大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

ホラー漫画(90) 三智伸太郎 1 「恐怖!!人形に殺される」

今夜は三智伸太郎先生の「恐怖!!人形に殺される」(ひばり書房刊)。
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まず三智伸太郎先生については、作品こそ昔から読んでいたものの作者のプロフィールはよく知りません。
1950年代には当時栄えていた貸本漫画業界で描いていたようで、貸本の終焉を迎えてからひばり書房の描き下ろし漫画へと流れてきたのかな。ここで何冊も出しているので、ひばり書房好き限定でそれなりに有名な漫画家だと思います。
ちょっとSF入ったホラー漫画を得意としていて、「恐怖!あした死ぬ私」が代表作…なのかな!?
この「恐怖!!人形に殺される」は、アメリカ映画「チャイルド・プレイ」以前に描かれた人形殺人鬼の作品としても注目したい所。

夜の神社、人形を穴の中に埋めた少女が不思議な力で目玉や内臓を飛び出して死に、人形は土の中から出てくる…というオープニング。
もちろん次にこの人形を手に入れた者達に恐怖が降りかかるのですが、舞台はとある小学校。主人公の女子小学生・志垣由希はイジメられっ子でした。イジメ…といっても男子が女子である由希を拳でガチ殴りして壁にぶつけ、額が割れた由希は出血とか小学生レベルを超えたひどさ!拉致して死体置場に閉じこめたりもしてました。
両親も自分で解決しないとその場しのぎにしかならないし、今度ケガして帰ってきたら家に入れないなんて逆に由希を怒る。

そんな由希が神社で人形を拾って友達にするのですが、それから夢の中で彼らをイジメ返すと、それが現実になる事が分かりました。
正男、和子をひどい目に遭わせてやった後は最後に山田次郎。彼は由希が入り込んでいる人形にバットで抵抗してきたため、首を切断までしてぶっ殺すのです。
これで復讐は成ったと言えますが、因果応報は復讐した者にも返ってくる…由希の母が人形を恐れて川の激流の中に捨ててしまうと、由希もオープニングの少女と同様に無残な最期を迎えるのでした。
人形はまた次の持ち主が見つかり、人形の怖い笑いで次の不幸が生まれる兆しを見せて終わるラストはまぁ、恐怖モノの定番か。
本来は無表情であるはずだけに人形が見せる表情は怖いものであり、「チャイルド・プレイ」におけるチャッキーの見せ場でもありましたが、それは本作でもありますよ。
あと由希と人形が超常現象を起こす前ぶれにヤモリやカラスがとんでもない大群になって集まってくるのですが、そこで生まれた『カラスのUFO』は良かった。これらは物語と直接関係が無い、ただの前兆扱いで抑えておいた所もマル。


由希ちゃんは私がどんなにみにくく変形しようと
私をはなそうとしなかっただけに……残念だわ
でも また新しい女の子を見つけるわ



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  1. 2015/06/30(火) 23:52:36|
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ホラー漫画(89) 円山みやこ 1 「蟲笛 Koteki」

今夜は円山みやこ先生の短編集「蟲笛」(青林工藝舎刊)。
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ここまで何年もかけて散々ホラー漫画を紹介してきた私ですが、このジャンルにおいても今までで最も後味が悪く、心が痛さでゆさぶられる作品かもしれません。救い?そんなものはありません。でもでも、紛うことなき名作。
何しろ実在した陰惨すぎる事件を基にして漫画化した作品を中心に集めているので、聞く度に嫌な気分になる有名事件を漫画で再確認して…ね。これは多くのホラー映画などでも描いている事ですが、やはり幽霊だのモンスターだのより間違いなく人間が一番怖い事実を知らしめた方が良いという意味で、社会的な意義も大きいと思います。
何しろこんなヤバい作品の初出が少女向けホラー漫画専門誌の月刊ホラーMであり、そのぶんか社ホラーMコミックスで単行本化していた所に鋭いメッセージも感じます。
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治安の良い島国で住むがゆえの能天気さを持つ我々ですが、これらは遠い国の関係ない出来事ではなく、いつでも自分の身近で起こりうるのだと認識し警戒しておく事が大事なのだから…もちろん自分が加害者側に立ってしまう事だってありえます。
人の性は悪なりと知り、そう心構えを持ち覚悟して生きて行くのは良いと思いますが、でもこれを普通に女子小学生が読んでいたのだとしたら、私がその頃に読んでいたひばり書房のホラー漫画群などとは桁が違うトラウマを与えているのではないでしょうか。

青林工藝舎版では再編集していてホラーMコミックスとは収録作一覧が大幅に異なりますが、作者のまえがきに続いて漫画作品は1995年から2002年の間に描かれた5編が収録されています。
いずれの作品にも共通して言える事ですが、現実の事件を忠実にコミカライズしているだけの物ではなく、漫画である事を活かしたデフォルメをしてホラー漫画作品に仕上げているのです。
それが顕著なのが冒頭の「傷の軋み」。幼い少女の目線で巨大な蟲の化物と同居する様子が描かれているのですが、タネを明かせばその化物は虐待する父親で、最後はあまりにも不幸な結末が待っています。

