大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

梶原一騎(47) 宮田淳一 1 「タイガーマスク二世」

今夜は梶原一騎原作、宮田淳一画、による「タイガーマスク二世」(講談社刊)。
KAJIWARA-MIYATA-tiger-mask-nisei1-2.jpg

もちろん前回まで2回に渡って紹介した「タイガーマスク」の続編ですが、作画担当が辻なおき先生から宮田淳一先生に代わっています。
さらに1981年から東映動画製作でアニメ版の続編が放映されたのに合わせて描かれた作品で、増刊少年マガジンにて1981年から1983年まで連載されて単行本はKCコミックスで全4巻。

元々はこの作品、「覆面王タイガー・マスク」のタイトルで1980年から翌年まで少年ポピー(少年画報社刊)で連載していたのですが、この掲載誌が休刊したために上記の増刊少年マガジンに移った経緯を持っています。
よって少年画報社のヒットコミックスでも単行本化はされたのですが、こちらは物語途中までの全2巻で終わっています。
KAJIWARA-MIYATA-tiger-mask-second-generation.jpg
つまり集めるならヒットコミックス↑ではなく、この内容を補った上で続きもあるKCコミックス版が良いでしょう。

さて前作の連載終了から実に10年ほどの時を経て再開されたこの作品は、時系列も現実に合わせてアントニオ猪木は新日本プロレスを、ジャイアント馬場は全日本プロレスを設立して別れており、突如登場したタイガーマスク二世は前者と行動を共にするため、前作とは逆に馬場の影が薄くなっています。
最初に現れた時は『六・七年前に猪木・馬場とともに日本プロレス界のエースとしてあばれまくったナゾの覆面プロレス王……タイガーマスク』とアナウンサーに叫ばれてますので、あのラストの交通事故から六・七年後という設定ですね。

今回の主人公、つまりタイガーマスク二世の正体は亜久竜夫という新聞記者。伊達直人が正体を隠して寄付を続け、遊んでくれていた孤児院"こまどり学園"(ちびっこハウスではない!)の出身者であり、その事実を知って伊達直人の意思を継ぐ事を決意し、自ら"虎の穴"へ飛び込んで特訓してきた男です。これにより虎の穴がまだ壊滅しておらず、それどころか同じ事をしている事実も判明しました。
でも初代と違って二世は最初から反則抜きの正統派レスラーだったから、もしかしたら反則専門のレスラーしか作らない方針は止めたのかもしれません。ファイトマネーの半額を支払う上納金制度も出てこないし。

タイガーと時を同じくして日本のプロレス界に登場し、のっとりを企む…つまり今作での敵組織は、虎の穴ではなく"宇宙プロレス連盟"
まずは宇宙仮面SF、続いて吸血仮面ザ・バットという刺客を倒しますが、かなりの実力者なのに組織では下っ端だと言います。次はミスター・フー1号&2号をタイガーマスク二世と猪木のタッグで倒します。
ここまで来てから判明する宇宙プロレス連盟の盟主は、アラビアの石油王アーマン・ハッサン!日本の命運を握る石油の持ち主だけに、来日するなり日本政府の政財界も機嫌取りで大変でした。しかもプロレス狂であるこのハッサンが新日本プロレス観戦に来ると、金でアンドレ・ザ・ジャイアントスタン・ハンセンのタッグチームをけしかけて真剣勝負となりますが、返り討ちにするタイガーマスク二世と猪木。
地上のプロレスラーでは頼りにならぬと見たハッサンが次に送り込んだ刺客は、ヘルス・ホークス。またタッグ戦ですが、何と二人とも生きた鷹を頭に載せて凶器として使用し、鷹が飛んできてくちばしで目を狙う…って、危険すぎる奴ら!

