大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

劇画(122) 岡崎京子 1 「ショコラな気持ち」

岡崎京子先生は1963年生まれの東京都出身…
ちょうど私の思春期にもあたる1990年代には既にカリスマ的存在になっていて、確実に一時代を作ったこの方ですが、私のブログで紹介してきたような漫画家とはあまりにもかけ離れた作風でしょう。
妹が大ファンだったので単行本は何冊も読んでましたが、実際個人的には絵も話もあまり好みではなくて(と言うとオシャレ女子の信者に嫌われそうです)、でもこの作風が人気の出るのは分かりますよ。それに好きな映画や音楽などが引用元として作品で頻繁に登場して、私なんかでも嬉しくなる事も多かったですね。
まだまだ人気絶頂だった1996年に交通事故の被害者となって死にかけたのは、衝撃的な事件でした。現在に至るも療養中であり、再起は難しいのかもしれませんが、そんな偶発的な事故によって優れた才能がフェイドアウトしていくなどという事は惜しんでも余りあり、悔しい事です。

その岡崎京子作品の中から、私が紹介するのは…
「ショコラな気持ち」(扶桑社刊)。
OKAZAKI-chocolat1.jpg
彼女の作品は売れまくっていたために古本界ではどれも二束三文の値段しか付けられていないのですが、唯一…それも極端にレアなのがこの作品。
当然これだけ持っていないファンは相当数いるはずなので、単行本未収録作品は別にすると圧倒的に貴重な資料でもあります。

そんな「ショコラな気持ち」は1990年の発行でCDサイズのオシャレ本。
OKAZAKI-chocolat2.jpg
(↑裏ジャケです)

前半は岡崎京子作品が載っているものの、何と後半はちょっとイラストが載ってるだけのメモ帳になっています。漫画の内容を見ても、これは今後も復刻される事は無いと確信出来て…それがいいのです。
SUKI SUKI BOOKSというレーベル名もくっだらなさを匂わせますし、全作品に共通して言える事ですが、絵は一コマ数分(数秒?)で描いている感じ。
ストーリー…なんて創作したとも言えないほど、ただそこらへんにいる女子の話。このような1980年代的なセンスの企画本だから輪をかけて目立つ、投げやりで適当なやっつけ仕事をしているようですが、それが彼女の作風。こんなのでも実は特異な才能が見え隠れしていて、例えばつげ義春先生のような一つの作品に全身全霊注ぎ込んで、時に精神を病むまで頑張るのが偉大な漫画家だと思っていた当時の私の目から鱗を落としてくれたのが岡崎京子先生だったのです。この軽さが一世を風靡した事実があるのです。

そんな事を書いてしまったら物語についてはどうでもいいと思われるでしょうが、女子3人をそれぞれ主人公にしてバレンタイン・デイ(ぐおー、きつい!)にまつわる短篇で連作にしたこの本は、かなり胸キュンな感じです。ある意味では女子の『エッセイ漫画』として谷口ジロー先生並みの評価をしてもいいのかもしれません。


Chocolateよりあなたが好き。
あなたにもっとスナオにあげたいのに、
あげられない、スイート&ビターなあたしの気持ち。
Love is Drugという歌もあるけど
あたしにとってはLove is Chocolate.
2・14だけじゃないあたしの思い。
あなたとあたし、365日がChocolate Days。

この一冊にとじこめて。
あなたにあげたい、あたしだけのOne Book。



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  1. 2011/05/09(月) 23:28:36|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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