大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

梶原一騎(55) 川崎のぼる 10 村上よしゆき 2 「新約「巨人の星」花形」 2

前回に続いて梶原一騎川崎のぼる原作、村上よしゆき漫画による「新約「巨人の星」花形」(講談社刊)です。
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あの名作「巨人の星」でライバル役だった花形満を主人公にして現代風にリメイクした作品です。
オリジナル作品には無かった中学生時代の花形周辺エピソードにたっぷり時間をかけた後、ようやく高校編で原作のキャラクター達も活躍しだした所から。

神奈川県の"紅洋高校"に入学した花形は一年生対上級生の紅白戦で天才の実力を見せ付け、副キャプテンの大泉洋輔やチームメイト達に認められて、共に甲子園を目指すようになりました。
東京都の"青雲高校"に入学したのは花形の宿命のライバル・星飛雄馬。彼もその豪速球に似つかわしくない弱小野球部に入りながら、応援団長だった伴宙太がその球をついに捕れるようになって黄金バッテリーを誕生させていた…

まずは神奈川保土ヶ谷球場にて、紅洋高校VS青雲高校という…ご存知の方も多いでしょうから書いちゃうと後に夏の甲子園大会決勝戦で戦うチームが練習試合で顔合わせします。
1年の花形がその才能から4番バッターになりますが、この時点ではまだ飛雄馬に相手にもされていない花形。前回の非公式勝負で花形は、43球かすりもしない惨敗でしたからね。
青雲高校側も、超高校生レベルの飛雄馬がマウンドに出たのでは試合にならないと考えて出場させない予定でしたが、それを成長した花形が引きずり出す。そして、ついにベールを脱いだ飛雄馬の投球が、紅洋側や試合観戦に来ていた連中の度肝を抜くのです。何しろ初めて本気、いや実はまだ本当の本気ではないと後に分かるのですが、速さを見せた時の飛雄馬の球は『ズドンッ』の文字だけで見開き2ページ使っています!人間の目に見えるレベルではない事を画期的に表現したのでしょうか。

ちょっと一休みしてこちらは、10巻の裏表紙。
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これが誰かって!?飛雄馬の姉・明子ですよ!あのいつも控えめで、野球キチガイ親子を物陰から応援していた明子が…こんな巨乳でスタイル抜群のカワイコちゃんになっています。素晴らしい。もちろん今作は花形が主人公なのだから、ヒロインも明子になります。

さて、普通の高校球児に打てるわけもない恐怖の豪速球ですが、花形だけは嬉しがり、また対応します。
ところでこの白熱する練習試合の最中、紅洋高校の赤川剛史が飛雄馬の球を例えてある話をするのですが、そこで出してきたネタが映画「エル・トポ」!これは驚きましたよ…アレハンドロ・ホドロフスキーの名作ですが、あくまでカルト映画として有名な作品であり、週刊少年マガジン読者の少年達は誰も知らないだろ、と。
また、この試合を偵察していた中に何人か重要な人物がいますが、特に"熊本農林高校"の左門豊作。弾丸ライナーの彼は、オリジナルそのままのキャラクターデザインですね。

練習試合というのに白熱しまくるこの勝負。
ここで花形は重要な『気付き』を得ます。飛雄馬との数々の再会や因縁は、己の魂同士が引き合わせる運命だった、と。彼との勝負の為に野球をやっていたのだ、と。
飛雄馬の球は音速の壁をぶち破って(!?)炎と雷を帯び、花形のバットは竜巻を呼ぶ…映画「少林サッカー」的な激しい表現はオリジナル「巨人の星」をはるかに上回る大げさぶり!
そういえば「巨人の星」で付き物でもある『目の中に燃える炎』ですが、このリメイク版では炎の大きさが目玉の中には納まらず、はるかに飛び出しています!!

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お互いが宿命のライバルと認め合った試合は終わり、容姿端麗で成績優秀、野球はもちろん他のスポーツも万能で、ついでに家が大金持ちである花形のモテまくり学園生活なども描かれて…バットでテニスをする、オリジナル作品にあったエピソードもちゃんとありました。
いよいよ夏の甲子園の開幕です。その頃にアイドルグループ『オーロラ三人娘』(オー娘)の椿マミが誘拐される事件に遭遇し、何と花形が救出します。たまたま人気絶頂のアイドルが誘拐されてそれを単身助け出すって童貞中学生の妄想のような展開ですよね。そんでマミタンも花形ファンになり、スポーツ新聞で関係が書きたてられて、と。

さて甲子園はまず神奈川地区予選がありますが、この激戦区で紅洋高校は一回戦の"由比浜高校"を圧倒的な力で倒して、二回戦は名門"横須賀学館"。ここのエース、巳土里長太郎は大蛇(オロチ)なる魔球を持っていて、さらに性格の悪さが凄くて「新約「巨人の星」花形」全編を見渡しても一番の悪役でした。
三回戦"神江東高校"のエース、今村佑介はマミタンを奪った花形に恨みを持つアイドルオタク。四回戦"茅ヶ海高校"のエース、伊藤大作は変則すぎる投法が魔球レベルで花形すら三振を繰り返した奪三振王。五回戦"釜倉学園"のエース、平井美喜男は凄いナックルボールを投げるし…

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で、次が準決勝。相手は"一浜高校"で、エースの篠原レイジは中学生編のブラックシャドーズ時代に練習試合で倒した相手ですが、彼も星飛雄馬というスケールのでかい投手の存在を知り、神奈川県No.1投手に成長しているのでした。
ちなみにオリジナル「巨人の星」最終巻まで巻数が追いついた19巻では、マガジンの漫画家仲間達が巻末にお祝い漫画を描いているのですが、森川ジョージ先生の「新約 巨人の一歩 花形」は貴重でしょう。20巻でも同様にお祝い漫画が収録されていますが、現在もマガジンで「A-BOUT!」を連載中の市川マサ先生が新人賞の同期で親友みたいですね。

神奈川地区予選の決勝は王者"海王大付属高校"。ここの四番打者、獅童巌は高校球界日本一の打者との事であり、「北斗の拳」のラオウをモデルにしていると思われる風貌も良くて楽しみにしていたのですが、何と4ページで終わるという予想外の展開!
それから20巻にして、ようやく夏の甲子園大会本戦。 紅洋高校の花形満、当然東京都の代表になっている青雲高校の星飛雄馬、この二人の天才の名前は全国にとどろきます。

準決勝で飛雄馬が熊本農林高校の左門豊作と対決。基本的にオリジナルに忠実な展開で、左門のバットが折れて飛び飛雄馬の左手親指の爪が割れる重傷を負うのですが、時代が違うのでバットが金属バットになっているんですよ。まさか金属バットが折れて飛ぶとは…
それでも投球のスピードがむしろ上がり、165キロを記録しました!そういえばオリジナルでは飛雄馬の球のスピードなんてきっちり数字で出た事はありませんでしたね。

そして運命の決勝戦。もちろん紅洋高校VS青雲高校、花形満VS星飛雄馬です。
最終巻の22巻でこの一戦が描かれますが、これでようやく1巻のプロローグに追いついたわけですね。作品のメインとなる勝負なので、さすがにオリジナル「巨人の星」と同じ展開にはなりません。ケガした飛雄馬がスローボールしか投げられなくなり、敬遠したりでは厳しいと判断したのでしょうね。
客席に黒沢影人が登場したりもして盛り上がりますが、何と頼みの花形が三打席連続三振する屈辱!
0対0のまま勝負は延長戦にもつれこみ、結果は果たしてどうなるのか!おお、試合後は花形と飛雄馬がマウンドで泣きながら抱き合い、その後ろに伴宙太も泣きながら仁王立ちする、あの感動シーンが再現されています!流れる涙は、やはり目の幅ほどの太さ。

で、このリメイク作「新約「巨人の星」花形」はほぼ終了。つまり単行本の巻数はオリジナル作品を上回りながら、話は4巻分までしか行ってないのです。
一応キャラクター達のその後や、プロ入りした花形と飛雄馬も描かれるのですが、あくまでこれはエピローグとしてですね。ダイジェスト版みたいな感じですが、巨大な鉄球を鉄バットで打つ秘密特訓の末に飛雄馬が編み出した大リーグボール1号を打つ所もありました。そして宿命のライバル達の戦いは続く…

良かったです、この『新約』としてのリメイク。これをきっかけに「巨人の星」や、他の梶原一騎作品、川崎のぼる作品を遡って手にした若い読者も多いのではないでしょうか。
村上よしゆき先生はその後同じ週刊少年マガジンで「ラクゴモン。」なる落語漫画(渋い!)の連載を開始しましたが、それも終了してしまいました。
今度は次々と、梶原一騎作品のリメイクをしていく、みたいな事をしてくれませんかね。せっかく可愛い女性を描くのが得意みたいなのに男くさい梶原漫画では勿体無いかもしれませんが、そこはカワイコちゃんを多く出して活躍する『新約』にすればいいのだし。まずは「愛と誠」を手がけて、巨乳美女となった早乙女愛なんか描いてくれたら嬉しいですね。


そうか…そうだったのか……
今……分かった!
ボクは君の球を打つ為に…その為だけに…………
今まで野球をやっていたんだ…!



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  1. 2013/06/30(日) 23:00:24|
  2. 梶原一騎
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梶原一騎(54) 川崎のぼる 9 村上よしゆき 1 「新約「巨人の星」花形」 1

今回は「巨人の星」の新約…つまりリメイク作。
オリジナル作者の名前は梶原一騎川崎のぼる原作としてクレジットにし、村上よしゆき先生が描き直したのは、その名も「新約「巨人の星」花形」(講談社刊)です。
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初出は「巨人の星」と同じ週刊少年マガジンで、本家連載開始のちょうど40年後(!)である2006年から、同じ約5年の歳月をかけて2011年まで連載されました。単行本はこちらの方が長い、全22巻!

まず、作者の村上よしゆき先生。この時はこれといって目立つキャリアが無くて誰?という所でしたが、1981年生まれの愛知県出身で、2003年に「うるとら☆チャンプ」でデビューした、との事です。梶原一騎先生と同じ誕生日(9月4日)であり、ペンネームは川崎のぼる先生が名付け親だというから羨ましい限りです。

連載開始第一回目からちゃんとマガジンで読んでましたが、絵が今風のポップな感じにアレンジされているので当初は川崎のぼる劇画を愛する私からしたら違和感が強くてきつかったんですよね。でも絵はすぐに慣れるし、綺麗な絵で丁寧に描いているのが見えてきてむしろ好きな作風になってきました。
作品の舞台設定も連載開始現在の時間に直しているので川崎絵の方が合わないでしょうし、「巨人の星」に関しては特に歴代様々な所でパロディをされまくっている作品なので、今さらここがイメージと違う、とか文句付けるのもナンセンスすぎるし。
そもそも、過去の名作をリメイクするという発想が素晴らしいですよね。当然コアなファンが付いているので読者によるチェックの目が厳しい中を挑んだわけですが、こういう企画は面白い。「あしたのジョー」に関してだけは、ちばてつや先生がどんなオファーも断っていると真樹日佐夫先生の著作で書かれていましたが、他にも無数にある梶原一騎原作のあれもこれも、きちんとしたリメイクなんてされてないじゃないですか。これを期にこういった試みが流行りませんかね。