大変な強敵に狙われている事を知りタイガーマスク二世が猪木を案内した秘密特訓の場所は、富士山の樹海に隠れたピラミッド。素晴らしい設備が揃い、ピラミッドの四次元パワーもあるし、インドで修行している時に出会った虎の相棒アイアンガーなんてのもいます。
そもそもこの特訓基地は何か!?場所も富士なので、前作で伊達直人が途中まで作っていた"みなしごランド"を利用して…とかなら良かったのですが、南米のパタゴニアで出会った仙人みたいな老人から受け継いだものでした。

KAJIWARA-MIYATA-tiger-mask-nisei3-4.jpg

あと、タイガーマスクといえば必殺技も重要です。
この「タイガーマスク二世」で見せたそれは、青銅マッスル死神シルバーのタッグと対戦した時に見せたタイガー・フィニッシュ・雪崩地獄
これが前作にも増して実現不可能にもほどがある超人技で、リングロープの反動を利用してヘッドバットで敵の巨体を数十メートルの高さまで上げ、その落下する力を利用して最後はキン肉ドライバーする、というもの。さすがにひどいと思ったのか、ここまでの威力ある必殺技ながら一度しか登場しませんでした。

次はエジプタスなる全身が包帯でグルグル巻きの奴らですが、こいつらの仕掛け(戦法)は前作に出たミスター・ノーの二番煎じ。
アイアン・マスクは黒人レスラーであるが故の苦しみを持つ(KKK-クー・クラックス・クランに追われている!)悲しき者でしたが、その鉄仮面のデザインがひどすぎる…
で、ツターン・カーメンは『世界プロレス・グランプリ』なる世界中のレスラーで実力世界一を決める素敵な大会に中近東地区代表として参加してきました。これはようやく本星…というか、宇宙プロレス連盟の盟主であるアーマー・ハッサンが正体!
これをタイガーマスク二世が倒しますが、まだ彼らとの戦いは終わりません。ボス自ら乗り込んでタイガーの戦力をスパイしただけだと言うのです。

では最後の刺客は誰か、ブラック・タイガーです!
前作でもにせタイガーマスクが出ているので、これまた新鮮味のない敵ですが…今度は黒人ですね。そしてかなりの強敵であり、最初の対決ではようやく引き分けに持ち込んだ有様。しかも右ヒザを痛めたまま再戦する事になったタイガーマスク二世は絶体絶命ですが、そのケガが原因で新必殺技、スペース・フライング・タイガー・ドロップを開眼するのです。
ブラック・タイガーという敵の切り札を倒し、ついに日本のプロレス界から手を引いて日本を去った宇宙プロレス連盟。

しかし次は、新日本プロレスのスポンサーである億万長者の会長令嬢・郷カオルがこの作品最大の敵となるのでした!
…いや、本当。『ああいう女性はブラック・タイガーより強敵だ 世の中は思いのままと信じこんでる』と真面目な顔して語るタイガーマスク二世。勝手に婚約発表までしたカオルに抗議も出来ない新日本プロレスは、猪木の助言でタイガーを海外遠征に行かせる…って、つまり女から逃がすわけですね。

この後でタイガーはJ・ヘビー級の王者となり栄光を掴むのですが、メキシコ・プロレス界が総力を上げてタイトルを取り返しにくる事必至。
それを覆面を脱いだ亜久竜夫の顔の時、つまり"日の出スポーツ新聞"で働く記者の時の同僚である有吉ミドリ(一応、近作のヒロイン)が心配して見守る所で完結。

1980年代に描かれた作品だからか、前作に見られた悲壮感が影を潜めており、二世が戦う事にみなしご(孤児)達のために命をかけた初代のような理由付けもないんですよね。日本のプロレス界を守るためって、そんなのは猪木達に任せておけば良いんだし。
ただ、孤児院じゃなくて身体障害児たちの施設ですが"あすなろ学園"へアブドーラ・ザ・ブッチャーを連れて慰安に行く話が一回だけありました。あと、最後の最後近くに初代の意思を継いでやりとげる夢があるとつぶやいているので、やはり"みなしごランド"を建設する続きも構想されていたのか、今となっては分かりません。


あのようなタイプでなく もし好きな女性であれ
おれは結婚などできぬ身!
初代タイガーマスクの意思をついで
やりとげねばならぬ命がけの夢がある!!



スポンサーサイト
  1. 2013/05/02(木) 23:00:00|
  2. 梶原一騎
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<梶原一騎(48) 宮田淳一 2 「実録まんが タイガーマスク」 | ホーム | 梶原一騎(46) 辻なおき 2 「タイガーマスク」 2>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://mangabruce.blog107.fc2.com/tb.php/1194-3af6897b
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

BRUCE

Author:BRUCE
BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する