大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

ホラー漫画(83) 御茶漬海苔 8 「魔夜子ちゃん」「魔夜子ちゃん完結編」

御茶漬海苔作品より、「魔夜子ちゃん」(リイド社刊)。
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残念ながら現在は廃刊となっているリイド社の少女向けホラー漫画誌、恐怖の館DXで1995年から1997年まで連載され、単行本は全3巻。2,3巻はタイトル表記がただの『魔夜子』になってますね。
この時はあまりにも中途半端なままに終わった物語がおよそ7,8年くらい経ってから完結させているので、それも後述します。

御茶漬海苔作品は傑作が多いながらも大長編は無く、ハッキリした『代表作』と言うと人の主観によって違ったりして難しい所もありますが、私にとってはこれが三本指に入る作品だと思っています。
もちろんハードなグロさなら、とか泣きの要素で言えば、とかそれぞれの観点での順位はあるでしょうが、本作は御茶漬海苔の主要な要素が詰まっているので興味ある人に最初に紹介しやすい作品でもあります。

タイトルの通り、主人公の名前は魔夜子(まよこ)。
学校でイジメられ、極限まで追い込まれた少女が殺意を抱いた時、何処からか現れて
『そんなにつらいなら殺しちゃえばいいのに
 私は魔夜子…悲しい目にあってる人を助けに来ました』

そう言って地獄の殺しグッズを与えてくれる女の子です。

この1話目で渡す『悪魔ノート』というのが殺したい相手にしたい事を書くとその通りになるというアイテムで、これは後の大場つぐみ&小畑健「DEATH NOTE(デスノート)」の元ネタになっている可能性がありますね。この悪魔ノートは悪魔ノートで、それ以前に水木しげる先生の「不思議な手帖」を元ネタにしているのかもしれませんけどね。

御茶漬海苔先生にとって初めての、同じキャラが毎回登場する連載物として創作された魔夜子ちゃん。
単行本の表紙だけ見た人はこの娘が害をもたらす恐ろしい子だと思うでしょうが、実はそうではありません。短編形式の話が少し進むと魔夜子ちゃんはママに会いたいだけの子である事が分かります。
第3話(3夜)目から準主役にして"私立東中学校"の女学生・川相素之子(かわいそのこ)が登場すると真実が明らかになります。魔夜子ちゃんは自動車事故でガラスが頭から左目にかけて突き抜け幼くして死んだのですが、地獄で閻魔大王に1年以内で100人の人間の殺せば(魂を集めれば)また生き返らせてママに会わせてやると言われたため、この世に舞い戻って怨まれている人間を殺す手伝いをして、罪悪感を覚えながらも魂を集めているのです。
素之子は素之子で生きているけど両親を失って預けられた親戚の家で手ひどい差別やイジメを受け、学校でも"クズ子"と呼ばれて激しいイジメで素っ裸に剥かれたりを日常的にされています。どれだけイジメられてもその相手を殺そうなんて思わない素之子でしたが、何故か魔夜子ちゃんが部屋に現れて意気投合し、今後は素之子が住む屋根裏部屋で居候の霊魂みたいになる流れです。

素之子登場以降は完結までずっと世界観と登場人物も固定されますが、これはもう「ドラえもん」に対するスプラッター漫画家からの回答。
虐げられて殺意を抱いたイジメられっ子(のび太)がいると魔夜子ちゃん(ドラえもん)が現れて、ニャンニャンバック(四次元ポケット)から殺すための地獄グッズ(ひみつ道具)を取り出すという…するとやはり、ジャイアン的なキャラとして転校生の鬼山蛇子が登場。ホラー漫画なのでジャイアンの根は優しい部分すら排除されている邪悪の権化であり、イジメってレベルじゃなく医者の娘なので素之子の腹を捌いて腸を取り出して、また縫合してみたり(!)するわけですよ。
もちろんスネ夫キャラとしての手下もいるし、人間ではただ一人素之子の味方で命がけで助けてくれる織田良男(織田くん)がしずかちゃんか。

川相素之子の名前は、あのおニャン子クラブ・河合その子から取っているのですかね。ただ『可哀想な子』というだけの駄洒落かもしれませんが。
基本的には蛇子に執拗に狙われる素之子が何とか生き残るのがストーリーの主軸ですが、魔夜子ちゃんから家の場所を聞いてママに会いに連れて行く話があります。実際に魔夜子ちゃんが住んでた夏目家を突き止めて訪ねるのですが、ママと魔夜子お互いには見えず触れられず、素之子を通して様子を伝える事しか出来ない。文字を書いても、お気に入りだった人形を渡しても見えないし、二人のコンタクトは絶対に取れないのです。魂を100集める前にフライングして会っちゃうインチキ行為は認められないのでした。

しかもまごまごして魂を集める作業を進めないでいると、ケガした左目が腐ってウジがわいてくる…
魔夜子ちゃんはママに会うためとはいえ他人の人殺しを手伝うのが心底嫌になっているのです。
そんな悲しい殺人者・魔夜子は、やはり邪悪な蛇子、
『人を殺すくらいなによ なんとも思わないわ 私みたいなすばらしい人間だけが残ればいいのよ』
という思想の迷いなきナチュラル・ボーン・キラーに利用されてますます傷付きますが、素之子と協力して『本当につらい人 悲しい人だけを助ける』ように頑張るのです。

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鬼山蛇子みたいな稀代の悪人なら、親も普通なわけがありません。鬼山病院を経営する医師の父親・鬼山重四郎も、蛇子そのままの性格をしてまして…
不老不死の薬を作るため患者を人体実験して殺したりもしていますが、こいつも東中学校女子生徒達の間に絡んできて展開されるのは殺し合い。
鬼山医師はある事から地獄送りにされるので、御茶漬海苔先生の描く地獄の光景や鬼を見れるのも嬉しい所。こいつがまた現世に舞い戻り、川相素之子まで地獄に引っ張るべく動くのですが、いつも善良すぎてひどい目に遭っているだけの素之子も亡くした両親を殺した疑惑を持たれて悪魔扱いされ、学校内で『素之子狩り』が行われます。かばった織田くんも含めて逃げる2人が、迫り来る魔の手から逃げている所、鬼山医師が娘の蛇子にトリカブトの毒を手渡した所で最終の3巻が終了。

スリリングな場面で突如終わり、読者は続きをあまりにも長く待たされる事となるのですが…
「魔夜子ちゃん」が全3巻で物語途中にして終わってしまったのを悔しく思う編集者もいたのでしょう。別の出版社から2005年になって、「魔夜子ちゃん完結編」(青林堂刊)が上・下巻の全2巻で上梓されるのです。 あの青林堂ですよ…さすがです!
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間が空いたからといって変にアレンジされたり画風が変わったりせず、とにかくあの『素之子狩り』の場面からです。そしてこの校内バトルがやはり本作のクライマックスであり、そのままラストまで続きます。
テンションもスプラッター描写もますますアップした完結編、ガチの殺し合い。

逃げる川相素之子と織田くんは、それに魔夜子ちゃんが地獄グッズを出して協力して鬼山蛇子らと戦うのですが、結局は敵も味方も地獄行き。
再び地獄の責苦が描かれ、両親殺しの疑惑を持たれている素之子は裁判も受けましたが、消えていた記憶の謎は解けました。徹底的に争いが嫌いで、どんなに酷い事をされても人を不幸にする『憎しみ』を持つ事がない素之子はやはり潔白。

地獄では人間界の敵も味方も平等に責苦を受けますが、こりゃひどい…行きたくない…体をバラバラとかグチャグチャにされても、燃やされても死ねずに痛み苦しみだけを永遠に味合わされる世界!
でもそこから不老不死の秘密を見つけた鬼山医師。地獄から無理矢理脱出したので拷問の傷が完全に治らず体が腐ったままですが、現世に帰った鬼山親子はまた殺人ゲームを始める。

蛇子の陰謀で魔女としてまた追われる身の、ただ逃げるだけの素之子ですが…
手錠でつながれたまま目の前で織田くんを屋上から落とされ、自分の右手を切断してまで助けに行くも間に合わず死なせてしまい(眼前で脳みそをぶちまけるヒーロー!)、ついに!
最後の最後になってあの人を憎む事が嫌いな素之子が強烈な殺意を抱き、魔夜子ちゃんの地獄グッズを大量に入手して本物の魔女となり、クラスメートを殺戮する展開に発展しました。今まで抑えていただけに、素之子の怒りは収まる事を知らない。
ちょうどイジメられっ子が最後にテレキネシスを爆発させてその場に居た人間を全員殺しまくるスティーヴン・キングの小説(及びブライアン・デ・パルマの映画)、「キャリー」みたいな事になってしまいました。しかしずっと虐げられて耐えてきた素之子を見てきた読者は殺せ殺せ~と応援しちゃいますよね。

