大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

月刊漫画ガロ(132) 古屋兎丸 17 「ぼくらの☆ひかりクラブ」

古屋兎丸作品、続いては「ぼくらの☆ひかりクラブ」(太田出版刊)。
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今回は何と太田出版のWebサイト、ぽこぽこが初出!大御所や一流漫画家は参加しないイメージのあったウェブコミックで、古屋兎丸先生が新連載するというのは驚いたものでした。
東京グランギニョルの演劇作品を2005年にコミカライズした「ライチ☆光クラブ」は、猟奇とか耽美とか退廃とか、要はゴシック好きみたいな若者達を中心に人気を博して連載終了後も人気を継続させ、舞台や音楽へとメディアミックス展開されていたのですが…その前日譚を、今度は古屋兎丸オリジナルのストーリーで補完して描いた作品。
2011年から翌年にかけて連載され、単行本は上巻が『小学生篇』、下巻が『中学生篇』の全2巻です。

「ライチ☆光クラブ」でもまだ中学生でしかなかった登場人物達なので、その数年前から始まる「ぼくらの☆ひかりクラブ」では小学生。
空は煙で真っ黒で煩いし臭い、光のない工業都市・螢光町で廃工場を秘密基地にして"ひかりクラブ"を作ったタミヤカネダダフの三人。今作では最も耽美と程遠い、元気で活発な普通子・タミヤを主人公として、彼の目線を中心に物語が進んでいきます。

そんな彼らの前に転校生の常川、もう一人の主人公で後にゼラと呼ばれる事になる少年が現れ、彼がクラブを乗っ取っていく過程がここでは丁寧に描かれます。
何故ゼラというあだ名になったか、彼が占い師のマルキド・マルオに『坊ちゃんは30才で世界を手に入れる または14才で死ぬ……』と言われるシーンやその時の状況、薔薇の処刑を知る所、クラブのメンバーがどうやって選ばれ増えていったか、さらにメンバーの本名など、次々と明らかになっていきました。まぁライチ終了から約5年後の事、もちろん後付けではあるのでしょうが。

成長して思春期を迎え、エロ本拾って勃起する少年達なんて微笑ましい場面もありましたが、これがゼラとジャイボの男色へとつながるとは。これがまた、腐女子のBL萌え(ブルース・リーではなくボーイズラブの方)的な描写が多い作品なんです…

上巻の最後にマンガ・エロティクス・エフで掲載された「ライチ☆4コマ劇場」を特別ふろくとして収録し、物語は中学生篇へ。
『東京グランギニョルと丸尾漫画から「価値観の基準」をいただいた。』と語る古屋兎丸先生なので、この作品も丸尾末広先生を抜きには語れるわけがなく、丸尾作品お得意の眼球舐めオマージュから、何と眼球えぐり出しなどを経て…
時系列もすぐに「ライチ☆光クラブ」に追いつきました。

ただしタミヤ視点で描かれる同じ物語なので、ライチの方と比べて読むとまた面白い。
もちろん前日譚なので、まだ「ライチ☆光クラブ」を読んでないという方はラッキーですよ。こちらから読めば、登場人物それぞれを個性まで良く把握出来ます。ライチでの結末を知らない、という事もプラスですね。この後彼らがどうなるのかなんて、知ってしまえば悲しくなりますから…
ラスト近くのひかりクラブ創立メンバーのエピソードから、続く終わらせ方が見事でした。

今夜の最後は、まだ小学生のゼラが小難しい公式みたいなのをノートに書き込みながら母親に語ったセリフ、私はもう笑っちゃいましたが…これでお別れしましょう。


お母さん 人間は同じ人を長くは好きでいられないんだって
これは生物学的問題で 誰のせいでもないんだ
そもそも好きという感情も言い換えれば 遺伝子を残したいという生物学的な欲求の産物であるし 人間的な感情じゃないんだ
では人間的な感情とはなにか?そんなものは幻想にすぎないんだよ
だからお母さん お父さんが悪いわけじゃないよ
人は絶対に裏切るんだよ 生物学上そういう構造になってるんだ



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  1. 2013/11/06(水) 23:00:36|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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