大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

藤子不二雄(53) 「キテレツ大百科」

藤子不二雄先生の「キテレツ大百科」(小学館刊)を紹介しましょう。
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二人の藤子不二雄のうち藤子・F・不二雄側の作品で、お得意の生活SFギャグ漫画です。
初出はこどもの光(家の光協会刊)で1974年から1977年まで。藤子先生はこの前に「ドビンソン漂流記」も連載していましたが、はい、この掲載誌を知っている方はいますか?あまりいないでしょうね…それもそのはず、発行元は農協(JA)系の団体であり、一般書店には置いてなかったのです。
しかも連載中は単行本化すらされずにマイナー作品だった「キテレツ大百科」ですが、連載終了した1977年にてんとう虫コミックスより全3巻で発行され、さらに10年以上が経った後のテレビアニメ化したのが長寿番組となり、今では「ドラえもん」に続くF先生の有名作となっています。その最初の主題歌がヒロインのみよちゃん目線で歌われる名曲「お嫁さんになってあげないゾ」…歌うは守谷香で、この全然知らない歌手がまさか後にXのヴォーカル・TOSHIの洗脳妻として騒がれる事になる人物だとは、この時に誰が想像出来たでしょうか!?
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アニメ版はさておき、漫画が連載されたのは全40回で、おなじみのてんとう虫コミックスでは各巻11話の収録。つまり選集の体であり、未収録分が7話存在するのですが、その後何度も再出版されるうちに簡単に全話読めるようになりました。
お話は…これももう「ドラえもん」と同じくらい説明の必要無しですか?

キテレツこと木手英一は発明好きの小学生。発明の方は何度も何度も失敗を重ねてばかりですが、先祖にはキテレツ斎という本物の天才発明家がいたらしく、世界で最初の飛行機なんかも発明しています!しかし江戸時代末期の事でもあり、怪しげな術で世の中を騒がせた罪で投獄されて死ぬまで座敷牢に閉じ込められ、しかもしまいには気ちがいになったという事です…
そのキテレツ斎が密かに書き残した書物が全四巻の"奇天烈大百科"。でもこれはそのページを見てもまっ白。キテレツのパパ(たらこ唇)は『気が狂ってからのものだろう』なんて笑ってましたが、実はもう一つ残された"神通鏡"というメガネをかけて見るとあら不思議、見えない光を出すインクを使って大百科に書かれていた文字や絵が読めるようになりました!

それから毎話、奇天烈大百科に載っている発明道具を作る事となるのです。その第一号が『からくり人間製法』のページを参考にとして作り上げたロボットのコロ助!ゴムマリで作った頭の持ち主・コロ助が感情を持ち、登場した第1話目から最終話までキテレツの助手として毎回出る準主役になりました。
藤子F先生の初期作品「てぶくろてっちゃん」で作られるゴロちゃんというロボットがキャラクター元になっているとも言われていますが、このコロ助が愛らしいだけで私にとって「キテレツ大百科」が不動のフェイバリット作品になっているのです。コロ助は両目が斜視なのが可愛い要素の一つなのですが、アニメ版ではTV局に差別描写だとか抗議が来るのを恐れたのか、視線が合うように修正されていましたね。
頭のゴムマリのみならず風呂おけやらの有り合わせ材料で作られたコロ助は、後にゆでたまご先生が生んだ「SCRAP三太夫」の粗大ゴミロボット・三太夫の誕生に影響を与えていると思います。ちなみにコロ助は語尾に『ナリ』をつけて話すのに対し、三太夫は『ゴワス』を付けていました。

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ひみつ道具=発明道具
ドラえもん=コロ助
のび太=キテレツ
ジャイアン=ブタゴリラ
スネ夫=トンガリ
しずかちゃん=みよちゃん

…というわけで、やはり「ドラえもん」とキャラクターそれぞれや話の展開まで似ているので誰でも比較してしまうと思いますが、違っている部分で目立つのはキテレツ=のび太と、ドラえもん=コロ助のキャラ設定でしょうか。
まずキテレツはサンバイザーと神通鏡を取るとのび太そっくりでもありますが、イジメられっ子ではないしF作品全般を見ても珍しい、秀才な少年主人公です。代わりにコロ助がドラえもんのように役立つわけではなく、むしろドジやって余計な騒動を起こす役割になっています。
他にもみよちゃんはしずかちゃんのようにお色気シーンを披露してくれない(かろうじて水着あり)とかの悔しい相違点はありますが、だいたい同じでしょう。要するに毎回一つの道具とそれに絡む人間模様を描く連作短編モノで、単純に可笑しい話あり、犯罪に巻き込まれるスリルある話あり、そしてジーンとするいい話あり…

そういえば「超鈍速ジェット機」の回で、顔はのび太そのままの男が学生服着て女子なんか連れちゃって(しずかちゃんではない)キテレツの発明道具でデートしているのですが、少年時代の私はこれでハッとのび太には色々な未来の選択肢があるはずなんだと気付いた覚えがありますね。あくまで「ドラえもん」の『現代』は基本的に小学生時代であり、むしろ普通の人はその後で自立して色んな人と出会って成長し、人生が始まるのだから。

「片道タイムマシン」の回では、航時機で過去へ旅立ったキテレツとコロ助が1857年(発表当時120年前)から帰れなくなって2ヶ月も大変な暮らしをしていた作中最大のピンチに、キテレツ斎に出会って航時機を修理してもらい現代に帰る話がありました。ここでF作品らしいタイムパラドックスが発生するのですが、毎度この手の問題は真面目に考えると頭が痛くなります。

発明品を作り始めると集中力が高まって周りが見えなくなるキテレツの、というかキテレツ斎が考えてキテレツが工作して完成する発明道具を、もっと見たかった。そしてコロ助をもっともっと見たかった。全3巻では短すぎるんですよね。
ちなみに発明道具は毎話新しい物が出るので、普通一度しか登場しないのですが…例外として毎度毎度出てくるのがコロ助でもあります。そう彼も発明道具ですが、それより大事な友達でもありますね。何度も書くようですがメチャクチャ可愛いコロ助を、キテレツは決して可愛がりはしないのですけどね。やはりペットではなく友達だからか、発明道具だからか。
私はドラえもんを可愛いと思った事は無いと思いますが、コロ助は何でこんなに可愛いのでしょうかね。食べ物の大好物もドラえもんは私が嫌いなドラ焼き、コロ助は私も大好きなコロッケです。

最終話で奇天烈大百科はママがゴミとして捨ててしまいます。
このように子供の宝物を大人が自分目線で勝手に扱う事には、怒りを覚えますが、この後ちゃんと取り返す事が出来るのか…最後の展開も必読でしょう。


なんていやらしい発明でしょう。
キテレツじゃなくてオゲレツだわ!



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  1. 2011/12/02(金) 23:32:04|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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