大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

劇画(171) 平田弘史 11 「新首代引受人」

平田弘史作品より、「新首代引受人」(講談社刊)。
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タイトルに『新』とあるのは、もちろん旧「首代引受人」も存在するからであり、1973年のオリジナル作品をリメイクしたのが、この「新首代引受人」
アフタヌーン誌上で1997年に2話、1999年に1話が描かれたのをアフタヌーンKCデラックスでまとめたのですが、『壱』とあるけど『弐』巻以降は今の所描かれていません。

数ある平田弘史作品の中からこれを、しかもオリジナル版を差し置いて紹介したいと思ったわけは、この作品がMacで描かれた実験的なデジタル漫画であるから。
いや普通の漫画家なら紙ではなくコンピューター(タブレット)の画面上で描くのも今では珍しくない事ですが、平田先生ほどの大御所で高齢の、しかも骨太な時代劇を描き続けてきた方が試行錯誤しながらデジタル漫画に挑戦したというのは凄い。

全3話のうち1,2話目は紙と画面、つまりアナログとデジタルの併用で描かれたのですが、3話目の「誇」はついにフルデジタル、紙を1枚も使わずに描いた作品になりまして、製作期間は1年近くかかったそうです。
それがどれだけ成功したか見るべく、新旧の「首代引受人」を読み比べてみたら…個人的にはやはり紙にペンで描かれた旧版の方が圧倒的に好きなのですが。それでそんなに手間がかかるのなら紙に描けばいいと思いますが、単行本に収録されているインタビューを読むと老眼がきつくなったので、拡大が思いのままであるMacは老眼鏡代わりになるのだとか。
むろんデジタルにはデジタルの味わいもあり、今後コンピューターの発展でどのようになるか楽しみでもあります。

お話は、タイトルにある『首代』の説明をしなくてはなりませんが、合戦中に殺されかけた兵隊が命乞いし、敵方の兵隊に金を払う事を約束して手形をかわして助けてもらう事。確かに合戦は組織の戦いであって、個人的に恨みがあるわけではないから勝者もお金になった方が良いのか…戦いの場に出ていて何ですが、話し合いでケリをつける平和的な方法でもあります。
しかし名誉を重んじる武士の事、これは大変な恥であり、無かった事にして払わない者もいますが、そんな輩から首代を回収する事を生業にしているのが首代半四郎
これがまた超人的に強いので、相手が約束を破って金を払わず、むしろ手向かってくるような場合は、首を頂いてしまいます。分厚い鉄板を胴体に巻き、鉄板入りの笠をかぶって暴れ回る半四郎!

首代半四郎の登場によって戸惑い、様々な画策をしたり自滅したりする人々の翻弄ぶりを描いて人生論にもなっている物語が面白いのですが、問題の3話目「誇」では生々しいボケ老人の描写がありまして、部屋で排便してそれを食べようとしたり、鯉を捕まえて生でムシャムシャ食べたり…これは「シグルイ」で岩本虎眼も同様の行為をしていましたが、これが元ネタかもしれませんね。


これはわしの母がくれたものでな いわば守り刀じゃ
これが最後の金目のものじゃがお前にやる
これは腹切るものではないぞ 飢え死にしそうになったら 売って食え
どんな危機 困難が襲っても 自ら死ぬようなことは 絶対するでないぞ
人が殺そうとしたら逃げるがよい 逃げられなければ度胸を据えて殺されるがよい
じたばたうろたえるのは武士の恥じゃ
見える誇りは人が傷付けるが 心の中に持つ自分の誇りは誰も傷付けようがない
その誇りを持って 堂々とやってみよ



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  1. 2013/08/15(木) 23:00:12|
  2. 劇画
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道志村村長選挙です。

道志村村長選挙です。
いつも、ブログを読ませてもらってます。
また、読みに来ます。
道志村村長選挙でした。
  1. 2013/08/16(金) 11:26:01 |
  2. URL |
  3. 道志村村長選挙 #zpiqNwCM
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新潟 上村昌市ですぅ、

新潟 上村昌市です。
今回ブログにコメントさせて頂きました。
次回も楽しみにしています。
新潟 上村昌市でした。
  1. 2013/08/17(土) 13:23:55 |
  2. URL |
  3. 新潟 上村昌市 #IO/CEZkc
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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