと蛇のように伸ばして当てた物を切断してしまう神業。
基本的に人情物語みたいな話が続きますが、花街で生きてきた男の生き様を通して花柳界の文化を垣間見る事も出来るし、味わい深い作品です。

さて、こちらは1996年に再発された小学館文庫版。
KAMIMURA-ichiyou-ura-nisshi2.jpg

この版の特筆すべきは、上村一夫先生の実娘・上村汀さまによるエッセイ「父のこと」が収録されている事!
私は発売当時に買っていますが、この時はインターネットも無く上村先生の私生活なんてほとんど知らなかったので、ちゃんと子孫を残していた事に安心したものです。エッセイの内容も当然ファンには興味深い、貴重なエピソードが満載ですね。
汀さまの育て方を通じて上村先生の考えを想像したりも出来るし、成長した汀さまが父の作品を分かるようになり、『男と女を描く父など見たくもありませんでした』という部分も思春期ならば当然の事でリアリティを感じます。上村一夫作品はただの男女のセックスだけではなく、近親相姦や獣姦に殺人やら、タブーだらけの内容ですからね…子供なら親が少年ジャンプとかにバトル漫画でも描いてる漫画家の方が自慢出来たでしょう。
でもそのままで行かずに、父の作品の凄さを理解してくれるようになって本当に良かった。汀さまが上村一夫作品復刻活動をしていなかったら、現在の出版業界ではほとんど絶版状態のままだったかもしれませんよ。加えて毎年原画展などの企画もして頂けて、本当にファンからしたら女神さまですね。
あと、ここで書かれている7ページのエッセイによると汀さまは美大出身。その受験勉強期に父と関わったエピソードも素晴らしいのでそれは小学館文庫を読んでもらうとして、上村一夫先生の血を引く汀さま自身の活動が気になりますよね!どんな絵・デザインを描かれているのでしょうか…
現在汀さまが書いているブログ(上村一夫の作品復刻奮闘記)のタイトルは上村裏日誌。当然今回紹介した「一葉裏日誌」を受けての事でしょうから、この遺作への思い入れも推して知るべし、でしょう。


辛さを薄めてくれるから……
ちょいとした躓きから狂ってしまった人生を酒という水で薄めているのさ
避けて通れた躓きだったかもしれないけれど、あえて躓く男もいるものなのよ。



  1. 2012/10/28(日) 23:59:59|
  2. 劇画
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

劇画(151) 上村一夫 25 久世光彦 1 「螢子 昭和抒情歌50選」

今夜は上村一夫作画、久世光彦原作の「螢子 昭和抒情歌50選」(中央公論社刊)です。
KAMIMURA-KUZE-hotaruko-chuko.jpg
小説家であり演出家、プロデューサー、作詞家…様々なジャンルで一流の活躍をした久世光彦先生を原作に迎えた「螢子」は、週刊女性(主婦と生活社刊)誌上で1976年から翌年にかけて連載された作品で、1996年に分厚い愛蔵版の形でようやく初単行本化されました。

ちなみに久世光彦一冊目の著書に当たるのがエッセイ「昭和幻燈館」で、それに収録されている「あんたとあたいのブルース 港が見える丘」上村一夫先生について語られていますし、上村先生が俳優として久世光彦演出ドラマにレギュラー出演した事もあるそうです。そして、その前に二人は親友だったようですね。

こちらは、2005年に上・下の全2巻で再発されたブッキング版。
KAMIMURA-KUZE-hotaruko.jpg
何故か歌手の一青窈が上・下巻両方の帯で推薦文を書いていて、それはつながり分からなすぎて驚きましたが…同じく両方の巻で冒頭にエッセイを書いており、それによると相当な上村一夫好きのようです。
それまでただのJ-POPの人だと思って意識してなかったのですが、上村作品に対する思いの丈を綴った文章も素晴らしく、それならばとウィキペディア(Wikipedia)で調べてみた所、何と『尊敬する人物は井上陽水、根本敬、阿久悠や谷川俊太郎。』という一文がありました!
2番目の人物以外はいかにもですが…好きだとかふられてどうしたとか恋愛を歌っている(ちゃんと聴いた事ないけど多分そうでしょう)J-POPの人が、特殊漫画家・根本敬先生を尊敬している!うーん、かなりキてる人ですね。アルバムのジャケットイラストを依頼すればいいのに。

さて「螢子 昭和抒情歌50選」です。
ああ、このタイトルの通り主人公の名前が螢子というのですが、これは私から下の世代だと誰もが「幽☆遊☆白書」のヒロイン・雪村螢子を思い出すでしょう。ただしあちらは『けいこ』でしたが、上村一夫作品の方は『ほたるこ』
もう一つタイトルに付く昭和抒情歌50選という部分ですが、これも文字通りで歌謡曲と合作・共演した劇画が50曲(1話で1曲)分続くのです。それも歌詞をそのまま劇画化しているわけではありません。絶妙な感じで歌詞とリンクする内容だったりもしますが、ただバックに流れている感じだと思って大丈夫でしょう。
山口百恵、山崎ハコ、浅川マキ、荒木一郎、沢田研二、泉谷しげる、井上陽水、清水健太郎、吉田拓郎…等、この辺りの有名歌手の曲だと知っている歌が出てきて嬉しいのですが、題材になっている歌謡曲のほとんどを私が知らないのは残念な所であり、勉強不足を感じました。いつかこの作品で使われた曲だ、という理由でレコードを全部集めて並べるのも面白いかもしれません。

主人公の響螢子(フルネームだと画数多い!)は第1章「君に捧げるほろ苦いブルース」で娼婦の真似事をしているし、身体を安売りしがちな美人。登場時は21歳。
それがカオリという登場時は4歳の幼女と出会い、行動を共にしてゆく事となる…第5章「コバルトの季節の中で」でカオリのフルネームは桃井カオリだと分かるのですが、この娘はあの女優・桃井かおりなのでしょうか。
私は当然そうだと思っていたのですが、それを歌手の一青窈(根本敬好き)がブッキング版の下巻で『最後まで読み解けなかった謎』として挙げていたので、先日のイベント後半の質問コーナーで上村一夫先生の実娘・汀さんと「リリシズム」編集者で日本一の上村一夫マニアとかの森田さんに聞いてみました。お二人の言うには、まだデビュー間もなかった桃井かおりに、上村先生もかなりのインパクトを受けていたから間違いないだろう…という回答でした。

