大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

トキワ荘(62) 石森章太郎 51 「草壁署迷宮課おみやさん」

石森章太郎作品、「草壁署迷宮課おみやさん」(小学館刊)。
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初出は1981年から1983年のビッグコミックで、単行本はビッグコミックスで全4巻です。
その名の通り刑事モノで、一切の荒唐無稽さを排したリアル路線の大人向け作品なので石森章太郎(石ノ森章太郎)作品としては地味な部類ですが、これも映像化されたうちの一つ。
テレビドラマは1980年代から現在まで続くシリーズなので、こちらの方がよほど有名でしょう。主人公の鳥居勘三郎(おみやさん)を演じたのは緒形拳と渡瀬恒彦…原作よりカッコよくなっています。

おみやさんは"草壁署"の資料課、通称『迷宮課』と呼ばれる部署の課長で43歳、さえないオジン。離婚暦があって現在独身、課長とはいえ部下無しの一人仕事をしていたのですが、そこへ配属されてきたのが草壁署署長の娘で21歳のカワイコちゃん、七尾洋子。そこから物語が始まります。
洋子は刑事志望なのに暇なデスクワークの資料課にまわされた事を不満に思いますが、二人で未解決事件を解決するうち、徐々におみやさんに魅かれていく…

おみやさんはとぼけた性格とパッとしない風貌ながら、大勢の刑事達が足を棒にして犯人を追い続けながらも迷宮(おみや)入りとなってしまった事件(やま)を、資料と自身で確立させた『犯罪考古学』から導き出した推理で解決するのだから、考えてみれば物凄い天才。
しかも鳥居家は草壁の名家であり、そこの当主で家政婦の狩野タマと二人暮らし。草壁署の土地も鳥居家の土地なんだから、財力と頭脳を兼ね備えている事にもなります。メタボ体型ながら実は肉体的にも強いし。
かつて犯人の女を撃った後で拳銃なんか持つのが嫌になって資料課に移った事や、別れた元妻の事なんかは回を追うごとに少しずつ分かってきます。

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各巻10話ずつ収録されているので…つまり全40話ある連作で、面白い話もあればつまらない話もある、という所でしょうか。
大人向け作品なのでストレートな性描写もあるし、血まみれな残酷シーンもたまにはあります。単純に推理漫画として楽しんでもいいし、あとは人情モノの要素か。あらゆる生物の中で人間だけが季節を問わずSEXをゲームとして楽しむようになった事や、若者の精神及び肉体構造が古いタイプのオジサンとあまりに違う事を嘆く話も多いですね。

迷宮入りのまま解決しない事件もあるし、あえて解決しない事もあるし…
一応手を変え品を変えで色々なネタを出そうとしている努力は見えるのですが、刑事ドラマとしては良くても漫画としては地味すぎる内容かなー。

最後に気になるのは、おみやさんとヒロインである洋子の関係。
2巻でキスシーンがあるし、洋子は確実におみやさんに魅かれていながらも態度に出せずにいましたが、最終回でついに好きだと告白しました!めでたしめでたし。


……人間ってのは所詮
木に登れなくなった猿なんだ………
動物から 自然からおちこぼれた獣なんだ……!!
……身を守る為の牙を失い、爪を失い 毛を失ってしまった弱い獣!!
しかし 裸の猿は……おのれを生かす為に、
他を殺す術をおぼえた 知恵という武器で。
……そして一番簡単に殺せたのは同族 つまり最も弱い獣 人間だったんだ。



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  1. 2013/06/02(日) 00:03:08|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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