さて「新約「巨人の星」花形」
時間軸が現代になっているのに加えて、特に大きな違いはタイトルでお分かりの通り主人公が花形満に変更されている事。当然星飛雄馬は強力なライバルとして登場する事になります。
オリジナル作品と同じ登場人物が次々と出てくるものの、主人公も含め性格などの設定が違う部分が目立ちます。もちろん名作をそのままなぞるように描いてもしょうがないので、どれだけ変えて面白く見せるかが見所でしょう。
それに本作のみ登場の創作キャラが多く登場しますが、特に序盤。甲子園決勝戦で登場した花形満のプロローグから、いきなり数年前に遡り、オリジナルでは描かれなかった花形満の中学生時代からスタートです。
中学一年生でチビの花形…ケンカは弱く、小学生の頃は投手として(何と花形が投手!)リトルリーグで全国大会を二度優勝するほど大活躍した天才でありながら、肩を壊して打者としての再起を目指します。

ただしこの中学校の野球部は荒廃して不良のたまり場となっており、それを花形満が現れた事で皆が野球に打ち込む土台が出来ていく…そんな展開で、真面目に練習し始めたら不良が一般生徒からなめられてジレンマに陥ったり、森田まさのり先生の「ROOKIES」(ルーキーズ)からの影響を感じます。
この中学生編では順主役として三年生の黒沢影人なる創作キャラが描かれるのですが、長身でアンダースローからの高速スライダーを投げる投手。彼がある考えから暴力事件を起こして野球部は廃部となり、それでも諦めない花形は草野球チーム"ブラックシャドーズ"(ブラックシャドウズ)を結成して次のステップへ進むのです。
このチーム名はおなじみですね。もちろんオリジナル作品「巨人の星」で花形が不良少年時代(今作では不良ではない)にいた球団ですが、そのチーム名が『黒沢影人』→『黒い影』→『ブラックシャドーズ』と黒沢から取られていたとは、40年後の新事実発覚!といった所でしょうか。まぁ、ここらへんはただのお遊びですが…

花形が監督も務める事になったブラックシャドーズは、かつてリトルで花形の控え投手だったためにコンプレックスを抱えており、成長したレイジ率いる桜町シニアとの対決。ただの練習試合ながら、白熱したこの試合で花形はチームからの信頼も得て、打者としての凄さ、天才ぶりも確かな物となりました。
で、この試合後にスタジャンの少年がボールを拾ってくれて花形と一瞬の邂逅を果たすのですが、この少年こそ、花形の最大のライバルとなる星飛雄馬。3巻の途中でようやく登場しましたが、この時は顔見せだけで物語に絡んでくるのはまだ後の話。

もうちょい黒沢影人を中心とした話が進むのですが、彼は元々は同じ野球部員だった狂気の男・滝洋一との諍いをきっかけに二度と歩けない、当然野球も出来ない体になってしまうのでした…
そして黒沢は物語からフェイドアウト。いや花形の精神に多大な影響を与えているので大事な位置に存在はしているのですが、彼を失う事によって物語は次の段階へ。ブラックシャドーズを解散し、花形は野球すらやめてしまうのです。

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黒沢影人が再起不能になりブラックシャドーズが解散する、という暗い所で物語が一区切りしたのですが、単行本途中で村上よしゆき先生が書いていた説明文によれば、それも川崎のぼる先生にも承諾を取っているそうです。という事は川崎先生、名前ばかりの原作クレジットじゃなくて相談くらいは受けているのですね。他にはどれだけ口出ししたのか、自分で決めた展開などがあるのかはまるで分かりませんが…

で、それから2年後。花形満は背も伸びて中学三年になっています。
しかも無免許でバイクを乗り回してるし、柄の悪い仲間も増えてケンカも強く、つまり彼も不良になっていますが、飛雄馬と出会ってしまうのです。二度目の邂逅となる今度は成り行きからちょっとだけ参加した草野球の場で。
草野球のレベルに合わせて、というよりまだ父の一徹以外の前で自分の力を見せた事がない飛雄馬は本来は左投手であるのに右で投げていて、それを見破る花形…という事は「新巨人の星」で右投手に目覚める、あの設定は無しだと分かります。
ついに左投げする飛雄馬ですが、しかしあの"大リーグボール養成ギプス"を着用したままであり、勝負付かずで終わってしまいました。ようやく飛雄馬側のドラマも描かれるようになりますが、一徹による激しいちゃぶ台返しが見開きページで2ページ使って描かれます!これはもうオリジナル作品ファンへのサービスでしょう。とはいえ、オリジナル作品でも1回しかひっくり返してないのですが(それも飛雄馬を殴ったら一緒にちゃぶ台が吹っ飛んだのです)、まぁアニメ版エンディングの影響で物凄く有名な行為です!
ちなみに親が優しくなった今の時代にリメイクした今作でも、一徹はガシガシと拳で息子に暴力をふるってますよ。

あとは花形がバイト中の飛雄馬の姉・明子と運命的な出会いもします。バイト先はもちろんガソリンスタンドで、会う時代などは違いますが場所だけは原作に忠実。
連載開始から1年もかかってからですが、飛雄馬側が描かれるとなると必然的に原作の内容に近くなっていきます。飛雄馬の一番の親友兼捕手である伴宙太も登場しますが、彼が最初は"青雲高校"の暴君的存在で野球部員達に『九竜虫』がモゾモゾ動いてるのをスタミナ料理と称して食わせていたり、細かい所が原作に忠実で笑えます。
今作では花形が主役なので別の出会い方で伴の方と対決したりしますが、こういう原作と違う展開を期待する読者になっている自分に気付きますね。

さて花形満と星飛雄馬の三度目の出会い。ここでついに大リーグボール養成ギプスを外して対決するのですが、何と43球投げてかすりもしない、自他共に『天才』と呼んでいた花形の完敗。さらに一徹が息子の限界を見るためにと、飛雄馬が猛練習で疲れた状態でやった勝負だったのだから、力の差は歴然すぎます。
このような実力差があっても燃えた花形は予定されていたイギリス留学を止めてブラックシャドーズ時代の仲間もいる神奈川県の"紅洋高校"に進学。飛雄馬が東京都の青雲高校へ進学し、二人は熱く戦う事になる…

花形が入った紅洋高校野球部は上級生による支配が激しく一年生はボールにすら触らせない方針でしたが、初めは対立した上級生達も花形の天才ぶりは認める所となり、学年による差別は廃止されました。
ちなみに紅洋高校にはもう一人天才と呼ばれた男、新海雄一キャプテンがいるのですが、彼はアキレス腱を断裂していて試合には出れない。副キャプテンが大泉洋輔で、エースは何と黒沢があのケガを負うきっかけになった滝洋一。他にもブラックシャドーズ時代に一緒だった元不良の赤川剛史桜庭朔、双子の金子竜一&竜二、同級生でも水野大樹芳賀聡、可愛い女子マネージャーの桃井江梨子。その他、主役周辺の数人だけを重点的に描いていたオリジナル作品に比べて周りのキャラを掘り下げています。
飛雄馬が入った青雲高校の方でも他の部員の出番を増やすと同時にキャラ設定を大幅に変えていて見所がたくさんあります!
そして二人の対決の日は近づいていく…

最初から容姿端麗で勉強もスポーツも出来て、"花形モータース"の御曹司なのでとんでもない大金持ち、こんな完璧すぎる奴を少年漫画の主人公にして大丈夫なのか!?ダメ押しにこのリメイク作のみの設定としてシェークスピアの言葉をとか引用するのを好むキザな奴になってるし!
なんて心配はしましたが、それが上手く悪役を出して構成された物語で引き込まれていくのです。続きは、また次回。


ボクは…自分の言葉を 曲げるつもりなどない……
グラウンドで語る言葉はもうない……
あとは実力で見せ付けてやるだけだ……!



  1. 2013/06/26(水) 23:59:21|
  2. 梶原一騎
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梶原一騎(53) 影丸譲也 1 「巨人のサムライ炎」

梶原一騎原作、影丸譲也作画の「巨人のサムライ炎」(海苑社刊)です。
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今回の作画担当は影丸譲也(後に『譲』の字を『穣』に変更)先生。
1940年生まれの大阪府出身、貸本劇画出身者で、梶原一騎原作は「空手バカ一代」「武夫原頭に草萌えて」「白鯨」があり…そうだ、「新カラテ地獄変」では中城健先生が降板以降のラスト100ページを担当してもいました。でもあれは何故か、影丸先生の名がどこにもクレジットされていないんですよね。
他に梶原先生の実弟である真樹日佐夫原作作品「ワル」や、横溝正史の金田一耕助シリーズ等、数々のヒット作を手がけていましたが、昨年(2012年)に逝去されました。

影丸作品なら他に紹介したい物がいくつもありますが、「巨人のサムライ炎」が最初になったのは「巨人の星」紹介の流れ故です。あの続編である「新巨人の星」の、さらに続編というか番外編というか、とにかく最新の星飛雄馬が見れる作品。初めて飛雄馬が川崎のぼる先生の手から離れたわけですね。

初出は「新巨人の星」と同じ週刊読売で、1979年から翌年まで連載されました。単行本は読売新聞社から全4巻で出版されていたのですが長らく絶版状態が続いてまして、ようやく私が手に入れたのは2004年9月に海苑社から復刻された改定完全版。
これが分厚い本で全3巻…の予定だったのですが、2巻が2005年に出てから待つ事長き年、未だに3巻は出ておらず、恐らく今後も出ないでしょう。よってこの作品は完結まで読めていないのですが、内容がイマイチで飛雄馬もすぐに出なくなるし、今の所レアな読売新聞社版を高値出して購入するには至らぬまま、まぁいいやと思ってます。

舞台は1979年の春にスタートします。
長嶋茂雄監督率いる巨人軍は『空白の一日』とも呼ばれる江川問題でその名が悪名になっている次の年。よって「巨人の星」ではまだ出ていなかった江川卓投手が大物ルーキーとして登場します。ここでは特に言及されていないので、梶原一騎先生が江川問題をどう受け止めていたか分かりませんが、子供達の憧れだったはずのプロ野球の持つ大人の汚さが一気に表面化した事件で、私も大人になってから調べて何と面白いのかと笑ったものでした。
ともかくその江川卓が投球練習していると、突然飛び込んできてその球を打ち返した男有り…彼こそが本編の主人公・水木炎です。東京、大阪、九州と高校を転々としながら野球部に入り、どこでもエースで4番だったものの無類にケンカっ早いだために退学になって甲子園などの実績は得られなかったものの、天才的な野球センスを持っている若者。しかし現在はディスコの帝王で、つまり真面目一辺倒だった飛雄馬とは正反対のキャラが主人公。

長嶋監督は炎に目を付けてフリースカウトの沢田修を使って身辺を調査すると、ジャイアント馬場そっくりな馬耳念仏朗という大阪の高校で一緒だったウマ面と"丸梶荘"(作者二人の名前から名付けてますね)で同居している事が分かり、続いてある野球選手と投打の両面で勝負する事を求めました。
まずは炎が投げてその何者かが打つ段階で、負け知らずだった炎があっさり打たれてしまい…次は逆、炎が打つ番では"蜃気楼の魔球"で三振に仕留められました!この魔球を投げるのはただ一人、そう星飛雄馬だったのですね。
これにより復讐のためではあるのですが、炎は野球に対する謙虚さを持って練習に打ち込むようになりました。相手がプロの一流である事も関係なく『プロだのアマだのは人間のきめたハンデ そんなの野獣のケンカにあるか!?』というわけでして、それが正に長嶋監督の狙い通り。

そんな中、花形満左門豊作が乗り込んできて、彼らのライバルである飛雄馬にアマチュアの炎ごときがケンカ売るのは十年早い事を教えて去って行きました。
影丸譲也先生が描いた花形と左門を見れるのは嬉しいのですが、これは「巨人の星」ファンへのサービスカットだったというべきか、これだけで彼らの出番は終了。