カオリの母親は狂人で、この方の登場回はそういう人の行動の奇抜さや哀しさを目撃出来ます。螢子とカオリで精神病院まで見舞いに行った第17章「つらい夜」の出来事は衝撃的でした…
第29章「なごり雪」では小学校に上がる歳になったカオリが入学式の前月というのに通学セットを揃えて病院の前から母を呼びかける、いじらしいエピソードもありましたが。
また第9章「さくらの唄」では、全裸にて外を駆けていく狂った母を、追うカオリも全裸になっていくのは面白すぎる名シーンですね。
第19章「ロ・メロメロ」で螢子に全裸の撮影を頼まれた時も撮影者であるカオリまでわざわざ全裸になっている所を見ると、相手が裸なら自分もそれに習うのが礼儀だという躾をされているのでしょう。
ちなみにカオリの父親もスーツを着てますが十分オカシイ人で、螢子は何度も犯されてしまうし…

あとは螢子と夏男の出会いと愛し合うエピソードなんかもあったり、カオリの母が病院を脱走して父を殺してしまったりで、最後はついに螢子とカオリの別れがきて…
主人公の女二人の周辺にはいつも狂った騒動が起こるのでその記録といった形で進んでいましたが、基本的にはストーリー物ではなく、石森章太郎作品でいうと「章太郎のファンタジーワールド ジュン」といった位置付けでしょうか。筋やセリフより絵の流れを重視し、抒情歌が流れる詩的な部分も含めてそう思いますが、もちろん上村一夫作品以外の何物でもない狂気の激しさが溢れた名作です。


娼婦になれるだろうか 私も
娼婦 ほたるこ
どんな男たちにも 美しく笑いかける
そんな優しさが 私の中にあるだろうか



  1. 2012/10/23(火) 23:27:27|
  2. 劇画
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

上村一夫原画展「ブルーな女たち PART.2」、阿久悠記念館

東京都千代田区神田神保町のカフェ&バー、"クラインブルー"で、
上村一夫原画展「ブルーな女たち PART.2」
が行われています。
chiyodaku-klein-blue22.jpg
(10月15日〜11月11日まで)

2009年の『ブルーな女たち』…私もお邪魔して「ココ」で紹介しましたが、あの時に続いてのPART.2であり、3年ぶりにここで上村一夫先生の原画を観れるわけです!
さらに本日10月21日は『スペシャルトークセッション&ライブ』もありまして、予約して席を確保出来た私も参加させて頂きました。
chiyodaku-klein-blue23.jpgchiyodaku-klein-blue24.jpg
chiyodaku-klein-blue25.jpgchiyodaku-klein-blue26.jpg

3年ぶりに入店!
chiyodaku-klein-blue27.jpg

店内での撮影はしてませんが、今回は20点ほどの美しい女性を描いた原画を飾ってました。本当に本当に美しい…この誰にも真似出来ない、神業としか言いようのない仕事を観る度に倒れそうになります。
BGMは上村一夫先生が歌手としてレコードも出した「坊や お空をごらん」「泣き虫おんな」の2曲だ!
そしてイベント。まずは上村一夫先生の娘さんで上村作品の復刻活動をしてくれている(何という有難い仕事!)汀さまと、少年画報社・ヤングコミックの元編集長で上村先生の担当であり付き合いの深かった筧悟氏のトークショー。もう、エピソードのどれもこれもが貴重すぎるので耳をダンボのようにして集中して聞いてました。
今回のフライヤーにも使われた絵を表紙に使ったヤングコミックも飾られていましたね。
chiyodaku-klein-blue31.jpg
同誌の売り上げを飛躍的に伸ばした小池一夫原作、神田たけ志作画の「御用牙」はメイン扱いですが、「夢師アリス」(上村一夫画、岡崎英生原作)の初出雑誌という事でも貴重!

最初はギネスビールを呑んでいた私ですが、トークショーで上村一夫先生はウィスキーのストレートを愛していたと聞いて、おかわりは私もウィスキー。
続いてシンガー・ソングライターの三輪二郎氏によるライブ。全然知らない歌手でしたが…ブルース的なフォークなのかな?友部正人を思い出すような良い曲を歌ってくれました。それにこの方はまず、顔が良かったですね。
会場で配られた用紙で書いた二つの質問にも答えて頂いて(ありがとうございました!)、でもって最後にはお土産として上村一夫先生のブロマイド!やったー!
chiyodaku-klein-blue29.jpg

そして「リリシズム 上村一夫の世界」(まんだらけ出版刊)の時に出たという色見本用のイラストが配られました!これはもう、一生大事にするしかないでしょう。
chiyodaku-klein-blue28.jpg
(参加者それぞれに別々の絵が配られていました)

物販コーナーも素敵でしたが、今回私が購入したのはまんだらけ編集部から届いたばかりで先行販売している「悪の華」
KAMIMURA-les-fleurs-du-mal1.jpgKAMIMURA-les-fleurs-du-mal2.jpg
そう、岡崎英生原作の「悪の華」もついに復刻されましたよ…けいせい出版のオリジナル版を大金出して既に持っている私としてはちょっと悔しくもありますが、 喜んで復刻版も買わせて頂きました。全3巻だった同作を今回は1冊にまとめているので、相当に分厚くて重い。そして「リリシズム」と同じく布張り・箔押しの豪華装丁本です!!
次は同じくまんだらけ出版からで「離婚倶楽部」を完全版として復刊する予定が進んでいるとかで、そちらも完成が楽しみですね。

買物するとこの袋に入れてもらうのですが、確かこれは上村一夫先生の原稿入れていた袋のデザインですよね。
chiyodaku-klein-blue30.jpg

あと私…上村汀さまに顔バレしていて、声をかけて頂きました!
このブログも読んで頂いているとかで、いやお恥ずかしい。正直こんなブログはいつ止めようかと思っているのですが、となるともうちょっと続けて上村一夫作品の素晴らしさを伝えなくてはなりませんね。
ちなみに私の中で神に近い故人といえば海外のスターではブルース・リー、日本人では上村一夫先生。そんな私に上村汀さまといえばあれですよ、シャノン・リーみたいなものですからね。しかも汀さまは凄い美人だし、性格の良さもにじみ出て人を明るくさせるオーラを持っている素晴らしいお方!

