大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

月刊漫画ガロ(108) 丸尾末広 13 「風の魔転郎」

丸尾末広作品紹介、続いては「風の魔転郎」(徳間書店刊)。
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丸尾末広先生はかつて、デビュー前の10代の時の話ですが少年誌中の少年誌・週刊少年ジャンプに作品を持ち込みながらも不採用になった事は有名ですが、今回はそれ以来ですかね、帯にあるように初めて『少年漫画』を意識して描いた作品。
とはいえ、実は既に「丸尾地獄」が初出ながら「びっくりホフマン」のような少年漫画としか言えない作品を描いていて、雰囲気もあれによく似ていますが…
「風の魔転郎」は徳間書店が久々に少年漫画誌へ挑戦したものの1年で廃刊してしまった月刊マンガボーイズにて1994年の創刊号から翌年まで連載され、単行本はマンガボーイズコミックススペシャルで全1巻。

タイトルで分かる通り宮沢賢治の「風の又三郎」を基にしながら、内容は「地獄先生ぬ~べ~」(真倉翔原作・岡野剛作画)みたいな学園悪霊退治モノで、風野魔転郎が物怪(もののけ)が出る学校へと転校を繰り返しながら児童を守り、物怪を退治する。
もちろんリアルタイムで単行本を買ってますが、正義(?)のためにタダで働くヒーロー、みたいな作品を丸尾先生が描いている事にショックを受けたものです。しかも丸尾作品なら内容がどんなにクソみたいなのでも、あの凄い絵があるから全て名作みたいな扱いでしたが、これは絵柄・画力さえも低年齢向けに落としちゃってますよ…
敬愛する桑田次郎先生へ捧げ、そのような作品を描きたかったのでしょうか。

「魔界からの転入生」「暗闇にひそむ牙」「もののけ大特訓」「地獄の砂」と全四話が描かれ、それぞれに登場する物怪の方が主人公側よりよほどカッコ良くて丸尾末広タッチである所はさすがですね。
第一話の物怪・水亡は丸尾作品に良く出るノスフェラトゥにそっくりだし、第二話の物怪・黒衣天はおっぱい出してる女の物怪で、この時に出てきたヒルコはお得意の小人(こびと)。
第三話の物怪・お耳長様は可愛いウサギ男みたいなので、少年を「巨人の星」に出てきた大リーグボール養成ギブスのサッカー版、Mリーグボール養成ギブスで鍛える話…もう少年向けとはいえ怪奇モノだった前話までと違い、学園コメディーってやつですね。
第四話の物怪・砂男(サンドマン)は、出ましたE.T.A.ホフマンの怪奇小説より。なかなか強敵で、一度は砂縛り(サンドフリージング)にやられた魔転郎でしたが、最後は必殺技の『トルネード』でやっつけて一件落着!

ちなみに魔転郎はユミという美少女の亡霊(?)と行動を共にしているのですが、彼女はどういう理由でそんな姿になり、何故魔転郎と行動しているのか、全く説明がありませんでした。まぁなくてもいいか、そういうものだって事で。
本の表紙カバー折り返し部分が大きい作りになっていて、カラーイラストが載っています。巻末には『風の魔転郎の御学友』を名乗る石田一郎氏による文章「少年と物怪」収録。


お前たちに何がわかるものか
この世にはお前たちの想像もつかぬ 恐ろしい世界があるのさ
見ていろ 我々物怪は人間の気付かぬうちに
その恐ろしい世界を目に見えるものとする!
あと何年かのうちにな…



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  1. 2013/03/05(火) 23:20:40|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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