その後、炎がついにテレビに出て売り出されるゲームを仕組まれるのですが、それは女子プロ球団の"ピンク・ハリケーンズ"。女子との対戦というのは驚きですね。
この球団のエースで4番バッターかつ美しすぎる風吹梢は作中のヒロインとして登場し続け、やはり炎に惚れるのですが、それが馬耳との三角関係になって友情が悪化したりの一幕も用意されています。

さてここでもう一度、星飛雄馬に目を向けましょう。
蜃気楼の魔球をライバル達に打ち込まれた彼、つまり「新巨人の星」終了時点ての話ですが、思い描いていた右腕による第二の魔球は開発出来ず、限界を知って悩みぬいたのだそうです。
父の一徹とグラウンドで問答し、幻の名三塁手で終わった父に対して
『一度でも星になった人間には なりそこねた連中にわからん苦悩がある!
 おれはもう終わりなのかあ~~~っ!? うおおおお~~~っ』

と叫んで大泣きしていたのです。
後に炎と対決した時はもう諦めていたのか腹をくくったのか余裕の表情を浮かべていましたが、それから次のシーズンでは長嶋監督が飛雄馬はもう現役としては契約出来ないとして、一軍のピッチングコーチ就任を要請します。それを飛雄馬は水木炎を鍛えるために二軍のコーチを希望するのでした。
星飛雄馬のその後、最新の状態がこの作品になると思いますが、新魔球を開発せずに引退して指導者として球団に残るという姿を誰が想像したでしょうか。まぁ大リーグボールで右腕まで破壊されなくて良かったですけどね。作品自体がマイナーだし、その事はほとんど知られていないのではないでしょうか。
炎が巨人軍の入団テストをパスした時、飛雄馬は伝説の大リーグボール養成ギプスを彼に伝授するのでした。

これで飛雄馬の役割はほとんど終わり、炎一人に焦点が合わされて物語が進んでいくのですが、この作品の主人公である炎の特徴は、投手と打者の両方をやる野球二刀流を目指す事。
まぁ漫画では他の作品でもある設定ですが、これって現実のプロ野球ではありえない事らしいんですよね。パ・リーグは指名打者制度(DH-ピッチャーの代わりに打つ専門の人が打席に入る)からもちろんですが、ピッチャーが打席に入るセ・リーグですら塁に出ることは期待されないし、そもそも打撃練習をしないそうで。それだけ投球練習を専門にやらなきゃ通じない世界。歴史的な大打者である王貞治やイチローもアマチュア時代はピッチャーでしたが、 打撃専門に練習してあそこまでになったわけです。

猛練習して二軍で活躍した炎は、一軍デビューしてそこでも野球二刀流をやれる事を証明しましたが、広島東洋カープの江夏豊投手にプロの凄みを見せ付けられて惨敗する一幕もあり…
明けて1980年のシーズン。伊東市でのキャンプでシゴキぬかれた炎ですが、クタクタな体でヒロインの風吹梢と町を歩き、ラーメン食べて。「巨人の星」のデート舞台は宮崎でしたが、今作では伊東なんですね。そんなにロマンチックなもんではありませんが。
それによって嫉妬に狂った馬耳がライバル球団である広島に入団して敵対したり、風吹梢の方にもアメリカから来た女子プロ球団"アメリカン・ドリームズ"と対決しますがこの敵球団の主要選手二人も炎に惚れて梢も入れた三人で取り合いになって女の争いを繰り広げる、なんてどうでもいい事にページを割いているうちに分厚い2巻までが終わってしまいました。

この後は炎の前に強力なライバルが現れたりの展開があるのですが、冒頭に書いたように私は最後まで読めていないので、これにて終わりましょう。
「巨人の星」関連作品である事はしきりに書きましたが、タイトルと内容は同じ梶原一騎原作の「侍ジャイアンツ」に似ている作品でした。


もともとケンカやらかしたら 負けちゃならねえのがおれの主義!
だが負けた……星さんに 花形さんに 左門さんに……
自分が無性にダメになってることがわかったし
ここは死んでも負けっぱなしじゃいられねえってこと!



  1. 2013/06/22(土) 23:00:00|
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梶原一騎(52) 川崎のぼる 8 「新巨人の星」

梶原一騎原作、川崎のぼる作画の「新巨人の星」(講談社刊)です。
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あの名作「巨人の星」の連載終了から約5年後、連載の場も週刊少年マガジンから週刊読売へと移行し、1976年から1979年まで連載されました。単行本は前作と同じKC(講談社コミックス)版だと全11巻。

間隔が空いて川崎のぼる先生の作風が変わってしまい、絵柄が前作とは似ても似つかないくなっているのと(「長男の時代」に近い。これはこれで好きですが)、既に売れっ子になっていたため他にも連載をかかえていて当初は断りながらも渋々受けた無理な仕事という事もありやっつけ的で雑に描いているので…
要は二つの「巨人の星」がスムーズにつながらず違和感がありすぎますが、それでも当時の読者からしたら、あれで終わったと思われていた星飛雄馬のその後が見れるなんて夢のような話だったでしょうね。

今度の作品舞台は、1975年からスタート。
前作が連載されていた時の栄光は遠くなり、当時は選手だった長嶋茂雄が新監督となると天下の巨人軍が球団創立以来初の最下位という屈辱的な結果になっていました。
その頃、東京近郊の草野球界で密かに評判となっている助っ人がいました。有料ですが、草野球レベルの投手からは確実に打ち、盗塁成功率も100%だと言い、野球が終われば繁華街の定食屋で焼酎を食らい、巨人軍敗退のニュースを見ながら涙を川のように流している…
長髪になっていますが、この男こそ飛雄馬。あの大リーグボールを生んだ投手が、打者に転向してまで落ちぶれた巨人のために立ち上がろうとしています!まぁあれだけ絶望して去ったとはいえ飛雄馬は、まだ10代でしたからね。

父の一徹にすらあれから消息を絶っていたようですが、数年ぶりの再会。あれれ、一徹は飛雄馬が消えた後は球界に用無しと中日のコーチを辞任したそうですが、この続編では頭が白髪化し、さらに全編通して和服になってイメチェンしています!
姉の明子はやはりというべきか飛雄馬の宿命のライバルである花形満と結婚しており、花形に加えて親友の伴宙太も飛雄馬が去った後はさっさと引退して実業家になっています。二人のように実家が金持ちでない左門豊作のみ相変わらず大洋ホエールズで活躍していて、後半からの登場ですが牧場春彦はマンガ家として売れっ子の大先生になっている…というのが、前作から5年が経っての近況でしょうか。
あ、飛雄馬は前作で左腕の前腕部を破壊したはずなのに、肩を壊した事にされていますね。時が経って作者も忘れてしまったのでしょうか。

野球界に姿を現したと同時に次々と懐かしい面々と再会する飛雄馬。
肉親達は反対しますが、無二の親友である伴は全力で現役復帰の協力をし、『野球異人間ドック』なる計画で金をかけて飛雄馬の打撃の技術を磨く…
特に元メジャーリーガーで、ニューヨーク・ヤンキースで打撃コーチとしても数々の名選手を育て上げたビッグ・ビル・サンダーを呼んだ事で夢が近づいてきます。
バッターとして鍛えたのはもちろんですが、途中で飛雄馬の右腕投手としての可能性に気付くのです。そもそも飛雄馬は生来右利きだったそうで、それを野球では投打共に左利きが有利だからと一徹に矯正されていたのだそうで。

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ついに飛雄馬の現在の姿を見た長嶋監督も、バッターとしてではなく前代未聞の右投手として復活する事を構想して巨人軍テスト生として宮崎キャンプに参加させました。
かつて巨人の優勝に貢献した英雄が、ただのテスト生として表舞台に出てきた事で明子は最低の晒し者にされていると泣きます。さらに『飛雄馬は未練がましい野球コジキ扱いにされて…………』と。
それでもキャンプでサンダーから習ったスクリュー・スピン・スライディングを使って打撃と走塁を見せ付けると、正式な巨人の一員として迎えられました。
しかも、長嶋監督自身の持つ永久欠番『背番号3』を与えられて!前作ではやはり川上哲治監督が持つ永久欠番・16を貰っていましたが、今度は3番!しかし永久欠番って、こうポンポン使っていいものなんですかね。

シ-ズン前半は代打屋として公式戦デビューも飾って活躍しますが、オ-ルスタ-戦で野手として右投げを披露して以来、日本中の度肝を抜いたの飛雄馬の右腕投手としての復帰!
ようやくこの時が来ました…投手としてマウンドに立つのは、全11巻のうち5巻の途中まで来てからです。一徹からは"大リーグボール養成ギプス右投手用"を授けられますが、まぁ「巨人の星」といえばこのギプスが出なきゃ仕方ないですからね。今度は下半身に装着するタイプです。

飛雄馬の電撃復活から2年目のシ-ズンには、今は義兄であり実業家として成功している宿命のライバル花形満もヤクルトに入団してプロ野球界に戻ってきました!
元より彼は野球それ自体が目的ではなく、飛雄馬と対決する事に執念を燃やしていた人間ですからね。広岡達朗監督曰く『きみの全盛時代の打撃センスは長嶋・王・中西・張本・山内・野村らのそれに比肩するものと評価する』そうですが、さらに絶頂期に引退しているので身体のガタがきていない、というわけですぐに活躍し始めるのでした。
明子は愛する夫と弟の義兄弟が血で血を争う対決をする事を夢にまで見てうなされますが、問題はこのベッドでのシーン…寝間着姿で初めて分かったのですが、ものすごい巨乳です。ここから30年も後に村上よしゆき作画で描かれたリメイク作「新約「巨人の星」花形」では抜群のスタイル、もちろん巨乳キャラで登場した明子には散歩両論あったと思いますが、このシーンを見て忠実に描いたのかもしれません。

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この作品でも後半になってヒロインが登場しまして、それが女優の鷹ノ羽圭子。この髪型からして当時人気がった山口百恵がモデルでしょうか。
かつて死んだ日高美奈だけを生涯愛すると誓っている飛雄馬の決心が揺らいだほど素晴らしい女性であり、圭子も飛雄馬を慕う両思いでしたが、伴も圭子に惚れてしまう三角関係から…
飛雄馬は一徹を訪ねて相談すると『わしなら友情を採る!!』と断言されたのもあり、結局は圭子を振って野球一筋に生きるのでした。最後の別れのシーンはなかなか印象深い。

野球の方ではまた花形満や左門豊作、それに実在の野球選手達と対決する飛雄馬ですが、「新巨人の星」のみ登場の重要なライバルは阪神のロメオ・南条。南米リーグ出身で女好きです。
ある事から試合中のマウンドで飛雄馬が殴ってしまうほど…花形らと違って本当の嫌な奴キャラでした。

今作品連載中である1977年、飛雄馬のいる巨人軍なので登場人物としても重要な役どころを持つ王貞治が通算本塁打数でハンク・アーロンを抜いて世界記録樹立。
飛雄馬はこの偉大な人物や栄光の背番号3をくれた長嶋と比べて小さい自分を恥じ、巨人も日本一の座を逃したとあって…ついに!ついに大リ-グボ-ルに着手します!!

