大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

劇画(145) 弐瓶勉 1 「アバラ(ABARA)」

今夜は弐瓶勉先生の「ABARA」(集英社刊)。
NIHEI-abara.jpg

弐瓶勉先生は1971年生まれの福島県出身で、代表作は何と言っても「BLAME!」。デビュー作でもある同作がキャラクターよりも建築物の描写を重視した、ほぼ台詞無し漫画!その独特すぎる世界を全10巻もかけて描いた事は快挙でした。
他に「NOiSE」「BIOMEGA」、現在も月刊アフタヌーン(講談社刊)にて連載中の「シドニアの騎士」などの長編作品がありますが、今回紹介するのは「アバラ(ABARA)」

これは「スティール・ボール・ラン」(荒木飛呂彦・作の『ジョジョの奇妙な冒険 Part7』)が週刊少年ジャンプからウルトラジャンプに移籍したために私も後者を手に取るようになり、その直後にウルトラジャンプで連載開始されたため(2005年から翌年まで)、掲載誌でリアルタイムに読めました。単行本は全2巻。
2巻の帯にあるように、あの諸星大二郎先生が『こんな絵を描きたいと思う絵』だとまで言って推薦しているのも凄いですね。

世間から示現体・白奇居子(シロガウナ)と呼ばれる人間を捕食する怪物が出たため、検目寮のタドホミはかつての同僚であり現在は一般人として養殖場で勤務している駆動電次の元へ向かうのでした。そして問答の末、駆動は黒奇居子(クロガウナ)化して白奇居子を退治するのですが、それがきっかけとなり、さらなる化物も登場してスケールの大きな戦闘へと発展していく…

独特な世界観を持つバイオレンスSF漫画であり、用語とか説明していくと面倒なので省きますが、物語はそんなに複雑でもなく、「BLAME!」の作者として難解なイメージのある弐瓶勉作品にしては、わりと一般向けを意識した内容ではないでしょうか。
ちゃんと強大なラスボスが現れて…謎も用意されているし、実はちゃんと少年漫画的なセオリーも持っていますしね。黒奇居子化すると背骨から紐状の物が飛び出して攻撃するのも、凄くカッコいいです。

もちろん従来通り暗い内容と黒い絵。そして台詞や詳細設定などの情報を省き、読者に想像させる部分を残した作風ではありますが、物語云々よりデザインとか絵自体を観賞するのがアーティストである弐瓶勉作品の正しい楽しみ方、でいいんですかね。
海外での評価も高くて、あのバンド・デシネの巨匠エンキ・ビラルがファンだというのだから凄い。それも『絵』を見せる作風だから言葉の壁も軽々越えてしまうのでしょう。

下巻末に収録されている「DIGIMORTAL」も本編の関連作品で、やはり未来都市を舞台にしたバイオレンスSF物。主人公であるデジモータルの圧倒的な強さにスカッとし、やはり絵の凄さに見入ってしまうのでした。


今日の授業で俺もやっと 白奇居子の標本を見ることができたよ
人類の領域を侵犯し 破壊にふける化物に まさにふさわしい容姿だった



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  1. 2012/09/18(火) 23:59:15|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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