血まみれの、悲しい悲しいこの物語もついに決着がつきました。
川相素之子と織田くんは、鬼山重四郎と蛇子の親子はどうなる?そして魔夜子ちゃん100人の魂を集めてママと再会出来るのでしょうか。
このブログはネタバレだとかってたまに批判される事があるので、今回は書かずにおきましょう。
ただし世界の皆が幸せになるだとか全員が仲良くだとかの綺麗事が現実にはありえない事は、多少人生経験があって世の中を見ている大人なら皆が分かっているじゃないですか。それをほとんどの人が見ぬフリしている物語が多い中、本作はそんな甘くない、とだけは言っておきましょう。


あの魔夜子に100個の命を取らせてあげるわ
人間の恐怖心を引き出して フフフフフ
ほら 死の恐怖を味わいなさい ククククク



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  1. 2014/11/30(日) 23:59:52|
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ホラー漫画(82) 芝田英行 2 「THEショック!怪奇幻想館」

芝田英行作品で続けて、「THEショック!怪奇幻想館」(秋田書店刊)。
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前回紹介したデビュー作の「闇の密霊師」と同じ少年チャンピオン誌上で、1987年に連載した作品。単行本は全2巻です。
おっと今回の著者近影では芝田先生、霊能者・鷲羽涼と同じポンチョ(貫頭衣)はやめて先進国の現代人風にスーツで決めていますね。
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1話完結の連作方式ながら合わせれば長編だった「闇の密霊師」から一変し、今回はわずか8ページの全て独立した怪奇系のショートショート集。
数ページながら文章のコーナーが有り、これは作者を知る上で重要。映画に関するエッセイなのですが、『怪奇映画私見』のタイトルで1巻2巻共に怪奇映画に対する愛を語っています。
こういう著者なら本作のこけおどし的なタイトルも、あえてB級ホラー映画っぽくするために付けたのでしょう。イタリアン・ホラーの巨匠、マリオ・バーヴァ監督の遺作「ザ・ショック」も意識したのかな。

読み進めていくと、やはりホラー映画へのオマージュを感じさせる内容も散見されます。
1話目の「白い未来」からいきなり強烈で、未来を予知できる少年の話です。彼が自分の未来を見ようとした時、それが真っ白である事を知る。つまり死んでいるのか!?
五年後は見えない、では四年後、三年後、一年後…最終的には明日、そして今……そこで自分の頭が大爆発する大コマ!
とにかく頭が吹っ飛ぶシーンだけが印象的だったデヴィッド・クローネンバーグ監督の「スキャナーズ」にモロ影響受けてますね。「闇の密霊師」でも『五郎坊の祠』という話で男の頭が爆発するシーンに1ページを丸々使い力を込めて描いていましたが、よほど好きなのでしょうね。

「徘徊」という話は『実は自分が幽霊だった』というオチで、これは「ゾンゲリア」あたりの影響ではないでしょうか。後に「シックス・センス」も大ヒットして同じネタが一世を風靡しましたね。
数多くの話が収録されているので手を変え品を変えて楽しませてくれますが、怪奇とか恐怖というよりもブラックジョークとかナンセンス物といった作品も目立ちます。

「キャンプ」は幽霊の話ですが、登場人物が芝田英行先生の他作品で動物の言葉がわかる少女を主人公にした、「チピ」のTシャツを着ている!これ欲しいな~。

印象深い作品を最後にあと1作だけ挙げるのならば、「体の奥」かな。
自分の体の中がどうなっているのか、心の奥には一体何があるのか…そんな事が気になってしょうがなく、不安でさいなまれて体もだるくなった男が病院(その名も"聖デモニア総合病院"!)へ行くと、ガリモナウス症だと診断されて開腹手術。自分の腹の中を見た男は、体の中がからっぽなのを知って驚きますが、医師は人体解剖図やテレビなどの映像で見るはらの中は皆ウソの作り物で、杉田玄白以来医者なら人間の体が本当はどうなっているか皆知っているけど真実を知ると嫌がられるから隠しているのだと言います。
そして本当の人間の内臓を引っ張り出すと、それは巨大な芋虫で、こいつが体の奥に住んで人間の体を動かしているのだ…というオチ。日野日出志作品のようなグロさとシュールさを持った短編でしたが、また人間が信じている多くの事は本当に本当なのかと問いかけてもいます。
例えば進化論だとか地球は丸くて自転している、宇宙についてのあれこれなんかも確実に自分の目で見た事ではないじゃないですか。真実なんて言ってもその時代によって違うし、世の中がウソであふれている事も分かっているし。
だから自分の体の中や頭の中がからっぽで何も無い『空』なんじゃないかとか、ここでは別の生物がいる設定ですが、そうした妄想はよく分かります。それから仏教だの般若心経だのでよく言う『色即是空、空即是色』の思想へ…

とにかく作品数が多いので傑作も駄作もあるし、基本は怪奇モノでも描き方はコメディタッチだったりで色々になっているのですが、スピード感を保つ事に成功して一気に読ませてくれる短編集でした。


げェ!死体だ 死体の山だ!
そ…そうか!! ここの栄養源は…人間だ!!



  1. 2014/11/27(木) 23:00:46|
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ホラー漫画(81) 芝田英行 1 「闇の密霊師」

今夜は芝田英行先生の「闇の密霊師」(秋田書店刊)です。
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初出は1983年から1985年の週刊少年チャンピオンと、まだ同誌が怪奇モノに力を入れていた時期の作品であり、単行本は全4巻(闇の密霊師・全3巻+闇の密霊師外伝 光の霊記・全1巻)。

主人公は早稲田大学と思われる校舎内の"第三考古学資料室"で研究している考古学者の鷲羽涼。別の顔は霊能者。
作者の芝田英行先生は1958年生まれの東京都出身で、やはり早稲田大学大学院で考古学を学んだ方なんだそうですね。この「闇の密霊師」が処女作で、その後も10年ちょっと漫画家として活動した後に現在は『埋蔵文化財調査』を本職にしているようです。
本作を見たらオカルト系で主人公が異端の考古学者、しかも長髪ときたら確実に妖怪ハンターこと稗田礼次郎とかぶるじゃないですか。私は好きな作品なのですが、やはり芝田英行先生は諸星大二郎先生になれなかった漫画家、そして鷲羽涼は稗田礼次郎になれなかったキャラなんだと思います。だからこそ現在は創作活動なんかに追われず好きな調査に打ち込めて、結果的に作者は幸せなのかもしれませんね。絵があまり上手じゃないし…
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(単行本カバーに載ってた著者近影)

さてさて「闇の密霊師」…まず『みつりょう』を"密漁"にかけて"密霊"としたタイトルがいいですね。
前述の通り霊能者の鷲羽涼は長髪ですが、稗田礼次郎と違って常にサングラスをかけてポンチョ(貫頭衣)を羽織った姿。グラサンを外した素顔も出ますが、両目は盲目の人のように黒目が無い。また、時に法剣を手にしています。
稗田はただの学者であって霊能力は無くて基本的に超常現象に巻き込まれていくだけなのに対し、こちらの鷲羽は自身の強い霊能力で悪霊などを払って問題解決します。もっとも霊能者は天の光を伝える媒介にすぎないそうで、仮に自分自身を偉大だとか救世主(メシア)だとか思い込む者は悪霊につけ込まれるそうです。

第1話目で鷲羽に助けられた史学科三年の石川裕子。この少女が本作のヒロイン的な役割であり、頻繁に霊的な事件に巻き込まれては鷲羽に助けてもらい、様々な教えを受けていますね。
1話完結の連作形式で様々な悪霊や伝説の怪物などと戦うのですが、
『憑いてる霊を除くってことは また憑く可能性もある』
『除霊なんてのは じゃまなものは除けばいいという自分かってなエゴに通じる』

などと説く主人公は、考古学者でもあるだけに悪霊を倒すだけの単純なオカルトバトル漫画とは一線を画する人物です。霊の『人格』も尊重していますからね。
さらに
『この世は生きる者のみの世界じゃない あらゆるものとの調和がとれて はじめて息づくものだ
 人間であることをいばる前に 自分も自然の一員であることを思い出すんだな』