左腕を破壊した禁断の大リ-グボ-ルですが、ここでも坂本龍馬の言葉(として梶原一騎先生が創作)、
『いつ死ぬかわからないが いつも坂道を登ってゆく 死ぬときはドブの中でも前のめりで死にたい』
が飛び出して、巨人のために殉ずる決意を固めた飛雄馬がハワイで一徹、伴と共に編み出したのは大リ-グボ-ル右1号…ボ-ルが3つに変化する"蜃気楼の魔球"です。
今回はなかなか魔球が出てこない展開でしたが、最後から2冊目、10巻になってようやく出たわけです。

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大リ-グボ-ル右1号で勝利を重ねる飛雄馬ですが、ただし一徹曰く、過去に投げてきた魔球のうち最も見た目には凄いが攻略されやすい致命的な穴がある、との事。
そんなわけでやはり、それを見抜いた花形によって攻略されるのでした。ちなみに今回の魔球は、作中で原理が明かされずに終わりました。
この作品「新巨人の星」も、もはや通じなくなった大リ-グボ-ル右1号に続いて第二の魔球を夢見る所で終了。前作のような悲痛さは無いものの、負けて終わるのです。
実在の巨人が前のように勝てなくなった事が原因と言われていますが、連載もイマイチ人気が無かったのでしょう。また新魔球→破られる→特訓→新魔球…の無限ループが続く展開を避けられて良かったのかもしれません。

最終巻には、単行本半分程の分量を使って「それからの飛雄馬」が収録されています。
これは「新巨人の星」連載中である1978年に、前作を連載していた週刊少年マガジンの『創刊20周年記念』として掲載された読切作品で、飛雄馬が巨人を去って三年後(1973年ごろ)…つまり「巨人の星」「新巨人の星」の間に当たる時期の彼を描いた貴重な作品。
美奈と出会った宮崎の地で地元の日向三高野球部と関わり、入部予定者をコーチする話ですが、コーチとしての技術も一徹ばりに凄い事が判明します。
さらに巻末にもう一編、「旅立ち」なる短編が収録されているのですが、これは川崎のぼる先生のオリジナル作品でしょう…セカチューみたいな難病系感動話でした。


業だ!
もの心ついたころから 玩具といえばボールしか与えられず
あの時期は野球を憎悪しつつも オヤジの妄執 執念でたたき込まれ
首根っ子つかまれて"巨人の星"なるものを仰がされ
文字どおり野球のみに生き その投手として死んだ男の…



  1. 2013/06/20(木) 23:59:49|
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梶原一騎(51) 川崎のぼる 7 「巨人の星」 3

梶原一騎原作、川崎のぼる作画の「巨人の星」(講談社刊)の3回目、本編の紹介は今回で最後です。
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前回は星飛雄馬がヒロインの日高美奈と死に別れ、『第一部』が終わった所まででした。
続く『第二部』は、飛雄馬を幼い頃から鍛えた張本人で父親の星一徹が、息子と敵対する中日ドラゴンズのコーチに就任して黒人選手アームストロング・オズマを鍛える所から始まります。
一徹の暴力に怒り狂ったオズマがバリバリバリと着ている上着を素手で切り裂くと、その黒い肉体には…あの見覚えのあるギプスが!飛雄馬がしていたのより数が増えて体に巻かれており、"大リーグボール打倒ギプス"と名付けられています。『養成』じゃなくて、今度は『打倒』用のギプスですよ。

飛雄馬の方は、失意のどん底に沈んでダメになっています。
梶原一騎先生のもう一つの代表作である「あしたのジョー」でしょう…あ、梶原作品にヒット作は多々ありますが超有名作をこの「巨人の星」ともう一作挙げるのならばやはり「あしたのジョー」でしょう、あれと重要なキャラが死んで絶望しきった所で第二部に突入する構成は共通しています。
ただし力石徹と日高美奈の作品における重要度と比例するように、ジョーほどは長々と苦しまずにライバルの花形満による鉄拳、それと地球の神秘を目の当たりにした事により立ち直った飛雄馬!

再起して猛特訓の末に再び一軍に戻った飛雄馬ですが、見えないスイングを完成させたオズマ(その後ろに一徹)との対決である方法により魔球・大リーグボール1号が完全に打ち込まれてしまいました…
今度は野球の方でも息の根を止められるほどやられた飛雄馬。しかし諸々あって持ち直し、次の魔球・大リーグボール2号の完成に着手するのです。まず最初の魔球が1号と付いている以上、続きがあるのは誰にも想像出来ますよね。
そして同時に分かってくるのは、特訓して新しい魔球を完成させては対決し、いつかは破られる日が来てまた特訓に戻り次の魔球を…のループが続く事ですね。正に少年漫画のセオリー通りの手法ですが、大筋はマンネリ化しているようでも優れたプロットで様々な要素を絡めて緊張感を維持していて、どの巻も目が離せません。

で、ようやく完成した大リーグボール2号というのは正に奇跡、消える魔球です!
これはさすがのオズマも手が出ずに飛雄馬は復讐を果たしましたが、プロ野球は一発勝負ではないので結局また研究されるんですよね。ましてオズマ陣営には球鬼・一徹が付いているわけで。
ちなみにこの一徹が、自らの夢として鍛えた息子の飛雄馬と全力で敵対している真意は、やはり飛雄馬が完全な野球人として成長するためのものでした。見事父を乗り越えれば、その時こそ王者巨人の星座にあってひときわでっかい明星になれる、と。背番号84なのも、背番号16を持つ飛雄馬が父を飲み込めば足し算で100、すなわち完全にると。
…おっと、無理矢理鍛えられていた子供時代の回想で、毎朝のランニングコースが工事で通行止めだったために近道を走って帰ると殴る蹴るの暴行を加えられて血まみれで倒れるエピソードがあります。
『つらい苦しい遠まわりをえらんでこそ おのずと成長がある』という理屈を教えるためだったのですが、子供に対してぶったおれても蹴りまくるこの描写は、確かに虐待だ。この環境でも飛雄馬は卑屈になったりグレたりせず、誰よりも善人で成長した事が大リーグボール並に凄い!

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あっという間に終わった飛雄馬の恋愛の代わり…というわけでもないでしょうが何と、男達の影で健気に存在していた姉の明子。彼女がバイト先のガソリンスタンドで花形に出会って惚れられ、同時に飛雄馬の親友にして捕手の伴宙太からも!!
祝福しつつも奇跡の魔球で花形を倒せば必ず彼は男の勝負を選んで明子には目もくれなくなる事を心配し、それでも必ず自分の野球と姉の青春を両立させる事を誓う飛雄馬。
明子が花形と伴のどちらを選ぶのか…それは今作では決着が付かないのですが、後に出る続編で答えが出ます。

KC15巻の途中からは、『第三部 青春群像編』に突入。
「巨人の星」は実在の選手も絡めて物語にリアリティを出している作品ですが、最後は巨人軍にいた日本一の大投手金田正一の引退。当時のファン達にとって大ショックだったであろうこの件が長々とページ使って描かれます。

それから次のシーズンを前に、アメリカのセントルイス・カージナルスへオズマを返さなければならなくなった中日ドラゴンズ。
星一徹コーチが次に狙った選手は何と飛雄馬と同じ巨人軍、というか無二の親友である伴宙太。様々な陰謀が渦巻く中で伴を本当にトレードで手に入れるのです!
さらに一徹、大リーグボール2号を打つために六甲山中の雪の中で特訓する花形、同じく九十九里浜の海辺で特訓する左門豊作を尾行してこっそりその様子を覗いてますが、行動範囲広すぎ。

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大リーグボール2号は打たれるまでかなり長い時間をかけています。球が消える秘密も少しずつ小出しにして読者に推理させる楽しみもあったみたいですね。「巨人の星」は魔球が変化するメカニズムを、まぁ非現実的でもきちんと説明するのも良い。
やはりタネがばれて打たれる日も来ます。飛雄馬と伴の親友対決は盛り上がりましたが、ここはギリギリ飛雄馬の勝ちで終わりました。大リーグボール2号に完勝したのは次の阪神タイガース戦、つまり花形満でした。
毎度全力の命がけで戦っているだけに、この魔球が打たれてボロボロになって勝手にマウンドをおりて戦線離脱。自ら『寸たらずの非力なチビ』とまで言う飛雄馬の体型では速球で真っ向勝負が出来ない理由付けされていましたが、ここで大リーグボール1号だの2号だのは野球の邪道だ堕落だとまで、これまた自ら言っちゃってます。

そんな状態で左門が新宿の"竜巻グループ"なるズベ公達にからまれているのに遭遇したため助けるのですが、この集団の女番長・京子が飛雄馬に惚れて、左門が京子に惚れる三角関係も巻き起こります。
そこから新宿の暴力組織の中でも親分の中の大親分である鬼怒川組の組長と対面しての暴力沙汰へ。梶原一騎作品はほとんどヤクザが絡むのですが、この日本一有名な野球漫画でもそうなのでした。
少年の日を思い出してあの長屋に戻ってみたら、新しくスーパーマーケットを建てるとかで取り壊されていてまたショックを受けるし…

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が、飛雄馬はとにかくあるヒントから再起を図り、大リーグボール3号が誕生しました。今度はアンダースローで、何とバットをよける魔球!
この作品は後半になるにつれセリフや説明がくどくどと長くなってきまして、もちろんこの魔球の原理も明かされますが、これは投げると左腕の前腕部を酷使してボロボロになり、さらに続ければ『ビシッと音がして』左腕の指は永久に動かなくなると言われます。それでも投げ続け…『死ぬときは たとえどぶの中でも前のめりに死にたい』の、あの言葉通りに飛雄馬は戦うのでした。

連載期間約5年、単行本は全19巻に及んだ「巨人の星」最後の試合は巨人VS中日戦。つまり星飛雄馬VS星一徹(&伴宙太)。
あまりにも強大な敵が大リーグボール3号打倒の策も用意していますが、見事に勝利、しかも初のパーフェクトゲームを達成という快挙を成し遂げました。
しかし巨人軍を優勝させた張本人である飛雄馬は左腕を完全に破壊させました。「巨人の星」で描かれる野球という物は、そこらの格闘技なんかよりもはるかに厳しい道・苦行なので、まだ10代にして野球は出来ない体になって自ら姿を消すのでした…
星親子の勝負は終わった、そして巨人の星を掴んだ、という事だけを見たらハッピーエンドなのに、あまりにも暗いこのラストは見物です。

この作品が日本漫画史上でも有数の名作になったのは、作画を担当した川崎のぼる先生の力も大きいでしょう。
私は何十回も読んで分かりきった内容ながら大好きな川崎絵が見れるだけでこの本を開く事が多々ありますが、いい味出してますねー、ホント。連載終了から40年以上が経ってなおそこら中で「巨人の星」の絵を目にするのも、魅力が溢れているからでしょう。現在ではパロディの対象として扱われる事ばかりですが…たとえ古臭いと思われていても、人々が見て何も思わない絵だったら高い金出してテレビCMなどで使うわけがありません。
その川崎のぼる先生が梶原一騎原作と組んだのは、他にこの続編である「新・巨人の星」、既に紹介した「男の条件」「花も嵐も」、それから1966年の「大魔鯨」、1967年の「白い魔神」と、合計6作品もあります。どれも面白いのですが、「巨人の星」一本しかヒットしなかったのは残念でなりません。

これだけの有名作なので関連本・研究本の類も多々出ています。
例えば河崎実と重いコンダラ友の会著の「「巨人の星」の謎」や、堀井憲一郎著の「『巨人の星』に必要なことはすべて人生から学んだ。あ。逆だ。」(共に講談社刊)。
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最後はこれ、小川雅也「巨人の星伝説 星一徹と50の名言」(読売新聞社刊)を載せておきましょう。
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これは星一徹の名言集という体裁を取りながら、『巨人の星第一世代』だという著者自身の記憶・思い出を基にした時代考察や現代社会批判などが繰り広げられて…けっこうな活字量だし難しめの表現で、購入した1997年の発売当時はポカーンとなった覚えがあります。


はてしなき 戦いあるのみ!
栄光のあとにも! 敗北のあとにも!
人の生きるかぎり なんらの差別なく
戦いあるのみ!



