大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

トキワ荘(60) 石森章太郎 49 「青いけもの」「世界まんがる記」

石森章太郎作品、「青いけもの」(大都社刊)。
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石森章太郎(石ノ森章太郎)先生の故郷・宮城県に本社を持つ河北新報(河北新報社刊)という日刊新聞で1971年に連載していた作品で、単行本は全1巻。
現代社会問題に警笛を鳴らす物が多い石森作品の中でも、特にその傾向が強い社会派作品となりました。

国際動物自然保護連盟に属する日本有数の動物学者・風祭譲とその息子のケンが、世界各地の自然保護状態の調査及び正体不明の"動物"を求めて動き回るのが大筋なので、各地の生物や歴史を見ながら巡る旅モノとして読んでも良いでしょう。
全七章に分かれ、
 第一章 シンガポール
 第二章 ニューギニア
 第三章 ニュージーランド
 第四章 オーストラリア
 第五章 ガラパゴス
 第六章 アマゾン
 第七章 エピローグ
となっています。エピローグではアフリカに行ってますね。

旅本つながりでついでに紹介しておくと石森章太郎先生は旅行記も出していて、それが新書判で「世界まんがる記 外貨ムダづかい旅行」(三一書房刊)、文庫では「世界まんがる記」(中公文庫刊)。
ISHIMORI-world-mangaruki1.jpgISHIMORI-world-mangaruki2.jpg
何とまだ海外旅行が自由化される以前の1961年、今とは比べ物にならないハードルの高さだった世界一周旅行を決行した旅行記で、文章に加えて漫画家ならではのカットも挿入しながら書かれています。
世界の様子は今と大分違うでしょうが、精神的な部分でも勉強になるので旅人には読んでもらいたい一冊ですね。
世界各国のメンバー達が世界を股にかけて活躍する代表作「サイボーグ009」もいわば旅本の要素がありますが、その発想の原点ともなった旅でもあったそうです。
かくいう私もこれを読んでいてもたってもいられずに海外へ行ったりしてましたし、つまりかつて多くの人が旅に出るきっかけとなった沢木耕太郎や小田実やグレゴリ青山よりも、このジャンルでも石森先生に影響を受けている私。

おっと、「青いけもの」に話を戻します。
風祭親子(「サイボーグ009」風のユニフォームを着ています!)ら調査隊が探す件の"動物"ですが、ヒョウに似た姿ながら深い青の毛皮に白い雲のようなまだらを散りばめた模様をしていて、突然現れては保護動物を金のために乱獲する人間達を襲うのだといいます。
その姿を実際に目撃もする風祭親子ですが、不思議な事に16ミリカメラで撮ったはずの姿がフィルムには写らなかったものの、悪人に撃たれて傷付いたりしているので実在はしているらしい…しかしそもそも、世界中のどこでも神出鬼没なのはどういう事か!?

旅客機がアマゾンのジャングルに墜落するという大惨事から、メリーという白人少女も仲間入りして未開の地をさまよいますが、この世界では恐竜も、ケン曰く『きっと人食い土人だぞ』という原住民も存在します。
それより不思議な『青いけもの』ですが、その正体は…地球!いや病んでいる地球が己を守ろうとして生み出した白血球のような分身で、『深い青の毛皮に白い雲の模様』はそのまま宇宙から見た地球の模様。ロケットから撮影した地球の全景写真を見て詩人・谷川俊太郎が言った『地球は青いけもののようだ』という言葉が引用されます。
まぁ今回の表紙画像の帯を取ると普通に英題が『BLUE EARTH』になっているので、分かるんですけどね。後にこれを原作とした話がアニメ「サイボーグ009」のエピソードとして登場しました。

最後まで自然の偉大さと共にいかに人間が愚行を犯しているか、食物連鎖についてなど啓蒙する作品であり、環境保護活動家達が教科書として使えそうなほど立派な内容でした。

それとこの単行本にはもう1編、代表作「佐武と市捕物控」の1エピソードで1967年の少年サンデー増刊(小学館刊)で描かれた短編「シャマイクル」が収録されています!
佐武はえたいのしれない病気にかかっているそうで市しか登場したいのですが、同じめくらの魔犬と対決する…泣ける話でした。


…そうなのだ
進化のしかたはちがっていても…
トカゲも馬も鳥も、クジラも そしてヒトも
もともとは同じ"モノ"だったのだ
ワレワレ生物は みんな兄弟なのだ…地球家族なのだ!!



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  1. 2013/05/30(木) 23:00:00|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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