大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

月刊漫画ガロ(101) 丸尾末広 7 「丸尾末広 ONLY・YOU」

丸尾末広作品紹介、続いては「丸尾末広 ONLY・YOU」(東京おとなクラブ刊)。
MARUO-only-you.jpg

このカッコ良過ぎて痺れる表紙の本は、これは今まで紹介してきたような単行本とは違い1980年代のサブカルチャー誌『東京おとなクラブ』の増刊号として1985年に発行された特集本です。同増刊号としては、他に戸川純特集号も出ていて、そちらも入手したものでした。

「丸尾末広 ONLY・YOU」(丸尾末広・オンリーユー)…その内容は、まず谷中墓地で撮られた恐らくは劇団・東京グランギニョル時代の怪しい写真に始まり、清雲画伯の貴重な「紙芝居 少女椿」掲載!もちろん丸尾末広先生の代表作になった漫画「少女椿」の元ネタです。

続いて漫画評論家・米沢嘉博のインタビュー。今まで観てきた映画や文学なども満載で、作品だけじゃなく人物としての丸尾末広先生を知るのに役立ったものでした。
丸尾先生に関するコラムなどで寄稿したのが、遠藤みちろう、川本三郎、高取英、岸田理生、佐藤薫、森脇三貴夫、日野日出志、SIKEN、ZAZIE(ソドム)、飴屋法水、越美晴、広沢敦、藤田尚、ジュネ(オート・モッド)、川村毅、花輪和一、Zin-Fransois Angelique(Madam Edwarda)、たぐちともろを(ぱちかぶり)、伊藤与太郎(メトロファルス)、SADY・SAD、叫び(ギズム)、香川眞吾、楳図かずお、ケラ(有頂天)、後藤繁雄、斉藤利史、中野D児、エンドウユイチ、陳国斎…と、各界の凄い人々が生き生きとした文章で書いています。

そして丸尾末広先生のオリジナル漫画で収録されている作品が、大傑作「電気蟻 吾が文裂の華咲く時」ですよ!
タイトル元だけはフィリップ・K・ディックの短編小説「電気蟻」(The Electric Ant)だと思いますが、この本が出た直後に上梓される事となる単行本「パラノイア・スター」(河出書房新社刊)に収録されています。
しかも、そのヴァージョンとは少し違っていますよ!加筆修正している単行本収録時の方を決定版とするべきではあると思いますが、ここでしか読めない版も貴重になります。タイトルの『文裂』もただの間違いだったのか、『分裂』と直されています。
浪人中の少年が持つ負の感情を、1980年代のサイバーパンク的に描いた名作でした。

他の収録漫画としては森下裕美先生の「丸尾末広の事」。そして特殊漫画大統領・根本敬先生の「外科医 シュウラク・ジャック」では何と丸尾キャラである笛吸童子が特別出演しています。

丸尾末広自身による自作解説「懺悔の値打あるやなしや」、そしてもちろん本人の手によるわりと細かい「年譜」があり、荒俣宏の小説「帝都物語」を原作として東京グランギニョルで劇化した「ガラチア」の戯曲と写真の掲載、同じく東京グランギニョル作品「ライチ光クラブ」の広告イラストまで載っています!
この劇団で丸尾末広先生は宣伝美術を担当していたので当然イラストは丸尾絵ですが、さらにキャストでもあったのですよね…動く、しかも演じる丸尾先生を観てみたかった。

とにかく濃い丸尾末広探求本。1985年以降の活躍は当然載っていないのでデータとしては古いかもしれませんが、ここでしか読めないものが多いのに東京おとなクラブの発行なので当然ながら絶版。現在ではレア化して丸尾末広作品の中でも有数のプレミア本となっています。


心臓が金属音をたてた
ステンレスの花が巨大な 銀色の花弁を ゆっくり開いてゆくのが見えた
僕 死んじゃったのかなぁ



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  1. 2013/02/16(土) 23:00:52|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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