現在されている仕事での活躍ぶりも凄いし…一生ついていきます!
と、そんなわけで私にとっては絶対に行きたい展示会が長野の北アルプス展望美術館という所で行われていまして、会期は12月2日までの『夢二の夢 そして恋』という企画展。そこで上村一夫作品が…しかもレアな岡崎英生原作の「夢二 ゆめのまたゆめ」の原稿が未発表分も含めて展示されているそうなのですよ!他にも夢二っぽい美女画も展示されているとかで、これは行かなきゃまずい!
来月にどうにか行く予定を立てていますが、11月3日にはイベントもあり、新宿発で会場まで行く日帰りの『安曇野バスツアー』も予定されているそうですね。開催記念ライブとして山崎ハコ、安田裕美、三輪二郎といった方々が出演されるのだとか。
azumino1.jpg
私も山崎ハコさんは好きでライヴに行った事もあるのですが、その日程はどうしても無理なため通常の展示だけ観てこようと思います。


ついでにもう一つ。
すぐ近くにある、あの天才作詞家・阿久悠の功績を称えた"阿久悠記念館"に行ってきました。
meiji-university2.jpg
ここが一周年を迎え、展示替えされた部分で上村一夫先生との交流部分が加わったと聞いたので訪れてみたのです。

ただこの記念館は明治大学内に設立されていまして…
meiji-university1.jpg
私のような学校嫌いで白痴系の学歴無し労働者からしたら、将来有望なインテリさんらが勉強しているであろう場所には非情に入りにくい。何とか勇気を振り絞って入りました。

ここです!
meiji-university4.jpg
meiji-university3.jpg

阿久悠自身が偉大な方だし私も普通に彼が作詞したレコードはけっこうな数を持っています。しかしここでは、どうしても上村一夫ファンとしての目線が強くなってしまいますね。お、上村一夫ジャケの北原ミレイ「ざんげの値打ちもない」も飾ってあります。もちろん私も持ってますが、やはり素晴らしいジャケット。
meiji-university5.jpg

館内では『上村一夫との出会い』という所でエピソードが紹介されていて、そこに阿久悠を原作として迎えた「悪魔のようなあいつ」の講談社版全2巻が飾ってありました。
あと『阿久悠の書斎』として仕事部屋の四畳半を再現している所で、書棚に並ぶ本の中にやはり阿久悠原作の「花心中」全2巻も並べてあり背表紙が見えていたのを、私の目がキャッチしました。

クラインブルーの『ブルーな女たち PART.2』は11月11日まで開催しているので、もう一回行ってじっくり原画を観賞してこようかな。
  1. 2012/10/21(日) 23:59:59|
  2. 古本 番外編
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

劇画(150) 上村一夫 24 「サチコの幸」

上村一夫作品から、「サチコの幸」(双葉社刊)。
KAMIMURA-sachiko-no-sachi1-2.jpg
初出は漫画アクションで1975年から翌年まで、単行本はアクションコミックスで全5巻です。全ての巻に美しいカラー口絵が付いているのも嬉しい。

様々な形で男女の性を描き続けてきた上村一夫先生が、そのものズバリ…性を売る職業の娼婦を主人公にした作品。
舞台はスタート時点で昭和25年(1950年)。戦後数年が経って、まだ日本がGHQによる占領政策を実施されていた時代です。
主人公のサチコは満州で汚いソ連軍の侵攻を受けて両親と死別し、幼い身で一人内地に辿り着けば親戚も空襲でやられており、焼け跡で変態の米兵に襲われて…
助けてくれた上野の浮浪児と行動を共にする事になるのですが、離れ離れになって後に新宿二丁目の赤線にて、ショート500円・泊まり2000円でお客の相手をする娼婦(パンパン)になるのです。

特筆すべきはサチコの顔。従来の上村一夫作品における主人公顔…つまり修羅雪姫みたいなつり目の女ではなく、垂れ目気味で目が大きい!(サブキャラで修羅雪姫顔も出ます)
私は作品自体の出来の良さも相成ってこのサチコというキャラに愛着が深いのですが、蔑まされる事の多い娼婦という職業も、ここではどんな汚れた男の欲望をも包み込んで受け入れてくれる聖母というか天使というか…そんな風にしか見えませんね。性格も明るいし。
そんなサチコの強烈な人生を、ほとんど1話完結の短編による連作で進めていくのです。第一話目「サチコ」から赤線で働く同僚の冬子が死んでしまいますが、彼女はヒロポン中毒になりながらもヒロポン買うお金が無く、玉ネギを摺った汁を打っていたそうです。そうすればヒロポンに近い感じになるのだそうで、まぁ死にますが…こんな感じで、当時の情勢や風俗を見れるのに加えて豆知識も詰まっています。

故郷を持たないサチコが、同僚で一番の親友であるヨシコに頼まれて山形県の田舎へ帰省するのについて行く話「ふるさと」「遠くにありて想うもの」は深い…どんな事情があるにせよ、閉鎖された村で娼婦だなんてバレたらどうなるか。田舎の人間の優しさと併せて『とてつもない冷たさ』が描かれているのですね。同じような雪国の田舎で育った私は、ソレをもっと専門的に描写する傑作の誕生を切望します。田舎の人間は素朴で暖かいとか勘違いしている人間が未だに多い事に危惧を覚えているので。

KAMIMURA-sachiko-no-sachi3-4.jpg

「サチコの幸」はどの話も傑作ばかりなのでどれかを紹介するのが難しいのですが、馬並みのモノを持っているために一度も本物の性交をした事が無い男の悲しみとサチコの対応を描いた「巨大なる男」だとか、まだ日本人に馴染みのなかった牛肉を食べに行く話「牛肉と民主主義」も凄かった。ラストの1ページが首を切って吊り下げられた猫の死体と、地面に転がる猫の生首5個ですからね。この肉を牛肉と称して出していた、というオチなのですがコメディタッチの作品なのに猫の死体がリアルで、今ならまずどこかの団体から抗議が来る事でしょう。

続いてサチコが働くお店の女将で守銭奴の志水文子の息子・武彦が登場します。こいつがサチコに惚れてこの後も出てくる男となるのですが、それらのどさくさに紛れて大変な時に、何とあの親友のヨシコが日系アメリカ人二世を名乗る客に首を刺されて殺されてしまいました!
それから泣き続け、神さまについてだとか様々な事を考え…そして笑顔を取り戻したサチコ。

そういえばサチコにとって生きる術でもある売春が禁止されるかもという雲行きが『嫌な予感』として出てきます。作品の舞台から数年後の昭和31年(1956年)には売春防止法がされ、その後赤線が廃止される事になるのは皆さんご存知の通りですが…
現在でも売春産業が盛んな韓国では近年でも、取り締まりされそうになるとあちらの赤線地域で働く女性達によるデモがが行われていますね。レイプ事件があまりにも多いあの国で実際に赤線が廃止されたら、心配の種が増える気もします。
日本ではその辺、赤線廃止以降どうなったのでしょうか。時代や国によって犯罪であるかないか分かれる『売春』についての是非を語るのは、まぁそこまで「サチコの幸」の重要テーマではないので止しておきますが。

KAMIMURA-sachiko-no-sachi5.jpg

4巻の最後の方で出てきた広沢という客が本気でサチコを好きになり、重大な転機が訪れました。
娼婦と客として体のつながりから始まった二人でしたが、本気で恋愛を始め、広沢からサチコへのプロポーズに発展するのです!時を同じくして武彦からも手紙でプロポーズされますが、広沢との生活を選択したサチコ。結婚したら、一人の男としか肉体関係を持てなくなるのですね…
住み慣れた新宿二丁目の赤線を出たサチコは精神が不安定になり、客を取らなくてもよくなったのに突然の主婦業の方に不安を覚えて騒動がありますが、どうにか克服しました。

