大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

劇画(137) 上村一夫 19 「街の灯」

今夜は上村一夫先生の「街の灯」(リイド社刊)です。
KAMIMURA-city-lights-sp.jpg
上村一夫先生がリイド社のSPコミックスから出した唯一の単行本で、1979年の発行。
初出はコミック野郎で、1977年の創刊号から翌年まで…って、そんな雑誌はすぐに廃刊となったのでしょうが、古本屋などでも一度も見かけた事がありません。雑誌掲載時の姿や、どんな漫画家が同時に描いていたのかも気になる所ですが。とにかくそのコミック野郎で発表された『街の灯シリーズ』5編と、リイドコミックなどで発表の3編を合わせた単行本になっています。

上村一夫先生といえば同性愛や近親相姦に強姦などアブノーマルな愛の形、それに殺人や狂人…など、スキャンダラスな内容を描く劇画家!というようにを認識している方も多いかもしれませんが、タブー描写は控え目にした自然主義の私漫画・心境漫画といった作品でも傑作を描いてまして、これもそちらの部類。
「街の灯」といってもチャールズ・チャップリンの超名作映画とは関係なく、酒場の女などを主人公にして独立した物語を集めた短編集です。

共通点は、やはり酒場が舞台とか夜の女とかになるのでしょうが、何故か1話目の「たまご舟」で昭和23年の福井地震を、3話目の「夏忌」で大正12年の関東大震災をと、何故か日本災害史上最大級の被害を出した震災が扱われています。今年(平成23年)の東日本大震災も、今後様々な人に描かれていくのでしょうね。
一つだけ男が主人公の「消し壷」は雪国の石川県が故郷の予備校生が、また一日誰とも話さずに終わる生活と、過去のある体験が描かれる異色作ですが、これはかなり好き。
派手さは少ないながら…やっぱり男女の情念が渦巻き、しみじみと詩情の余韻を楽しめるこの単行本は、年に一回くらいは開いてしまいます。

2003年になって、ワイズ出版から突如復刻された事がありました。
KAMIMURA-city-lights-ys.jpg
A5版と大きくなったのでこの凄まじく上手い絵がより楽しめて、また表紙が3話目で登場する好きな絵だったのもあり即買ったのを覚えています。


愛することに肉体なんて必要じゃないわ……
あたしが欲しいのはあなたの精神(こころ)………
あなたのこころだけが 今のあたしのすべてなの……



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  1. 2011/11/16(水) 23:24:57|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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