ときて現代人が忘れている事を考えさせてくれたり、その他の話でもメッセージ色が強い一面が目立ちます。

それに若き日の私が興奮したのは、マンドラゴラ、スプリガン、丑の刻参り、エリザベート・バートリー伯爵夫人、サタンや黒ミサ、ゴブリン、前世の業(カルマ)、落ち武者の亡霊、ミイラ…etc.
もう、オカルト系の定番ネタが次々と満載に出てきまくる所だった事でしょうか。
過去に迫害されてきた霊能者や超能力者としての説明シーンでは、日本人の三田光一、御船千鶴子、長南年恵、それにエドガー・ケーシーその他の有名所がちょっと挙げられています。

それから霊猿・ハヌマットによってタイのバンコクにまで呼ばれた時は、ビシュヌ神などヒンドゥー教の神々やユダヤ教の悪魔も登場して戦いましたが、キリスト教やイスラム教などで大天使の扱いを受けるミカエルの守護を受けて勝利する。この宗教ごちゃ混ぜ大戦争といった大ネタまでもが、普通に短編1話で完結するのが勿体無い!
この時に鷲羽涼の霊能力は一級で、神界でも知れ渡っているほどの強さなのだと分かりましたね。
我々日本人にもなじみ深い神仏関連、例えば僧の悪霊なんかが出た話でも、やはり大天使長ミカエルから頂いている『天の光』で解決するのですが、宗教が違っても常に霊力が通じるミカエル最強…いや、鷲羽が凄いのか!?
あれ、別の時は『ヘルメスの神 聖母マリアの名において』戦っています。

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3巻の最初から始まる「吸血鬼」は、本編では唯一2話を使った少しだけ長い話。
戦いは瀬戸内海のF島という吸血鬼に支配された孤島に始まり、鷲羽の研究室で決着するのですが、この時のボスであるクルト・ゾミエールという吸血鬼は完全に滅んでないし、最強の敵だったのかもしれません。
この巻最後の、つまり本編では最終話となった「霊能者」は悪魔の大物…ルシファー、アスタロト、ベルゼブブらと天使の力で戦うのですが、このスケールの大きな大戦ですら1話で普通に終わらせちゃってますからね。

で、続編の「闇の密霊師外伝 光の霊記」。これは実質単行本の4冊目で、特に区切りや設定変更もなくそのまま1話完結の連作で進みます。
特筆すべきは「罠」「慈母」「昇天」と続くシリーズラストのエピソード。堕天使にして地獄の王・ルシファーや、地獄の侯爵・アスタロスら、その他地獄の各将が出陣して地上の霊能者達と決戦するでかい話でした。
そうそう、主人公である鷲羽涼以外の霊能者ってのはサブキャラとして他の霊能者仲間も少しだけ登場する程度ですが…鷲羽が大天使ミカエルに守護されているように、大天使サリエルに守護されている5歳の霊能少女・白上亜々留(あある)とその母親、大天使ガブリエルに守護されている冴原三狼がいました。

最終巻の巻末には本編連載開始前に読切で週刊少年チャンピオンに掲載された「土偶」という短編が収録されており、これはそのまま『考古学者にして神秘学者 そして霊能者』の鷲羽涼が登場しているものの、髪の毛が赤毛(モノクロなので茶髪とかなのか分かりませんが)です。
また、鷲羽とヒロインの石川裕子。普通はこの二人が恋愛関係になったりするものですが、その様子は見えないまま終わってしまいました。鷲羽と同じ研究室にいる伊沢が裕子を好きみたいだし、大天使ミカエルの光をいただいている霊能者の鷲羽は神々しすぎて俗世間の恋愛とか似合わないですしね。

画力やコマ割りなどの技術的な事にしろストーリー展開にしろB級色が強く、あまり『傑作』と叫ぶと大げさと言われるでしょうが、せめてオカルト漫画の『佳作』だ、とだけは言っておきましょう。


人間 物質的世界のみ見てたんじゃ 世の中どうにもならんてことさ
特に霊ってのは精神世界に属するものだけに 心で対話せにゃならん……
物質的欲望にはしる者は とかくその対話を忘れがちだ……



  1. 2014/11/24(月) 23:00:51|
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旅行・紀行・街(185) 新潟県新潟市 2 佐渡市 1

今回の目的地は新潟県佐渡市

領土の全てが島であり6,800以上という数の離島が存在する我らの日本国ですが、国土交通省では北海道・本州・四国・九州・沖縄本島の5島を『本土』と定めており、それ以外は『離島』になります。
その離島の中でいわゆる北方領土を除けば一番大きく、日本地図でもかなりの存在感を放つのが『エ』の字型した佐渡島(さどがしま)でしょう。この島にはいくつもの市町村があったはずですが、10年前から全部合併して島全体を一つの佐渡市にしちゃったみたいです。
前回の「ココ」で紹介した出雲崎町からすぐ海の向こうには見えた離島ですが、航路は限られていて…新潟県の本土から島へ渡るには新潟~両津航路、直江津~小木航路、寺泊~赤泊航路の3種があるのですかね。私は両津航路で行く事にしたので、まずは新潟市へ行きました。

もちろん新潟県の県庁所在地であり、ご存じの通り日本列島は大都市が太平洋側に集中しているので、本州の日本海側では唯一の政令指定都市となっている大都市・新潟市!
しかし今回はクズ山くらいしか見てません…
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いや、佐渡行きの切符を買ってから待ち時間があったので近くの"朱鷺メッセ"へ少し寄りましたか。
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その31階にあるBefcoばかうけ展望室の、スカイラウンジ PANORAMAで、
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展望を楽しみ、
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安田ピュアソフトクリーム、
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軽く呑み始めて、エビス琥珀ビールも頂きました。
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佐渡へ渡るフェリーが入港してきました。
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佐渡汽船の乗り場へ戻り、新潟~佐渡(両津)の航路へ。
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カーフェリー・ときわ丸に乗りこみました。
この運賃は乗用車の往復も含めるとかなり高く、旅費が跳ね上がります。もっと安く気軽に渡れれば佐渡島も栄えるのでしょうけどね。
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船が出航し、新潟市から離れて行きました。
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ずーっと船についてくる、海鳥。可愛い奴です。
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この新潟市・新潟港と佐渡市・両津港とを結ぶときわ丸は、今年の4月に就航されたばかりの新造船で、とにかくきれいでした。
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ステージもあるし、
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席は特等・1等・2等とあるようで、こちらは2等絨毯席、
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2等椅子席、
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1等椅子席、
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特等席は貧乏人立入り禁止でしたが、シティホテルのツインルーム仕様だって書いてありました。
他に授乳室やキッズルーム、海が見える通路席、
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もちろん外に出て海風を浴びながら海鳥と遊ぶのもお薦め。ここにも椅子があります。
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展望ラウンジに、
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甲板。
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寒くなってきて毛布を借りましたが、これは有料で100円かかりました。
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壁に佐渡弁が書いてありますね~。同じ新潟県出身の私も、この島の言葉ばかりはわからなすぎて面白くない。かつて佐渡は西廻り航路が開かれて以降、京などから多くの流刑人が来たので、現地人と話してみても関西弁に似てる印象を受ける、独特の言語になっているのです。
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お楽しみ、スナックコーナー。お酒やつまみ、ラーメンに丼物なんかも出していましたが…
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私はポテトとコーラ、
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そして佐渡産のずわい蟹を使った、トキワバーガーを頂きました。
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この船の名前・ときわ丸というので既に漫画好きとしてはトキワ荘を思い出して嬉しいわけですが、このバーガーは『トキワ』とカタカナ表記なのがますますグッド。
ただしこの船名にした理由は、
『常磐(ときわ)は永久不変を表し、「とき」は佐渡の朱鷺をイメージし、「わ」は和らぐ、和ぎ(なぎ)という意味があります』
との事なので、もちろん藤子不二雄好きだとか石森章太郎好きだとか、ましてテラさん好きだとか…そういう事ではなさそうです。
でも、後で佐渡島内にて"ときわ荘"という名の老人ホームも見つけましたよ。

こうしてときわ丸の片道2時間20分が過ぎ、佐渡島へ到着。
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さようなら、ときわ丸。
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さて私は子供の時分以来、20数年ぶりに上陸した佐渡ヶ島。
まずはネーミングからして、サド侯爵(マルキ・ド・サド)の文学を好きな人だとか、彼の名に由来するサディストな貴方にもグッとくる島でしょうね。
かつての流人地として知られていますが、それだけに都とも往来があったわけで文化が伝えられていたし文化財も多く、また時の政府の方針と相容れられず配流された流人の中には順徳天皇や日蓮宗の宗祖・日蓮、貴族や政治家、能の世阿弥やその他のインテリ層も含まれていたので伝統芸能も繁栄しました。それが未だに滅びる事無く受け継がれているみたいですね。よって現在も人口当たりの能舞台数が全国一らしく、私なんか未だに一度も観た事の無いし遠い世界だと思っている能の舞台なども、島民は普通に身近な娯楽として楽しんでいるのだとか。
近代史で象徴的なのは、流人ではなくこの離島で生まれ育った人物に北一輝がいる事でしょうか。このような田舎で戦前にあそこまでの思想家が生まれたのは、やはり佐渡の土壌あってのものだと思われます。それにしても未完に終わった手塚治虫先生の「一輝まんだら」、あの後で北一輝はどのように手塚キャラと絡み、どんな活躍をするはずだったのだ!?

