大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

トキワ荘(2) 赤塚不二夫 1 「ミスターイヤミ」「名人」

Mr.IYAMI-meijin.jpg

そろそろ赤塚不二夫先生を紹介しましょう。

1935年満州生まれの赤塚不二夫先生は、本名が赤塚藤雄です。10歳で初めて現在の日本の土を踏み、奈良県→新潟県育ち。
もちろん手塚治虫先生に憧れる少年時代を過ごしたようで、上京してからは住み込みで働いていた工場で描いた作品を偉大な漫画雑誌漫画少年に投稿していたのですが、訪ねて来た…何とつげ義春先生に独立を勧められたのだそうです。
「バカボン線友録 赤塚不二夫の戦後漫画50年史」(学研刊)によれば、つげ先生とは漫画こ事で考えが合わなくて何度もケンカしてはまた会っていたのですが、昭和31年にトキワ荘に移り住んでから訪ねてきた時に絶縁宣言みたいなのされて、今度こそはそのまま2度と会わなかったのだとか。

デビュー作は少女漫画「嵐をこえて」で、その後しばらくは売れない漫画家だったのですが、「ナマちゃん」「おハナちゃん」といったギャグ漫画を発表した事により全てが好転します。
それから凄い勢いで描かれまくった作品群は、赤塚不二夫登場以前のギャグ漫画がほとんど価値の無い物となったくらいに革命的だったのです。
一躍ナンセンス・ギャグの旗手となった赤塚作品は、次第に大人にも興味を持たれて青年雑誌にもブラックな味の作品を数多く発表してます。

「ひみつのアッコちゃん」「天才バカボン」「おそ松くん」「もーれつア太郎」あたりはアニメの影響もあって今でも有名ですし、他の代表作「レッツラゴン」「ギャグゲリラ」もやっぱり面白いですよ!
キャラクターではバカボンのパパ、イヤミ、ニャロメ、レレレのおじさん、ウナギイヌあたりは誰でも知ってますよね。
とにかく作品を読んでみたら、そのギャグセンスがどれだけ凄いか分かるでしょう。
読むべし。(べし…「もーれつア太郎」のベシガエルが言ってます)

他にも重要なのは、トキワ荘で石森章太郎先生や藤子不二雄先生らと共同生活をしていた事ですね。
彼らは、締め切りに間に合わない漫画をお互いに手伝い合い、まさに漫画漬け生活を続ける事によってセンスも磨かれていったんでやんす。(やんす…同じく「もーれつア太郎」の、ケムンパスも登場!)

さらにTVの司会などもやっていて、おそらくは漫画界で一番文化人や芸能人との深い交流があったのではないでしょうか。大分県からタモリを上京させて芸能界に入れ、一緒にバカやった話も数多く知られています。
人物としては漫画界での評判が悪かった強面の梶原一騎先生とも仲良しで、銀座で一緒に飲んでもいたそうだし、ある時は総勢数十人の飲み代がかかった腕相撲であの梶原先生の腕力に対して火事場のバカ力で勝ったというエピソードも持っています。
そんな作者の人物自体が魅力的な赤塚先生も、数年前に脳内出血で倒れ、それから新作は発表されていない…というより、今は意識があるのでしょうか?

----------------
さて、今回特に紹介したい漫画は、「ミスターイヤミ」「名人」(共に曙出版刊)。

まずは画像左の「ミスターイヤミ」ですが、もちろん主人公は「おそ松くん」に出ていたあの人気キャラのイヤミで、おフランス帰りにして自分の事を『ミー』と言う、そして彼のシェーのポーズは有名すぎますね。
私はジョン・レノンがシェーをしている写真を見た事がありますよ。

そのイヤミが主人公として出ているこの作品は、青年雑誌で発表された事もあり、ブラックで奇妙な大人の笑いがあります。
ナンセンス漫画ってやつですか。
決して大口開けて笑うシーンなどありませんが、ニヤリと笑ってしまうのですね。

この単行本で二話収録されていて、最初の「ミスターイヤミ」は童貞のイヤミが女にたぶらかされて気がふれる話ですし(その最後のコマは圧巻です)、次の「ミスター・イヤミ氏 あしたの朝」は立ち退きを命じられた男が首吊り自殺して、その家の地下室には人喰い虎と、誘された娘達の骨が転がっていた!という話。

この単行本に併録されている他の7作品も、大人向けのブラックギャグが多いし、かなり貴重な初期作品もありますよ。

ちなみにこの本。
数日前に女友達に見せた所、この表紙、そしてめくって出てきた一話目の扉・イヤミのとぼけた顔で『カワイイカワイイ』と騒いで萌えまくられ、次回会った時にあげる事になってしまいました。
けっこうレアな本なんですけどね…

次に画像右の「名人」ですが、洪水のように溢れる、アホな思いつきの連続には圧倒されます。

さらにこちらの本では「ニャロメ」が併録されていて、この二作は'71年から'73にリイドコミックで連載されていた、全て4ページの連作です。
短いから46点もの作品数になってますが、毎回題字のデザインも変えていますよ。

「ニャロメ」は、もちろん「もーれつア太郎」のあのニャロメが主人公。
ニャロメは美人を見ると、すぐに『やらせろ』とか『結婚してくれ』とか言ってるスケベな猫ですね。
『命は尊い物だ』とか言ってる次のページで、自分の子供が出来ちゃったと分かると
『いかん!! いかん!! すぐ堕すんニャ!!』
とか言ってますし。

いや~、赤塚不二夫先生の漫画って本当にアホですね~。

と、こんな〆でいいのでしょうか?
これでいいのだ!

西から 昇ったお日様が 東へしぃずーむぅー♪


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  1. 2006/09/19(火) 23:21:58|
  2. トキワ荘
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コメント

「おそ松くん」は高校時代に古本買って読んでた記憶があります。
ただ、内容をまったく覚えていないのはなんでだろう・・・。
ところで、BRUCEさんともあろう御方が、
女性の色気に負けてレア本をあげてしまうとは!!
  1. 2007/07/01(日) 04:29:38 |
  2. URL |
  3. uppy-nz #-
  4. [ 編集]

やはり来ましたね、赤塚不二夫!!

本当に勢いのあるギャグ漫画だと思います。
面白い事は何でもいいからと、常識を破りまくって描いてましたね。

イヤミやニャロメが主人公のその作品は読んでませんが。

これでーいいのだー♪
これでーいいのだー♪

バカボンのアニメの主題歌も本当に名曲でした。
  1. 2007/07/01(日) 04:30:14 |
  2. URL |
  3. ジャッキー #-
  4. [ 編集]

>uppy-nzさん


「おそ松くん」を読んでましたか。でも覚えてないんか~い!!

レア本をあげるのは…色気に負けたわけではなくて、そこまで喜んでくれるなら、私が持ってるよりこの人が持ってた方が御漫画様も喜んでくれると、そんな判断からであって、不純な気持ちは一切ありませんよ!プンプン!


>ジャッキーさん

そうですね~、確かにあの主題歌は名曲でした。

それと、さらにそこから
『これでいいのか? これでいいのだ
これでいいのか? これでいいのだ
だがしかし だがしか~し!!』
と悩む男を描いた、筋肉少女帯の「これでいいのだ」もいいですよね!!
  1. 2007/07/01(日) 04:30:40 |
  2. URL |
  3. BRUCE #-
  4. [ 編集]

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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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