次の「葉隠しの家」は女子小学生が何と9年間も監禁された新潟少女監禁事件を題材にして、加害者の母親と盆栽を絡めて描いています。
そして表題作「蟲笛」。『こてき』と読むその意味は作品を読んでもらうとして、これの題材は…嗚呼、誰もが聞く度に沈んでしまう、足立区綾瀬の女子高生コンクリート詰め殺人事件。未成年の少年らによる残忍な行動はもちろん、少女が監禁されている事に気付きながら救わなかった周囲の人間達。悲しい悲しい物語、ここでもあるモノがデフォルメされた醜い蟲が登場します。
実在の事件とは時代設定を少し変えていて、少女が当時は一般的でなかった携帯電話を持っていますが、これは後に同事件を題材にして高岡蒼佑主演で映画化した「コンクリート」にも影響を与えているかもしれません。「コンクリート」も扱った事件が故に批判が多すぎてまともに上映出来なかった不幸な作品ですが、それ以前の「女子高生コンクリート詰め殺人事件 -壊れたセブンティーンたち」は幻の映画になってしまったし、そういった現状を見ていると「蟲笛」もいつまた読めなくなるか分かりません。

次の作品は事件を起こした加害者本人ではなくその家族という、別の意味で被害者である立場の少女を描いた「ハイエナの粉」…これも悲惨な話ですが、とにかく鬼気迫る内容。
最後の「嗤う花」は現実の事件モノではなく、創作サイコホラーですね。東京のお嬢様学校から転校してきた少女の狂った精神を描いてます。

最後に著者の円山みやこ先生についてですが、私はこの短編集でしか知りません。ここまで傑作揃いの作品を描く漫画家の本は普通なら他も買い集める所ですが、元々は三原順先生のアシスタントで普通の少女漫画を描いていた方らしく、1981年に花とゆめ(白泉社刊)でデビューしているそうで…つまりホラーMに執筆してなければ絶対に出会わなかったわけですね。
可愛い少女漫画の画風で残忍な物語を描く事による効果は、私の大好きな関よしみ作品に通じる物がありますが、その後もホラー漫画はほとんど描いてないようです。葬儀屋漫画「お見送りいたします」がちょっとヒットしてますけどね。
普通の人が隠したい人間心理、醜く見たくないモノを見せる稀有な才能を持っているのだから、そういった社会派ホラー作品に絞って描かないのが本当に勿体無い!今後に期待しましょう。


可哀相だけど もう面倒見きれない
世界中で自分だけが傷つきやすいのね?
自分の殻の内側の痛みしか感じられないのね?
でもあなたを撫でてなぐさめるたびに その殻でわたしの手も……ほら



  1. 2015/06/29(月) 23:59:42|
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旅行・紀行・街(196) 神奈川県足柄下郡箱根町 1 横浜市 4

今回の旅は神奈川県です。まずは週末の1泊コースにて…足柄下郡箱根町へ。
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新宿から小田急電鉄で走ること2時間弱で到着しますが、小田原から箱根湯本間は特急ロマンスカーを利用。
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仕事後にそのまま行ったので、初日は到着前に日が暮れてしまいました。
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この小田原市、小池一夫先生の小池工房があったりする土地ですが今回は素通り。
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目的の足柄下郡は他に真鶴町と湯河原町を含み、箱根火山の麓なので関東では屈指の『箱根温泉』を形成しているあたりですが、今回この郡内で紹介するのは箱根町に絞ります。
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あ、このマンホールは箱根町で見つけたけど、県の花ヤマユリ・県の木イチョウの葉・県の鳥カモメをデザインしたやつで神奈川県全体モノだったようだ。