さて、私が到着した初日は両津港に着いたらもう夕方。この付近に夜遊びスポットなどは皆無なため、すぐに宿へ向かいました。
持参していた酒の他に現地の物も仕入れようと店を探しましたが、特産品を扱う店もコンビニすらも見つからないので、しょぼい店でしたがJA河崎店にて、一応見つけた地元の酒とつまみを購入。
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そして椎泊の、"民宿 佐渡庄や"へ。
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楽しみだった宿の夕食。まずはビールを頂いて(大瓶1本734円と高めでしたが、何本も)…
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佐渡で獲れた魚を中心に、旬の料理を出してもらいました。
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大好物のサザエ、子供の頃に佐渡へ来た時にも食べた覚えがあります。「ゲゲゲの鬼太郎」の『さざえ鬼』というエピソードによれば、さざえが三百年以上生きると細胞に変化をきたしてさざえ鬼になるそうです。
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ちなみに同じく鬼太郎で「妖怪ラリー」という、ここ佐渡を舞台にして世界の妖怪が集まってレースする話がありましたね。

一人鯛一匹あるのに、
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さらに刺身の舟盛りも出てきて、食いきれなかったのが残念。
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何の魚だか忘れましたが、カブト入りの味噌汁も美味かった!
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食べてる最中、宿の主人による魚自慢や解説が随時入っていたのですが(笑)、あの居酒屋"日本海庄や"社長が佐渡出身で、ここも関連の宿なのだとか。まぁチェーン居酒屋の名前を出されても、あまり印象良くはなりませんが…

佐渡海洋深層水も飲みました。
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裏の渋い倉庫、ここは使っていないようで荒れていました。
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そして、翌日の朝食。
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早起きして近所を散歩している時に見つけた、"椎泊神社"。
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急勾配で確か200段くらいあった、この階段を上って本殿を参拝。
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高地から佐渡を一望…しかし天気が悪かった。
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2泊目の宿は島の反対側、八幡まで行って"国際佐渡観光ホテル 八幡館"です。
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部屋は庭が見える和室。
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八幡館の庭から続く、この道を行くと…
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司馬遼太郎が絶賛したらしい、"佐渡博物館"に続いてました。
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ちなみに↑で着ているTシャツは、楳図かずお先生の「わたしは真悟」モノ。佐渡島は漫画史上の名作である同作の重要な舞台なので合わせて着て行ったのですが、残念ながら島のどこにもその記述や記念碑などはありませんでした…
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あと、そういえばと旅に出る前に本棚から引っ張り出したのは折原一のミステリー小説「倒錯の帰結」。これの『首吊り島』は佐渡が舞台だと思っていたのですが、再読してみて勘違いが判明。首吊り島のモデルになっているのは同じ新潟県の島でも佐渡島ではなく、粟島の方ですね。確かに内容からしても規模が小さすぎる島だし、村上市の岩船港から出ているので間違いなく粟島でした。

"フレッシュ・マツヤ"なるスーパーマーケットで、また酒類に加えて佐渡産の栃の実を使った佐渡名物の栃大福も購入。
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夕食は八幡館近くの居酒屋、"ちゃらくらもん"へ。
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そうだ、八幡館の受付にて地元で人気のお薦めの居酒屋を教えてくれと尋ねたのですが、何とチェーン居酒屋のつぼ八を案内されたので、こりゃダメだと思って自分で探した店です。

カウンターに激辛で有名なデスソースが各種取り揃えてあるのが嬉しい。同じの我が家にも常備してあります。
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ビール、チューハイ、芋焼酎と移行しながら、つまみはギョウジャニンニク、もずく酢に…
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クジラ味噌漬け、
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とちお油揚げ、塩サバ、アボカド、手羽先ギョーザ、
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そして地のモノです、亀の手。
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また八幡館に帰ると、ここは『佐渡随一の源泉かけ流し八幡温泉』を謳うホテルなので自噴天然温泉を楽しみ、
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それから毎夜やっているらしい佐渡民謡ショーを見て。
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翌日の朝食ビュッフェ。
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一応子供の時から知ってる佐渡の名産・いごねりもありましたが、これはあまり美味いモノではないですよね。
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このように雨模様でしたが、出かける頃にはちゃんと晴れてくれました。
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それでは佐渡島観光に回りますが、現地で配布しているこういった案内冊子が大活躍してくれますね。文化財はたくさんありすぎるのでほんの一部の見たい所だけしか行けませんでしたが。あと各種の祭りが盛り上がるようですが、私はそういう時期は混むので避けて閑散期に行きました。
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まずはロープで木に括り付けられてる、何かSMチックな椅子(さすがサド島)の先…
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弾埼灯台と、
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この灯台を舞台の一つとして撮影している、木下恵介監督の灯台映画「喜びも悲しみも幾歳月」像。近づくと同名の主題歌が流れます。
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他に佐渡ロケの映画としては、丹波哲郎監督による1988年のカルト映画「砂の小舟」(ビデオ発売時に「地上(ここ)より大霊界」と改題)が良かったのですが、こんなの島民でもほとんど知らないんだろうな…

外海府海岸をずーっと進むと奇岩や奇勝だらけで面白いのですが、ここは二ツ亀海水浴場。海水浴場だらけの佐渡ですが、今回は泳いでません。
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もう一つ亀岩の景勝地…大野亀。日本三大巨岩の一つでもあるそうですが、
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この二つの亀に挟まれる位置に、願(ねがい)という地名の海岸があります。
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ここには賽の河原があるのです。賽の河原、それは全国各地に点在していますが、一番有名なのはここ、佐渡島の賽の河原ではないでしょうか。
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海岸の道を徒歩で進むと、
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途中にあった、佐渡西国 施願観音堂。佐渡には『佐渡西国三十三観音霊場』があるのですが、そのうちの一つですね。
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やはり石が積まれています…亡くなった子供を供養に来る所ですが、子供を亡くしていない私も他人の子供のために祈りました。
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心霊スポットとしても有名な所であり、何かを持ち帰ると呪われるのだそうです。この実も、食べたら死にそうですね。
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近くの遊歩道。
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海沿いをずーっと走って岩谷口、
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ここで見つけたブイに挟まれた道。
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その先の関にある"かいふ発酵"では、どぶろく・寒元や乳酸発酵・麹のおちちなどを購入。
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ずーっと南下して、尖閣湾へ。台湾と中国に狙われている日本固有の領土・尖閣諸島じゃないよ!
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ここで海中透視船の乗るのが目的だったのですが、何と波が高いため欠航…
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ここでは土産をどっさり買っただけでした。
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綾瀬はるかが、佐渡のイカとサザエを持たされています。
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佐渡では一番の繁華街、相川地区の相川漁港。
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市街地の相川天領通り、
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この近くにある"割烹 中庄"で食事です。
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まずは生ビール!
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海鮮丼、
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いかイクラ丼、
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天丼。
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近くには、いよいよ佐渡島の代名詞でもある史跡 佐渡金山があります!砂金とり体験も人気らしいですよ。
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どこへ行ってもかつて日本最大のゴールドラッシュが起こった明るい面もばかりを強調していますが、やはり江戸時代の佐渡奉行所の事…地の底で労働する者達には流人も多く、中央の目が届かない離島で幕府の財政を潤すほどの大金がうねれば、映画「無宿人別帳」で描かれたような争いの地獄絵図も当然あったのでしょうね。
北沢地区にある、東洋一の浮遊選鉱場跡を通り過ぎて…
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こちらが佐渡金山の入り口。
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通行手形を購入し、
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宗太夫抗コースで地底へ降りましょう。
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1989年に閉山して以降、現在は金山坑内の一部が見学できるのみですが、他に道遊抗コースってのも新設されたようです。

