大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

劇画(143) 小池一夫 13 池上遼一 9 「修羅雪姫 外伝」

続いての「修羅雪姫」は、小池一夫作、池上遼一画の「修羅雪姫 外伝」(小池書院刊)です。
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もちろん先日「修羅雪姫」「修羅雪姫 復活之章」と紹介してきた上村一夫画による漫画史に残る名作の、何と30数年の時を経て描かれた続編。『作画原案/上村一夫』というクレジットもされています。
しかしあの昭和の絵師・上村一夫先生が描いた作品を続編描くとかリメイクするなんて、そんなの恐れ多くて誰が挑戦出来るかといった所でしょうが、なるほどなるほど…池上遼一先生。確かに考えうる限り最も批判されにくそうな、絵の上手い劇画家でしょうか。

この作品が描かれるという重大発表がされた時は、驚いたものでしたが…初出は小池一夫(雄)原作を中心に単行本などを発行し続けている株式會社小池書院(元・スタジオシップですね)で発行していた月刊誌、時代劇漫画 刃-JIN-にて2006年から翌年まで。単行本は全1巻です。
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「クライングフリーマン」やをはじめとする黄金コンビ何と17年ぶりに組む作品として修羅雪姫を題材に持ってきた事はオリジナル作品ファンとして凄く嬉しいし、二人の意気込みも並々ならぬものを感じます。
単行本ではまず冒頭に、池上遼一先生がカラーイラストで描いた鹿島雪(修羅雪姫)と共に前作までのあらすじも挿入されるのですが、それが家族の復讐を果たす所までとその後は『ふっつりと姿を消した』となっているのです。
あれ、では「修羅雪姫 復活之章」は?あれは黒歴史として無かった事になっているのでしょうか!?井口あぐりや伊藤野枝の怨念を背負って政府を相手に戦うのだと思われた修羅雪姫でしたが…
今作「修羅雪姫 外伝」はあの復讐劇から3年後が舞台になっているので、間に1年半後が舞台だった復活之章があったのだと言い張れない事もないかもしれませんが、あれだけ活動した事が外伝の登場人物に知られていないとも考えにくい。でも第1話目の敵は復活之章に出てきた"立憲玄武党"の関係者だったりして、謎は深まるばかりです。まぁ、細かい事はいいでしょう。
この話の中であのタジレの菊が『舌を噛ンで自殺』している事が分かる続編ならではの驚きあり、相変わらず戦いの最中で全裸になる雪に安心あり。あ、近年の読者趣向に合わせてなのか雪のお乳さまがいくらか大きくなっていますね。

続く第2話目は「修羅八荒編第二幕 外題之二 風車ニ乗ッテ白刃ガマワル 賽ノ川原ハ無畏ノ月」という長ったらしいタイトルで、熊野比丘尼と『ある物』を絡めて信仰の力などを描いた力作。

最後の第3話目は希代の人斬りテロリストである大森遊剣という強敵との対決と、それから命を守ってくれた育ての親・三日月お寅の教えと思い出が出てくる良い話でした。

そんなわけで鳴り物入りで始まった作画・池上遼一版「修羅雪姫」も面白く、もっと読みたい所でしたが…意外と短命に終わってしまいました。
こうなったら描く漫画家を次々変えて、様々な人が修羅雪姫というヒロインを描き続けていったら面白いですね。


戻ってきたのではないのです 居たのです どこにも行かずに……
この血ぬれた五体を横たえるところなど 他にあるはずもないじゃございませンか……
私は昔もいまも……修羅の雪



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  1. 2012/05/10(木) 23:00:00|
  2. 劇画
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

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