大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

トキワ荘(56) 石森章太郎 45 「ロボット刑事」

石森章太郎作品より、「ロボット刑事」(講談社刊)。
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初出は1973年の週刊少年マガジンで、単行本は講談社コミックス(KC)で全3巻です。
「仮面ライダー」や「人造人間キカイダー」に比べると忘れ去られた感がありますが、これもほぼ同時期に特撮テレビ番組が放映されたTVと漫画のタイアップ物。
しかしこのタイトル…ポール・バーホーベン(Paul Verhoeven)監督による、ヒーロー映画に見せかけたバイオレンス映画「ロボコップ」を彷彿とさせますね。あちらのデザインは許可を得て「宇宙刑事ギャバン」から引用しており、「ロボット刑事」とは似ていませんが。

石森章太郎(石ノ森章太郎)漫画(萬画)版の「ロボット刑事」は、足とカンで事件を解決してきたベテランの芝刑事Kという名の最新科学装置を付けたロボット刑事と組まされる事から始まります。
当然、反発する芝刑事…
『この・・・・バケモノめ!!て 鉄クズ野郎め!マネキン人形めー デクノボーめ!!
 ゼゼゼ ゼーゼー ゼンマイじかけのくせして こ このわしに・・・・人間さまに意見する気か・・・・!?』
とまで言って荒れますが、この芝刑事がKの能力や優しさに触れて次第に心を開き、交流していく様を描いた部分も作品の重要な側面ですね。

Kが乗ってる自動車は空も飛べるスーパーカーで、Kが『おふくろさん』と読んでいる創造主は海の底にて"マザー"なる巨大ロボットみたいなので生活していて…と現実離れしすぎていますが、そんな荒唐無稽さもまだ少年漫画が面白かったこの時代ならではの魅力。

ちなみに芝刑事の風貌は、「サイボーグ009」のアイザック・ギルモア博士みたいな大きな四角い鼻の持ち主ですが、二人の娘・奈美由美は美人。
特に長女の奈美は優しくて、Kはマザーと重ね合わせて恋慕の情を持ったように見えます。しかし奈美には新条強という恋人がいるので三角関係、というより人間とロボットの恋という大きすぎる障害をどう描くのかは見ものでしたが、全3巻の分量ではそこまで描かれる事はなく、それどころか新条や私立探偵になるその兄の存在がおざなりになってしまうのが残念な所でした。

またKには『制御回路(アシモフ・コード)』という人間を傷つけられない回路、つまりはロボット三原則をうちこまれているそうですが、それがキカイダーでいう所の良心回路(ジェミニィ)でしょうか。
キカイダーと同じように悩むロボットであり、顔は無表情ながらも感情豊かで泣いたり詩(ポエム)を書いたりもしちゃいます!

ロボット刑事であるKが人間レベルの犯罪を解決するだけではすぐに物足りなくなるわけで、1巻のラストでようやく、この手の少年漫画に付き物である敵組織の存在が明らかにされます。
その名も"R・R・K・K"(ロボットレンタル株式会社)!ちょっと名前がダサいものの、これが制御回路の付いていないロボットを使った殺しを金で請け負い、ロボット刑事の能力を逆手にとって見事に厳戒態勢の中で殺しを成し遂げるほどの高度な技術も持っています。

ISHIMORI-robocop3.jpg

そのうちにKは結城香織という盲目の少女に出会います。外見でKを差別しない彼女(目が見えないから当たり前ですが)と友達に、いや恋をしたのか、かけてくれた優しい言葉を思い出して両手と片足を上げて『イーヤッホー!!』とか言って喜んでますよ!
しかし偶然から出会っただけの香織の父親がR・R・K・Kとつながりを持っている事が分かって苦しみ…

ラストも近くなって二十数年前に行方不明になった天才的ロボット学者の霧島夫妻という存在が浮かび上がると、その娘が両親が遺した設計図を元にKを造った『おふくろさん』こと玲子、息子の竜治が敵組織R・R・K・Kのボスであると判明。
さらに香織の出生、Kの脳についても意外な事実が明かされていきますが、さらに急展開は続き…"神之孫島"で霧島竜治との最終決戦。数々の罠が仕掛けられていますが、今まで人間に近づこうと思っていたため機械らしい戦い方をせずにきたKが、ここへきて変身ヒーローのように体を変形させて戦闘能力を最大限に発揮!

強いぞK!しかし奈美と由美が人質に取られているのはどうするか!?
そこへマザーに乗った霧島玲子も登場。もうページ数残ってませんが、世を騒がせたこの姉弟で会話を交わすと…
ええっ?!芝刑事と奈美と由美、K、そして読者も置いてきぼりにした意外なラストで幕を閉じました。
これもタイアップ物の悲しさか、テレビ版の放映終了に合わせて漫画も打ち切りとしたらしいのですが、今まで刑事モノとSFを混ぜたいい話で進んできたのに、ポカーンとせざるを得ない!ある意味実験的な終わり方でした。


ぼくは人間として生きることはやめた・・・・!
機械として 機械の誇りをもって 機械らしく生きることに決めたんだ!!
・・・・いままでいちばん あこがれていた・・・・
人間の持つ"感情"と戦うために・・・・!
・・・・"精神"があるゆえに その"精神"が生み出す"悪"と 戦うために!!



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  1. 2013/05/20(月) 23:59:59|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

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