穴倉をどんどん下りて行くと…
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各所に当時の作業の様子を再現したリアルな蝋人形で佐渡金山の歴史を学べるのですが、これらの人形は動くし、しゃべっているていで動きに合わせた音声テープも流されています。
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行われていた祭事なども再現されていますが、こちらは間歩(まぶ-採掘抗)開きの祝い。
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出口。
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入口は他にもいくつかあったようですね。
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出てから資料館で金山の全貌がわかりますが、坑内模型を見ると驚愕しますね。人間も蟻の巣みたいに地中で動けるのだ、と…達しかに現在の技術ではそこら中に地下街があり、入れば地下にいる事すら忘れてしまうレベルの快適さですからね。オゾン層が破壊されても人間は地下帝国で生きていけるな…。
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ここでとれた金を使って作った本物の、佐渡小判と佐渡一分金です。
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見つけたマンホールは、佐渡金山のシンボル『道遊の割戸』でした。
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他にマンホールは佐和田でマツとキクのデザイン蓋を見つけたくらい。今回はほとんど目的地から目的地へと車移動していたので…
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続きましては『佐渡島にゆかりのある歴史上人物や伝説を等身大ロボットなどで紹介する体感型ミュージアム』だというのがここ、"佐渡歴史伝説館"
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表に竜王岩伝説の竜がいて、
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こちらは佐渡に配流され殺された父の敵討を狙った阿新丸(くまわかまる)、後の日野邦光です。
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30年ちょっと前の皇太子殿下…つまり今上天皇もご来館されているのですね。
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ここでも蝋人形ロボットが精巧な動きを見せてくれながら、佐渡の歴史や伝説を見せてくれるのです。
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世阿弥・雨乞いの舞。
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さすがは伝統芸能が盛んな佐渡、激渋です。

佐渡流罪となった人物の中でも最重要なのは日蓮でしょうか。やはり日蓮関連の展示は多かった。
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"人間国宝 佐々木象堂記念館"もあり、佐渡出身の佐々木象堂が生んだ芸術作品を展示してました。有名な瑞鳥や、その他もじっくり見させて頂きましたが…
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中でも私が服まで合わせて行ったのが、鸚鵡置物ですよ。
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最後は、お土産販売コーナーへ。
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すると入口にある、このパネルは!?
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そう、現在は佐渡に住んでいて北朝鮮拉致被害者・曽我ひとみさんの夫、かつてベトナム戦争派遣怖さに北朝鮮に投降して捕虜の扱いを受けていたチャールズ・ジェンキンスさん!

パネルには『今日も元気にお仕事中です』と書いた札をぶら下げてましたが、実際は全然元気が無いジェンキンスさん…まだ北朝鮮生活の悪夢にうなされているのでしょうか。
あと、もう10年も日本に住んでいるのに日本語は全く解さない様子でしたが、現在は佐渡歴史伝説館のオリジナル商品である太鼓番せんべい販売担当として働いているのだとか。
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そんなわけで現在の佐渡名物というか有名な物ベスト3といえば、金山・ジェンキンスさん・トキではないですかね。
その知名度ベスト3の最後、トキを見に"佐渡トキ保護センター"へ行きましょう。
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おお、トキのゆるキャラゆるキャラ・サドッキーだ!
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最後の日本産トキ、もちろん日本一有名なトキだったキンの碑。
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トキのむらフードでエダマメソフトを食べました。私は新潟の枝豆は世界一美味いと思っているのですが、佐渡のもやはり美味いのですかね。
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ちなみに佐渡トキ保護センターって一般公開してないそうで、こちらは隣接するトキの森公園です。
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その中のトキ資料展示館で、トキの剥製や骨格標本などを見ましたが…トキって想像していたのよりずっと小さい鳥でした。
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飼育ケージもあり、初めて実物の動くトキを見ました。ほとんどクロトキかな?
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ここからちょっと移動して…
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む?あれは!?いえいえ、トキの置物でした。
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道の脇に並べられていた石にはトキの絵が描いてあって可愛いですね。
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今度は"トキふれあいプラザ"へ移動。
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おおー!網越しでなくガラス越し、しかも至近距離からトキを見る事が出来ます!
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餌やりの光景も見れました。
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係員の方へトキに関する質問なんかもしましたが、現在確認されているトキの数は3百何十羽だかいるとかで、あの1羽生まれたら大騒ぎだった時代が懐かしいくらいですね。しかし、どれだけ増えても純粋な日本産トキはもう居ない。そういえば北斗4兄弟のトキも短命だったし、この名前は良くないのかな。
まぁトキに限らず多くの生物が日々絶滅していっているのだし、人間だって今後は分かりません…諸行無常です。
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吾潟にある、道の駅芸能とトキの里・佐渡能楽の里。
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かつて佐渡を訪れた友人によると加茂湖近くにあるここがお薦めで、展望台食堂に物産館や体験施設、能舞台があってロボット能なども見れたのだそうですが、現在は全て閉鎖しているようでした。

ここにあった"JA佐渡 佐渡乳業 ミルク工房 イル・クオーレ"もやはり閉店していますが、
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それがあったためだと思われる乳牛が立っていました。
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乳牛?いや、梶原一騎漫画で育った身としては、やはり牛は闘う対象。
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観光の最後に、真野の"妙宣寺"へ。
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ここは、新潟県内でも唯一となる五重塔が現存しているお寺です。
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妙宣寺本堂へ。境内には日蓮直筆の書なども残されているのだとか。
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木彫り龍が素晴らしい。
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隣の茅葺き屋根も凄いな~。
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で、もう帰りの両津港ですよ(泣)
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最後に"シータウン佐渡"へ。土産物店の充実ぶりがすごい!
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ここにもサドッキーがいました。今度は相方としてマゾッキーも作りたいですね。
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帰りのときわ丸に乗り込むと、
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シータウン佐渡で色々と買い物してきたのや土産物を広げて、航路を楽しみながら飲み食いしました。
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しかし横には、対抗試合をしてきたのか部活帰りで汚い靴下丸出しに寝転んでいる中学生男子達…まだ幼い面影を残しながら、実は人生最大のとてつもない性欲を抱えて妄想している変態な彼ら。辛いよなぁこの時代は。もっと大人になると、いい事あるよ!
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また海鳥を見に外に出ましょう。
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これはもう、ビルの間じゃなくともプログレッシブ・ロック好きとしてはクォーターマス(Quatermass)のプテラノドンジャケを思い出しました。デザインはもちろん、ヒプノシス!
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海鳥ほどの大きさでも、近いとかなりの迫力なんですよ!
やっぱり凄いな~、飛べるって。おっと、イギリスのバンドであるクォーターマスのことを知らない人でも、主要メンバーのピート・ロビンソンとジョン・ガスタフソンが日本人の井上陽水が生んだ名盤「氷の世界」に参加している、といったら通りがいいですよね。

う~ん…海鳥。
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さようなら佐渡島、さようならトキの島…
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  1. 2014/11/18(火) 23:00:46|
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旅行・紀行・街(184) 新潟県長岡市 6 三島郡出雲崎町 1

今年も行ってきました、新潟県長岡市

昨年は『ココ』で長岡花火を見に行った様子をアップしましたが、今年はぐっと小さい祭りに行きまして…
さびれた無人駅の小島谷駅近く、現在は長岡市に編入されている旧・和島村の『ふるさとわしままつり』です。
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ここ長岡市の和島エリアは良寛さんゆかりの地でもあり、道の駅が『良寛里わしま』ですね。
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激混みの長岡まつりと対照的に祭りというのに人は全然出ておらず、ゆるくのんびりしたこの地を目指したのです。道端でビール呑んだりして、
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盆踊大会が行われる"住雲園"へ。
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百八灯のろうそくが立っていたのだとか…
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盆踊大会は始まりましたが、踊る人がスタッフ含めて10人くらいしかいなかった…
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私はここでもビールを買って、見物。
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いやー、この時代にもここまでローカルな祭りが行われている事が嬉しい。もしかしてよそ者は、自分だけだったか!?
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村のおじいちゃんが、地元の小島谷音頭を歌う。
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うおー、少女達が美しい!
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早速友達になりました。
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そのうちに花火の時間になりまして、ちょっと移動した道端で鑑賞。
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長岡花火とは比ぶべくもない小さいし単調な花火ですが、これだけ落ち着いて周りに人が居ない所で観れるのは、いいですね。

