大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

日野日出志(53) 「劇画 ミイラの魔境」

今夜は日野日出志先生の作品から・・・
「劇画 ミイラの魔境」(大陸書房刊)です。
HINO-mummy.jpg

これは1979年から翌年にかけて、『大陸謎シリーズ』と銘打ち刊行された全10巻モノの1冊。
ムー大陸、アトランチス、宇宙人、UFO…といったオカルト物をネタに様々な漫画家が劇画を描いた企画モノの4巻目に、我らが日野日出志先生が参加しているのです。
ちなみに同シリーズで他の漫画家は、桑田次郎先生、いけうち・誠一先生、一峰大二先生に村祖俊一先生…など、味のある大物が参加しています。

で、正式タイトル『大陸謎シリーズ4 劇画ミイラの魔境「世界のミイラ」より』というのでしょうか、この作品でまず特筆すべきは日野日出志先生自身が主人公として全編に渡って登場するドキュメンタリータッチである事。
それって代表作である「地獄の子守唄」「ある地獄絵師の告白 地獄変」なんかと同じじゃないかって!?
いやいや違うのです!あれらは実録を装った創作ですが、こちらで登場する日野先生は黒縁眼鏡の気弱な青年!
この頃にはもう、あのギョロ目の怖い自分である事を止めて、恐らくはより実像に近いこのキャラとなった事でリアリティを増しているのです。
しかも大陸書房からジョージス・マクハーグの「世界のミイラ」(小宮卓・訳-実在する本です!)を資料として渡され、『大陸謎シリーズ』の中の一つとしてミイラに関する話を劇画化するよう依頼を受けるシーンで始まるんだから、こりゃ少年読者はこの後起こる事も全部実話だと思うはずですね。

のっけから気持ち悪い本物のミイラ写真をふんだんに入れて、きちんと読者にミイラに関する知識を説明。
いいアイデアが浮かばず悩む日野先生は、ミイラの研究をしている日野大介というおじさんがいる事を思い出し、尋ねて行きます。
そこで久々に会った、お姫様カットのいとこ・ユリちゃんはすっかり露出が多いセクシーな大人の女になっており、日野先生は大汗赤面…ますます「地獄変」などと同一人物である事は有りえない純情さ!『日出ちゃん』なんて呼ばれてます。

それから大介おじとユリちゃん、その弟のひろしと共に日本の木乃伊(ミイラ)伝説を調べにN県の間見井村まで行く事になるのでした。間見井村ってマミイ、つまり英語でミイラを意味するMummyでして、日本国内なのにジャングルの奥のような地の崖下にあり、村の入口は…ここで本の表紙を見てもらいたいのですが、それですよ。
ちなみにこの表紙は、安易にミイラを出さずに不気味さ漂う様を表現した傑作ではないでしょうか。

いかにも怪しい村人達にノコノコ付いてって拉致された日野家の人々!
特にユリちゃんはいけにえとして"血の儀式"に参加させられるのですが、村人達は全員が"闇の一族"であり、闇の帝王・女王・王子のミイラを守ってきたのですが、それがちょうど五千年ぶり(!)に復活する…
闇の一族は人間(みんな敵対する"白一族"の子孫らしい)である日野家の前で弱点をペラペラしゃべり、しかもせっかく五千年ぶりに復活したこのベム・ベラ・ベロみたいなミイラ三人は全然強くない、というかこれではあまりにも…こんなのに何を期待してんだ…嗚呼!
魔物の正体を表した村人達もアレだし、突っ込み所も満載でやっぱり日野日出志先生だ、と嬉しくなる「劇画 ミイラの魔境」。これを読んでいれば貴方もコアな日野ファンを名乗れる事でしょう。


おいおいユリまで そんなこといいだして
これは日出志くんの怪奇マンガじゃないんだぞ
現実の世界なんだからな



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  1. 2011/10/22(土) 23:11:21|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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