大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

月刊漫画ガロ(114) 丸尾末広 19 江戸川乱歩 3 「芋虫」

丸尾末広作品紹介、続いては「芋虫」(エンターブレイン刊)。
MARUO-imomushi.jpg

「パノラマ島綺譚」に続いて丸尾末広先生が漫画化した江戸川乱歩作品は、「芋虫」
発表の場も同じくコミックビームで、連載は2009年。それに加筆修正して上梓された単行本は全1巻です。

丸尾作品で「芋虫」といえば1981年の「腐ッタ夜・エディプスの黒い鳥」(「夢のQ-SAKU」収録)を思い出す方が多いでしょうが、この度晴れて乱歩を原作者クレジットしたオフィシャル作品として発表したわけですね。
「芋虫」といえば江戸川乱歩が残した猟奇小説の中でも特にヤバイ部類の変態モノなので、もちろん作風にピッタリはまります。原作は短編でしたが…小説と漫画の情報量の違いですね、全1巻でもまだ省略している部分があるくらいで。内容は原作に忠実ですが、加えたのはポルノばりにあからさまな性描写。

シベリアに出兵して両手両足、さらに五感のほとんどを失った傷痍軍人の須永中尉と、それを三年も献身的に世話している須永時子夫人は、夫の上官だった鷲尾少将の世話になって生きています。
醜い芋虫となって生き長らえているだけの須永中尉ですが、食欲、そして激しい性欲を失っていないのでした…
手足は無くても男性器は失わずに済んだので時子はそれとまぐわうのですが、あまりにもおぞましいその姿!それでも喜びを覚える女の身体!
ちなみに芋虫が舐める女性器や性行為をリアルに描写しているので、まだ本物の『秘密の花園』を見た事が無い少年には刺激が強すぎるでしょう。初めて裏ビデオを見た時のようにショックを受けるかもしれません。

普通に性器を使った性行為を行える分、代わりに原作の時子にはあった、夫を虐げて得るサディスティックな快感描写は影を潜めています。
原作が古典的名作とはいえ、丸尾末広先生がそのままコピーみたいなコミカライズするだけの漫画家なわけがないのですから、原作に手を加えた部分や変えた部分を楽しめばいいと思います。当然の事ながらこの画力…悪夢・幻想シーンとか、凄いですよ。
クライマックスは原作通りに、ちゃんとあの結末を迎える事だけ書いておきましょう。
ひたすらグロテスクですが、人間心理や愛も描いた傑作。

こちらは掲載誌である月刊コミックビームの2014年3月号に付録で付いた、芋虫ストラップです。
MARUO-imomushi-strap1.jpgMARUO-imomushi-strap2.jpg


この無残な癈人 黄色い肉の塊 気の毒な芋虫
それを私は今夜も弄んでいる
だけど私達は なんと醜いのかしら



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  1. 2013/03/23(土) 23:00:00|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

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