大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

楳図かずお(31) 「ふりそで小町捕物控」

楳図かずお作品より、「ふりそで小町捕物控」(朝日ソノラマ刊)です。
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朝日ソノラマからは出た『シリーズこわい本』のシリーズの11巻目に当たり、画像の左は1985年初版のサン・コミックス版で、右は1991年に同内容を装丁変えて再出版されたハロウィン少女コミック館版。

まず表題作の「ふりそで小町捕物控」は1967年の少女フレンド(講談社刊)で掲載された作品。
十手を持つ『与力』の親分を父に持つひとみが、斬られて負傷した父に代わって街の殺人事件を解決する…という設定で、全3話が描かれています。

1話目で紀州の名取城に住むかすみ姫がある理由からさらってきた美しい娘と脳移植の手術をしようとする話。脳移植といえばこの直前に連載を終えたばかりの「洗礼」で散々描いたネタではありますが、楳図かずお先生は人間の精神の歪み・醜さを伝え続けなくてはならない。
2,3話目もしっかりレベルの高い推理モノといった感じで、江戸の雰囲気が良いので好きな人に受けるでしょうし、登場人物では助手のたこ八が愉快だし、ヒロインのひとみちゃんが可愛い!
現在に至るも時代劇で女性与力モノなんて見ないし、この設定ならテレビシリーズ化しても人気出そうですよね。多少アレンジしないと、楳図かずお作品特有の偏執的な美醜へのこだわりが重過ぎるかもしれませんが…

併録されているのは1965年の東邦出版で単行本化した「ねむり少女」。表題作と同じくらいの分量がある中編であり、初期の少女漫画の傑作ですね。
いきなりベッド内で始まるオープニングが可愛くて印象的ですが、主人公の女学生・松本あぐりは突然『ねむり病』にかかり、授業中に教科書を読んでいる時…いやそれどころか走っている時にもいきなり眠りに落ちて倒れこんでしまうのです。
それもただ寝てしまうだけでなく、その間の自分は別世界に行って人形になり、幼い頃に生き別れた母の生活を見つめているのです。もちろん人形なので見ているだけで何も話せないのですが…ある時、遠い万座に住む母の死の危機を人形になったその身で救う事になるのでした。楳図かずお先生はこんな初期から、超常現象を起こしてしまうほどに深い『母と子の関係』を描いていたのです。


美しさへの嫉妬か何かだ………
とにかく ああいう残忍なやりかたは
男より女のしわざだよ



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  1. 2012/08/21(火) 23:24:28|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

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