大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

楳図かずお(37) 「まことちゃん」 1

今夜は楳図かずお作品より、「まことちゃん」(小学館刊)です。
UMEZZ-makoto-chan1-2.jpg

先日紹介した「アゲイン」のスピンオフ作品であり、同6巻に収録されている短編「まことちゃん」(1972年作品)が沢田まこと主人公としてのデビューでした。それから随分時が経って1976年から週刊少年サンデーで連載されると大人気を博して1981年まで続き、少年サンデーコミックスの単行本は全24巻と楳図かずお作品史上最長の物となったのです。
連載終了後かなり経ち、同じく少年サンデーで1988年からさらに新しい「まことちゃん」が始まると全4巻の分量が描かれるのですが、『平成版』と呼ばれるそちらはまたの機会に紹介しましょう。

とにかくこの有名作品は、主人公のまことちゃんこと沢田まこと、そしてその周辺の人々が毎度アホな騒動を巻き起こす物で、基本的に一話完結の話が続きます。まことちゃんは"聖秀幼稚園"うめ組の幼稚園児で、ザンギリ頭で鼻水垂らした姿がおなじみ。
全編に渡ってビチグソを撒き散らす下ネタ満載の本作ですが、第一話目から飛ばしてます!幼稚園内の花子先生ピョン子のやりとりで、『ちびったっ!!』と言いながらちびったどころでなく、大量に脱糞…それも2度に渡ってしてますね。
そう、最初のビチグソ漏らしはまことちゃんのクラスメイト・ピョン子だったのですが、うさぎ耳ヘアに出っ歯、そして自分を男だと思い込んでいて性格も荒い、この娘がまた可愛い!
他に聖秀幼稚園(前身の短編時は"夕日ヶ丘幼稚園"でした)の主要メンバーは、ゴリラ園長あんず先生、ハゲ頭にバンドエイドのモン太、美人で優秀な大森あんこ、終盤なってようやく登場するお嬢様のひがみ、それに凶暴なニワトリのろくちゃんでしょうか。

そして…まことちゃんちの沢田一家!アホの沢田屋敷!
まず祖父のジジリン…元太郎「アゲイン」で主人公だった人物ですが、ここでは家族で一番目立たないかな。問題は元太郎の性格ですが、完全に別人になっているので前作の事は忘れていいと思います。当然ながら老人に戻っていますが、「アゲイン」での導入部のように沢田家で邪魔者扱いされている事もないので、あそこであった老人問題という重いテーマなど記憶から消し去って能天気に楽しめばいいでしょう。
祖母のババリン…タツは、体がでかくて家族の相撲大会優勝者。
父のパパリン…英一は、眼鏡かけた普通のサラリーマンで特に目立たないのですが、しかし女物のパンツを履いていたりする変態。
母のママリン…貴世子は、もうこの母抜きにしては「まことちゃん」を語れない、準主役と言えるでしょう!大阪府河内長野市出身で、怒った時に出る河内弁が面白い。まことちゃんのアホさのせいでとんでもない被害を受ける事が多いものの、自身も相当なアホ。
姉のミカリン…美香も、間違いなく準主役。美形の男好きな耳年増の小学生で、まことちゃんとの姉弟喧嘩は無くてはならないものになっていきました。悩みは『またぼえ』する事…
最後は飼ネコのメチャですね。たまに…しゃべって驚かれます。

UMEZZ-makoto-chan3-4.jpg
UMEZZ-makoto-chan5-6.jpg

1巻収録の「まことや~いの巻」や2巻の「海にきたのらの巻」など、ママリンがとんでもない目に遭う話ですが、これを客が来た時なんかに読ませてあげると大抵は噴出してますね。
そうだ、有名な変キャラ・まこと虫も1巻の途中から登場していますが、元々はまことちゃんのヘタクソな落書きの生き物だったのが実体を持ってまことちゃんの体内に巣食うようになり、回を重ねるごとにバリエーションも増えていきます。まこと虫、という名前は福島市五月町の国分則子さんによるもので、つまり読者投稿!
作中何度も作者である楳図かずお先生が登場し、読者と通信する姿も見られるのですが…こんな歴史的名作に参加出来た読者は幸運ですよね。神奈川県大和市の青柳幸子さん、そしてまことちゃんそっくりなその息子(英治)なんて6巻で写真が2枚も掲載されています!

どの回も下ネタ満載すぎるのは「まことちゃん」の特徴でもありますが、「楽しいおつかいの巻」なんてお使いで運んでるもなかの中身を食べてしまい、『あんこもうんこもおんなじじゃ~~!!』と言って代わりにうんこを詰め、それを結局自分で食べる事になる…食糞!
3巻の「お上品がお好きの巻」で初登場以来、飛び飛びに何度か出てきたおしっこのおねえさん・飛奈道子が出てくるエピソードはどれも面白く、女の人のオシッコは前に飛ぶか後ろに飛ぶか論争が白熱しました。
6巻は「ビチグソ屋敷の恐怖の巻」が可笑しすぎて何度読んでも笑ってしまいますが、続く「おむつ軍団の巻」はまことちゃんが傷付きながらもついに腹を決めて小学生のイジメっ子に立ち向かうカッコ良さを見せてくれました。

そういえば、4巻の「大当たりらの巻」で出てきた楳図先生が甥っ子の楳図元太ちゃんに金剛狭山の幼稚園入園テスト合格の祝辞を送り、ついでにその元太ちゃんこそがまことちゃんのモデルだと仰っていたのに、後のインタビューで皇室の秋篠宮様がモデルだなんて発言しちゃってるんですよね…どちらが本当なのか。

