大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

月刊漫画ガロ(119) 古屋兎丸 4 「Wsamarus 2001」

古屋兎丸作品、続いては2000年に上梓された「Wsamarus 2001」(イーストプレス刊)。
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全1巻の短編集ですが、画像の右は収録されている「いちばんきれいな水」が映画化した際に付いた帯を巻いたバージョンです。
収録作品はバラエティにとんでいますが、いくつか入っているホラー系の漫画が素晴らしい出来なので、ホラー短編集にしてくれていたら当時の私は嬉しくて小躍りしていたでしょうね。もちろん何でも描ける古屋兎丸先生の事、あえて内容をバラバラにしたのだと思いますが。
それでも当時のパソコン(Windows)にをパロった形式は丸々遊び心満載でユニーク、もちろん持ち味の可愛い女の子とか素晴らしいし、1冊トータルで見て名作でしょう。

素敵なイラストも要所要所で挿入されていますが、漫画の短編だけ見ると、まずは1999年の「サチといった海」
気が強いけど不器用で悲しい16歳の少女プーが、幼なじみのサチの希望に応えて九十九里の中浜までヒッチハイクして行くのですが…まさかの展開が待っています。とても美しい作品。

1998年の「勝手にコラボレ」 、1999年の「ヴィーナスの病」と、得意のパロディギャグ漫画が続きます。
前者はあの大物漫画家達の作品を容赦なく使い、後者も有名アニメや時事ネタを織り交ぜた作品で、他に類を見ないほどレベル高い!

1997年の「本当にあった(中略)怪談」は、『河馬』『走る顔』『異形』『たえこ』の4編オムニバス怪談。
怖い!そして緻密な描き込みしてた初期の絵、画力が凄い!

1999年の「湿地帯」「赤鬼」も、続いて恐怖モノ。
前者は死にかけたヤクザとそれを乗せたタクシーの運転手が、冬の石狩という湿地帯で目撃するモノ!
後者は訳ありの死体処理を多く受ける葬儀屋、"もがみ葬祭"でのバイトを引き受けた少年が受難。これ、怪談要素もあるけど生理的に気持ち悪い部分を突き詰めた類のホラー。タイトルの『赤鬼』というのは膨らんで腐ったと酷い腐乱死体の事です。蛆虫蛆虫…オエッ!
この2編の初出誌はChuッ8月号増刊の恐怖の実話怪談(ワニマガジン社刊)で、
jitsuwa-kaidan.jpg
私の好きな怪談を集めた雑誌で、表紙と巻頭漫画が大越孝太郎先生、同じガロ系の逆柱いみり先生や、大好きな羽生生純先生が参加していて古屋兎丸先生の新作怪談が2話収録されているのだから、嬉しかったですよ。雑誌のサイズはB5判で大きいし、単行本未収録の扉絵もあるし、とにかく今でも大事に持っています。

続いて1996年の「ありす さちこ まりこ」は、3編オムニバスの少女モノ…凄い。

1997年の「Really?」というのは、ななななんと能條純一先生が原作(いや、『迷惑』クレジット)を買って出た作品「何を切る!?」、壮大なおふざけ「万葉の月」の2編。

最後が、1999年の「いちばんきれいな水」
小学生の少女夏美の姉・愛は10歳の頃から難しい名前の病気で8年間眠り続けていたらしい。しかし両親が出かけたある日、心は10歳のままの愛が目覚めて姉妹は初めて会話し、愛が『いちばんきれいな水』のある場所へ連れてってくれるのです。
単行本最初の「サチといった海」と合わせて兎丸先生が生んだ2大胸キュン話ですが、何と加藤ローサの初主演、歌手のカヒミ・カリィさまが女優として初出演という事で話題を呼んで実写映画化されました。
beautiful-water.jpg

他にも細かく4コマや1ページ漫画も収録されていますが、イラストもいっぱい。この頃のお仕事(usamaru Works)を知る上で重要な1冊となっています。
私も当時は古屋兎丸先生が描いているとなればその書籍を取り寄せたりしていたので、初出時からけっこう読んでいるのですが…例えば、
1999年のアックス vol.12(青林工藝舎刊)、ザ・マンガ家列伝(宝島社刊)、
ax-12.jpgmangaka-retsuden.jpg
(前者は兎丸先生のロングインタビュー、後者は巻頭と巻末に単行本未収録のマンガが収録されています)

5人の女性耽美系作家がシャルル・ペロー作品を官能的に描いた1999年の創作童話集「鏡 あるいはオラントの変身 - シャルル・ペロー創作童話集」(竹書房刊)、2000年の園子温監督映画「うつしみ」ポスター、
charles-perrault.jpgutsushimi.jpg
その他にも「Garden」所収の名作「エミちゃん」モノだとか、見覚えのある傑作が多々入っています。

この「Wsamarus 2001」もサイン本でいくつか持っていますが、少女イラスト2冊(微妙に目線が違う)、
FURUYA-wsamarus2001-2.jpg

兎イラスト2冊です。
FURUYA-wsamarus2001-3.jpg


とてもきたないところだけど 下にはいちばんきれいな水が流れていたの
明日はもっといいとこ教えてあげるね
四ツ葉のクローバーがたっくさんみつかるところ



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  1. 2013/09/26(木) 23:00:48|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

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