とにかく箱根町は箱根山だの芦ノ湖といった所もある有名観光都市ですが、この日は時間的にもうホテルを目指すしかない。
箱根登山鉄道・小涌谷に着いたらもう8時半近くで、ここからさらにバスに乗って…
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"小涌谷温泉 箱根ホテル小涌園"へ。
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部屋は贅沢に、ガーデンビューデラックス。広い!
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しかし街から遠く離れたここには、近くに店がファミマくらいしかなく夕食と酒を買ってきましたが、ここのファミマは24時間営業じゃなくて夜中に閉まるそうです。
確かにうちの実家(魚沼市)にもついに"すき家"が出来たものの、24時間営業やっていける土地でもないので夜中は閉めてるらしいし…田舎には田舎の事情がありますね。
飲み屋街も無いのでホテルで過ごすわけですが、たまたまテレビでジャッキー・チェンがミスター・ハン (オリジナル映画におけるミヤギさん)を演じたリメイク版の映画「ベスト・キッド」をやってたのでのんびりと観て。
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翌日、
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ホテル内の"ブッフェ グランヴェール"にて朝食です。
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ホテルの庭散歩。
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それからホテルの目の前にある、箱根の温泉テーマパーク"箱根小涌園 ユネッサン"
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ここは様々な温泉とプールのある施設で素晴らしかったです、はい。最後はドクターフィッシュに足の角質を食べてもらってきました。
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ここで鈴廣かまぼこ、
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それからごまだれ餅を買って、次に移動です。
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箱根登山鉄道で強羅駅へ。
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この地は「新世紀エヴァンゲリオン」の『第3新東京市』として登場した辺りなので、エヴァとタイアップして観光客を呼んでいる所も目立ちました。
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近くの"田むら 銀かつ亭"、ここは評判のとんかつ屋さんですが、
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ずーっと先まで人が並ぶ行列が出来ていたので諦めました。
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しかし系列店のここ"銀かつ工房"。こちらはサンドイッチなど売ってる店で、テイクアウトにてコロッケと自然薯コロッケを買いました。
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箱根の猫ちゃん。
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次はケーブルカーで早雲山駅まで登り、
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そこから箱根ロープウェイに乗って、箱根山の大涌谷まで行きました。
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途中で見える、ここで温泉を造成しているのでしょう。現在の大涌谷は火山活動活発化して噴火警戒レベルが上がってGW前というのに観光客が行けない状況になっていました。箱根ロープウェイも運転を見合わせているみたいですが、私は昨年の9月に行っていたのです。
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いよいよ大涌谷駅を降りると、強烈な屁の臭い。この臭いの元は硫化水素(H2S)。
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大涌谷くろたまご館、その他そこら中で黒たまごが売ってますが、5個500円なのはどこも同じ。1個では売ってくれません。
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あとちょっと、足で登山します。
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途中の注意看板は、この通り漢字やハングル表記でしたが、実際に外国人だらけで日本語が聞こえないので、ここが日本だったか疑ってしまう不思議な感覚が襲ってきますが…
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富士山がよく見えるので、ようやく日本国にいる事を確信しました。
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観光客が踏み入れられる中では、ここらがてっぺん。
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ここで黒たまごを作ってるのかな。
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私もここで黒たまごを買って、
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5個もあるのを食いまくりました。美味い!
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生卵をこの温泉池でゆでると殻に硫化鉄が付着し、それに硫化水素が反応して殻が黒色になるのだそうです。その殻をむけば、普通に白身が見えます。
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さようなら、大涌谷…
下りロープウェイでは、同じゴンドラに乗った東南アジア系の子供が凄い可愛さでしたが、すさまじくノイジー。日本以外の国の人々を見てると、そのパワフルさに驚きます。ほとんどの日本人は去勢された動物のように静かでおとなしいですからね。
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ちなみにロープウェイのチケット、絵柄(写真)が毎度違ってました。
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桃源台駅で下車して、
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"桃源台ビューレストラン"へ、
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ここでは静岡の地ビールである御殿場高原ビールがあったので頂き、
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ヨーグル豚のジンジャーソティー。
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窓から海、そして箱根観光船(箱根海賊船)が良く見えました。
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その箱根海賊船に乗ってみましょう。ちょうど『二隻の舟』が着船していまして、
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右の赤い方も良かったのですが…
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私が乗ったのは左の青い方。
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しばし船旅を楽しんで…
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箱根町港に寄り、
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それから元箱根港に着きました。
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凄い鳥居がそびえ立っています。
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ここで箱根に来て蕎麦を食べないのはいけないと思いましたが、この周囲には観光客向けの蕎麦屋がたくさんありすぎるので、逆に選べない。そこでインターネットを使って箱根町で一番味の評価が高い蕎麦屋を探しまして、その店に行こうとちょうど見つけた観光案内所で聞いたら全然分からないと言う。やる気なさそうなじじい一人しかいなくて住所を伝えても探そうともしない、ああダメな田舎町の腐臭がしてきました。仕方なく流しのタクシーを止め、一応聞いたらそんなに遠くないというので乗ったら…遠いよ!何と山道を走り海賊船を出発した地点の近くまで戻られて、料金3千円を軽く越えた!
高すぎる蕎麦代になりましたが、とにかく到着したのは"手打ち蕎麦 竹やぶ"
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入店しましたが、到着した時間ではもう『せいろそば』しか無いとの事で選ぶ余地は無し、こういう店は量が少ないのが通例でもあるし空腹なので2人前を注文。ふむ、確かに満足の味ではありました。
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店の外もユニークな芸術作品であふれていました。
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箱根ロープウェイの姥子駅は歩いて行ける距離との事で、林の中を進みました。
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しかしタクシーで随分と戻っちゃったので、またロープウェイで引き返して…と、金も時間も無駄な道行。私のような行き当たりばったりな旅をする人の失敗パターンです。
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またここか…
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早雲山駅前。圓鍔元規の『若い娘』という作品、そして箱根の景色を見ながら、
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食いきれずにもう一つ残っていた黒たまごを頂きました。
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戻りコース。ケーブルカーで今度は下って、
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電車は乗り換えの箱根湯本で途中下車してみました。
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おお、さすが第3新東京市…エヴァンゲリオンのオフィシャルショップで"箱根湯本えう゛ぁ屋"なんて店もありました。
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私は"ハイカラ中華 日清亭"でビールを!
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つまみは点心盛り合わせ、回鍋肉、
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それから神奈川県のご当地ラーメンである、サンマーメン。
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もう一杯呑もうと近くの居酒屋で"鈴鹿"を覗いたらまさかの満席で入れず、
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ここ湯本では『箱根おまん』など、土産物を買って帰りました。
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他に箱根で気になった施設は、サン=テグジュペリ生誕100年の1999年にオープンしたという"星の王子さまミュージアム"、
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そして、"箱根北原おもちゃミュージアム"。いずれも時間が足らず行けませんでした。
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さて、次は神奈川 県最大の都市横浜市へ。
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横浜へ行くにあたり、当地が舞台の「あぶない刑事」を劇場版シリーズだけ数本を観直して行きましたけどね、これってこんなにひどかったっけ…いや本当に色々とね。まぁちゃらい刑事モノ、子供向けなのかと思う作品なのであまり突っ込んでもしょうがないのか。