  1. 2013/06/17(月) 23:59:59|
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梶原一騎(50) 川崎のぼる 6 「巨人の星」 2

梶原一騎原作、川崎のぼる作画の「巨人の星」(講談社刊)紹介の続きです。
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大昔…巨人軍の川上哲治監督と同世代に、名三塁手となるはずだったものの不運により去った星一徹が、人知れずわが子を幼少時代から野球のスパルタ教育で鍛えていた。その『巨人の星』を目指す夢の子供が、主人公の星飛雄馬
彼は貧しい家庭ながら高校に進学し、甲子園でライバルの花形満左門豊作らと対決する…
という所までを前回で書きました。

続きは準優勝して東京の星雲高校に帰る所からですが、飛雄馬の無二の友となった捕手の伴宙太は父親が青雲高校のスポンサーであり、伴曰く『ウルトラばか』でして…ある理由から星雲高校の生徒に襲撃される事件が起こります。当然問題になって犯人探しが始まりますが、底抜けに優しい飛雄馬は全てを知った上で自分が犯人の汚名をかぶり、身代わりになって学校を退学してしまいました。
この部分は2歳年上である花形達が卒業するので、それ以下のライバルしかいない(捕手もいないし)甲子園大会をあと2回も描く事を避けるために生まれたドラマでしょうね。まだ1年生ながらほとんど一人の力で準優勝までした天才投手、飛雄馬の住む長屋にはプロ野球の球団関係者がスカウトに詰め掛けましたが、肝心の巨人からは来ない…川上哲治監督は飛雄馬ではなく花形と左門を評価し、スカウトしていたのです。

飛雄馬は、というより父・一徹の言葉でですが川上監督に挑戦と巨人の新人公募テストに挑戦します。
出発前に一徹は巨人軍時代に愛用したスパイクを飛雄馬に譲り、亡き母・春江の写真にも挨拶していくよう命ずる…これは甲子園へ出発する時ですら無かった事で、合格すれば幼き頃から夢見ていた巨人軍に入団出来るこのテスト日こそが星親子一世一代の大勝負の日、という事。
会場は多摩川グラウンドで、伴も地獄の底まで飛雄馬について行くため入団テストを受けています。ここで速水譲次という日本陸上界のスター的なオリンピックボーイが登場しますが、彼は今後も同期のライバルとして出る事になります。それも花形や左門とは違う嫌な奴キャラで。
飛雄馬の苦手なバッティングもテストにあるため苦戦していると、飛んだ打球に合わせてスポーツカーが止まり、その球をグラウンドに打ち返してきた者あり!もう超人すぎ、花形が応援に駆けつけたのです。
この入団テストだけ見てもストーリー構成が抜群ですが、全て終わって結果は飛雄馬が正式合格。そして伴と速水も補欠合格で、この3人が巨人の二軍からスタート出来る事になりました。

入団が決まると、川上哲治監督は星家を訪ねてかつての同僚である一徹に挨拶をし、何とまだ実績はない飛雄馬に自身の持つ永久欠番『背番号16』を伝授!
花形満は阪神タイガースに、左門豊作は大洋ホエールズにとそれぞれ入団し、ライバル達は対戦の場をプロ野球へと移していきます。

飛雄馬はまず一軍入りするまでが一苦労ですが、ここで豆知識…
プロ野球選手というのはグランドに向かうバスの中でも座りません。むしろ揺れるバスの中を爪先立ちで足腰を鍛えているのですが、全員が立つ場所は無いために新米は椅子に座るという事で、目上の人に席を譲る世間とはまるで逆なのです!!
プロ野球界の事は何も知らなかった飛雄馬は、他にも様々なショック体験をします。例えば天下のON砲(長嶋茂雄・王貞治のコンビ)相手にバッティング投手をする光栄に預かった時は、本気の勝負を挑んで打ち取って天狗になるも、その意味を分かって涙を流す。

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1968年を迎え、ついに巨人の1軍入りを果たした飛雄馬ですが、全く喜んでいられず…今さらながら投手としての致命的な欠点を一徹が見つけたのです。
それを飛雄馬が尋ねると、一徹は幕末の志士・坂本龍馬の話を持ち出し、彼が残した言葉であるとして
『死ぬときは たとえどぶの中でも前のめりに死にたい』
の名言を教えます。辛く険しい道でも限りなく前進し、死ぬ時もそれがどこであろうと前向きで死ぬ、それが男だと。
続編も含めた「巨人の星」の中で何度も出てくる重要なフレーズであり、読者達は絶対知っている言葉ですが…だまされていました。実はこの言葉は龍馬の物ではなく、梶原一騎先生の創作だったのです。

ついに暴かれた致命的な欠点とは、飛雄馬の投げる球の球質の軽さ!しかもこれは体格に恵まれず小柄である事が原因なため、どう努力しても克服する事は不可能な物。
この問題は根強く、あの星一徹が老け込んで、そこらのありきたりなパパのように
『もし飛雄馬が敗者として傷つき つかれはてて帰ってきたら そのときは暖かくむかえてやろう』
なんて言うほどですが、この時は飛雄馬の姉・明子の方がそれでも勝つと信じているのでした。
ペナント・レース開幕の日、秘密をつかんでいる左門にやはりホームランを打たれた飛雄馬…球場を出るとガラの悪いファンに指を指されて『あいつだ!巨人軍のつらよごし!』とか言われているのだから勝負の世界は厳しい。

幼年期から野球一筋に生きてきた結果、結局は体格のせいで速球投手としては使えない事が判明した飛雄馬。さすがにでかいショックを受けて姿を消し、鎌倉の禅寺で座禅を組んで講和を聞いているのですが…ここでおぼろげながらヒントをつかみ巨人軍へ戻ると猛練習を始めるのでした。
それも台湾キャンプで偉大なる金田正一投手から変化球を習おうとした時にアドバイスされた通り、『カーブ、ドロップ、シュート』などという既にあるアメリカのマネ球でなく、今まで球界に無かった新しい独自の変化球を編み出すべく!
何故かボクシングや剣道を体験し、警察の射撃を見学するなど、不可解な訓練もしていますが…

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で、苦しんだ末に独自の特訓で磨いた洞察力を活かして生まれた魔球が大リーグボール1号!バッターの動きを正確に予測し、ボールを投手の方からバットに命中させて凡打にさせるという神業でした。
厳しい川上監督にも『コントロールだけなら日本一であろう』と言われた飛雄馬が、どうにもならない弱点とされた球質の軽さを逆に活かしたこの球で、速球投手としての飛雄馬に止めを刺した左門らを打ち取り、一躍スターとなりました。
9連勝した頃、マスコミの記者が『とにかくいまや きみは巨人の星!』と言って…そう、ついに第三者から出たその言葉!幼い日から巨人の星を目指せと、父が夜空に輝く星を指差していたわけですが、それを聞いて涙した飛雄馬は父にも電話越しで伝えました。父は…あの一徹なのでへそまがりな答えしか返しませんが、その目には涙が川のように流れているのでした。

星飛雄馬がこういう素晴らしい投手だからこそライバル達も燃え、死闘が繰り広げられます。
天才・花形が、これまたとんでもない特訓の果てに、ついに大リーグボール1号をバックスクリーンに叩き込みました!自身も様々な骨を複雑骨折するほどのダメージを負いましたが…
とにかくやられた飛雄馬は、再度捕手の伴と共に奇怪な特訓を始めて改良を加えるのでした。

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日本一となった巨人軍は『ワールド・シリーズ』で本場アメリカの名門セントルイス・カージナルスと対戦し、大リーグボール1号で度肝を抜く事になるのですが…ここでカージナルスの秘密兵器、アームストロング・オズマの登場!
球団に見込まれて幼少時代に孤児院から引き取られ、徹底的に野球教育を仕込まれた黒人選手で、テレビで見ていた明子が飛雄馬と似ていると見抜き、野球を離れた時の生活の匂いが一切無い二人を
『どちらもただ野球をやるための人形みたいなの 投げるそして打つようにぜんまいをまかれた 野球人形のムードなんだわ』
なんて一徹の前で言うもんだから叩かれる事になっちゃって。

このオズマの登場によって、新たなライバルという以上に父の命令通りに野球だけやってきた飛雄馬のアイデンティティが揺らぐ事になりました。
オズマは一応大リーグボール1号を破りながらも、勝負は飛雄馬の勝ちで終わりましたが、オズマVS飛雄馬の対談の場面で二人とも『野球人形』である事が明らかになりました。
しかも開き直っているオズマと違い、飛雄馬はそうじゃないと否定しながらも…やはり青春も恋人も野球だけ、本も音楽も分からないし野球関係以外の友達は一人もいない、夢も野球の事だけ、というわけで二人はまるで同じだという。

まだそれを認められず、否定したい飛雄馬はシーズンオフにテレビ局主催の新春ボウリング大会(司会は大橋巨泉)へ出て、そこで共演したアイドルグループ"オーロラ三人娘"の一人、橘ルミと並の人間らしく恋愛の真似事をしてみます。
このルミがいかにも芸能人なビッチ系で、ボーリングにかけても絶妙のコントロールだった飛雄馬(もちろん童貞)に『すてき!すてき!すてき!』とか言って抱きついて乳を押し付けてるし、『星さんのこと好きになっちゃった 帰りどいっしょしないこと?』なんて言ってゴーゴークラブなんて場所にこの野球しか知らない人間を連れて行きました!

ようやく一徹の野球洗脳とも言えた教育に疑問を持った飛雄馬なので、次は明子と長屋を出て東京タワーが良く見えるマンションに引っ越しました。
がらーんとしたボロ家で一人、大リーグボール養成ギプスを引っ張り出してみた一徹は、飛雄馬と二人で野球の特訓に明け暮れた日々を思い出して涙する…
それはあまりにも寂しそうな姿でしたが、ひとしきり泣いた後はとんでもない決意をするのが、球鬼・一徹!何と息子の飛雄馬がいる巨人軍とは敵対球団である中日ドラゴンズのコーチに就任し、しかも大リーグボールを打ち込める可能性のあるオズマを日本プロ野球界に呼び寄せるのでした。はたしてその真意は!?

一方の飛雄馬は自分が野球人形で無い事を証明するかのように橘ルミと遊びますが、こんな軽薄な女ではなく、ついに本当に愛すべき女性とめぐり合います。
それは宮崎キャンプの時でした。飛雄馬のミスで小児マヒの少女にボールを当ててしまい、付き添っていた看護婦にビンタを食らうのですが、その看護婦(免許は無し)こそ高校を中退して月給も無しで山奥の"沖診療所"に勤める日高美奈
美奈に惚れた飛雄馬は毎日のように小児マヒの子を見舞い、そして門限までの短い時間を二人で"平和の塔"だの"大淀湖畔"だのと散歩する、至福の時間を楽しむのでした。とはいえ二束の草鞋が通用する巨人軍でもなく、二軍落ちになりそうになると、もう二度と会えない事を伝えるべく"日南海岸"で座って話し合う二人。そしたら逆に、そこで美奈が黒色肉腫に犯されていて余命いくばくもないことを告げられました。
そうとなってはむしろ宮崎に近い都城にいられる二軍に落ちて、最後まで美奈の傍にいる事に決めました。そして最後の別れの時が来て…

この男の漫画、「巨人の星」においては唯一無二のヒロインと言えるのが日高美奈でしたが、12巻の途中から登場してこの巻のうちに死んでしまうのでした。
そして『もう女の人なんか一生愛さない』と誓い、絶望の淵に沈む飛雄馬は立ち直る事が出来るのか…この宮崎の場面、美奈と死に別れて一人で思い出の日南海岸を歩いて去っていく所で、『第一部 おわり』となります。実はこの作品、KC1巻~12巻が第一部、KC13巻~15巻の途中までが第二部、そこからラストまでが第三部にと分けられているのでした。

ちなみに12巻の巻末には、1968年の別冊少年マガジンで掲載された番外編の読切「巨人の星 余話」が収録されています。
本編で飛ばされた星飛雄馬の中学生時代エピソードで、隅田川中学校の同級生である青島光彦なるインテリクラスメートの目線で語られる物語です。中学時代のヒロインは橘カオルという女子だったりと知らなかった貴重なシーンを見れた上に、飛雄馬の野球の腕以上の優しさを再確認出来る話でした。
「巨人の星」は他にも番外編の短編がいくつかあるのですが、単行本未収録作品もあって読めていない物を、死ぬまでには読みたいものです。


うふふふっ
また 負けたぜとうちゃん・・・・
だが 負けてたたかれて 成長していくんだ
おれも 大リーグボールも!



