大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

劇画(149) 上村一夫 23 鈴木則文 2 「黄金街」

今夜は上村一夫画、鈴木則文作の「黄金街」(けいせい出版刊)。
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私が心から愛する…もう、どの1コマだけでも見たら胸がときめく昭和の絵師・上村一夫先生の作品はこのブログでは何度も紹介していますが、映画監督・脚本家の鈴木則文氏を原作者に迎えた作品を紹介するのは「鹿の園」以来ですか。

こちらはワイズ出版から2003年に再発された版ですが、その時の鈴木則文監督のあとがき「下品こそこの世の花」においてこの作品が生まれたいきさつや、生前の上村一夫先生の貴重なエピソードも語られています。
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そんな「黄金街」漫画ギャングにて1979年から翌年まで掲載された作品で、1話完結の短編を連作で進めていく形式。単行本は全1巻です。
タイトルの黄金街というのは舞台になっている新宿ゴールデン街の事で、主人公の若者・日疋倫太郎はそのゴールデン街で母親が営む小さな酒場に通う、フリーのピンク映画助監督。その設定は原作者が原作者が映画監督なだけに上手く活かされていて、倫太郎というカメラを回す者の目線から世の中の陰の部分を見て、体験していく。
常に度が入ってない眼鏡をかけており、『夢眼鏡さ……それをかけると 現実のなかでも夢をみられる』なんてうそぶいています。

無期懲役で監獄に入っているため作中には名前しか出てこない倫太郎の父親・日疋策之助(ペンネーム)というのが三流エロ本作家で、十歳の少女を強姦して絞め殺したという人物。『真に魅力的で官能的ま女は六歳から十二歳までだ』という素晴らしい持論を持っていたそうですが、もちろん世間では通じません!
それについては特に後ろめたさを感じさせない倫太郎ですが、やはり業でしょうか、第1話目「妖美なる無声フィルム」からずっと壮絶な目に遭います。これはかつて大女優だったお婆ちゃんを絡めての殺人事件をフィルムに収める、という話なのですが、しかしそんなのはあくまで登場人物紹介のプロローグにすぎませんでした。

次のは猟奇令嬢に拉致されて無理矢理踏み込まされる"大暗室"の世界。いかにも江戸川乱歩の影響っぽい話ではありましたが、防衛庁長官から売り出し中の若手歌手や財界の巨頭から、ついには総理大臣まで登場する、要は世間で成功者と呼ばれる人々が繰り広げる変態劇を皮肉に描いており、オチも良いですね。

続いての話をザッと見ていくと、近親相姦の兄妹が二人に関わる白骨死体の横で涙の性交、東京紅団なる不良少女達の活動に関わった倫太郎は少女・魔美(おお、「エスパー魔美」以前にこの名前が!)とセックス(少女は殺されるラスト)、さらにさらに…
とにかく上村一夫先生の画なのでどれも素晴らしく芸術的、かつエロさを前面に出した娯楽的な劇画でした。


退屈なのは誰でも同じさ……
気が狂いたい奴は遠慮なく狂えばいいんだ



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  1. 2012/10/08(月) 23:00:00|
  2. 劇画
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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