大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

永井豪 (35) 「黒の獅子」

今夜は永井豪作品より、「黒の獅子」(朝日ソノラマ刊)。
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初出は1978年から翌年の週刊少年マガジン(講談社刊)で、単行本はサンコミックス版で全4巻。

オープニングは紀元前二万年の原人で、そこから天文十三年(1544年)の伊賀に飛んで…まずは主人公の忍者・天王獅子丸誕生までが描かれます。壮大な物語になる予感がする始まりから、歴史上の人物も交えた戦国時代の忍者漫画としてスタートするのです。そしてその後、今作でも永井豪先生らしくアドリブで物語の方向が変化していき、暴走ともいえる展開でSF漫画になっていきます。

伊賀の頭領・百地三太夫の孫として生まれながら強くするため下忍として育てられ、忍者としての才能に目覚めた獅子丸でしたが、姉弟のように育ったお夕が大名の妾にされそうになった時、お夕を連れて抜け忍になる決意をします。お夕の祖父であり、獅子丸の赤ん坊時代からの親代わりで忍術の先生・赤座の十蔵の首をはねてまで伊賀を逃げようとした二人は…
親友の石川五エ門らの追っ手をも倒していい所までいったものの、頭領の術にかかった獅子丸自らの手でお夕を真っ二つに斬ってしまうという、むごい結果に終わりました。

そのころ乱戦の美濃国に姿を現していた兵法者が、同磨陣内。こいつの能力は…何と不死身!あの剣聖・塚原卜伝と戦って顔を頭蓋骨ごと三分の一は斬られても、斬れた部分を貼り合わせて平気という、そのレベルの化物。『忍者殺し』と異名も取る、そんな陣内は美濃国主・斎藤道三の側に付き、道三に反旗をひるがえした長子・義龍の側である獅子丸ら、伊賀忍者達と対立します。

同磨陣内の首を狙っていく獅子丸ですが、陣内の強さ・不死身さは想像を絶するものがあり、竜月小次郎ら甲賀忍者と手を組んでまで戦うも全く歯が立たず、城の抜け穴を逃げまどう獅子丸+甲賀忍者軍。
忍者を憎み、追ってきていたぶりながら殺してくる陣内は、用意しておいたどんな仕掛けも物しない!何をやっても通じない殺人マシーンによる残酷な追跡劇は、まさに映画「ターミネーター」シリーズにパクられて見せ場で使われたあれです!
何しろ火薬で爆発させて首と胴体が離れても復活してくる陣内!しかもこれ、忍者漫画ですからね。一体これはどんな仕掛けがあるのか!?
…タネを明かせば、陣内は未来人の手が加わって身体が機械仕掛けになったサイボーグだったのです。この時代に体内に超小型原子炉を内蔵しているし、口から炎まで吐いて!そんなの有りか、反則ネタじゃないかって?いやいいのです、ここからストーリーは壮大なSFへと変貌していきます。

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今まで忍者殺しの怪物、不死身の銅磨陣内と忍術を駆使して戦ってきた獅子丸らですが、陣内はもう凄い事になっていて、首がゴオーッとロケット噴射で飛んで目からビーム出しまくって…って、今までの忍者モノ要素を台無しにするかのように大胆な変貌を遂げる「黒の獅子」
巨大円盤が登場して獅子丸と小次郎を連れて行く戦国時代…また、舞台は23世紀に移って"時間局"のタイムパトロール隊員達が登場。彼らが飛んだ戦国時代はアンドロイドや円盤などで溢れる異常事態になっています!

これも永井豪先生の暴走ぶりが素晴らしい作品ですが、元々オープニングから獅子丸は忍者と未来人らしき者との間に生まれた設定だったし、計算し尽くされたものであるのかもしれません。
とにかく2巻までと3巻以降の「黒の獅子」は別物。タイトルからしても後半の方がメイン物語であり、2巻まではそれを描くための導入部だったのか。

この物語のスケールの大きさといったら半端じゃありません。宇宙内での惑星同士の戦争どころではなく、次元の異なる別の宇宙と、我々の宇宙との戦争です。未来や過去の人間も、いわゆる宇宙人達も、同じ宇宙の仲間です。
別の…仮に"白い宇宙"と呼ばれている所から来て、我々の宇宙を滅ぼそうとしている『白魔』と戦うために組織された『黒の志士』のメンバーとして成長した獅子丸は、果たしてどのような活躍をするのか…

この作品においてワープとは空間だけでなく時間も超越しているし、だから数万年前の氷河期の地球から寒気を送ってきたり、マンモス型の戦闘機が登場するし…もう発想が凄すぎて、また読者は永井豪先生にしてやられるわけですね。あれ、そういえば作品開始当初は獅子丸が魔王・織田信長を倒せるのかって話じゃなかったですか?もうそんな事はどうでもいい。
宇宙ロケットの精巧な描写など絵の迫力に宇宙人の造形、そして『宇宙』の謎に迫るこのネタ!そして今作における最後の敵とは…全編に渡って見所だらけの名作でした。


忍者は死ね!
この世からひとりのこらず 消えてなくなれ!
きさまらは虫ケラだ ゴミだ わっはっはっは



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  1. 2012/01/25(水) 23:46:07|
  2. 永井豪
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:3
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コメント

永井豪(35)黒の獅子

[色:990000]色付きの文字[/色v-10]懐かしいです黒の獅子
それではさようならv-442
  1. 2012/10/02(火) 06:57:52 |
  2. URL |
  3. 名無しさん #lIIhmX1g
  4. [ 編集]

忍者よ

>名無しさんさま

懐かしんでくれてありがとうございます。
永井豪先生には、また「黒の獅子」クラスの名作を描いてもらいたいですね!
  1. 2012/10/02(火) 08:20:31 |
  2. URL |
  3. BRUCE #-
  4. [ 編集]

>永井豪先生には、また「黒の獅子」クラスの名作を描いてもらいたいですね!

しかしながら豪先生はもう何年も長いコト、過去の自己代表作の
焼き直し(というか、やり直しというか)路線へとその執筆活動の主軸をシフトさせているので
チョット不安が拭い去れないのですよね……デビルマンサーガ、かぁ……
(激マンについてはまぁ、あの時代の裏話&回顧録ってだけでも十分過ぎるほどに価値なんで)。

出版社の人々*が望むのか作者本人がそうじゃないと自信が無い、若しくは代表作からの呪縛(というのは
失礼かもしれませんが)から逃れ去れないのかは此方には今ひとつ判別し辛いのですが、何にせよ残念で
ならない限りです。彼(に限った話でも無いですけど)だったら、<いま・ここ>で新規別個な作品なんて
まだまだ挑めてまだまだイケるハズ、なのに。"歳"だなんて言わないで下さいよ

*それは我々読者サイドも同じなのでしょうね……作者に対して何の悪意と呪詛の念があるのかは知りませんが、
バカの一つ覚えで一代表作のコトばっかししか言及しない出来ないって傾向は、直ちに改善しないとダメだな。
当作品みたいに、知名度はチョット……だけど見所満載の作品のことをスルーするべきではない。
  1. 2015/05/15(金) 20:47:29 |
  2. URL |
  3. 流浪牙-NAGARE@KIBA- #Y02TW4VM
  4. [ 編集]

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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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