  1. 2013/06/14(金) 23:20:44|
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梶原一騎(49) 川崎のぼる 5 「巨人の星」 1

梶原一騎原作、川崎のぼる作画の「巨人の星」(講談社刊)。
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まぁ日本一有名な漫画と言っても過言ではない作品ですが、初出は1966年から1971年までの週刊少年マガジンで、単行本はKC(講談社コミックス)で全19巻。
年代順に漫画史を作ってみれば一目瞭然ですが、この作品こそがこの後一世を風靡した『スポ根漫画』の走りですね。
野球をあまり知らなかった梶原一騎先生ですが、マガジン編集部の熱意に答えて『吉川英治「宮本武蔵」をタテ軸、ロマン・ロラン「ジャン・クリストフ」をヨコ軸にした』という原作をある程度書いた上で、作画担当者として川崎のぼる先生が選ばれました。しかし川崎先生も貧困生活の中で少年時代を送ったために草野球すらやった事が無いし知識が無く、一度は「巨人の星」の作画というこの歴史的な仕事を断った事が知られています。マガジンの編集者が必死で説得して実現したわけですが…本当に、良かった。

この名作「巨人の星」は、1958年春…日本プロ野球界の至宝であるミスタージャイアンツ・長嶋茂雄が読売ジャイアンツこと巨人軍に入団する事が決まり、その記者会見の場からスタートします。
長嶋が受け持つ事になるのは三塁のポジションですが、かつて不運から一度も公式戦に出場せずに巨人軍を去った星一徹という三塁手がいた事と、その一徹が編み出した魔送球について話題に昇るのでした。
そこにタイミングよく現れ、魔送球を長嶋に投げつけてきた少年は一徹によって幼年時から野球の英才教育を受けてきた少年・星飛雄馬!言わずと知れた主人公。
長嶋の大先輩で打撃の神様こと川上哲治がその場から去った飛雄馬を追ってみると、姉の明子と父の一徹とで貧乏なドヤ街の長屋住まいをしている星一家を目撃。さらに驚くべくは、幼い頃から遊びも野球しか許されなかった飛雄馬の左腕が持つ、神業的なボールのコントロール…

と、まぁここまではオープニング。
まだ小学生の飛雄馬はこれまでの練習で基礎が出来たとして、次なる秘密特訓に入るのですが、それが星一徹考案の"大リーグボール養成ギプス"。でかいスプリングを両腕に装着するトレーニング器具で、投球力を強化するために理想的な方法らしいです。このギプスは事あるごとに「巨人の星」の代名詞のように使われていて、現在に至るも知らない日本人は少ないのではないでしょうか。
(同じ梶原一騎原作による名作「夕やけ番長」では、野球編の時に自作のパロディ的に使われ、赤城忠治が投手用ではなく打者用にホームラン養成ギプスというのを発明していました)

さてそれから、宿命のライバル花形満の登場!大金持ちの花形モータース御曹司であり、英国留学でトップを極めて帰国するも『とびきりすじがねいりの不良』となっています。飛雄馬より2歳年上ですが、恐らくまだ小学生である初登場時にスポーツカーを乗り回していますよ!
さらに不良少年球団ブラック・シャドーズを率いている事から飛雄馬をスカウトしますが、結局敵味方に分かれて対戦する事となる…

このようにライバルも登場しつつも、問題だらけなのは星一家の家族内でしょうか。
飛雄馬も大リーグボール養成ギプスを常に装着させられて日常生活に支障をきたしている事で不満が爆発し、
『とうちゃんは野球きちがいだ!野球ばかだ!野球にとりつかれて人間らしい気持ちを忘れたかたわ者だ かたわ者の心の発明が このへんてこりんな悪魔のギプスなんだっ』
とぶちまけるし、花形のノックアウト打法に対する特訓時はガソリンをかけて火を付けたボールを飛雄馬にノックする特訓をして、控えめな明子までついに
『こんどというこんどは ねえさんもおとうさんの野球きちがいに あいそがつきたわ』
と、二人とも放送禁止用語を多用しつつ批判。
それでも日雇い人夫をしながら自分達を養う父を尊敬しているから、結局はまた彼の野球きちがいに付き合う事となるのです。

そうそう、最も有名な星一徹の行為は"ちゃぶ台返し"でしょうか。実はこのシーンは1回しか出てこないのですが、アニメ版のエンディングで毎回流れるからすっかり定番化しましたね。
そして行き過ぎたスパルタ教育が自動虐待の暴力親父として、近年槍玉に挙げる人は多い…大抵、そういう人は「巨人の星」をちゃんと読んだ事が無くて一部のシーン・記号だけ取って言ってるみたいですけどね。だって読めば、マイホームパパと真逆な子育てながらいかに深い愛情を持っているか、どれだけ息子のために涙をこぼしているかも、分かります。
ま、だからといって自分の敗れた夢を息子に強要するとか、過剰な暴力が許されるわけではありませんが。あと、息子に夢をかけ過ぎて、娘はほとんど家政婦扱いですし。

それから花形満も星飛雄馬も成長し、そのうちに高校進学の時が来ました。それが1966年…ここで作中の年が連載開始した年に追いつきました。
先に進学している花形は神奈川の無名だった"紅洋高校"野球部を有名校にまでしたスター選手になっていますが、飛雄馬はツギハギだらけの学生服を着て場違いな名門校"青雲高校"の入学試験を受けます。その面接会場で、父の職業を聞かれて答えたのが、
『はい!いま病気で寝ているぼくの父は…日本一の日やとい人夫です
と答えるのでした。

学科テストはほとんど満点の飛雄馬もこれで不合格がほぼ確定しましたが、青雲高校野球部で押しかけ応援団長をやっている柔道日本一の豪傑伴宙太。その父が青雲高校の有力スポンサーなので父の威光を使って伴は飛雄馬を合格させます。それも、野球部に入れてしごき抜くために。
皆さんもう知っているでしょうが星飛雄馬と伴宙太、これは後にバッテリーを組む事になる最大の友。しかし二人の出会いは、まず質問に答えない飛雄馬に業を煮やして伴が『こらっ なぜだまっとる おまえはおしか!』と恫喝する事に始まる最悪なものでした。
とにかく青雲高校に入学し、大リーグボール養成ギプスもついに外して…今まで隠して生活してきた飛雄馬の野球の才能が世に出ます!チームワークががたがたの弱小野球部で血と汗の対決をした結果ですが、飛雄馬の豪速球を取れるようになった伴も野球部に入ってキャッチャーをやる事になるのでした。

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それから花形満以外では最重要ライバルとなる左門豊作の登場です!
花形の紅洋高校と飛雄馬の青雲高校で行われた練習試合を偵察に来た、彼の初登場シーンがまた衝撃的でして…
飛雄馬と伴が球場の外を歩いていると花形の打った場外ホームランボールが飛んできて、これをたまたま通りかかった"熊本農林高校"野球部主将・左門が球場内へ打ち返すのです。伴に『いなかっぺ丸出しのくせに』と言われる風貌ながら、何という超人技!
研究家の左門は二人の天才に出会った感想などをノートに書き込んでいるのですが、普段の熊本弁で一人称は『わし』なのにノートでは『おれ』になってるし何か態度もでかい。浦見魔太郎の黒い手帳(怨み帳)みたいですね。

紅洋高校VS青雲高校の試合は紆余曲折あり面白い展開の末に勝負付かずでしたが、とにかくここで重要なのは初めて飛雄馬・花形・左門の宿命のライバル達が一同に会した事。
そしてライバル達以外にも青雲高校生で、青白きインテリの運動音痴で見る方専門ながら飛雄馬の親友になる漫画家志望の牧場春彦が登場、野球部には星一徹が一時だけ臨時コーチに就任して力を増し…
いよいよ高校野球の地区予選が開幕。ある事から余計な苦労をするはめにはなりましたが、超高校生級の飛雄馬が投げる青雲高校は、東京都代表として甲子園大会(全国高等学校野球選手権大会)出場を決めました。

続く甲子園大会ですが…あ、全国から三十校が出場となっていますが、確かこの時代は夏も選抜制だったのですよね。
牧場も応援のため現地に来ていますが、大阪の町全体が甲子園大会ムード一色になっている事を感じるのでした。が、あれ?甲子園って兵庫県では?
とにかく青雲高校は1回戦がいきなり前回優勝の中京代表・尾張高校でしたが、見事に勝利。ここでようやく飛雄馬の実家、長屋の人々も星家の正体を知り共に応援してくれるようになり、明子は
『とうとうこの日がきたんだわ・・・・長屋の人たちに かわり者呼ばわりされ ばかにされつづけた わたしたち一家に・・・』
と涙する。

準決勝は、いよいよ星飛雄馬VS左門豊作の初対決。
飛雄馬は左門の不幸な生い立ちと過酷な環境で幼い姉妹を抱える事情を知り、涙でストライクゾーンが見えなくなるピンチに見舞われ、弾丸ライナーに捕らわれるもその打球を捕球して勝利!しかし豪速球のため折れたバットが飛んできて、それを手刀で叩き落した飛雄馬は左親指の親指爪がパックリ割れるという致命的なケガを負うのです。

決勝の相手は当然、花形満。
もはやまともに投げられない飛雄馬は、宿命のライバルとの対決を何と敬遠して花形や観客から卑怯者とののしられる。それでも、ケガの事を誰にも告げられない理由がありました…
「巨人の星」全編でも個人的に最も泣けるこの決勝戦は花形の勝ち、紅洋高校の優勝で幕を閉じました。


そのとき そのときに全力をつくせぬやつに
なにが未来のゆめだ!巨人の星だ!
未来の巨人より いまは母校・・・・星雲だ
わらわばわらえ このわれたつめだけが知っている



  1. 2013/06/12(水) 23:00:00|
  2. 梶原一騎
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旅行・紀行・街(146) 滋賀県彦根市 1 長浜市 1

前回の京都府に続き、隣接する滋賀県へ。
滋賀県といえば琵琶湖しかない、と自他共に認める(そう、滋賀県民自身も自虐的にそのように言う)地味な印象の県ですが、まぁ実際は琵琶湖だけという事はなく、他の観光資源や美味い物などもたくさんあるわけです。
いや、私はよく知りませんが多分そうでしょう。どこの県も地元で愛されている素晴らしい物があれど、全国区の知名度を持たないと無いも同然の扱いをされるのが悲しい事で…
ならば私は現地でしばらく滞在して知られざる良い物を探せば良かったのですが、偉そうな事を言ってすみません、ちょっと寄って有名所を表面だけ見てきたのみです。