おっと、ここで二人の住居となる広沢家の表札を見てみると、『広沢幸雄 サチコ』とあります。そうですか広沢さんの下の名前は幸雄でしたか。え!?幸雄…幸…するとタイトルの「サチコの幸」というのは、そういう意味だったんですね!?
夫になった広沢の事は戦時中はラバウルで二等兵だったとかしか聞いておらず、ようやく判明した職業は闇屋でした。でも広沢自身は本当は悪い奴だった、とかのオチもなく底抜けに優しくてサチコを幸せに出来る良い人間だったんですよ。その人生の最後まで…そう、やっぱり悲劇的な最後を迎えてしまいます。

他の有名な上村一夫作品群のように人間の欲望や業などを禍々しく描く部分は少なく、娼婦を扱いながらむしろユーモラスな側面を強調したされていたのですが、ラストは悲劇が用意されているのでした。
うーん、凄い傑作です。毎度どの話も面白いので、このテーマでもこれだけ長い作品になった事は納得出来るのですが、40年近くも前に描かれた作品がこんなに面白い事は本当に驚異的。
話だけをザッと紹介してみましたが、もちろんいつも通り絵のレベルも現在の漫画家の誰よりも凄まじく、上村一夫作品を読むと劇画はこの時から全く進歩していない事が判明してしまいます。というより、この1970年代が劇画が一番面白かった時だったのでしょう。

実はこの作品は武田一成監督で1976年に実写映画化もしていたのですが、今年になってまさかのDVD化もされました!しかも原作のサチコがジャケになってますよ(ビデオ版は違ってました)。この絵は4巻カラー口絵のやつですね。
KAMIMURA-sachiko-no-sachi-dvd.jpg
何と上村一夫先生ご本人もちょい役ながら出演しているし、映画の方も要チェックでしょう!


私の幸せは その日から失われた……か
あたしはこんなふうに思いながら生きたくはないな
他人と比べるから自分は不幸だ なんて思い込んじゃうのよ
比べなければ大丈夫!
「幸せ」ってどんなものか よくは分からないけど
とにかく「幸せ」にならなくっちゃ
「幸せ」に……



  1. 2012/10/14(日) 23:23:08|
  2. 劇画
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

劇画(149) 上村一夫 23 鈴木則文 2 「黄金街」

今夜は上村一夫画、鈴木則文作の「黄金街」(けいせい出版刊)。
KAMIMURA-SUZUKI-golden-town1.jpg
私が心から愛する…もう、どの1コマだけでも見たら胸がときめく昭和の絵師・上村一夫先生の作品はこのブログでは何度も紹介していますが、映画監督・脚本家の鈴木則文氏を原作者に迎えた作品を紹介するのは「鹿の園」以来ですか。

こちらはワイズ出版から2003年に再発された版ですが、その時の鈴木則文監督のあとがき「下品こそこの世の花」においてこの作品が生まれたいきさつや、生前の上村一夫先生の貴重なエピソードも語られています。
KAMIMURA-SUZUKI-golden-town2.jpg

そんな「黄金街」漫画ギャングにて1979年から翌年まで掲載された作品で、1話完結の短編を連作で進めていく形式。単行本は全1巻です。
タイトルの黄金街というのは舞台になっている新宿ゴールデン街の事で、主人公の若者・日疋倫太郎はそのゴールデン街で母親が営む小さな酒場に通う、フリーのピンク映画助監督。その設定は原作者が原作者が映画監督なだけに上手く活かされていて、倫太郎というカメラを回す者の目線から世の中の陰の部分を見て、体験していく。
常に度が入ってない眼鏡をかけており、『夢眼鏡さ……それをかけると 現実のなかでも夢をみられる』なんてうそぶいています。

無期懲役で監獄に入っているため作中には名前しか出てこない倫太郎の父親・日疋策之助(ペンネーム)というのが三流エロ本作家で、十歳の少女を強姦して絞め殺したという人物。『真に魅力的で官能的ま女は六歳から十二歳までだ』という素晴らしい持論を持っていたそうですが、もちろん世間では通じません!
それについては特に後ろめたさを感じさせない倫太郎ですが、やはり業でしょうか、第1話目「妖美なる無声フィルム」からずっと壮絶な目に遭います。これはかつて大女優だったお婆ちゃんを絡めての殺人事件をフィルムに収める、という話なのですが、しかしそんなのはあくまで登場人物紹介のプロローグにすぎませんでした。

次のは猟奇令嬢に拉致されて無理矢理踏み込まされる"大暗室"の世界。いかにも江戸川乱歩の影響っぽい話ではありましたが、防衛庁長官から売り出し中の若手歌手や財界の巨頭から、ついには総理大臣まで登場する、要は世間で成功者と呼ばれる人々が繰り広げる変態劇を皮肉に描いており、オチも良いですね。

続いての話をザッと見ていくと、近親相姦の兄妹が二人に関わる白骨死体の横で涙の性交、東京紅団なる不良少女達の活動に関わった倫太郎は少女・魔美(おお、「エスパー魔美」以前にこの名前が!)とセックス(少女は殺されるラスト)、さらにさらに…
とにかく上村一夫先生の画なのでどれも素晴らしく芸術的、かつエロさを前面に出した娯楽的な劇画でした。


退屈なのは誰でも同じさ……
気が狂いたい奴は遠慮なく狂えばいいんだ



  1. 2012/10/08(月) 23:00:00|
  2. 劇画
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

映画『アシュラ』公開記念 ジョージ秋山展

ジョージ秋山先生の「アシュラ」がアニメ映画化され、先月末より公開が始まりました!
asura1.jpg

ちょうど昨年、「ココ」で紹介した人肉喰いのトラウマ漫画ですが、その時はまさか映画化されるなど思いもよらぬ事でした。
40年ほど前に描かれたこのとんでもない題材を映画化したのは、さとうけいいち監督。アニメに詳しい友人に聞いたら、代表作の「THE ビッグオー」、テレビアニメ放映が終わり劇場版が公開中の「TIGER&BUNNY」など凄い名作を作っている実力者なのだそうです。次回作として劇場版フルCGアニメ「聖闘士星矢」も製作中だとか!
しかも東映アニメーション株式会社製作、アシュラ役の声優は野沢雅子、他に北大路欣也や林原めぐみを起用したメジャー配給の大作ですね。