あとは旧・与板町にも行ってます。ここも上記の旧・和島村と同じ三島郡の町だったのですが、いつの間にか長岡市に編入合併されていました。現在、三島郡には今回の最後に紹介する出雲崎町だけしか残っていないようです。
与板は城下町だったので、本与板城跡へ。
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山を分け入って進み…
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登りきると、これが城跡。
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街を一望出来ます。
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しかし肌を露出した服装で山に入ってしまったので、とにかく蚊に刺されまくり、この後は猛烈な痒さに苦しみました。
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よって分岐路にあった直江屋敷などは寄らず、逃げるようにこの地を去りました…
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次は長岡市の飲み屋さんに行きましょう。
ここはマニアックな場所ながら良いですよ…宮内駅近くの"居酒屋 丸秀"
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新潟の美味い酒、美味いつまみ!
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刺身盛り合わせ、
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さらにここでしか食べられないレアなメニューがありまして、それは近所の超有名にして人気店である"らーめん処 潤 長岡宮内店"と居酒屋 丸秀のコラボメニュー・もつ辛つけ麺!
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らーめん処 潤ファンは多いでしょうが、ここにこんなメニューがある事を知っている方は少ないのではないでしょうか。

今度は長岡駅の近くまで行き、
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"焼酎と手しごと料理の店 まさや"へ。
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まずはビールを、種類変えながら呑み続け…
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そうそう、いくら日本酒処の新潟県に来たからといって、早くから日本酒にいくとまず泥酔する上に二日酔いがきつすぎるのです。というか私、今更ながら日本酒がそこまで好きじゃない。
新潟県出身者ながら、東京でも鹿児島県の芋や黒糖焼酎、それにビールと洋酒ばかり呑んでいます。

この店は何を食べても美味しいですね。
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さらにこの日の収穫は、お話した店主のカワカミさんが凄いへヴィメタル好きと判明した事!何とあのヘヴィメタル専門誌BURRN!を創刊号から現在もずっと買っているのだとか。
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しかも一番好きなバンドはまさかの日本のメタルバンド、OUTRAGE(アウトレイジ)なんだそうで…連れのへヴィメタル・ソルジャーがたまたまOUTRAGE鞄を使ってもいたので、話が盛り上がってました。
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昭和レトロ居酒屋が長岡にも出来てたのか…"食堂酒場 SHOWA なつかしや"、まぁ入店はしてませんが。
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"海鮮居酒屋 はなの舞"へ。
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チェーン居酒屋を利用するのは年イチくらいのペースです。
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一応、活鯵姿造りをメインのつまみに定めて頂きましたが、
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我々しか客がいなくて、広いチェーン店なだけに寂しい感じで…
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こちらはらーめん居酒屋の"つかさ"、前に〆らーめんに食べたらかなり美味くて感激した事のある店ですが、混んでたので今回は断念。
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その2階には"定食居酒屋 つかさ"もあります。
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まぁ長岡の居酒屋なら、ここに来なきゃ話にならないでしょう。知名度も恐らく一番の、"山屋"
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美味い、美味い。
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最後にこの夜のとっておき、"ローカル ポイント"(Local Point)へ行きますか。
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長岡駅西口より徒歩1分の立地です。
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長岡美人の店員さん!
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酒を呑んで、
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つまみも美味くて…何だったかシチュー(煮込み)料理と、自家製ピクルス(セロリ・キュウリ・パプリカ)、出雲崎タコのガリシア。
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遅い時間まで楽しませて頂きました。そう、駅近で上越線の終電までは楽々やってる店であり、長岡で人気だったのですが…あれれ、最近閉店しちゃったみたいです。
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長岡駅内の立ち食いそば"長岡庵"
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今回は長岡のラーメンを食べる時間が無かった事が悔やまれます。カップ麺の、マルちゃん『日本うまいもん』シリーズから、新潟生姜醤油ラーメンだけ食べて我慢しました。
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サバラ、長岡!
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続いては松尾芭蕉の「奥の細道」に登場し、良寛さんの出生地でもある三島郡出雲崎町の出雲崎漁港へ。
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黒人演歌歌手で、『演歌界の黒船』ことジェロのデビューシングル「海雪」(作詞・秋元康、作曲・宇崎竜童!)で舞台となった町といえば俳句や和歌などに興味ない人にも通りが良いでしょうか。
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この日は『第63回船まつり』が開催されていたため派手な船がたくさん停船しており、
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そのうちに出港して行きました。
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私もこの、甚王丸に乗り込みました。
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そして出港…
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私はこの船首、舳先の部分に座って「燃えよドラゴン」のリー気分です。いざ、ハンの島へ!
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広い海を楽しんだ後で、
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また港に戻りました。
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町の偉い人やゲストが集まっていて、国歌斉唱や何やら海の儀式もやってます。
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ステージでのイベントに夜は大花火大会もあったようですが、今回は時間が無くてこれで帰りました。
そもそもこの出雲崎町は、江戸時代に幕府直轄の天領地として佐渡島の金銀を荷揚げする地として栄えた地だそうです。ええ、それでは次回は海を渡り、その佐渡島まで行ってみる事にしましょう。


  1. 2014/11/15(土) 23:00:36|
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劇画(179) 上村一夫 27 岡崎英生 3 「エロトピア1974」

いやー、今日も仕事終わって帰宅したらですね、届いてました…届きましたよ!
何がって、上村一夫先生の新刊「エロトピア1974」(まんだらけ刊)です。
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いや新刊といっても今回はかなり特殊な本で、2年前くらいからあの古書店・まんだらけにおける出版部の仕事で『上村一夫 ビブリオテーク』シリーズを開始したじゃないですか。
「悪の華」「離婚倶楽部」を上・下巻で全3巻として上梓する素晴らしい仕事をしてくれましたが、その全巻購入者特典…いや、続刊の発売が大幅に遅れたからという理由で何故か全3冊のうち2冊の購入で良いという事になりましたが、買って応募した人全員に短編集をプレゼントするという企画があって、そのプレゼント本が前述の「エロトピア1974」
確か今年の正月くらいに「離婚倶楽部」の下巻が出たのでようやく応募して、春に特典が届く予定がこれもここまで遅れた、という事です。私はその間ずーっと待っていたと言いたい所ですが、ここまで待たされると正直、もう応募している事すら忘れてましたよ!いや、だからこそ何だろうって郵便物を開けてみると上村一夫表紙の本が出てきた時の喜びも一入。

裏表紙もこのように素晴らしく、何故かフランス語。後ろから開くとフランス語版が読めるのかと一瞬頭をよぎりましたが、そんな事はありませんでした。
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ここで改めて件の『上村一夫 ビブリオテーク』シリーズを振り返ってみましょう。この全3巻…
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背表紙。
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A5判の分厚いビロード装ソフトカバー装幀、この豪華でどっしりした感じが本棚の中で存在感を出す事間違い無し!
だがしかし!私の所持する本は「離婚倶楽部」がまんだらけ店頭のみで販売していた『まんだらけ限定特装版』の赤色ビロード地版ながら、「悪の華」だけ一般書店販売の通常版になってしまい色が揃っていない…
これはですね、『ココ』で紹介した上村一夫イベントの先行販売で購入したので、そのようなまんだらけ限定版が出るとは知らずに入手してしまったのです。税込3千円超えの本を買い直すのも悔しいというわけで我慢していますが!

それはともかく、今回の特典をゲットするためにはこれ、裏のフィルム帯シールに付いてる応募券。
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これで遅ればせながら届いた短編集が、この上村一夫 ビブリオテーク 別冊として刊行された「エロトピア1974」であり、その内容は表題の通り1974年の漫画エロトピア誌で発表された3編。これが全て単行本未収録作品であり、つまり40年ぶりに日の目を見たわけですよ。
タイトルは 「淫婦変幻」 「煉獄の少女」 「陰獣の湖」で、最初の2作は他作品でも上村一夫先生と素晴らしい仕事をしている岡崎英生原作。
どれも殺人、近親相姦、同性愛などで泥沼の人間模様が描かれる…この禁忌世界もまぁ上村一夫作品では珍しくありませんが、それだけに完成度の高い作者独自の世界が描かれています。

これが何で今まで単行本に収録されなかったのかは分かりませんが、とにかく読めて良かった…そうですよ、死んでいたら読めなかったわけですからね。太宰の「葉」みたいな事も言ってしまうと、まだまだ読んでいない上村一夫作品があるうちは生きなくてはとも思うのです。
そういえば漫画エロトピアって、上村一夫先生が活躍していた時代から創刊されていて、まぁずっとマイナー誌だとは思うのですが私の世代でも書店でよく見た覚えがあります。一応調べてみたら、2000年まで発行していたんですね…
巻末にはその漫画エロトピアで担当編集者だった尾原和久氏と原作者の岡崎英生先生との対談も収録しており、必読です!


