大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

月刊漫画ガロ(103) 丸尾末広 9 「丸尾地獄」

丸尾末広作品紹介、続いては「丸尾地獄」(青林堂刊)。
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年代順で追えば丸尾末広先生の次なる単行本は、1988年に上梓されたこの「丸尾地獄」になります。
これは限定千部で函入りの豪華仕様にて発行された作品で、新作のみの通常単行本ではなくてデビュー以来全ての作品から選ばれたベスト短編集。↑画像の左は外函、右は本体の表紙です。

限定本なのでシリアルナンバーが付いていて、さらに付録として4枚ポストカードが同封されていました。
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さらにA5判と大きいのもポイントで、この妖艶で緻密な作画世界を充分に堪能できるでしょう。
まぁ収録作品は既刊の物がほとんどなので、物足りなさは残るかもしれませんが…当時はまだ他の単行本に収録されていなかった作品もありまして、まずオープニングのカラー4ページ。

そして1987年の「へび少年」
一夫くん(どう見ても舟木一夫)が『食べちゃいたいくらいに好き』な智恵子ちゃん(松原智恵子似)をバラバラにして食べちゃう話を明るく描いた作品。この後、単行本「ナショナルキッド」(青林堂刊)に収録される事にはなりますが、「丸尾地獄」版はオールカラーです。

1988年の「カルネドール(金の手帳)」
これは古賀次郎原作だそうです。私はその原作者を知りませんが…無残な死に方をしていく子供たちを描いた絵本(エドワード・ゴーリーの絵本「ギャシュリークラムのちびっ子たち」みたいだ)を読まされているみちお君と絵本作家のおじさんの話。これも「ナショナルキッド」に収録されますが、「丸尾地獄」版は2色カラーです。

自販機本が初出の「眠り男」
幼女を切り刻み目玉をくりぬく変態人殺しのおじさんと、眠り男の話。眠り男の風貌はやはり映画「カリガリ博士」のあいつですが、E.T.A.ホフマンの怪奇小説を元にしている風で不気味な雰囲気が良い。これも後に「ナショナルキッド」に収録されます。

1987年の「死よバンザイ」
遠藤ミチロウさまが主人公として登場している、ザ・スターリン好きな人にも絶対読んでもらいたい作品。福島県では学校一の秀才とうたわれた遠藤が、戦地では敵前逃亡して…その後で壮絶な死に方をする話。これも「ナショナルキッド」に収録されますが、「丸尾地獄」版は上部に「丸尾末広 ONLY・YOU」で丸尾末広先生に寄せた文章「オデッセイ (1985) キリシタン」が再録されています。

1986年の「SOSボーイ」
妊娠12年間の母親がいて生まれない弟を待つ少年は悪質ないじめを受け、12年間一発もなれない夫も…。胎児は不思議な力を持ち胎内から話しかけてくる、地獄の日々を描いた話。これも「ナショナルキッド」に収録されます。

1988年の「さらば昭和」
明治・大正・昭和の三兄弟には妊娠40年の母親がいて、つまり弟の誕生を40年間も待っているが…という話。これも「ナショナルキッド」に収録されます。

そして唯一この「丸尾地獄」が初出である「びっくりホフマン」
変装の名人であるホフマン達がある事件を解決する、珍しい少年漫画。これも「ナショナルキッド」に収録されます。

他の単行本で既に収録されていた作品の再録は、以下の通りです。

「薔薇色ノ怪物」から、「少女椿」「カリガリ博士復活」「リボンの騎士」「下男の習性」
「夢のQ-SAKU」から、「腐ッタ夜・エディプスの黒い鳥」「童貞厠之介・パラダイス」「せんずり千太」
「DDT 僕、耳なし芳一です」から、「APPARITION」「僕の少年時代」「最モ臭イ遊戯」

花輪和一先生が寄せた文章「天才のお言葉 花輪が書いた」も収録されていますが、これも「丸尾末広 ONLY・YOU」の再録。
相当なプレミアが付く事となった限定本ですが、つまり今やどれも内容自体は他で読めるのです。オープニングのカラー4ページだけは他では見れないかな?
しかも、2001年に青林堂から新装版として「丸尾地獄」自体を復刻したものだから、高額でオリジナル本を入手した私にとっては酷い話。表紙も内容も全く同じなので、今回は新装版の画像は載せなくていいでしょう。微妙に違っているのが、花輪先生の文章ページと目次ページ。共に見開きのイラストが使われているのですが、これ差し替えられています。函やポストカードなども付いてないし、サイズもA5判と小さくなっているので、やはり違うとは言えますか…

こちらは洋書で見つけた、「ULTRA GASH INFERNO」
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ちょっとタイトル違うけどINFERNOが付いてるので「丸尾地獄」の事かと思い買ってみたら、また違った選び方のベスト短編集みたいなものでした。もちろん、セリフは全て英語。
収録内容は、「腐ッタ夜」「童貞厠之助」「地獄の一季節」「ウンコスープの作り方」「せんずり千太」「腐ッタ夜・エディプスの黒い鳥」「童貞厠之助・パラダイス」「屋根裏の哲学者」「無抵抗都市」の9編。ラスト2編は1990年代の作品です。


ほうれ つぶれるぞう~~
脳ミソがグッチョングッチョンに飛びちるぞ~っ



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  1. 2013/02/20(水) 23:26:35|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

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