大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

月刊漫画ガロ(100) 丸尾末広 6 「キンランドンス」

丸尾末広作品紹介、続いては「キンランドンス」(青林堂刊)。
MARUO-kinrandonsu1-2.jpg
画像の左は1985年に最初に出た版で、右は2000年に出た新装版。新装版には短編が1編追加収録されています。

丸尾末広先生、5冊目の単行本に当たる本作は短編集。旧版の方には『堕胎作品集』というサブタイトルも付いています。この時代になると初期丸尾作品にあった陰鬱さが影を潜めて、明るいエロ漫画みたいなのが増えていますね。その内容に合わせて描き込みも減り…まぁ、ポップな作風が好きな方には良いでしょう。
何故かこの本は作品ごとの初出情報が載っていないので、発表年は省略して収録順に見ていきましょう。

「お尻に火をつけて」
いきなり近親相姦、ロリコン、スカトロ…といった内容を兄妹と下男が繰り広げるものですが、『かわいらしいギャグ』作品。

「月の砂漠」
タイトル通りあの童謡の名曲(本当は「月の沙漠」ですが)で始まり、『月の砂漠を はるばるとォ~~』とお父さんを探して歩を進め続ける少年。オチで笑わせてくれます。

「カクエイ先生怒りのキン玉」
カクエイ先生…もちろん大昔のカリスマ的総理大臣だった田中角栄ですが、エライおじさんである彼の元へ箱に入った処女が送られてきて、スカトロ遊びなどを楽しむ。少女にウンコ食わせて高笑い、その背景にバーンと『新潟県百姓鑑』の文字!
これは同じ新潟県出身で角栄の影響力・人気を目の当たりにしてきている私にとって笑っていい所なのか怒るべきなのか…

「8月の濡れたアソコ」
夏の暑い日にパンツ脱いで大股開いて寝てる女学生。お父さんに見られてパンツははき直したようですが、再び寝入った所で泥棒(コンドーム持参!)にレイプされる…で、それを覗いてコーフンしているお父さん、てな話。

「放屁論」
ある文学的な人物が『屁』について論じる作品ですが、この男は坂口安吾で「堕落論」のパロディ…で、いいのでしょうか。

「ウコンゲッボ」
ドラッグ物(大麻程度ですが)の台詞無し作品。この後で出る単行本「パラノイア・スター」(河出書房新社刊)に収録されている短編に近いオシャレな作風ですね。

「豚小屋」
中年夫婦の性交描写に始まり、失禁した寝たきり老人の世話、子供がたくさんいて…田舎の一般的な家族の生活を描いただけと言えますが、蚊の大群や汗くささ、豚に最後の蛆虫、嫌悪感が沸き起こる。

「終りなき世のめでたさよ」
美しい少女ヌードの扉絵が良いですね。絵物語方式で面白いカルタでも見ている気分になる作品で、ストーリー無し。

「スネコタンパコ」
女王様と小人(こびと)のペットによる…またスカトロ、そして!

「バカ女と豚男」
犯されたい願望を持った女学生が、本当に腹に『OMEKO』と書いた変態オヤジに犯されるのですが、その正体はお父さん。

「真っ暗い日曜日」
白人女を食べる小さい日本人男…つまり佐川一政の『パリ人肉事件』を描いただけですが、カニバリズムという殺人以上のタブーを犯した瞬間を描いたのが、最後の1ページ。

「怪物団」
丸尾末広先生も大好きな映画「フリークス」の日本語タイトルを使った作品で、夜歩く奇形人間達の集団が普通の家庭を襲い、去っていくだけの悪夢のような短編。

「少女椿 水子編」
有名な長編「少女椿」、その前日譚が「薔薇色ノ怪物」に収録されている事は書きましたが、物語の内容ではそのさらに前に当たるエピソード0がこの作品。
貧しさ故に強者(金を持つ者)に体をいたずらされる花売り少女・みどりちゃん、そして友達のキミちゃんはもっと割り切って体を売っています。まだふくらみ始めたばかりの少女の体が…ヤバイ。

そして新装版のみ収録の「99万人の生娘」
家が貧しかったので、16歳からラーメン屋で女中奉公するちゃん。夜になると彼女の寝室へダンナさんが入ってきて…さらに白痴的な息子・デッちゃんも乱入!明るいエロギャグ漫画です。

最後に「あとがき 今だから話せる私の恥ずかしい過去」として活字のエッセイがあり、亡き父について語ったそれも良かった。

で、こちらは同じ青林堂から2008年に出た改訂版。
MARUO-kinrandonsu3.jpg
収録内容は新装版とほぼ同様ですが、何故か上記の「あとがき」が削除されています。
さらに全ての短編で扉絵だけ差し替えられ、収録順も微妙に変わっていました。これでしか見れないイラストがいくつも挿入されているので、この版も含めたコンプリートを目指して欲しい所です。


ふっふっふっ………わたしの名前は中年Z!!
満都の処女に愛の正夢!!
うれしはずかし燃ゆる初夜!!



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  1. 2013/02/14(木) 23:00:13|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

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