まずは彦根市へ。
団鬼六の出身地という事だし変態的な要素も潜在している地なのでしょうが、本当にベタすぎて申し訳ないことに観光名所の"彦根城"しか行ってません。
この城壁を回って行くと…
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あ、滋賀県の人は自動車などの文明を使いこなせておらず、未だに人力車を使って移動しているようですね。いや原発事故に端を発したあれです、電気に支配された社会やテクノロジーへの批判なのかもしれません。
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今や彦根城そのものより有名かもしれません、ゆるキャラのひこにゃん
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彦根城金亀児童公園の『ご城下にぎわい市』を覗いて買物などして、
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花見しながら庭を散歩していると…
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おお、井伊直弼の銅像!!
桜田門外の変で尊王攘夷派に暗殺された事で知られる井伊直弼は彦根城主だったのだし、地元では英雄でしょうね。手塚治虫先生の「陽だまりの樹」では悪い描かれ方をしていましたが。
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坂道をグングン登って行くと、お城に到着しました。
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けっこう高台まで登ってきているので、景色が良いです。
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それでは、国宝にも登録されている天守へ…入城してみましょう!
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一番高い所から見た景色。もちろん、琵琶湖が見えます。
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…これだけで、彦根市とはおさらばです。せめて何か食べるくらいの余裕があれば良かったのですが。
特に彦根発祥で今や滋賀県のご当地B級グルメ代表とも言える『近江ちゃんぽん』など、普段カップ麺でお世話になっていただけに本場の物を食べてみたかった!
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ちなみに彦根城は、我が愛する澁澤龍彦さまの「城 夢想と現実のモニュメント」(河出文庫刊)でも出てきましたね。
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…と思って数年ぶりに読み返したら、日本の城については織田信長の安土城についての検証がほとんどで、彦根城に関しては取材したもののほとんど印象に残っていない、という扱いでした!

さて県庁所在地の大津市は今回通過したのみでしたが、大通りに当地のローカルヒーローである『環境戦隊 ゴミらレンジャー』を使った大きな看板が設置してあって感動しました。
ブルー・オレンジ・スタジアム編著の「ローカルヒーロー大図鑑」(水曜社刊)を持っている人にはおなじみですね。
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ゆるキャラという名称の命名者でもあるみうらじゅん先生が書いた帯文は以下の通り。

ヒーローがカッコイイなんて誰が決めた!ヒーローが宇宙規模で戦うなんて一体誰が決めたんだ!
地域限定だって、本業は他にあったって、かなりユルくても構わん!何かを救おうって気持ちが一番大事なんだよぅ!


みうらじゅん先生の名前が出て、滋賀県といえばもっと重要な物があります。
「飛び出せ!自分マニア」(日本文芸社刊)などでおなじみ、飛び出し坊や(後に『飛び出すな坊や』と命名)ですね。こいつらを追いながらの琵琶湖一周体験も楽しかろうとは思いますが…今回はパス。
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さて続いては、長浜市
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マンホールは↑のように、ひょうたん。恐らく名産品なんだと思いますが…まさかひょうたんを求めて行くわけもなく、目的は『黒壁スクエア』という古い建物や街並みを活かした観光スポットの中にある、"海洋堂フィギュアミュージアム黒壁"でした。
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あのワンダーフェスティバルを主催し、ガレージキット等の造形メーカーとして世界的な知名度を持つ海洋堂のフィギュア美術館がここにあるのです!
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等身大のケンシロウ、
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そして大魔神…こちらはさすがに等身大ではありませんが。大魔神で目だけしか見えない中の人を演じた橋本力さまは、ブルース・リー(李小龍、BruceLee)主演の「ドラゴン怒りの鉄拳」であの憎い日本人の道場主・鈴木を演じた方ですね。
とにかく、彼らに出迎えてもらって入場。
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エントランスに実物大のティラノサウルス…このレベルはさすが海洋堂としか言えません。
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まずは海洋堂の歴史をたどりますが、
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やはりカッコいいのは、世紀末覇者拳王ラオウと黒王号!海洋堂の歴史も「北斗の拳」を抜きにしては語れませんね。
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等身大の綾波レイがいるカウンターで800円のチケットを購入し、
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その時に貰えるコインで、プレゼントフィギュアのガチャガチャを回せます。
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いくつか並ぶ中から選んだのは、アリスのやつ。
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レッドドラゴンがここのシンボルで、
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あとはいくつかのゾーンに別れて展示されているフィギュアの観賞。
生物フィギュアのコーナーはなごみますね…
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このトリケラトプスは、あのスティーヴン・スピルバーグ監督の中でも最大のヒット作となった映画「ジュラシック・パーク」(Jurassic Park)で実際の撮影に使用された物だとか!うん、あの映画はシリーズ全部観てるし意外と好きなのでこの場面もすぐ分かりましたが、海洋堂が恐竜モデルで協力していたそうです。
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これもそう。
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漫画やアニメ等のキャラクターコーナーは楽しくてしょうがないですね。こちらは等身大のユリアとケンシロウで…
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まぁ「北斗の拳」物は多々ありますが、
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これはタイトルに『北斗四兄弟胸像』とありましたが、この中で血がつながっているのはラオウとトキだけでしたっけ?他の兄弟も次々と登場したし…それら後付の設定に怒りが沸いたものでした。
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これは『南斗六聖拳胸像』で、
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これは『無情の矢』。南斗五車星、山の拳士フドウはラオウが負けを認めた、ケンシロウ以外では唯一の人物…
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おおっ、ジャギ…後に『ラオウ・トキ・ケンシロウの北斗三兄弟』とか言われて彼だけはいなかった事みたいな扱いになったり、実際卑怯なだけの悪者といった感じでしたが、そのビジュアルのインパクトから漫☆画太郎作品でパロディされたり、フィギュア化が当たり前になった近年はトキをしのぐ人気なのではないでしょうか。
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まだありましたが、「北斗の拳」物はこのくらいにして…
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次は「AKIRA」!常に話題になりヒットもしている海洋堂のフィギュアは、持っていたり少なくとも見た事はあるのがほとんどですが、背景セットも作り込んでいるのがさすが。
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デビルマン、
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サイボーグ009、
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美少女フィギュアもたくさんありましたが…ここは未だに私は興味を持てない。
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龍の部屋なる館長コレクションの部屋、
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色塗り体験を出来る所もありました。
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最後は、お土産フィギュアを買って帰りましょう。
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近くの旧長浜戸町役場跡に建っていた、土田隆生作の「Gaia 大地」
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ああ、条件反射でヴァレンシア(Valensia)のあの曲サビ部分のメロディが浮かんでくる…

Better you go. Why do you come and leave me alone?
Gaia, Gaia.
How should you know I couldn't save you all of my own.
Gaia, Gaia....

最後は、言わずと知れた日本最大の湖、滋賀県のシンボルでもある琵琶湖。
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「三つ目がとおる」ではこの湖の底に三つ目族の財宝が眠っている設定でした。
日本で一番有名な湖でもあるここは他にも様々な作品で舞台として使われているでしょうが、私にとって最も印象深いのは溝口健二監督の映画「雨月物語」
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天気が悪い日だったからかもしれませんが、あの幻想的な霧の雰囲気をそのまま感じる事が出来ました。
他にもここで撮影された橋本忍監督のカルト映画「幻の湖」なんかも好きなので、琵琶湖周辺を車で走り、琵琶湖大橋も渡り…というのが嬉しい体験でした。

こちらは松尾芭蕉の句碑もある平安山良畴寺境内に立つ、長浜びわこ大仏
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琵琶湖を背にして今日も立ち続けるびわこ大仏の姿で、今夜はお別れです。
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  1. 2013/06/09(日) 23:06:09|
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旅行・紀行・街(145) 京都府京都市 1 宮津市 1 福知山市 1

京都府へ行ってきました。

まずは中心地の京都市の河原町通まで一気に行きましたが、鴨川にかかるのが当地のシンボル三条大橋、懐かしいなぁ。今回の京都訪問は、実に10年ぶりくらいかな。
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ここら辺の川岸はかつて三条河原と呼ばれた処刑場でありまして、心霊スポットの側面も持っています。釜茹でにされた石川五右衛門、晒し首にまでされたのは石田三成や近藤勇…彼らの怨念と向き合う事で人間とは何かも見えてきます。
日本最初の駅伝競争でスタート地点になったために"駅伝の碑"もあるのですが、ランナー達は死者達を慰めるため、必死で走ったのでしょうね。
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桜の時期でもあったので、ゆっくり川を眺めて散歩。
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そうそう、今回は京都市へ行くという事でザ・ベンチャーズの「京都の恋」を聴いて気分を盛り上げてから行きました。
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もちろん渚ゆう子による日本語歌詞付きのカバーも、レコード引っ張り出して!
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でも旅の目的としては住人、京都府民達が異常なプライドを持って最大限に自慢している古臭い文化財の数々は一切無視しました!まぁ田舎者なので中学高校と二度の修学旅行で行き先はこの京都でしたし、さらに個人旅行でも何度も来ては、その度に見なきゃいけない感じでしたからね。
清水寺、金閣寺、東寺、平等院、二条城、三十三間堂、京都タワーその他色々は既に見ているし、しかも仏像だのって文化財や芸術品とか、高尚な物はハッキリ言ってよく分からないですよ。
私が子供の時から大好きだったのは漫画(マンガ)!これだけはもう何時間でも読んでいられたし、読んでいる間は辛い現実から目をそむけて、頭をカラッポにして楽しい思い出を作れた…
そんなわけで今回行ったのは"京都国際マンガミュージアム"ですよ。
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そう、現在『寺田克也 ココ10年展』をやっています!
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とにかく入ってみましょう。入場料は800円とけっこう高いですが…廃校になった小学校跡を使っているとの事で、趣がある建物へ!
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1階にいきなり海外マンガコーナーがあり、アジア漫画やヨーロッパ漫画、それに海外で翻訳された日本の漫画までありました。
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通路にいた、どでかい火の鳥に祈りを捧げる。
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ガロやコムなんかも展示してまして、
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そして、寺田克也展。イラスト原画、マンガ原稿、設定画…凄い数の展示がありました。
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これはチラシの別バージョン。
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メインとなったでかい屏風展示場では、これだけが撮影可能でした。他のも凄かったし…いくらでかい絵でも、カッコよさは寺田絵ならではですね。
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他に『Kyoto Manga Girls Collection』なるコーナーもあり、少女マンガとファッションをテーマに少女マンガからインスピレーションを受けた衣装の制作を行っているようです。
現在は2回目で、安野モヨコ先生の「シュガシュガルーン」をテーマにしているのだとか!!
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少女マンガが少年マンガに勝てる事といえばやはりファッション性でしょうし、つまらない話でも可愛くてオシャレな女子キャラには私でも憧れを持つ事があります。
それはやはり現実の衣服としても優れているのだと証明してくれる、素晴らしい取り組みですね。
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最後に『スケッチトラベル展』。これも宮崎駿、森本晃司、松本大洋…さらに多くの海外アーティスト達が参加した旅絵の展示で、これまた良かった!
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展示物を中心に館内を見て回った後で、さて肝心の私が読む本を探したわけですが…子供達が本の扱いも気にせず楽しむ場所なので、レア本はほとんど無いかな。それでも2階の蔵書から平田弘史作品、ジョージ秋山作品など癖の強い物を選んで読みました。
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いたる所でマンガが読まれている館内、
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庭に出ても…こうですよ。いやー、良い所でした!!
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最後は矢沢あい先生の「NANA」を熟読する金髪美女達で、京都国際マンガミュージアムとお別れです。