あれ、何でこんな所にゴミが!?いや、ギムホンソック(Gimhongsok)という人の手によるアート作品でした。この後、我が家近くでゴミの日に見るゴミ山も、毎回違う形をしたアートに見えるようになりました。
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横浜ベイブリッジ。
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さて何度も来ている横浜ですが、今回はまず京浜急行電鉄に乗って歌川広重の浮世絵で有名な『金沢八景』へ行ってみましょう。ここは初めて来ました。
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まだレトロな街並みが残る地域でしたが、再開発計画が進んでいてここら辺は取り壊されるみたいです。
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"中華 栄やのラーメン"でラーメンを食べましたが、もちろんここも閉店すると言ってたので現在はもう無くなっていると思います。
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横浜シーサイドラインの金沢八景駅へ。
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海沿いや海の上を走り、
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八景島駅へ。
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この人工島、八景島の海で鳥と戯れ、
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岡崎京子先生の漫画を蜷川実花監督が映画化した「ヘルタースケルター」でロケ地にもなっている、有名な"横浜・八景島シーパラダイス"が近い駅ですが、そちらには行かず…
"かき小屋 横浜・八景島海の公園店"へ。
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牡蠣の皿を買って席へ。
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Bar かき小屋にて生ビールを購入して乾杯です。
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他に枡で日本酒や、缶ビールも自販機で買えました。
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我が秘密結社有数の牡蠣好きであるこの方が、大喜びして焼きまくりです!
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他に野菜やイカなども頂きました。
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ご馳走様!
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また海へ行き、
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砂浜散歩。
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金沢漁港の辺り。
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金子堅太郎書による、憲法草創之處碑を発見。明治憲法(大日本帝国憲法)が起草されたのは、ここ横浜市金沢区だったそうです。
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神社。
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次は有名な飲み屋街・野毛地区(桜木町から日ノ出町までの辺り)へ行ってみました。
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ここで横浜に住む地元民が合流したのでディープで混沌としている野毛地区を案内してもらいましたが、お薦めという"野毛ホルモンセンター"には満席で入れず…
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通りかかったここは"三陽 御用亭"。看板に『毛沢東もビックリの餃子』とか書いてありますが旧店名は"毛沢東 御用亭"だったとか!他もチンチンラーメン、チョメチョメラーメン、ボーボーラーメン…
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さて我々がようやく入店したのは、"第一亭"。豚豚豚豚豚…
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お、久住昌之先生のサイン色紙発見!ここは「孤独のグルメSeason3」のロケ地になっているので、ゴローさんを演じた松重豊さんの写真なんかも飾ってました。
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実在する店を出して大ヒットしたグルメドラマ「孤独のグルメ」ですが、放映された店はミーハーな、しかも居酒屋に来て酒も呑まない客が大勢押し寄せてしまう現象が起きて迷惑している所もあると聞きますが(ゴローさんも酒を呑めない設定なので、悪いとも思わないのでしょう)、とにかく凄い宣伝効果でしょうね。
我々は瓶ビールを呑みながら次々とつまみを頼んでいきましたが、まずどれも提供時間がメチャクチャ早い、そして美味い!こりゃ名店だ…
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これがパタン。孤独のグルメでもメイン扱いしていたニンニクどっさり、野毛のペペロンチーノです。
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さらに店主の中山さんに歌をリクエスト。メニューの裏に載ってた地元愛あふれる自作の歌『野毛のんだくれブルース』『赤い電車に乗って』の後、観客からのリクエストも受けていました。フォークソングならだいたい大丈夫との事でしたが、三上寛や友川かずき辺りは無理かな…なんて考えていたら、他の人が長渕をお願いしちゃった。
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"松葉寿し"の前で、美空ひばり像を発見。ひばりも通った店なんだそうですよ。
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ちなみに私がここ野毛地区やら黄金町、日ノ出町だのって地名を知っていたのは黒澤明監督の大好きな映画「天国と地獄」でモデルになったスラム街だから。実際に近くで撮影もされているし(中華街や山下公園といった横浜の名所も出ますね)…
かつて違法な売春街としても知られていた危ない街だったようで、つまり地元民にはありがたくないであろう相当にネガティブなイメージではあります。あの映画の『地獄』側ですからね。あの麻薬中毒者が溢れる衝撃的な狭い路地はセット撮影だったみたいですが。
そうそう、かつてアンダーカバー(UNDERCOVER)が「天国と地獄」とコラボし、あの桃色の煙を出す煙突のシーンをTシャツにしてくれたのは嬉しかった。他の黒澤映画ファンに自慢したりもしたものです。
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あと、野毛山公園は手塚治虫先生の「サンダーマスク」で舞台になっていました。

また横浜駅に戻りましょう。駅のホームにも崎陽軒があるのがさすがです。
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まずは横浜のラーメンですが、横浜駅地下の"龍味"(リュウマイ)で、
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また神奈川県名物のサンマーメン、
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ワンタンメン。
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"麺場 浜虎"の横浜店で、
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醤そば。
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ついでにカップ麺でも横浜ラーメンを食べると…ニュータッチの横浜もやしそば、
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同じくニュータッチの凄麺 横浜発祥 サンマーメン。
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続いて『はまっぷ』を片手に、街を散策しますか。
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横浜駅西口、岡田屋モアーズ正面入口前にはマドロス少年像が建っています。
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久々の山下公園で、海を眺める。
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ここではちょうど『横浜セントラルタウンフェスティバル Y156』ってのを開催していて、ステージではつまらない音楽をやってたし…
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凄い車も集結していました。
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これ、エンジンの爆音がやばかった。
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露店も出てましたが、ここは横浜名物"崎陽軒"。
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ゆるキャラ、ハマの電チャン。
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この滝は…カニ?
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山下公園前に係留している船は、氷川丸。
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海では横浜ドラゴンボートレース大会が開催されていましたが、私が行ったタイミングではドラゴンボートを見れず。
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他にインド水塔、
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赤い靴はいてた女の子像。たまたまこの翌日にNHK連続テレビ小説「まれ」の放送を見かけたら、ここでロケしてました。
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こちらは横浜駅内にある、赤い靴はいてた女の子像。
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横浜で公園と言えば、他に名作漫画「ブラック・ジャック」でBJと相思相愛になった唯一の女性である如月めぐみとの再会エピソード『めぐり会い』で舞台となった"港の見える丘公園"にも行ってみたい所ですが…

