大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

楳図かずお(6) 「赤い蝶の少女」

今夜も楳図かずお先生の、驚きの復刻がされた激レア少女漫画で続けて…「赤い蝶の少女」(小学館クリエイティブ刊)です。
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初出は1962年で、金龍出版社の虹文庫にて出版されたオリジナル版のカバーはこちら。
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本作のカバーがリバーシブル仕様になっており、裏に有りました。

楳図かずお先生の年表を見るとこの前年は発表作品自体が極端に少なく、この「赤い蝶の少女」は単行本1冊分を使うほどの長編では2年ぶり。満を持して描いた作品と言えるでしょう。
この頃もまだ貸本時代で、その世界では人気漫画家だったものの一般的なヒット作や、現在にも名を残している代表作を生む前ですね。楳図先生も意識して描いたと語る通り、女の子の可愛さなどがもっと初期の作品よりは洗練されてきていますが、人物も背景も描き込みが少なく白っぽい。

タイトルの『赤い蝶』とは炎がチラチラゆらめく火の事を例えているそうで、炎は重要なキーポイントとなります。
まず何しろ、主人公の名前が尾上ほのお!生まれた時に家が火事を起こしていたから(しかもその時に父親が焼死)そのように名付けられたのですが、全くとんでもない親ですね。でもほのおちゃんって、可愛い名前ではあります。
そんなほのおは自分の名の元になった炎を異常に怖がるクセがあり、それが高じて離れた場所で起こっているボヤなども瞬時に発見出来る超能力を得るのです。ただ、やっと超能力が出てきてSF的になり、ある事件を解決したりするのは物語の半分を大きく過ぎてから。それまでほとんどが級友の女子生徒ら、そして憧れの青山先生との交流が描かれる楽しい学園ラブコメ物なんです!

明らかに低年齢の少女向けに描かれているだけに、いい歳したおじさんには辛い部分もあります。後半のサスペンス要素も現代読者の目には厳しいだろうし、同じく炎を使った後の名作「あなたの青い火が消える」などと共通点を探す気もしないし…私はどの時期の物でも楳図かずお絵を見ているだけで幸せになれるし、見た事の無いカットは全部見たいと思っているので大丈夫ですが、あくまでコアなファン向けの作品でしょうか。
脇役として出てくる草間愛子浪花チイ子、そして青山先生はスターシステムに適応されて他作品でも出てくるキャラですね。
お、今回は解説が付録の小冊子『「赤い蝶の少女」読本』という形で付いていて、著者インタビューに続いて中川翔子ちゃんの「私の人生を変えた楳図体験」 談も載っていますよ。


わたし火を見ているとたまらなくなるのよ…………生まれつきね きっと……
あのメラメラした火を見ていると 何だかあくまでもおどっているみたいで……
今にも私めがけてとびかかって来そうに思えて恐ろしくて……



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  1. 2012/03/24(土) 23:00:00|
  2. 楳図かずお
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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