UMEZZ-makoto-chan7-8.jpg
UMEZZ-makoto-chan9-10.jpg

7巻の「あけぼの2号での巻」では、まことちゃん達・沢田家のルーツを探るため秋田県にある元太郎の実家に一家揃って旅へ行きます。沢田30万石の大殿様を先祖に持っていると自称してきていますが、真相はいかに!?
秋田へ向かう電車内でのエピソードに2話使っていて、それが抜群に面白いのですが、とにかく着きました十和田南駅!
ここに着くなりまことちゃん、まだ発声はしていませんが後の『サバラ』ポーズを取って決めています!沢田城という旅館を経営している元太郎の弟・沢田弾正やその妻オードリィと出会い、しかも一度はこの家にもらわれたまことちゃんでしたが…すぐにクビになり、また東京の高田馬場での日常へと戻るのでした。
8巻では「どど彦さま大登場の巻」から、どど彦(本名・林久美子)というトンデモナイ奴が出てきます!目白台の田中角栄邸の隣に住む大金持ちなのですが、凄い『どど面』なんですよ…

あと、ロックンローラーのらん丸も登場。彼の本当の容姿も凄すぎですが…『つけMr.ブラウン』を付けた人気者で、代表曲は「タイヘンロック」。彼は9巻の「がんばれらん丸の巻」で、
グワシ!
をやっています。しかし、この時はまず中指と薬指を曲げていて…つまり後にサバラと呼ばれる事になる指サイン。そこから改良して『もう少しむつかしいほうが………』と、その場で中指のみを立てるサインに改良しています。
10巻の「沢田さんちの人気の巻」では沢田家全員で揃ってやってます(しかし、まことだけ出来ません)が、これは掌を相手に向けてこそいるもののアメリカ人がよくやるファックサインと同じだと、ニューヨークから来たSHIGEKI・TANABEさんからの手紙で指摘を受け、「犬とうららちゃんの巻」で封印されました。アル・カポネもそれをやったために死んだなんて、楳図先生とアシスタント達で話しています。

それで早速、石川県山代温泉在住の細川昭司のあにいが葉書にて提案したのが、中指と小指を曲げる…現在皆に定着しているグワシサインで、これはまことだけでなく美香も出来ないのでした。10巻の「笑学一年生の巻」から、新しいグワシ伝説がスタートしたのです。
ちなみにグワシッ!!の発声は物を掴む時の擬態語から来ていて、そういえば5巻の時点でも「危険がいっぱいの巻」で、マンションのベランダから落ちそうになっていたまことちゃんをママが救う時、まことちゃんの頭をつかんだ擬音が『グワッシ』となっていました。

はい、「まことちゃん」紹介の続きはまた次回に続けます。それまで一旦…サバラ!


えっ、なにをおこっているのら~~!!
ギョエーッ!さっぱりわけがわからないのら~っ!!



スポンサーサイト
  1. 2012/12/06(木) 23:59:59|
  2. 楳図かずお
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:5
<<楳図かずお(38) 「まことちゃん」 2 | ホーム | 楳図かずお(36) 「アゲイン」>>

コメント

なるほどですね(*^_^*)
  1. 2012/12/10(月) 19:02:09 |
  2. URL |
  3. タロット占い クロ戌 #1wIl0x2Y
  4. [ 編集]

素晴らしいですね
  1. 2012/12/12(水) 03:01:51 |
  2. URL |
  3. IT探偵 god #JalddpaA
  4. [ 編集]

ご訪問頂きまして・・・

>タロット占い クロ戌さま
>IT探偵 godさま

ありがとうございます!
お二方とも、名前がかっくいーですね。
  1. 2012/12/15(土) 01:02:59 |
  2. URL |
  3. BRUCE #-
  4. [ 編集]

まいどおなじみおのろけばーなし

懐かしいですね、まことちゃん!
とはいえ子供のころ、わたしは楳図かずお作品(死んだおじいちゃんがサンタクロースになって帰ってくる!)に恐れおののいた経験がトラウマとなって、自宅になぜか転がっていた一冊しかよんだことがないのです。まことちゃんが食糞してました。
その中で、楳図かずおがDJとなって登場し、知り合いの編集者がアメリカに行き、中指を立てて鼻をかいていると、外人に殴られたと言うエピソードが紹介されていました。当時はFu○Kポーズなど一般的ではなかったので、ホントかな~とうたがってたのですが、後に真実と知っておのろきました!
  1. 2012/12/15(土) 18:50:46 |
  2. URL |
  3. 通りすがり #-
  4. [ 編集]

グワシ!

>通りすがりさま

そうそう、私のブログではあえて書かなかったのですが、「まことちゃん」自体はギャグ漫画でありながら日本一の恐怖漫画家ならではの恐ろしい描写を交えたりしていて、通りすがりさまのように怖さの部分でトラウマになったという人が私の周りにもいます。
FUCKポーズのエピソードは、私も後追い読者なもので楳図かずお先生が知らなかった事に驚きましたが、やはり当時の感覚からしたらそうなんですよね・・・貴重なエピソードありがとうございました。
  1. 2012/12/16(日) 23:06:33 |
  2. URL |
  3. BRUCE #-
  4. [ 編集]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://mangabruce.blog107.fc2.com/tb.php/1134-47bf8c95
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

BRUCE

Author:BRUCE
BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する