先日はアニメ作品であるにもかかわらず、今作が何とスペインの『サン・セバスチャン国際映画祭』で招待上映されたニュースをやっていました。そしてそこで高く評価されて"感涙者続出"したとか。…あれ、「アシュラ」ってそんな感動物語でしたっけ?
あとキャスト一覧を見て気になったのは、北大路欣也演じる法師の名が、ただの法師になっている事。原作では乞食法師というのですが、『乞食』という呼称がヤバイという判断で削ったのでしょうか。 さらに、アシュラ以外の登場人物の容姿がまるでジョージ秋山タッチじゃない!それだけ原作にこだわらずに改変したという事ですかね。
とにかく、劇場で公開しているうちに観に行こうと思います。

おっと、今夜はほとんどアニメを見ない私が今更宣伝するのが目的ではなく、この映画化を記念して行なわれているジョージ秋山先生の原画展についてです。
原作ファンである私にとっては、こういうイベントが派生するのは無上の喜び。まさか「アシュラ」の原画を観れる日が来るとは!
会場は東京都の秋葉原にあるUDXビル内の…
asura2.jpg

"東京アニメセンター"。正式名称は、映画『アシュラ』公開記念 ジョージ秋山展ですか。
asura4.jpg
asura3.jpg
会期は9月25日から10月8日まで。何と入場無料です。

しかしこれらの原画、よくぞ保存してありましたね。今まで印刷物(漫画本)で何度も何度も読んだ作品でしたが、原画で観て初めて気付く所もあるし…当然全てがジョージ秋山先生の肉筆であり、あの時代だけ持ち得たオーラも感じますよ!
現在の画風で最近描いたアシュラも展示してましたね。さらに「浮浪雲」が、そして少しですが「デロリンマン」「ドストエフスキーの犬」の原画も観れて、ジョージ秋山先生や息子さんのインタビュー展示、あとは今回のアニメ作品に関連する物の展示・宣伝もあり、盛りだくさんな内容でした。

原画は撮影禁止だったので、宣伝に使っていたこの一枚を載せさせてもらいます。
asura6.jpg
少年マガジンでの連載終了から10年が経ち、突如少年ジャンプで描かれた完結編からのカットで、誰でも見れる明るいイメージの絵ですね。

もう無いかもしれない貴重な機会なので、ぜひとも足を運んでみましょう!
asura5.jpg
  1. 2012/10/05(金) 23:59:57|
  2. 古本 番外編
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

旅行・紀行・街(126) 静岡県伊東市 4

今回は静岡県伊東市へ。
sizuoka-ito101.jpg
sizuoka-ito117.jpg

我が秘密結社の宿泊施設(秘密基地)があるため、何度も行っているお馴染みの土地ですね。
sizuoka-ito88.jpg
sizuoka-ito89.jpg

ドライブしていると、道路沿いに色々と変な物が出てきますが、
sizuoka-ito82.jpg

キングコングが立つ店がありますが、ここはかつて"アニマル邸江戸屋 野生の王国"という珍スポットがあった場所。
大槻ケンヂ全詩歌集「花火」(メディアファクトリー刊)巻頭に載ってるカラー写真でも使われている所なので行きたかったのですが、既に閉館していました。
sizuoka-ito83.jpgsizuoka-ito84.jpg
そのすぐ横には懐かしいTVアニメーション「ガンバの冒険」に出てきた凶悪な白イタチ・ノロイもいたように思い、恐ろしさに震え上がりました。走行中の車中からしか見てなくて、写真も撮れませんでしたが。

伊東市の一部には、まだ風情のある景色が残っています。
sizuoka-ito128.jpg
梶原一騎原作、影丸譲也作画の「巨人のサムライ炎」でも巨人軍のキャンプ地としてこの街この光景が登場しました。そして主人公の水木炎がヒロインの風吹梢と町を歩き、ラーメン食べたりもする…

この路を行くと、
sizuoka-ito129.jpg

有名な"東海館"があります!
sizuoka-ito146.jpg
sizuoka-ito130.jpg
sizuoka-ito131.jpg

伊東温泉 東海館…宿は既に廃業していましたが、伊東市が買い取って改修し、現在は伊東市指定文化財になっているそうです。
そしてここはアニメ化、映画化もした漫画「テルマエ・ロマエ」(ヤマザキマリ著)の第4巻で登場した"伊藤温泉 東林館"のモデル。
thermae-romae1.jpg

現地では至る所でしっかりそれを宣伝していまして、それが「テルマエ・ロマエ」人気の高さをうかがわせました。
sizuoka-ito132.jpg

さて、伊東市には個人博物館・美術館が数多くあるので今までにもいくつか紹介してきましたが、
sizuoka-ito116.jpg
(↑ここはまだ入ってない、"宇宙美術館")

今回も迷った末に行ったのは…まず、"伊豆ろう人形美術館"
ito-waxdoll-museum15.jpg

周辺はこんな感じで、
ito-waxdoll-museum1.jpg
ito-waxdoll-museum2.jpg
ito-waxdoll-museum4.jpg
ito-waxdoll-museum5.jpg
ito-waxdoll-museum14.jpg
ito-waxdoll-museum3.jpg

これが本館。
ito-waxdoll-museum6.jpg

そしてその前には…ブルース・リー(Bruce Lee、李小龍)!
ito-waxdoll-museum7.jpg

しかし似てない!!
ito-waxdoll-museum8.jpg
ito-waxdoll-museum9.jpgito-waxdoll-museum10.jpg

それでもリーはリーですからね、記念撮影。
ito-waxdoll-museum11.jpg

館内は撮影禁止だったのでここでは紹介出来ませんが、レオナルド・ダ・ビンチの「最後の晩餐」や「モナ・リザ」、ビートルズ、チャールズ・チャップリン 、マリリン・モンロー、石原裕次郎、志村けん、上杉謙信らの戦国武将たち…などの蝋人形がいて、特に私が一番好きなのは、ホラー映画の名作「エクソシスト」でリンダ・ブレア演じたリーガンの首が360度回転するシーンを再現してたヤツかな。しばらく見てました。

こちらは同館に隣接している"人形の世界ミュージアム"
ito-waxdoll-museum12.jpg
ito-waxdoll-museum13.jpg

ところで「ココ」で紹介した、"怪しい少年少女博物館"
sizuoka-ito56.jpg

あそこの姉妹館として、"怪しい博物村 まぼろし博覧会"が今年の7月にオープンしたというので行ってみました!
ito-maboroshi6.jpg

しかし微妙な時間に向かって行ったのが失敗で、看板には『営業中』とありますが実際は残念ながら既に閉館していました。
ito-maboroshi1.jpg
ito-maboroshi5.jpg

