大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

楳図かずお(15) 「鬼姫」

楳図かずお作品より、「鬼姫」(秋田書店刊)。
UMEZU-onihime.jpg
1967年の少女フレンド(講談社刊)にて掲載された作品で、連載当時のオリジナルタイトルは「影姫」

舞台は1540年代の戦国時代で、飢饉が続く最中にも奈津姫…いや鬼姫と呼ばれる冷酷な城主による年貢の取り立てが続いていました。その鬼姫がそこひ(眼疾患)で眼が見えなくなってきたために影武者を探すのですが、そこで顔立ちが似ているため選ばれたのは高取村の農家の娘・志乃
それから志乃は代役が勤まるように鬼姫として仕込まれる事になるのですが、かつて鬼姫は同じケガをしているという理由でいきなり右腕を叩き折られるし、鬼姫と正反対の優しい性格をしていた志乃には過酷すぎる訓練が続きます。

ようやく鬼姫としての技量が付いたある時、目の前で高取村の両親を殺されました!志乃は復讐を誓い、本当に鬼姫と成り代わるべく陰謀を開始する…
鬼姫との争いに勝って巧妙に入れ替わった志乃は、本物の鬼姫に焼けた面をかぶせて幽閉した上に、結局は殺して復讐を果たすのです。しかしあの優しかった志乃が、鬼姫のふりをするうちに本当に内面まで鬼のように変化してしまいました。
このように容貌の美醜と精神に与える影響というのは、楳図かずお作品に何度も何度も繰り返し現れるテーマと言えますね。

さてそれから村に残してきた好きな人・百姓の清作を城に呼ぶも、自分が志乃だと全く信じてもらえない哀しさ。さらに奈津姫の呪いかその吊るしていた死体のそばで弓に射られて眼をやられました!
追い討ちをかけるように敵対する不破城からの奇襲を受け、破滅へ向かっていく…

少女向け雑誌に描いてた時の楳図先生らしい絵柄はもちろん素晴らしいのですが、顔を焼かれて襲い来る奈津姫の形相の凄まじさや、描き込みの多さよ。掲載当時の少女フレンドを調べてはいませんが、他の漫画家陣にこんな作風の人は一人もいなかったでしょう。
楳図作品の中では特に有名ではありませんが、初出から何と50年近く経ってもこれだけ読ませるのだからやはり半端じゃないですね。


おそろしい………
奈津姫はめくらだった 今またわたしが
おそろしい………
なぜか おそろしい



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  1. 2012/05/19(土) 23:32:51|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

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