大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

月刊漫画ガロ(107) 丸尾末広 12 「丸尾地獄Ⅱ」

丸尾末広作品紹介、続いては「丸尾地獄Ⅱ」(青林堂刊)。
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タイトルでお分かりの通り「ココ」で紹介した「丸尾地獄」の続編で、1995年発行。同様にB5判と大きいサイズの限定本ですが千二百部と、前回より二百部増えています。
函入りの豪華仕様なのも同じ、ベスト短編集。↑画像の左は外函、右は本体の表紙です。

限定本なのでシリアルナンバーが付いていて、さらに付録として以下の物が同封されています。
まずカラーポスター。これは本の表紙と同じ絵ですが、文字に差異があります。
丸尾賛歌という薄い冊子には、遠藤みちろう(遠藤ミチロウ)・高橋克彦・実相寺昭雄からの文章が寄せられています。
「丸尾地獄Ⅱ」使用説明書としてイラストと、裏に丸尾末広先生自身による面白い文章が書かれた一枚モノ。これは今の所、この限定本を持っている人しか読めません。
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最後に一応書いておくと、青林堂 本社移転のお知らせの紙一枚。それを読むとこの時のメイン付録は、ポスターではなく『地獄絵双六』の予定だった事が分かります。

「丸尾地獄Ⅱ」の収録作品を、ここで初めて収録された物から見ていくとカラーイラスト4ページに続いて…

1993年の「無抵抗都市」
月刊漫画ガロで5回に分けて掲載した中篇で、これが当時この限定本の目玉でもありました。実際に1990年代の丸尾作品を代表するような素晴らしい力作で、1946年という終戦直後の東京が舞台。ガダルカナルの戦地に行った夫の帰りを待つ若杉セツ子とまだ小さい息子のが、小人(こびと)の平井に翻弄される物語です。
自称芸人の平井は、ポルノ映画に出る男優をやるのと別に自分の焼鳥屋を持っているのですが、食料の無い時代にそこで出していた肉・モツは人間の物だったらしい…実際に光を殺して解体していく過程は描写されています。で、それを母親に食わせるのだから残酷。しかも!

1992年の「東京物語」
この時はここで単行本初収録だったこの作品は、ずっと後に青林工藝舎「改訂版 夢のQ-SAKU」に収録されましたね。

1989年の「犬神博士」
これは「ココ」で紹介したヤングチャンピオン版の「犬神博士」とは同名異作品。長編の構想をしてSMスピリッツで連載したものの打ち切りになった物で、雑誌に掲載出来なかった初収録分もあるのですが、結局お話は途中も途中。
古賀オサム少年が愛する犬・バルバロッサが同級生を襲い指を噛み切って来る所からスタートし、変わり者だったおじいちゃんが夢の中に出てきて何かを訴えようとする所まで…絵の迫力は凄いし、最近は当たり前のように長編作品を描くようになった丸尾末広先生なので、この続きを描いてくれませんかね!?

1991年の「耳ナシ芳一」
小泉八雲の「怪談」にも収録されていた有名な小説「耳なし芳一」の現代版で、海で溺れた時から耳が悪くなった小泉芳一が、死霊に求められて歌を聴かせ、死霊の声が聞こえるようになり…やはり耳を切り取られる。
前後編に分かれていて、丸尾先生らしいシリアスな絵と内容でだましながら、最後はギャグ漫画だったと分かる手法。『あの世の花』『怪談69』『赤いノド』といった丸尾末広作詞による歌謡曲が歌われるのが良い!

他の単行本で既に収録されていた作品の再録は、「薔薇色ノ怪物」から「血と薔薇」「腐ッタ夜」「天然の美」
「夢のQ-SAKU」から「笛吸童子」、そして「きん玉のにぎり方」を綺麗なカラー付きで。

そしてこの「丸尾地獄Ⅱ」も、「丸尾地獄」の方と同じく2001年に青林堂から新装版として復刻版も出てしまいました。
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良く見るとこの表紙、左下の『SEIRINDO』の文字の上にあった『Tokyo Kanda』の文字が消えています。青林堂は神田から移転しましたからね。
しかし内容に関しては全く同じ。「丸尾地獄」の時はイラスト差し替え箇所を見つけましたが、こちらは見比べてみた所全て同じですよ!それでも新品で買っている私のコレクター精神もやっかいな物です。もちろん付録が付いてないのと、サイズがA5判と小さくなっているので、オリジナル版の価値はまだあると思いますが…


私にはこの世の終りというものは想像がつきません
原爆のひとつやふたつで人類が滅びてしまうと考える奴はのんきなものです
ふんづけてもけとばしても滅びないからこそ人類はいまわしいのです



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  1. 2013/03/03(日) 23:59:42|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

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