  1. 2014/11/12(水) 23:59:03|
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梶原一騎(66) 中城けんたろう 6 「キックの鬼」

梶原一騎原作、中城けんたろう絵の「キックの鬼」(道出版刊)。
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かつて一世を風靡した実在のキックボクサー・沢村忠を描いた作品で、少年画報(少年画報社刊)にて1969年から1971年まで連載されました。
当時大ヒットして選手として現役のままテレビアニメ化もされているので、これも多くのヒット作を持つ梶原一騎作品の中でも代表作の一つと言えるでしょう。いやしかし連載が少年画報で単行本も長らく絶版だったので、今では知名度がちょっと低いでしょうか。アニメも沢村忠自身が歌う主題化でオープニングの「キックの鬼」、エンディング「キックのあけぼの」共に名曲でもあるのですが、これまた観れる機会が少ないし。
作画者は本作では中城けんたろう名義ですが他にもいくつものペンネームを使い分けていた方で、中城健名義で梶原一騎原作も多く手がけています。「紅の挑戦者」「カラテ地獄変」シリーズに…私は既に「四角いジャングル」
を紹介していましたね。

また本作は原作者名を「あしたのジョー」などでも使っている高森朝雄でスタートしておきながら途中で梶原一騎に変更しているので、最初に出た単行本・少年画報社のヒットコミックスだと1巻だけ『原作 高森朝雄』となっています。
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このヒットコミックスが全6巻なのですが、私はまだヴィンテージ コミックを集め慣れていない昔に最初の方だけ買ってしまい、他の多くの古い続き本と同じく後半が手に入らず揃わない状態に陥っていました。そう、レア本を集め慣れている人には言うまでもない常識ですが、この手の絶版本で続き物を買う時は決してバラで前半を買ってはいけないのです。今に至るも我が家には、最終巻だけ手に入っていない本がどれだけある事か。

で、最初に画像を使った道出版の高森敦子監修版ですよ。これが分厚い本で全3巻の形で2001年に復刻された時は嬉しかったですね~。ついに最後まで読めました。
高森敦子さまといえばもちろん原作者夫人であり、「妻の道 梶原一騎と私の二十五年」(JICC出版刊)や「スタートは四畳半、卓袱台一つ 漫画原作者梶原一騎物語」(講談社刊)の著者でもありますが、著作権を管理している遺族の方が積極的に復刻活動をしてくれると本当にありがたい。
ちなみに「キックの鬼」は『梶原一騎原作漫画傑作選』の3~5巻目として出たのですが、記念すべき1,2巻目はあの名作「おとこ道」でしたね。

さて偉大なキックボクサーとなった沢村忠ですが、昭和18年生まれで本名は白羽秀樹といいます。
雪深い満州の新京出身である生い立ちから語られる事になりますが、敗戦直後の満州で育っているので『満人』に家に踏み込まれて
『日本人 戦争ニ負ケタノニ アタタカク火ヲモヤシテイル ナマイキアルネッ 石炭ヲ ワレワレニ ワタスヨロシイ!!』
などと言われて家の物を強奪されて殴られるという幼年期を送っています。家族には中国唐手流師範だったという母方の祖父・吉田秀之助さんが居るのですが、何故日本が戦争に負けたら威張って暴力を振るい出した満人にやりたいようにやらせているのか。
その心を知る事にもなるのですが、この祖父の手で5歳の時より手ほどきを受けて強くなった空手以上に精神性を学びます。この後、キックの鬼と呼ばれるまでに成長する沢村忠も、ピンチになると祖父との思い出や習った事が脳裏に浮かんで危機を脱するのが基本パターンになりますからね。
ちなみにこの祖父の腕前はどのくらいかというと、空手界広しといえども素手で牛を殺したのは大山倍達と祖父くらい、というほど。もちろん、この祖父も実在した人物なのです。

ついに日本への帰国が許されて引き上げると、東京の青山で学校生活を送りますが、誇り高き少年です。注進軍のアメ公達がトラックの上からガムやチョコレートを投げてよこしたのを、いくら腹ペコでも蹴って捨てて
『なげあたえられたものを しっぽをふってひろうなんざ イヌかこじきのようなやつがやるこったい!!
 戦争に負けたからって日本人がイヌやこじきになってたまるかあーっ』

と吼えて自分に勝つ男になっています。
学生時代に祖父譲りの唐手流に加えて『アメリカへ渡って向こうの一流レスラーを相手に実に700戦にのぼる真剣勝負を全て勝った大山倍達8段』と同じ剛柔流空手道も習得し、敵無しの大学空手界チャンピオンとして持て囃される若き天才へと成長しています。

そんなおりに出会ったのが、野口修
プロボクシング界の関係者出身ですが、今では誰でも知っている『キックボクシング』の名称を考えてタイ式ボクシング(ムエタイ)の日本版として広めた張本人。日本版として改良するにあたりルールをちょっと変えて投げもOKとしたりしているので、呼ばれたタイ人選手達はそれに対応出来ず負けていたとも言われていますね。
ともかくこのキックボクシング生みの親は、旗揚げした"日本キックボクシング協会"を成功させるため、そしてキックボクシングを日本で育てるのに必要不可欠な人物として、空手界の若きプリンス・白羽秀樹をスカウトして沢村忠と命名し、スターに仕上げた方でもあります。
地上最強の格闘技はタイ式ボクシングだと断言して空手こそ最強と信じる沢村忠をあおって戦わせる作戦に出るとそれが成功。時は昭和41年…空手VS.ムエタイと銘打たれたデビュー戦こそあっさりKO勝ちした沢村でしたが、もう一戦だけのつもりで戦ったのが今度は一流選手でサマン・ソー・アジソン。この勝負は何とダウンしまくりボコボコにやられ、4ラウンドでKO負けでした。折れた歯・5本、出血個所・13ヶ所、打撲傷・34ヶ所!
これによりタイ式の強さ素晴らしさに惚れて命をかけてやる決意をした沢村忠。キックボクサーへの転身です。

ちなみに野口が白羽秀樹に与えた『沢村忠』の名前ですが、この「キックの鬼」の作中では、
野口『ところで お客がおぼえやすいように きみのリングネームは"沢村忠"これでどうかね』
白羽『いいようにしてください』
…と、ただこれだけ。その後も何の説明も無いのですが、格闘技ファンならその名前が空手家の中村忠から一文字変えて取っている事をご存知でしょう。中村忠といえばかつては大山倍達を支えた極真会館の猛者で、野口修は自身がプロモートした『大山道場VSムエタイ』対決でKO勝ちした中村忠に心酔していたのですね。

さて、敗北によってキックボクシングに目覚めた沢村忠は長野県の八ヶ岳山中にこもって特訓を開始するのですが、高所に吊るした大石を蹴るために失敗したら焚き火の中に落ちるような仕掛けで、自分を追い詰める狂気の訓練。
そして深夜の孤独との戦い。人恋しさに打ち勝つため、何と片眉をそり落として人前に出れない顔にする事を思い付いて実行、目的の能力に達するまでただ一人の八ヶ岳で頑張りました!
…って、これは「キックの鬼」よりはるかに有名になった後の名作「空手バカ一代」における大山倍達総裁の行動として知られていますね。どちらも題材になった実在する人物の談話もはさみながらリアリティを持たせる手法で描いた自称・ノンフィクション作品ですが、沢村忠と大山倍達のどちらが先にこれをしたのか、または単に原作者の創作なのか、ここら辺も調べると面白いと思います。
ちなみに1巻末には沢村忠本人が書いた漫画『キックの鬼』にこめられていたものというあとがきがあり、そこで
『この漫画の中で披瀝されている逸話の数々は紛れもなく私が経験した事実であり、脚色はない』
と豪語しています。

山篭り修行で基本作りを終えて東京・目黒の野口ジムを訪ねた沢村忠は、野口会長に伸びたヒゲを剃る時に鼻ヒゲだけ残すようアドバイスされ、以降は沢村のトレードマークとなった鼻ヒゲ有りの風貌になります。このヒゲは見た目のカッコよさだけでなく、試合中に出た鼻血が口の中に流れ込むのを防ぐ効果があるのだとか。
野口ジムでも想像を絶する訓練で鍛え上げ、これはもはや肉体改造…人間凶器に生まれ変わった沢村忠。いよいよ日本におけるタイ式ボクシングをキックボクシングの名のもとに旗揚げする日が決定しますが、その第一戦を東洋ミドル級王座決定戦として行い、これをKO勝ちで飾った沢村は東洋チャンピオンとなりました。

この後は梶原一騎原作によく見られる王道方程式通り進むのですが(ゆえにワンパターンだのマンネリだのと批判する人も多い)、つまり必殺技・真空とびひざげり開眼までの特訓を描いて強敵を下し、また現れる強敵を倒すために修行して…のあれを大時代的かつ浪花節的に描くわけですね。
元々は無かった競技・キックボクシングが題材という事もあり、本作はチャンピオンになるまでを描く漫画ではなく、チャンピオンになってからその王座を守る様を描く漫画なのが少し変わってますか。チャンピオンの座を守る苦しみは挑戦者の苦しみに数倍する、とか言われていますがそれはもっともだと思います。
しかし『ニュートンの引力の法則に逆らって』完成させた必殺技の真空とびひざげり、これは今に至るも超有名な単語になっていると思いますが、その開眼までの苦労は大変なものでした。近所の住人に狂人扱いされながら屋根の上から飛び降り、腕を鳥みたいにバタバタさせたりしてますよ!