場所は国道135号沿い、熱帯植物園の廃墟を買い取って開いたのだとか。
ito-maboroshi2.jpgito-maboroshi3.jpg

入口の兵馬俑と記念撮影だけして、帰りました。
ito-maboroshi4.jpg

今回はあと、1970年に昭和天皇が訪れている"伊豆シャボテン公園"へ行きました。
ito-shaboten1.jpg

車で山を登り…夢の塔を通り過ぎ…
ito-shaboten2.jpg

ムムッ、『くじゃく 飛び出し注意』の看板。
ito-shaboten3.jpg

そして、本当に孔雀(くじゃく)がそこら辺を歩いてるし!!
求愛する時の姿が美しすぎる鳥…孔雀好きの私にはたまらない道ですね。
ito-shaboten4.jpg
ito-shaboten5.jpg

他に『リスザル 飛び出し注意』のパターンもありました。リスザルは放し飼いにして、樹木の害虫駆除をしてもらっているのだとか。
ito-shaboten6.jpg

展望の良い山の上まで登って、
ito-shaboten7.jpg

到着。ねこぢる先生の傑作絵日記「ぢるぢる日記」でも出てきた、つまり行かれた場所です。まぁ、内容は便所の汚い話のみでしたが。
ito-shaboten9.jpg

ちなみに駐車代が500円かかります。山の上にあるので普通は車でしか行かない所だから取られる事必至だし、そもそもこんな田舎の土地でそんな料金を取るとは…
しかも入園料は1800円と、ちょっとこの手の施設としては驚くほど高額!
ito-shaboten91.jpg
さらに入園するとまず、いきなりぬいぐるみを手渡されて『記念撮影でーす』と写真を撮られまして、ポカーンとしている我々にプレゼントでもしてくれるのかと思いきや、1500円で販売、との事でした。

隣の建物では、シャボテン料理など出しています。
ito-shaboten8.jpg

そう、シャボテンは食用にもなるようですが…メニューを見ただけでちょっと手が出ませんね。
ito-shaboten38.jpg

ともかくここが伊豆シャボテン公園。まあるい大室山が良いです。
ito-shaboten10.jpg

名前で想像すると植物園みたいなイメージですが、動物園も兼ねたテーマパーク。すると植物より動物を見てしまいますよね。
お、テンジクネズミ科最大種のマーラだ!
ito-shaboten11.jpg
彼らは常にオスメスのペアで生活して、そのペアは一生解消されないと言いますから、夫婦円満を信条とする方には最高の動物ではないでしょうか。逆に言うと一度選んでしまった相手をどれだけ嫌いになっても別れる事が許されないわけで、離婚派には呪われし動物の象徴と捉えられるかもしれませんが。
そういえば釈迦の悟りを妨げるために現れた煩悩の化身である魔神・マーラ(日本では男根を魔羅-まらと呼びますが、その語源)と同じ名前でもあります。

ラマにレア。
ito-shaboten16.jpg
ito-shaboten12.jpg
ito-shaboten13.jpg
ito-shaboten14.jpg

彼らはあまり動かないので、業を煮やしたらしいカップルはススキを使ってじゃらそうとしてました。
ito-shaboten15.jpg

インドタテガミヤマアラシ。写真小さくしたらほとんど分かりませんか…しかし私はヤマアラシ好き。
ito-shaboten19.jpg

ちなみにヤマアラシといえばケラのプロデュースによるオムニバスCD「ヤマアラシとその他の変種」は、大槻ケンヂさまがヴォーカルで参加している「ヤマアラシ嗜好症」という名曲があるので、若い頃に数百回は聴いてます。
hedgehog.jpg

私の悪夢も食べて欲しい…ブラジルバク。
ito-shaboten20.jpg
現存の動物の中では、最も原始的な有蹄獣らしいです。

イノシシ似の、クビワペッカリー。
ito-shaboten21.jpg
ito-shaboten22.jpg

今回シャボテン公園に来たおかげではまった動物、それはオグロプレーリードッグ!
近づくとピョコンと顔出して、オモチャみたいな動き方で愛嬌を振りまいてくれました。
ito-shaboten24.jpg
ito-shaboten25.jpg
ito-shaboten28.jpg

ペッタリ潰れてみたりと、芸を見せてくれたり。
ito-shaboten26.jpg
ito-shaboten27.jpg

あ、THE SENSATIONSのTシャツ着てる!
ito-shaboten18.jpgito-shaboten67.jpg

そして"ロック・ガーデン"にシャボテン類、そして古代メキシコの石造石彫のレプリカを配してます。
ito-shaboten29.jpg
ito-shaboten30.jpgito-shaboten31.jpg

オルメカの坐像。
ito-shaboten32.jpg

オルメカの巨石人頭像。
ito-shaboten33.jpg
ito-shaboten35.jpg
ito-shaboten34.jpg

次々と進み…シャボテンはたくさん居過ぎてキリがない
ito-shaboten23.jpg
ito-shaboten36.jpg
ito-shaboten37.jpg
ito-shaboten17.jpg

ここ、伊豆シャボテン公園のシンボルは半獣半鳥の荒原竜の高原竜
ito-shaboten90.jpg
ito-shaboten39.jpg
ito-shaboten41.jpg

高原竜は「ウルトラマン」の第20話でこの公園と共に登場した、高原竜ヒドラの元ネタになった事でも知られており、ヒドラの方も人形置いてました。
ito-shaboten74.jpg
他にも荒原竜が「仮面ライダー」の敵組織ショッカーのシンボル(あれはワシですが)に似ているためショッカーのアジトとして撮影されたり、他にも特撮テレビ・映画でロケ地に使われている事で、そっちのファンにとっては聖地。

高原竜は中にも入れて、
ito-shaboten40.jpg

この通路の両側にアルマジロがいたり、
ito-shaboten50.jpg

こんな鳥がいたり、
ito-shaboten51.jpg

サボテンやそれ以外の多肉植物を集めた温室に続くのです。
ito-shaboten52.jpg
ito-shaboten53.jpg
ito-shaboten54.jpgito-shaboten55.jpg

おおっ、これがクリーピング・デビル(這い回る悪魔)と呼ばれる入鹿。何と動いて移動するシャボテンです。目で見ていてその場で分かるほどは動きませんけどね。
ito-shaboten56.jpg

シャボテンの温室は種類ごとで分かれて5つもあるので、さらにザッと観て回りまして…
ito-shaboten57.jpg

商魂たくましい伊豆シャボテン公園の事ですから、シャボテン観賞してさあおしまい、というわけにはいきません。シャボテン狩り工房が待ち受けています。
ito-shaboten58.jpg
ito-shaboten59.jpg
ito-shaboten60.jpg
ito-shaboten61.jpg
友人はしっかり狩って買ってました。自分よりはるかに長生きするシャボテンは一生のパートナーとして良いかもしれませんね。

続いて鳥類は…アフリカハゲコウのセンちゃん(雌)、
ito-shaboten42.jpgito-shaboten43.jpg

ガッツくん(雄)。
ito-shaboten44.jpgito-shaboten45.jpg

モモイロペリカン…日通の回し者か!?でかいが愛らしいゾ。
ito-shaboten46.jpg
ito-shaboten47.jpg
ito-shaboten48.jpg
ito-shaboten49.jpg