山下公園の近くには女子が大好きなお店、パンケーキの"エッグスンシングス"(Eggs 'n Things)があります。意中の女子をここに連れて行けば、モテモテ間違いないでしょう。
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エッグスンサラダ、
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フルーツパンケーキサンプラー。
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横浜海岸教会。
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恋人の聖地・横浜マリンタワー。ここは石ノ森章太郎原作でアニメ化もされた作品にしては忘れ去られた扱いの「ミラクルジャイアンツ童夢くん」、私にとっては子供時代にリアルタイムで見た作品なので思い出深いですが、あのアニメ版で登場して横浜スタジアムから打ったホームラン打球によって窓ガラスを割られています。
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その横浜スタジアムに近いみなとみらい線の日本大通り駅は横浜DeNAベイスターズの本拠地との事で、ベイスターズ一色でした。
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そして夜の横浜…
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横浜赤レンガ倉庫前を通りかかったら、オクトーバーフェストやってた!行きたかったけどこの時は時間がなくて素通り(泣)
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今夜の最後は、横浜中華街。
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修理の門もありました。
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東アジア最大の中華街、相変わらず賑わっています。
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とにかく広いので、マップを片手に散策するのが良いでしょう。
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道教寺院、横浜媽祖廟(天后宮)。
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関帝廟。
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中華人民共和国は反日国代表、そりゃあまり印象よくないわけですが…ここは香港路。香港と言われるとやはりブルース・リー(李小龍、Bruce Lee)ゆかりの地なので、憧れも大きく格別な地。
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ただしこれだけでかい中華街であるにもかかわらずブルース・リーのグッズはほとんど見かけないので、今回買物したのはこの死亡遊戯トラックスーツ着てヌンチャクを持った、つまりブルース・リー物と言えるパンダの鍋つかみくらい。
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あとの目当ては飲食店ですが、渋谷でよく行く"中華料理 梅蘭"の本店がここにあるので行ってみました。
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ビールはプレモルを呑みながら…
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梅蘭焼きそば、
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牛肉入り辛口梅蘭焼きそば。
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杏仁豆腐。
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この中華街だけで、他にも梅蘭の店舗は複数あります。
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あとは"老北京"で、
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中華のファストフードである焼き小龍包、上海生煎包を頂いたり。
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女子とスターバックス・コーヒー、横浜チャイナタウン店です。さすが中華街の店で、写真は撮り忘れましたが外壁にドラゴン画が描いてありました。
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そしてカンフーの修行も兼ねて、"工夫厨房"(Kung Fu Kitchen、カンフー・キッチン)へ。地味なビルの2階に、それはあった…
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入口の目印。
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入店。
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おお、詠春拳の練習をしています。
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画面には懐かしいジャッキー映画が流れていて。
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詠春拳といえばブルース・リーが学んだ拳法として有名であり、その『ブルース・リーの師匠』という事で昔から世界中のリー好きの間だけではメチャクチャ有名だったのがイップ・マン(葉問)。
しかし2008年のドニー・イェン主演映画「イップ・マン 序章」以来…これがヒットする事が分かって香港で何本も映画化して日本でも公開されてるし、一昨年は中国で連続テレビドラマ化までされるにいたって、今やイップ・マン自身が伝説のスーパー・ヒーローとして常識扱いになってますね。
この工夫厨房は料理店であると同時に、『イップ・マンの甥の弟子』が詠春拳を教えてくれる店。メニューを見るとブルース・リーも載っているし、左側の方、もちろん店にもいた白髪の達人が…ブルース・リーの師匠の兄弟の子供の弟子というわけだ!
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弟子がハァハァいって大汗かいてるのに師匠は軽くいなしている様を見て、「イップ・マン 最終章」におけるアンソニー・ウォンが新聞紙の上で若者に稽古つけてやった姿を思い出しました。

しかしほとんど売り切れで選ぶ余地があまりないメニューから、お薦めだという薬膳ばそ、それと木人茶(四茶ブレンド)を注文。
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腹ごなしに木人を叩かせてもらって、今夜はお別れです。
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  1. 2015/06/22(月) 23:59:57|
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劇画(183) 杉山義法 1 篠原幸雄 1 「負けずの大五」

篠原幸雄マンガ、杉山義法原作の「負けずの大五」(ふしぎな仲間たち社刊)。
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1973年から翌年までの‏週刊少年チャンピオン(秋田書店刊)で連載された作品で、単行本は全1巻…しかも秋田書店ではなく『ふしぎな仲間たち社』なる所から出てるんですよね。同名の隔月刊マンガ雑誌も存在したそうで、単行本のレーベルはコミーク・エトランジュ。長年古本屋を回っている私ですが、他で全然見た事がありません。

そんな「負けずの大五」は、随分昔に前情報無しの知らない作品ながら買ってみた作品。このブログタイトルと、字が違うもののDAIGOつながりなので親近感がわいていたのですね。
1970年代劇画好きの私なので、表紙の絵だけ見ても好きな部類だろうと予想出来たし、こういうのでたま~に隠れた名作が出てきたりしますからね。

病院が舞台の医師・医療ドラマで、かつて自分のミスから幼女を死なせてしまった医者・九鬼大五が主人公。
ヤケになって酒呑んで派手な事件を起こしたりしていた大五は、警官の紹介でサンタ先生と慕われる人格者の山下毅一郎院長(あの特殊翻訳家/殺人研究家の柳下毅一郎と一字違い!)がいる"山下病院"へ行くのでした。
副院長に『インテリまむし』、婦長に『ドライアイス』、看護婦の早苗には『カマトト天使』…と、一見した印象で次々にあだ名を付けていくのですが、そのセンスは有吉弘行以上。
登場人物に何かとすぐに殴る熱血漢な奴が多いのは、この時代の漫画では普通の事です。

