大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

月刊漫画ガロ(105) 丸尾末広 10 「ナショナルキッド」「新・ナショナルキッド」

丸尾末広作品紹介、続いては「ナショナルキッド」(青林堂刊)、及び「新・ナショナルキッド」(青林工藝舎刊)。
MARUO-national-kid1-2.jpg
↑画像左「ナショナルキッド」は1989年に出た作品集で、右は10年後の1999年に再編集して出た「新・ナショナルキッド」になります。

今度は単行本タイトルに1960年代の特撮ヒーロー名を持ってきた短編集ですが、丸尾末広先生のレトロな作風とよく合っています。
「丸尾地獄」の翌年に出た本で、また「丸尾地獄」は限定本の一般普及向けでないベスト選集だったので、先にそちらで収録された作品も多くあります。
色付きだった「へび少年」「カルネドール(金の手帳)」の2作がモノクロになり、あとは「死よバンザイ」遠藤ミチロウさまの文章抜きで収録、他に「眠り男」「SOSボーイ」「さらば昭和」「びっくりホフマン」がかぶっています。

この単行本化で初めて収録された作品を、「ナショナルキッド」の方から見ていきましょう。まずはオールカラーのオープニング4ページがあり…
1989年の「少年画報」はメンコ強い少年が、両親の寝床で繰り広げられるSMプレイや映画館で中川信夫監督の怪奇映画「地獄」を観てトラウマになる話。赤が強調された2色カラーで収録。

1989年の「高校三年生」
「へび少年」と同じく舟木くん(舟木一夫似)とちえこちゃん(松原智恵子似)の青春モノで、ペニスが二本ある事を悩む舟木くんでした。

1989年の「蛇苺」「蛇苺2」「蛇苺3」
これは清純な少女・山口さん(山口百恵似)が裏で悪質なイタズラを繰り返す話の連作。盲人に足をかけて転ばしたり幼児を叩いたり、学校でのイタズラから自殺者を出したりもして、全然痛快じゃないのですが…明るく走る山口さんでした。

1989年の「ジョイ・ディビジョン」
ナチスとユダヤ人の変態プレイ。「パラノイア・スター」」(河出書房新社刊)収録の「意志の勝利」ではセリフでジョイ・ディヴィジョンという単語が出ましたが、ボーカリストであるイアン・カーティスの自殺によって解散した(残りのメンバーであのニュー・オーダーを結成しますが)、同名のポストパンク・バンドを好きなのでしょうね。本来の意味は、ナチス・ドイツの強制収容所内にあった慰安所の名称です。

1989年の「農林一号」
ある夫婦と下男下女を巻き込んだ変態プレイ。

1988年の「BAD」
マイケル・ジャクソン(黒人の時)が日本の学生になっていて、バットで他人の頭をかちわったあげくに自滅して頭が破裂する2ページ漫画。

1988年の「長崎県南高来郡西有家町慈恩寺」
実在した地名を使ったタイトルですが、少年時代の著者が人魂を見た時の事を描いた1ページ漫画。同様の内容を活字ページでも1ページ使って語られています。

1988年の「とっても恐い」
道端に人体のかけらが次々と落ちていてそれは…自分の体のものだった、という話。丸尾末広先生も愛した楳図かずお先生の「楳図かずおの呪い」より『第3話/幽霊屋敷』が元ネタかな?とはいえ見所は、丸尾絵によるグロテスク描写でしょう。

そして、「ブルース・リー 李小龍の栄光と孤独」(晶文社刊)の著者、四方田犬彦さまによる解説を収録して「ナショナルキッド」は幕を閉じます。
ここで収録されているような1980年代後半の作品ともなると、丸尾作品も初期の陰鬱さがすっかり影を潜めて明るくなっているのが目立ちます。

続く単行本「新・ナショナルキッド」。これは私、サイン本も入手していますが…
MARUO-national-kid3.jpg
ここでされている再編集が微妙なもので、「パラノイア・スター」から「電気蟻 吾が分裂の華咲く時」「SŌJIN」「贋作・電気蟻」「日本人の惑星」の4編を持ってきて再録しています。で、代わりにオープニングページと「SOSボーイ」「びっくりホフマン」は削除。
もちろん四方田さまの解説も削除し、他に特筆すべきは巻頭に「さらば昭和」を持ってきて色を付けてるくらいですかね。「パラノイア・スター」を持っている人には、どうでもいい再編集でした。


そうです 性欲は人種差別の根源です
もっと私を差別して!
ねえ総領(フューラー) 人類ってこんなに不平等よお!!



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  1. 2013/02/28(木) 23:59:11|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

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