各種インコ達。インコといえば部屋で飼う小型の奴を想像しちゃいますが、ここのはバカでかく、そして声が物凄くうるさい。
ito-shaboten62.jpg
ito-shaboten63.jpg
ito-shaboten64.jpg
ito-shaboten65.jpg
ito-shaboten66.jpg

美味しそうな七面鳥。クリスマスシーズンには、ここから姿を消す奴も増えるのでしょうね。
ito-shaboten73.jpg

怪鳥音が聞こえるバードパラダイスへ移動すると、
ito-shaboten87.jpg
ito-shaboten88.jpg

おおっ、パンクス!!(ホオジロカンムリヅル)
ito-shaboten76.jpg

ハシビロコウのような大型鳥へのエサやりも見れます。
ito-shaboten77.jpgito-shaboten78.jpg

ウロウロしてたら声をかけてくれたのが、美しい姿のこの子。
ito-shaboten79.jpg

こっちへ来いと道案内をしてくれたので、ついて行くと…
ito-shaboten80.jpgito-shaboten81.jpg
ito-shaboten82.jpgito-shaboten83.jpg

仲間をたくさん紹介してくれました。
ito-shaboten84.jpgito-shaboten85.jpg

仲良しになったので、今後はうちの秘密結社の謀報部員…いや鳥報部員として活躍してもらいましょう。
ito-shaboten86.jpg

続いてはカピバラ!ここは温泉が引かれていて、彼らはいつでも伊東温泉を楽しめるのだとか。いいなー。
ito-shaboten68.jpg
ito-shaboten69.jpg
ito-shaboten89.jpg

ケヅメリクガメ。
ito-shaboten70.jpg
ito-shaboten71.jpg
ito-shaboten72.jpg

では、サバラだシャボテン公園!
ito-shaboten75.jpg

シャボテン公園を去っても、まだでかいサボテンが出てきましたが、あそこは…
sizuoka-ito67.jpg
sizuoka-ito115.jpg

伊東グランパル公園などもある、"伊豆高原 旅の駅ぐらんぱるぽーと"
sizuoka-ito68.jpg
sizuoka-ito80.jpg
sizuoka-ito110.jpg
sizuoka-ito111.jpg
sizuoka-ito112.jpg

駿河湾海洋深層水使用の足湯があって、
sizuoka-ito69.jpg
sizuoka-ito70.jpg
sizuoka-ito113.jpgsizuoka-ito114.jpg

蝶も温泉が好きなんですね。入浴こそしませんが、お湯で濡れてる所を飛び移りながらお湯を舐めてましたから。
sizuoka-ito71.jpg
sizuoka-ito72.jpg
sizuoka-ito73.jpg

ここでは伊豆のB級グルメも出していたので、
sizuoka-ito79.jpg
sizuoka-ito74.jpg

"ケニーズハウス キッチン"(kenny's house kitchen)で、B-1グランプリにも参戦しているFRANCE DOGを。
sizuoka-ito75.jpg
sizuoka-ito76.jpg
sizuoka-ito77.jpg
sizuoka-ito78.jpg

"イート・ミー"(eat me!)で…
sizuoka-ito103.jpg
sizuoka-ito107.jpg

富士宮やきそば、
sizuoka-ito104.jpg

ちんちん揚げボール、シャボテンジュース。
sizuoka-ito106.jpgsizuoka-ito105.jpg

"伊豆高原 森のクレープ屋さん"でソフクリ。
sizuoka-ito108.jpg
sizuoka-ito109.jpg

まぁ食事やお土産を買うならこちらの方が充実しています、"道の駅 伊東マリンタウン"
sizuoka-ito85.jpg
sizuoka-ito86.jpg
sizuoka-ito87.jpg

他にも伊東市では随所に無料の足湯コーナーがあり、今回は"ふれあいの湯"を利用。
sizuoka-ito118.jpg
sizuoka-ito119.jpg
sizuoka-ito120.jpg
sizuoka-ito121.jpg

そのうち可愛いギャル達が来ちゃって、混浴は申し訳ないから上がりましたが。
sizuoka-ito122.jpg

その近くにあったアートなオブジェ…
sizuoka-ito124.jpg

ここで、
sizuoka-ito123.jpg
sizuoka-ito125.jpg

友人は一言『ケツ』と言ってました。
sizuoka-ito126.jpg

続いては伊東駅、
sizuoka-ito102.jpg

駅直結の商店街"湯の花通り"。
sizuoka-ito137.jpgsizuoka-ito138.jpg

随所で温泉が沸いてますが、
sizuoka-ito139.jpgsizuoka-ito140.jpg

珍しい事に足湯ではなく、手湯があります。
sizuoka-ito141.jpg
sizuoka-ito142.jpg
sizuoka-ito143.jpg

こちらは、オシャレすぎる"伊東市役所"。建物は新しくなったでしょうが、ここって当地出身で作家/女優の鈴木いづみが上京前に働いてたって所ですよね。凄いなぁ。
sizuoka-ito99.jpg
『みずからの敵がなんであるかを把握するには、世界を認識することからはじめなければならない』(鈴木いづみ)

隣にある"佛現寺"の入口。
sizuoka-ito100.jpg

続いて食べた物紹介ですが、伊豆は蕎麦も美味いとの事で…まず"広もと"
ito-hiromoto3.jpg

国道135号線沿いの店であり、こちらのでかい看板は目立ちますが、屋号より『手打ちうどん そば』の文字がはるかに大きい。
ito-hiromoto1.jpg
ito-hiromoto2.jpg

入口で蕎麦打ちしている調理場が見れるようになっているようですが、清潔でグッドですね。
ito-hiromoto4.jpg
ito-hiromoto6.jpg

入店。
ito-hiromoto5.jpg

芸能人などのサイン色紙が多々飾ってありました。おっ、岩下志麻さん。彼女の出演作で一番有名な「極道の妻たち」シリーズは個人的にどうでもよく、「この子の七つのお祝いに」が一番好きなのです。何と驚きのセーラー服姿も…あります。
ito-hiromoto7.jpg

もりそば、
ito-hiromoto8.jpg

玉子とじそば、
ito-hiromoto9.jpg
ito-hiromoto10.jpg

天付冷やしうどん。
ito-hiromoto11.jpg
ito-hiromoto13.jpg

うどんは原価がそばの4分の1とかで量が多く、また「プロジェクトX」で紹介された純国産小麦粉を使用しているのだとか。
ito-hiromoto12.jpg

お店のカード。
ito-hiromoto14.jpg

続いて、同じ通りの"おそばの鈴穂"
ito-osobanosuzuho1.jpg
ito-osobanosuzuho2.jpg

天ざるそば、
ito-osobanosuzuho3.jpg
ito-osobanosuzuho4.jpg

そしてこちら、トマトそば。
ito-osobanosuzuho5.jpg
こういう老舗のそば屋で伝統的な物だけでなく、女子向けな『イタリア風』なんてのも出してるのは好感持てます。