で、サンタ先生の化けの皮を剥いでやるくらいのつもりで山下病院にいる大五でしたが、本物としか言いようがない慈悲の心あふれる山下院長を尊敬するようになっていくのですが…
戦時中に撮ったある写真がきっかけで、院長は医師免許を取得していないニセ医者であり、28年間も使っていた山下毅一郎という名前までも別人の物である事が判明!戦時中のドサクサをからめてミステリー仕立てで迫る、そこら辺の謎も見所ですが、とにかく自己犠牲を厭わず人を助け続けてきたここまでの人物でも免許が無いと犯罪者なのか。人間の価値は資格や肩書きで決まるのか、そこら辺を問うのが主題ですね。
最後の重要な手術で、脈拍が停止した患者の心臓を直接手づかみでマッサージして生き返らせるのは驚きました。これは子供の頃に大好きだったゆでたまご先生の「キン肉マン」におけるジェロニモの、自らの手で行う心臓マッサージを見ていなければもっと衝撃的だったでしょう。

なかなか熱い感動ドラマでしたが、正直これは現在では漫画史から忘れられた作者・作品でしょう。
しかし近年、まさかの所で本作の名前が表舞台に上がりました。そう、昨年ついに完結した話題作…宮崎克原作、吉本浩二漫画で、テレビドラマもされた「ブラック・ジャック創作秘話~手塚治虫の仕事場から~」ですよ。手塚治虫先生の「ブラック・ジャック」と同時期に同誌で連載していた医者漫画であるために話題に上がったのです。
本作は九鬼大五が医師免許証を引き裂いて自らニセ医者となって旅に出る所で終了するのですが、実は『第2部放浪編』という続編が存在するそうです。ブラック・ジャック創作秘話で興味を持つ人が増えて、完全版として復刻されないかと思ったのですが、今の所その動きはありません。


いくら医者がえらそうな顔をしたって カゼ一つなくならないじゃないか!水虫がなおせるか!?そうだろ きみたち!
それなのに心臓や腎臓を取り替える医者もいるなんて……!! 患者は医者のオモチャじゃないっ!
いくらえらそうな顔をしたって病気はなおりゃしないんだ!!医者はもっとケンキョであるべきだ!!



  1. 2015/06/15(月) 23:00:38|
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劇画(182) 石川球太 2 「原人ビビ」

続いての石川球太作品は、「原人ビビ」(マンガショップ刊)です。
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初出は1966年から翌年までの週刊少年サンデー(小学館刊)で、単行本は朝日ソノラマの
サンコミックスで全3巻が古本好きの間で有名でしたが、私は高額だったそれを入手する前に…ヴィンテージ漫画好きの強い味方(であると同時に既にオリジナル版を持っているコレクター泣かせでもある)、あのマンガショップで2005年に復刻した版を買っちゃいました。
長年、どうしても読みたかったのでね…で、この分厚いマンガショップシリーズでは全2巻。

表紙やタイトルで分かる通り、これは太古の原始時代を舞台にした原人漫画。必然的に多くなる自然や生物の描写は、天才動物漫画家の石川球太先生が大の得意とする所ですね。
壮大な宇宙空間で銀河系大星雲から太陽、ついに地球という惑星が生まれてその上で古生代・中生代・新生代と続いて…ついに人類の祖先が誕生するまでというスケールの大きな描写が続いた後で、いよいよ始まるこの物語。

雷雨の夜に"白い牙"族の中から産まれた子供は、この一族では見た事のない白い肌を持っていました。誕生するなり、おばばに『みたこともない かたわの子じゃ!! この子はかたわもんじゃ!!』と言われて危険視される、この子供こそが主人公のビビ
原始時代が舞台で、しかも白い肌に生まれた主人公といえば石森章太郎先生の「原始少年リュウ」を思い出す方も多いと思いますが、「原人ビビ」の方が5年も先に描かれている作品ですからね!

で、読者はこのビビが原始時代を戦い生き抜く記録を迫力ある絵でハラハラしながら見守る事になるのですが、狩りの作法や儀式など、原始時代豆知識満載なのも良いですね。娯楽どころではなく厳しい自然と戦う毎日に終始していた時代なので、獲物を食べる食事だけが唯一最高の楽しみだというのは納得。
ちなみに白い牙一族は、かしらがその名も白い牙で、ビビの両親がバビヒナ、他にケダモノオオイビキカタブツその他…ちゃんと原人達にも個性を付けています。
まだ小さいビビですが、底なし沼を利用して狩りをする方法を見つけたため、褒美にかしらから斧を貰いました。そのため他のチビ連中に嫉妬からなる嫌がらせをされたり…って、原始時代からこのような醜い人間模様は付き物なのですね。しかし生きるため食べるために殺すのが当たり前の時代では、ガキのケンカでもかなり激しい。馬乗りになってボコボコに殴った上で、草を口の中にねじこんでさらにボコボコにする感じです。もちろんどちらが正しいかよりどちらの力が強いかの方が大事で、それに勝る方が生き残る非情な世界。

マンモスやクマなどの猛獣や、洪水など自然の脅威、それからまた怖いのが同じ人間…当然、他所の一族もいるわけです。
認められるためにでかい獲物を仕留めようと一人で遠出してしまったビビは、凶暴な"金毛族"と遭遇して捕獲されますが、後に金毛族とは白い牙族あげての生存をかけた決戦へと発展します。
しかし金毛族は人数で勝る上にビビ達がまだ見た事も無かった武器・弓矢を使う技術の持ち主。白い牙一族では圧倒的に一番強く頼れるかしらが、その武器に倒れて殺されるのですが…その首が胴体から切断されて頭だけ河原に突き立てられていました!このような首チョンパといえば漫画界では「デビルマン」の牧村美樹が有名ですが、あれより6年も前に描かれた「原人ビビ」でこの衝撃シーンが!