とにかく、会長だけでなく遠藤マネージャー、斉藤天心、西川純、藤本勲ら野口ジムの初期メンバーは沢村忠に強力して頑張り、タイ人の選手相手に連勝を続ける沢村のスター性も認められて…
ようやく試合会場は客足も増え、不定期ながらTV放送も始まりました。しかしタイ本国からも次々送り込まれる刺客を倒しているのに、沢村は勝ちすぎるし新進のキックボクシング自体が信用無いのもあって、そのタイ選手は三流なんじゃないかと疑う声もあるのが事実。そこでついに沢村の側からもタイに乗り込み、何と本場タイ国のライト級チャンピオンである燃えるトカゲことポンチャイ・チャイスリアとの対決を実現する運びとなりました!
そして昭和43年9月13日の夜、ルンピニー・スタジアムで歴史は動く。タイ国王も観戦する中、現地でも不敗の大物を相手にかつてない死闘を繰り広げ、血まみれの中でこんな素晴らしい好敵手と力の限り戦える事を幸せに感じ…結果は、引き分け。現地の国家的英雄との戦いが報じられて、ようやく日本のマスコミも毎週月曜の夜7時というゴールデンアワーにキックボクシングを放映する事が決定し、真空とびひざげりでキックの人気が爆発、一大ブームを巻き起こします。

『見たまえ!!
なにかがのびてゆく 成長してゆくときは こういうものなのだ
もうだれがおさえようとしても おさえようがないのだ』


さて次なる、そして一番の強敵は…ハードスケジュールでした。
スターになった沢村忠はキックボクシングのような激しい格闘技にあるまじき前人未踏のハードスケジュールで試合を行いながら、テレビドラマやバラエティ番組へのゲスト出演、歌手の仕事なんかもこなしていますからね。
どうしたんだキックの鬼よ、というわけでボロボロの体で臨んだカンワンプライ戦で敗北を喫してしまいました。とはいえここでまた祖父がくれた教訓を思い出して再起し、敗北を逆にバネとして乗り越えた後も沢村はまた更に連勝記録を伸ばすのだから心配いりません。

復帰第一戦は相手が本場タイ国のミドル級チャンピオンである黄金のライオンことタノンスク・キットヨーテンなので苦戦しますが、第二の必殺技『フライング・ドロップ まわしげり』の開眼で勝利!
しかしこの必殺技はこの時限りで忘れ去られて、後で開眼する『垂直2段げり』が第二の必殺技と呼ばれています。作者も編集者も忘れちゃったとでも言うのでしょうか?

沖縄に遠征すれば当地では日本の空手のようにスポーツ化しておらず(当時の沖縄は返還前なので日本じゃなかった)、一撃必殺の殺人術を持つ彼らが待ち構えていますが、ここで『なぜ沖縄の空手が日本の空手に比べて恐ろしいのか』が長々と梶原節で紹介されます。
中でも沖縄最強の"濤風館空手"とキックボクシング勢が戦いますが、その対抗戦はキックボクシング側の圧勝!沖縄で超人扱いされているという館長の真名島堅城をも沢村忠が当然のように倒すと、沖縄でもキックの入門者が殺到する結果になりました。
この時以外にも本作では何度か空手家と戦い、キックボクシングこそ空手より強い地上最強の格闘技であると断じているのですが…すぐ後に梶原先生は「空手バカ一代」で空手最強を描くのだからさすがです。

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もはや押しも押されぬスターになっているために剣の達人に襲われて路上で異種格闘技戦をさせられたりしますが、常に勝つ沢村忠に降りかかった次なる地獄は…
沢村をして『やつ………気ちがいのように燃えている!』と言わしめたモンコントーン・スイートクンとの対決で起こりました。リング生涯で最大のすさまじい激痛だったという肋骨二本の骨折と、そのため余儀なくされた休養。ここでブランクを空けた事が勝負師の勘を狂わせ、嵐の試練を受ける事となるのです!

そのタイミングを逃さずにタイ式ボクシング界を支配する大興業師のラジャマハーが刺客を送ってくるのですが、彼は今まで次々と送ったタイ選手がことごとく沢村忠に敗れて連戦連勝されている状況に怒っており、密かにジャングルで秘密特訓キャンプで殺しの教育をして選手を鍛えています。
沢村の試合映像も研究史、さらにプロレスラーで前オール・アジアのチャンピオンだった超巨体のキング・コングを特別コーチに招きました。今までルールで日本ではタイ式には無い投げが許されていたから圧倒的に日本人が有利だったのですが、キング・コングの手で徹底的に受け身の極意を教えたどころか投げ技も覚えさせました。
最初の刺客となったダウソン・バンカーロップが全く無名の選手ながら沢村と大接戦を演じましたが結局破れ、今度こそ本気になったキング・コングは次の刺客にはプロレスの秘密兵器『ココパット』、また次の刺客にはとんでもない反則技を仕込んで日本に送り込む!

これがいかに恐ろしいかを原作者が大仰な解説でしていますが、本作の後半…特にラジャマハー登場以降は現実味が薄い梶原一騎の世界になってますね。タイの秘密特訓キャンプは、ほとんど"虎の穴"だし。それがまた面白いわけですが。
しかしどんな刺客が来ても沢村忠は負けません。連勝は続き、ついに100連勝、しかも全てKO勝ちという前人未到の偉業を達成して作品は幕を閉じます。100連続KO勝ちって普通は漫画の世界だけのようですが、実在する沢村はやり遂げた。ここまでで本作は終了しますが、もちろん現実世界の沢村はまだまだ戦い、勝利記録も増やしていくのでした。

ところでムエタイを基にした新競技キックボクシングを題材にしている作品の性質上、敵キャラはほとんど黒い肌のタイ人ばかり。タイ人は名前を覚えにくいのも難点でしたね。
あと、この漫画やアニメも含めてここまで人気が高かった沢村忠ですが、他の偉大なスポーツ選手などに比べて現在語られる機会がまるで無いように見えるのは、どうしてなのでしょうか。

キックの鬼・沢村忠の当時の人気を思わせる事実としては、ほぼ同時期に同じ梶原一騎原作で南波健二先生を画に起用した「キック魂(ガッツ)」という作品も連載されていた事も見逃せません。こちらは週刊少年キング連載なので、何と同じ少年画報社の雑誌です!
(ややこしいことに、やはり梶原一騎原作で振り仮名付けなければ全く同じタイトルになる「キック魂(だましい)」という古城武司・画の短編も存在するのですが、これは単行本していない幻の作品なので知っている人もほとんどいないでしょう)
同じ梶原一騎原作のとんでもない名作「夕やけ番長」でも沢村忠はテレビの中で登場し、それが元で木曽中学校最初のスポーツ部はキックボクシング部を設立する事にするのでした。

そんなわけで凄い男・沢村忠の戦いぶりを読める「キックの鬼」は必読。
その兄弟作品とも言える作品「キック魂(ガッツ)」も、より事実に基づくノンフィクション風で沢村を描いた傑作。こちらもそのうち紹介したいと思います。


やめろといわれて やめるくらいなら
はじめからキックに命をかけたりしませんよ
命………そうキックは ぼくの命そのものです
命をやめろ つまり死ぬということじゃないですか



  1. 2014/11/08(土) 23:59:40|
  2. 梶原一騎
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Author:BRUCE
BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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