ところでこんな凄いミュージアムを持つ京都府は、凄い漫画家達も輩出していますが…
例えば梶原一騎先生と組んでいる辻なおき先生、吉田竜夫先生、大島やすいち先生。ガロ系の漫画家で思いつくのは、ひさうちみちお先生や本秀康先生、そしてみうらじゅん先生!
当然みうらじゅん本では少年時代のエピソードなどはほとんど京都での話になるし、名作漫画「マリッジ」(角川書店刊)の過去シーンでもやはり京都が舞台になりました。
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(ついでに私が所持するサイン本を自慢しておきましょう)

同じくみうらじゅん先生の活字本、小説の方では「色即ぜねれいしょん」の続編となる名作「自分なくしの旅」(幻冬舎刊)では、京都に対して
『僕はこの街を恨んだ。はんなりとした京都にはもううんざりだ。「おおきにぃ~」「そうどすえ~」「いややわぁ~」「すかたんこ~」、こんな街、ちっともロックじゃない!何もかもこの街のせいだ。』
と唾棄する場面がありますが、愛情の裏返しでしょう。実際に故郷に残した母の愛にウルッとくる作品でしたし。
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こちらはマンガミュージアムの斜め向かい、烏丸御池のオシャレ複合商業施設"新風館"。
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あ、"ゴーゴーカレー"が黒い外観ですよ!他にも京都では、全国展開のチェーン店ですら独自の色をしている場合がありますよね。
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食事はまず、"Brochette"(ブロシェット)へ。
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炭焼ハンバーグ 特製トマトソース、
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メインはフランスの串焼である、ジャンボブロシェット。
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食前のスープと、食後のコーヒー。
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次の目的地を目指して歩いていたら、偶然見つけた"本能寺"
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もちろん『本能寺の変』で有名な寺ですが、まさか明智光秀が謀反を起こして織田信長を襲ったそのままの場所ではなく、後に豊臣秀吉が現在の場所へ移転させたそうですが。
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京都市役所、
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近くに、桂小五郎像も発見。私も昔は尊王攘夷派の武士達に憧れたものでした…
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ようやく見つけたバスで左京区の一乗寺へ向かいましたが、まず車窓から平安京。
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これも車窓から…なんだったのかな。
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で、一乗寺駅に到着です。
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宮本武蔵ファンならずとも超有名な『一乗寺下り松の決闘』はご存知でしょうが、今回の目的はその跡地とかではなく…あ、この案内看板!
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そう、"恵文社一乗寺店"を目指したのです。今回東京からわざわざ京都に来たのはこのため、というのが本当の所でして、
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何故ならここの店内ギャラリーアンフェールにて、『モダニスト 上村一夫の世界』が開催されていたのです。
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上村一夫原画の行く所、BRUCEの姿あり…
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グラフィックアーティストとしての上村一夫先生に注目した展示物は、ちょっと驚くくらい素晴らしすぎる書店内の雰囲気にも合い、見た事無い作品もあったし…京都まで行って良かった!
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ちなみに会場のあった一乗寺は京都ラーメンの激戦区でもあり、中でもその知名度が東京まで轟いているのは"天天有"。まぁ、知名度に関してはカップ麺化しているのが大きいのでしょうが…
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しかし夜から営業の店だったようで、私はついに店舗で食べる事は出来ませんでした。
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そんなわけでラーメンは再び河原町まで戻ってから、京都ラーメンのチェーン店"ラーメン魁力屋"で頂きました。
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まず餃子、
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そして特製醤油ラーメン!
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調味料が豊富ですねー。
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あとでホテルの近くに"らーめん山頭火"がありましたが、腹の都合でパス。まぁ東京でも食べられるし、本店は関係ない北海道です。これもカップ麺で我慢しました。
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再び戻った三条大橋の近くには、「東海道中膝栗毛」の弥次郎兵衛と喜多八こと弥次喜多の像。しりあがり寿先生の「真夜中の弥次さん喜多さん」ファンにとっても熱い像でしょう。
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橋の反対側には高山彦九郎像ですが、この姿は「どげせん」で空前の土下座ブームに沸いている現在、いい感じですね。でもこれはただの座礼か!?
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さて、そろそろお酒の時間です。夜桜を見ながら歩き…
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入った夜のお店は、"京都串処東屋"
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うむ、旅で歩き回った後のビールは格別。
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関西地方まで来ているので、たこ焼きもと…"きやだこ"(木屋蛸)でビールとたこ焼き。
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"ZAZA PUB"
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ここでは、シーシャ(水たばこ)まで頂いちゃいました。
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ヤバい感じの黒人イラストを使った"きやまち屋"には入れず、
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予約しといたホテルは"桜庵 KYOTO"(旧KOTO HOTEL KYOTO)。
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滋賀県で買った日本酒を飲みながら、今回の旅本である友部正人さまの「耳をすます旅人」を読んで就寝。あ、そうそうこの旅では滋賀県にも寄っているので、次回に紹介します。
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朝食を食べて、チェックアウト。
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別の日になりますが、東京に帰る夜行バスの出発地点も京都市の"ラクト山科公園"前という事で、京阪山科駅へ。
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バスの待ち時間に、"花さ来"へ。
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焼き物は向こうでおじさんが焼いてくれるので、最後にお好み焼きも頂きました。
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高速バスは『ゆめ湖』ってやつでした…
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京都府内の他の地も行きましたが、まず宮津市
"智恩寺"からスタートですが、
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ここの智恩寺多宝塔は国指定重要文化財だとか。ふーん…
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とにもかくにも、宮津市といえば『日本三景』の天橋立がある所!
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日本三景は他に宮城県宮城郡の松島と、
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広島県廿日市市の厳島(宮島)じゃないですか。
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↑の過去写真で証明した通り、これでようやく私も日本三景を制覇しました!

今回の天橋立は、ボートで阿蘇海や宮津湾も案内してくれるのがあったものの…ボートのセンスが恥ずかしすぎてパス。
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智恵の輪、
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さらに進んで…
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"はしだて茶屋"へ。
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席からの景色。
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手作り焼きたて黒ちくわ、
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あさりそば、
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あさり雑炊。どれも美味かった!
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帰り道で通った廻旋橋は、
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ちょうど船が通る時間とかで橋が回って人が通れないようになっていて、
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船の通過後、ようやく通れました。
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宮津市のマンホールはやはり、そりゃ天橋立ですよね。
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さらにお隣の、福知山市
ここは永井豪先生の「手天童子」に出会って以来15年・・・大江山の酒呑童子伝説への興味が尽きない私が、ついに訪問した鬼伝説の旧・大江町!!
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"鬼瓦公園"では、全国の鬼師たちの作品が集まっていて…とにかく多くの鬼達に会ってきました。
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うおー、やっぱりカッコ良すぎるぜ!
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私が角を持つ動物に憧れるのも、元を正せば鬼の影響ですからね…
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アーティスティックなお面の数々も良かった。
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マンホール類も、もちろん鬼!
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こちらは明智光秀が築城した"福知山城"
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その目の前の店で、こんな私がちょいとコーヒーブレイクとしゃれ込みましたが…これも京都府に居る事がそうさせたある種のマジックでしょう。スイーツ系の男を目指して"ki-ka"(キーカ)へ入店。
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この日は閉店していましが、ここ"洋菓子マウンテン"はフランス開催の世界大会で優勝したパティシエの店なんだとか。
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そして、"皇大神社"へ。
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ここの祭神は天照大神(アマテラスオオミカミ)であり、あの三重県伊勢市の"伊勢神宮"が三重県に鎮座する54年も前に祀られていたという…つまりは『元伊勢』の伝承を持つ神社。
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奥には"天岩戸神社"がありまして、今度は日本神話の故郷・宮崎県西臼杵郡高千穂町のと同名ですが、関係は分かりません。
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山登りのごとく歩き、神々しい光景に祈りを捧げ…
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こちらで参拝。
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岩場にあり、鎖を使って昇りお参りする所でした。古くはこの上で巫女が神楽を舞ったと言われています。
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ここの川は五十鈴川。これまた伊勢神宮(内宮)前の川と同名ですね。
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あとはまたここから戻らなくてはならない、辛い帰り道があるだけなので…今夜はここら辺でお別れです。


  1. 2013/06/06(木) 06:00:00|
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トキワ荘(62) 石森章太郎 51 「草壁署迷宮課おみやさん」

石森章太郎作品、「草壁署迷宮課おみやさん」(小学館刊)。
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初出は1981年から1983年のビッグコミックで、単行本はビッグコミックスで全4巻です。
その名の通り刑事モノで、一切の荒唐無稽さを排したリアル路線の大人向け作品なので石森章太郎(石ノ森章太郎)作品としては地味な部類ですが、これも映像化されたうちの一つ。
テレビドラマは1980年代から現在まで続くシリーズなので、こちらの方がよほど有名でしょう。主人公の鳥居勘三郎(おみやさん)を演じたのは緒形拳と渡瀬恒彦…原作よりカッコよくなっています。

おみやさんは"草壁署"の資料課、通称『迷宮課』と呼ばれる部署の課長で43歳、さえないオジン。離婚暦があって現在独身、課長とはいえ部下無しの一人仕事をしていたのですが、そこへ配属されてきたのが草壁署署長の娘で21歳のカワイコちゃん、七尾洋子。そこから物語が始まります。
洋子は刑事志望なのに暇なデスクワークの資料課にまわされた事を不満に思いますが、二人で未解決事件を解決するうち、徐々におみやさんに魅かれていく…

おみやさんはとぼけた性格とパッとしない風貌ながら、大勢の刑事達が足を棒にして犯人を追い続けながらも迷宮(おみや)入りとなってしまった事件(やま)を、資料と自身で確立させた『犯罪考古学』から導き出した推理で解決するのだから、考えてみれば物凄い天才。
しかも鳥居家は草壁の名家であり、そこの当主で家政婦の狩野タマと二人暮らし。草壁署の土地も鳥居家の土地なんだから、財力と頭脳を兼ね備えている事にもなります。メタボ体型ながら実は肉体的にも強いし。
かつて犯人の女を撃った後で拳銃なんか持つのが嫌になって資料課に移った事や、別れた元妻の事なんかは回を追うごとに少しずつ分かってきます。

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各巻10話ずつ収録されているので…つまり全40話ある連作で、面白い話もあればつまらない話もある、という所でしょうか。
大人向け作品なのでストレートな性描写もあるし、血まみれな残酷シーンもたまにはあります。単純に推理漫画として楽しんでもいいし、あとは人情モノの要素か。あらゆる生物の中で人間だけが季節を問わずSEXをゲームとして楽しむようになった事や、若者の精神及び肉体構造が古いタイプのオジサンとあまりに違う事を嘆く話も多いですね。

迷宮入りのまま解決しない事件もあるし、あえて解決しない事もあるし…
一応手を変え品を変えで色々なネタを出そうとしている努力は見えるのですが、刑事ドラマとしては良くても漫画としては地味すぎる内容かなー。

最後に気になるのは、おみやさんとヒロインである洋子の関係。
2巻でキスシーンがあるし、洋子は確実におみやさんに魅かれていながらも態度に出せずにいましたが、最終回でついに好きだと告白しました!めでたしめでたし。


……人間ってのは所詮
木に登れなくなった猿なんだ………
動物から 自然からおちこぼれた獣なんだ……!!
……身を守る為の牙を失い、爪を失い 毛を失ってしまった弱い獣!!
しかし 裸の猿は……おのれを生かす為に、
他を殺す術をおぼえた 知恵という武器で。
……そして一番簡単に殺せたのは同族 つまり最も弱い獣 人間だったんだ。



  1. 2013/06/02(日) 00:03:08|
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Author:BRUCE
BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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