唯一火の付け方を知っているかしら(その地位を保つために他の者に教えてなかった)を失った白い牙一族は結局やられて、住み慣れた土地を捨てて敗走。
天然アスファルトの沼でビビを助けるためにその父親・バビは死に、ビビも一族を追い出されてたった一人で生きていく事になりました。いや、めくらになっている母親のヒナだけは奪還しましたが。
襲ってきたサーベルタイガーを返り討ちにし、その血をすすって踊り狂うビビ!しかしサーベルタイガーって凄い姿ですよね…現在のトラの犬歯とは比較にならないほどでかい牙を持ったカッコいいヤツ。その後まだチビなサーベルタイガーの子供が現れて、親が死んで悲しんでいたを自分と重ね合わせて同情したビビは育ててやるのですが、ブウと名付けられたこいつが成長して後に頼もしい味方になってくれるのですね。
現在のヒグマの3倍の大きさで凶暴な原始ホラアナグマ、恐ろしい数のカラスの群れ、人間の"シゴキ一族"…これらと対峙しながらも生き延びるビビでしたが、前からたまに出ていた本作のラスボスでもあるマンモスのオレキバの手により母親までが殺されてしまいました。死んだ母を二日間も抱き続けたビビは、ようやく埋葬するとオレキバへの復讐を決行する!

オレキバとの対決はすんなりいかず、一度はやられても命が助かったので勇気を振り絞って再挑戦。
もう一匹、名前が付いたマンモスが出ていたのですが…それがビビと同じく白い体をしているからか他のマンモスと群れずに孤独な行動をしている白キバ。ある事からビビはこいつと仲良くなり、またオレキバを倒さなくてはいけない事で利害が一致したために共闘するのですが、それにサーベルタイガーのブウも入れて荒野の三匹。彼らはオレキバらのマンモス軍団に、最後の決戦を挑む!

それからこの長編にふさわしく読者は興奮間違いなしの、凄いラストバトルが待っています。決着をつけて本編は終わるのですが、前回紹介した「牙王」と同様に伏線の回収も上手くて気持ちよく完結させています。
しかし白い肌を持つビビが特殊能力を持っているとか、他の人間と違う部分はついに出てこなかった。例えば似た設定の作品で前述の「原始少年リュウ」はアトランティスの一族でしたが…本作では肌の色が違って差別される事などがあっても、その能力は何も違わない、むしろそれをはねのけて強くなったり頑張れたりする事を裏テーマ的に描いたのでしょうか。


たのむ!!ほかのマンモスはねらっても あいつだけはねらわないで…
あいつも白い!!おいらも白い!!
あいつもおいらと同じに 白く生まれたために、苦労してるんだ!!



  1. 2015/06/11(木) 23:59:05|
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劇画(181) 石川球太 1 戸川幸夫 1 「牙王」

石川球太「牙王」(大都社刊)。
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石川球太先生は1940年の神奈川県出身で、「魔犬ムサシ」「キリマンジャロの風」などで梶原一騎原作作品も手がけているし、1970年の不条理漫画「巨人獣(ザ・パラノイド)」が一冊100円のダイソーコミックスで出て話題を呼んだり、あの谷口ジロー先生が長年に渡りアシスタントをしていた事も知られています。
15歳かそこらでデビューしている天才漫画家で絵が上手く、特に動物漫画の大家で有名な方ですが、この「牙王」はさらに動物文学の大家・戸川幸夫氏の「牙王物語」を原作としています。石川球太&戸川幸夫という組み合わせは、動物モノ好きには垂涎の的な作品でしょうね!
(このコンビは後にアフリカ取材を共にして、小説と漫画を同時進行させる新方式で「人喰い鉄道」という傑作も描いているので、それもまたいつか紹介しましょう)

期待を絶対に裏切らないこの名作、初出は1965年から翌年までの週刊少年マガジン(講談社刊)で、単行本は私の持つスターコミックスでは全3巻。
物語は北海道の大雪山に始まります。"東京大サーカス"から逃げだしたヨーロッパ狼の雌・デビルが山で雄のアイヌ犬・テツと出会い、キバ・赤耳・クロ・アマッタレ・ナキベソの順で混血の子供を5匹産みます。その最初の子・キバこそが本編の主人公。

デビルは厳しい自然の中での生き方を子供に教えますが、大雪山は環境の厳しさに加えて恐ろしい外敵もいます。作品を通してのラスボスとなるヒグマ・片目のゴンに襲われて兄弟を殺された上に、まだ幼いキバは沢に流されて家族と離れ離れになってしまいました。そこを優しい人間の娘・日高早苗に助けられて"日高牧場"で飼われる事となります。
人間の世界での生き方も早苗に習って愛する主人を見つけますが、やはり波乱が待っていて。30頭もの犬達との激しい闘いを繰り広げて集団の力を知りますが、重傷を負いながらも負けなかったキバに惚れ込んだのはカネトヨシトという伝説の猟師親子。これがちょうどキバの父犬であるテツを飼っていたアイヌ人ですが、彼らの下でアイヌ特有の仕掛けを覚えながら猟犬としての訓練を受け名犬に成長していくのですが、アイヌの儀礼である『イオマンテ』を見た時から人間に恐れを抱くようになってしまった…
そうそう、「牙王」は現代の日本人にあまり知られていないアイヌ文化描写が多い漫画でもありますが、石川球太先生は本策のために飛んだ北海道で、当時はまだいたアイヌ民族達も取材しているそうです。

