大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

月刊漫画ガロ(115) 丸尾末広 20 花輪和一 2 「江戸昭和競作無残絵 英名二十八衆句」

「江戸昭和競作無惨絵 英名二十八衆句」(リブロポート刊)も紹介しておきましょう。
HANAWA-MARUO-muzan.jpg

これは丸尾末広作品としても重要な所ではありますが、エログロ耽美系二大巨頭のもう一人にして先輩の花輪和一先生、さらに江戸の絵師二名(月岡芳年、落合芳幾)とコラボレートした血みどろ画集です。
「丸尾画報」より8年も前に当たる1988年に刊行されているので、競作本とはいえ丸尾末広先生にとって初の画集はこれなのでした。他に画集を出していない花輪和一先生にとっても重要な著作ですね。

内容はタイトルの通り、月岡・落合の『江戸』代表と丸尾・花輪の『昭和』代表で無惨絵を各二十八枚(+目録)ずつ出していく試みです。江戸の方は『英名二十八衆句』で、昭和の方は『新英名二十八衆句』
そんなやりがいがあって楽しいに違いない企画なものだから、愛すべき昭和代表の猟奇漫画家二名は絵師として張り切って素晴らし過ぎる作品を残しています。

絵は興味ある方が自分で見てもらうとしてタイトルだけでも書いておくと…丸尾末広作品は、
「赤ずきん」「へび少女」「フリッツ・ハールマン」「一柳展也」「江戸川乱歩」「アドルフ・ヒトラー」「俊一」「永田洋子」「ピーター・キュルテン」「大久保清」「夢野久作」「甘粕正彦」「眠り男」「マーク・ボラン」
花輪和一作品は、
「舌切雀と突張娘」「梶間友彦」「都井睦雄」「ホムンクルス」「磯良と正太郎」「安部定」「月光仮面と分家嫁」「白虎隊」「富姫」「河内屋与兵衛」「河童」「一寸法師と殿上人」「源頼光と酒呑童子」「芳年と幻太夫」
で、きっちりそれぞれ十四枚ずつです。

絵のページ一枚の隣に、小説家・高橋克彦の文章による解説ページが一枚付いて見開きで一作品、という構成で進みます。しかしこんな仕事出来る高橋克彦さん羨ましい!解説だけじゃなく、自作の小説を花輪和一先生が複数枚で絵にしてますからね!
なお絵の前、本の最初の方で『讃』として楳図かずお先生、あがた森魚さま、遠藤ミチロウさま、細野晴臣さま、荒俣宏さま…etcによる文章が寄せられています。
あくまで漫画好きの私が紹介するこのブログなので江戸時代の無残絵の方は特に触れませんが、この時代にこういうグロい絵が受け入れられていたという事実に衝撃を受けたものでした。考えてみたらこれらの無残絵が描かれた幕末くらいだと、もっと血なまぐさい場面が街中の実物で展開されていたんですよね…
あの駕籠真太郎先生は、丸尾末広作品で一番好きなのは漫画ではなくこの画集であると書いておりました。まぁ、いかにもですが。

この宝物にすべき画集はとっくに絶版になっていて持っているだけで相当に自慢出来る一冊でもあったのですが、昨年ついに昭和の絵師二人だけという形ではありましたが復刻されちゃいました。『新』の方だけなので、タイトルも…
「無残絵 新英名二十八衆句」(エンターブレイン刊)。
HANAWA-MARUO-muzan2.jpg
確かにこれほどの画集は、少人数のマニアだけが持ってて優越感に浸るよりも多くの人々に観てもらえた方が良いでしょう。




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  1. 2013/03/24(日) 23:59:59|
  2. 月刊漫画ガロ
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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