大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

トキワ荘(52) 石森章太郎 42 「怪人同盟」

石森章太郎作品より、「怪人同盟」(秋田書店刊)。
ISHIMORI-phantom-union.jpg

石森章太郎(石ノ森章太郎)先生お得意の超能力を題材にした作品で、初出は1967年の冒険王(秋田書店刊)にて短期連載されたもの。単行本はサンデーコミックスで全1巻です。

小政竜二計七夫大山五郎…3人の普通の学生が、ある日下校途中に古い洋館で昼寝を一時間ばかしして帰ると、世間では一週間が過ぎていた!
しかもそれぞれ別の超能力が身に付いており、どうやら洋館で『何者か』によって体をいじられたようです。誰が何の目的でそれをしたのかは明かされる事が無いのですが、宇宙とかどこかから来た大きな力が地球人を試している、とかだとSFモノの定番すぎますかね。
それより超能力を得た少年達がそれをどう使うかが主題で、その力をいい事に使うと決めた3人は『怪人同盟』を名乗って殺人事件などを解決していくのです。

身に付いた超能力は竜二が変身能力、七夫が予知能力、五郎が怪力、まぁどれも同時期に描かれていた「サイボーグ009」の戦士達と代わり映えしませんね。
病院で体を調べても異常が無い事が分かるシーンがあり、つまりサイボーグ手術をされたわけではないというのですが、『超能力』と『改造人間の能力』は表記が違うだけで実質は同じ事であるのはいかがなものでしょうか。どこか差別化して欲しかった…
途中までしか描けずに打ち切った感もあるので、もう一ひねり構想はしていたのかもしれませんが。

そして先進的な漫画(萬画)を描き続けていたイメージのある石森章太郎先生ですが、「スカルマン」「変身忍者 嵐」といったダークヒーロー物は現在の若い読者が初めて読んでも衝撃を受けるに違いない傑作だと思うものの、低年齢向けの「怪人同盟」は内容も絵柄も古くなっている部分が目立ちます。50年近くも経っているのだから、普通ならそれで当然すぎる事でもあるのですが。

巻末には同じく超能力モノ作品「エスパーK」が収録されています。これがけっこうな分量(単行本の4分の1ほど)を使っていて、ネフード砂漠内にある近東の小国・モルトラが舞台。石油の大油田が発見されたために世界中から狙われる立場となった国のミルコ王子を守る、E・S・P(エスパー)達の活躍を描いたものです。
テレポーテーション能力を持つエスパーKはカタギリススムという日本人、透視能力を持つエスパーTはタジマ・ハールというインド人、催眠術を使えるエスパーRは羅面(ラーメン)という中国人。羅面はもちろん石森作品といえばの中国人描写で、つり目に辮髪、中国帽にあのヒゲ、言葉は『○○アル』ですよ!

「怪人同盟」に話を戻しますが、同じ冒険王で1979年に続編となる短編「怪人同盟 恐怖植物園」が掲載されています。これがサンデーコミックス発売後の事だったので単行本に収録されるのは1998年のメディアファクトリー版まで待たなくてはなりませんでした。
ISHIMORI-phantom-union-mediafactory.jpg
ここでは怪人同盟に新しい仲間が加わるエピソードが描かれていますが、しかし完結編的な内容ではなく、あくまで番外編でした。


ぼくらのふしぎな能力はダイナマイトとおなじだ
それをつかう人間の心ひとつで 平和のためにもおそろしい武器にも使える!
おそらくぼくらにこの超能力をさずけた「だれか」は…
あの空のどこからか…あるいは そのヘイのかげからか…
ぼくらがどんなふうに この力を使うかを じっと見つめているんじゃないかと思う



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  1. 2013/05/12(日) 23:47:36|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

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