人間へ不信感を覚えた事がきっかけで、カネトらから離れて自然の中で生活する事を選んだキバ。
山中で統制のとれた犬の集団と出会って闘いますが、そのリーダーが白い狼・デビル。つまり三年前に生き別れたキバの母であり、中心勢力の三頭はあの時一緒に生まれた兄弟なのですが、動物の悲しさでそこはどちらも気付かない…
一匹狼だったキバも後に野生生活で厳しい大自然と人間達に対抗して行き抜くには群れるしかないと悟り、別の野犬グループを従えるボスになるのですが、カネトが仕掛けた罠でデビルが死んだ時に二つの群れはぶつかり、キバ(長男)が赤耳(次男)を死闘の末に倒して王者となるのでした。
首領となったキバの他は、副首領の赤耳、三番手には知恵者で老ポインターの学者先生、四番手が弟のクロ、五番手は美しい雌セパードのホシ、その他も樺太犬にアイヌ犬、秋田犬にビーグルやコリー…様々な犬種が集まって生活します。しかしそのうちに、かつてエゾオオカミを絶滅させた無味無臭の毒薬・硝酸ストリキリーネで仲間の多くが殺されキバも死に掛けた事で人間への恨みを増す。

人間の食べ物や家畜も襲うようになり『大雪山の悪魔犬』と人々に恐れられていたキバですが、山中で愛しい早苗と再会しますが、今はホシと結ばれて子供も出来たキバはもう人間とは暮らせない。
妻や子を救うためにあえてカネトの罠で人間に捕らえられたキバは死ぬ気であり、カネトも仕方がないと思っていましたが、生きながら焼き殺そうとした町民達のやり方に怒ったカネトは処刑を邪魔しました。
その後は興行師に買われて巡回動物園で全国巡業に出て、九州ではライオンと闘わせられそうになり…次は北海道で日高牧場の牧童頭だった松吉に買われて、土佐犬相手の闘犬を続けさせられていました。宮崎では闘牛とも闘いますが、大分のノタ場ではイノシシと、その他の場面では空飛ぶ敵の大ワシやなんかとも闘うし、キバの異生物対決も本作の見所です。
一方の北海道では宿敵のヒグマ、片目のゴンが民家に押し入って一家を皆殺しにしたりと凶暴化しており、村田銃を持って山に入った名人カネトまでが逆に喰われてしまった…

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1970年代に活躍した犬漫画の巨匠は石川球太先生である事は文句無しの常識でしょうが、時代は経ち90年代になると犬漫画といえば高橋よしひろ先生。正に私の世代はジャンプで夢中になって傑作「銀牙 -流れ星 銀-」を読んだものですが、高橋先生は現在に至るも銀牙の物語を描いており、ちょうど週刊漫画ゴラク(日本文芸社刊)の最新号でも新連載として「銀牙~THE LAST WARS~」がスタートしたばかりですね。
私はもちろん「牙王」の方を後から読んだのですが、「白い戦士ヤマト」も含め高橋作品がいかに本作から影響を受けていたのかが読み取れました。そもそも眉間に星が二つ付いた顔の主人公、片目のヒグマがラスボス(赤カブト編)という設定だけでも同じだし。

さてさて「牙王」ですが、父親を片目のゴンに殺されたヨシトが父の遺言にもあった通りゴンを倒すには絶対にキバが必要だと分かり、キバを探す旅に出て…
松吉の手から逃れて自由の身になったキバは北九州の門司で、警察に追われるある人の逃走劇に付き合っており、その騒動の中でついにヨシトとキバは再会し、北海道に連れ帰りました。キバは大好きな早苗とも会えて天人峡温泉辺りでほんの一時の安息の時を過ごしますが、いよいよヨシトと山に入ると、ゴンとの決戦の幕が切って落とされるのです!

ゴンは血に狂った悪魔ながら頭脳は明晰で、肉弾戦の前に追跡から闘いが始まっています。『小便だまし』などのテクニックも使うし、自然もこの決戦を前に荒れ狂います。
風速四十メートルを越える、原生林もなぎ払うほど巨大な台風の中で犬も熊も人間もすべからく波乱に巻き込まれる…何と早苗の身にもまさかの展開で、キバ達より先に山でゴンに出会ってしまうとその手にかかってあっさり殺されてしまうのです!
銃を持つヨシトも嵐で飛ばされて戦闘不能。しかし大泣きした後でキバは山の家族や仲間達を呼び寄せ、犬(狼)達だけで片目のゴンを囲んで決着を着ける。

キバにとってこの宿敵のヒグマ・片目のゴンは生まれてすぐに兄弟を殺した敵であり、最後は最愛の早苗まで殺してしまうのですが…物語の全てはらすとのカタルシスへ向かっていました。戦闘の後は墓標の前で涙の遠吠え、そしてお別れ。
単行本にしてたった3巻分ながら、ネタを水増ししてページ数を増やして長編にしているような現在の漫画界では見られなくなった、この物凄く濃い内容。傑作…傑作すぎます!


故郷とは キバにとってそれは自分を育ててくれた大雪山でも大自然でもなかった
心のふるさとはただひとつ 早苗だったのだ
だが その故郷はもう消えてしまった



  1. 2015/06/06(土) 06:00:00|
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プロフィール

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Author:BRUCE
BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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