漁業が盛んな街では、魚を食べまくらなくてはなりません。まずは回転寿司の"海女屋"
ito-amaya15.jpg

ここで、当日に伊東港で水揚して(海女が?)直送された魚を食べられるのです。
ito-amaya1.jpg
ito-amaya2.jpg
ito-amaya3.jpg

回転寿司のお店ながら暑い時期だからか回ってはおらず、注文してから握ってもらえました。
ito-amaya4.jpgito-amaya5.jpgito-amaya6.jpg
ito-amaya7.jpgito-amaya8.jpgito-amaya9.jpg
ito-amaya10.jpgito-amaya11.jpgito-amaya12.jpg

お吸い物も美味い!
ito-amaya13.jpgito-amaya14.jpg

続いては湯の花通りでも寿司を食べようと、"本家鮪屋 すし茶家"へ。
ito-honkemaguroya-sushi-chaya1.jpg

握り寿司、
ito-honkemaguroya-sushi-chaya2.jpg
ito-honkemaguroya-sushi-chaya4.jpg

ちらし寿司。
ito-honkemaguroya-sushi-chaya3.jpg

お吸い物も美味い!
ito-honkemaguroya-sushi-chaya5.jpg

これは当地の名物、伊豆稲取産のニューサマーオレンジを使用した飲物。
ito-honkemaguroya-sushi-chaya6.jpg

ニューサマーオレンジジュースはお土産にも良し。
sizuoka-ito127.jpg

居酒屋でも魚を、というわけで"伊豆鮮魚商 まるたか"
ito-marutaka1.jpg

ビールに、伊豆の地酒あらばしり。
ito-marutaka2.jpgito-marutaka3.jpg

当然ここでは伊豆の魚を喰いまくったわけですが…まず地魚お刺身5点盛、
ito-marutaka4.jpg

地魚たっぷり海鮮丼、
ito-marutaka5.jpg

自家製干物とろ塩サバ、
ito-marutaka6.jpg

そしてこの時期は秋刀魚塩焼き。
ito-marutaka7.jpg

一応毎回覗いている"ジャンプ"。それにしても伊東市は古本屋シーンが弱すぎる。
sizuoka-ito81.jpg

あとは久々に、秘密基地でバーベキューもやりましたよ。
sizuoka-ito90.jpgsizuoka-ito91.jpg
sizuoka-ito92.jpgsizuoka-ito93.jpg
sizuoka-ito95.jpgsizuoka-ito98.jpg

アウトドアなんて似合わない我々、火をおこすのに苦労しましたが…その分美味い!!
sizuoka-ito94.jpg
sizuoka-ito96.jpgsizuoka-ito97.jpg

彼は調理師なのでチャチャッと伊東の空芯菜炒めや、その他つまみを作ってくれました。
sizuoka-ito136.jpg
sizuoka-ito134.jpgsizuoka-ito133.jpgsizuoka-ito135.jpg

翌日。
sizuoka-ito145.jpg
sizuoka-ito144.jpg

最後に、"城ヶ崎海岸"を訪れました。
ここも駐車料金500円かかりますが、車を降りると黒猫が3匹動き回っており、まずそれで萌え!
ito-zyogasaki1.jpg
ito-zyogasaki2.jpgito-zyogasaki3.jpg
ito-zyogasaki4.jpgito-zyogasaki5.jpg
城ヶ崎海岸といえばあれだ、東陽片岡先生の短編漫画『お金屋が行く。』で登場する所ですが、そういえばその作品が収録されている単行本「東陽片岡 哀愁劇場」(青林工藝舎刊)でもう1作、『キムチチゲ情話』でも伊東が話に出てくるんですよね。
単行本「ステテコ行進曲」(同じく、青林工藝舎刊)に収録の『伊豆のおピンクナイトは、すこぶるブルーナイトだった。のまき』も正に伊東温泉の話だし…よく行くようなのです。『めくるめく夜は、そこかしこでお心霊ナイトだった。のまき』は薬仁湯という温泉がある旅館でインポを治した話だったし、私もいつかお世話になるかもね。
さらに単行本「レッツゴー!! おスナック」(同じく、青林工藝舎刊)に収録の『憩いのシアワセ・スポットは、やっぱひ温泉だった。のまき』や『初秋の伊豆高原は、この上なくふにゃらいでいた。のまき』や『やさぐれババアおスナックは、蚊取り線香ナイト。のまき』、さらに『秋の伊東温泉は、城ヶ崎ブルースだった。のまき』はタイトル通りこの城ヶ崎海岸が舞台。

先に進むと出てくるのがインポとは無縁のそそり立つ男のシンボルのような、この立派な門脇灯台…我々が着いたと同時に閉めてしまい(PM5時)、登れず。猫と遊んでさえいなければ!
ito-zyogasaki6.jpg

続いて、しょぼい手書きの案内板に導かれて進むと…
ito-zyogasaki7.jpg

門脇吊橋。長さ48m・高さ23mありけっこう揺れるので、激しい波の音と併せて恐怖を楽しむ。
ito-zyogasaki8.jpgito-zyogasaki9.jpg

城ヶ崎海岸は溶岩岩石からなり、海岸線の絶壁を楽しめる場所。
ito-zyogasaki12.jpg
ito-zyogasaki13.jpg
ito-zyogasaki14.jpg
ito-zyogasaki10.jpg
ito-zyogasaki11.jpg

あの作詞家・星野哲郎がここをお気に入りだったようで、歌碑が置かれています。「雨の城ケ崎」「城ケ崎ブルース」、これはどちらも知らない曲でしたが。
ito-zyogasaki19.jpg
ito-zyogasaki20.jpg

断崖絶壁!
ito-zyogasaki18.jpg
ito-zyogasaki15.jpg
ito-zyogasaki17.jpg
ito-zyogasaki16.jpg

この環境だからこそ生と死とは、そして人間とは何か思索する事が出来る。
ito-zyogasaki22.jpg
ito-zyogasaki21.jpg

どうしたら人は大悟する事が出来るのか…悟りの境地は体験でしか認識出来ない、つまり学校で経典などを学んで得られる知識ではとうてい辿り着けないモノだとは分かりますが。
そして、人はどうしたら『幸せ』になれるのか。色即是空、空即是色…
ito-zyogasaki23.jpgito-zyogasaki24.jpg


  1. 2012/10/02(火) 23:59:14|
  2. 旅行・紀行・街
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

プロフィール

BRUCE

Author:BRUCE
BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する