大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

劇画(174) 小池一夫 16 平野仁 2 「青春の尻尾」

小池一夫作、平野仁画による「青春の尻尾」(小学館刊)です。
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「サハラ」「少年の町ZF」といった名作を生み出してる小池一夫平野仁のコンビによる、この作品は男性誌のGOROにて1975年から1978年まで掲載された作品で、単行本は全6巻。

主人公は諸葛亮孔明
となれば普通は絶対に『三国志』モノになるはずなのが、これは何とほぼ関係なし!一応は若き孔明が劉備に付く前のエピソードって事なのでしょうが…いや、これはやはり違う。
他にも少しだけ『三国志』キャラが出るものの物語も直接は関係なくて、一人の男の成長と人生訓を描いた作品。人生訓なんて言うと堅そうですが、いつもの小池ワールドというか、バカエロネタ満載です。

最初の話では、19歳で故郷を出た後6年間の旅をしている若き孔明(冒頭では終無為という名)が仙人を目指す所からスタート。
25歳なのに子供みたいな見た目のため、成人かどうか確かめるために性器を露出させるシーンが度々出てきます(笑)
しかもその持ち物は大きく傘の開いた立派なモノ(怒張、と表現されています)で、女性は喜ばずにはいられない。
そう、人生訓で仙人で立派な諸葛亮孔明なんてイメージでは、どんな美女が裸でいてもエレクチオンしない堅物と思うかもしれませんが、そこはエンターテイメント漫画、血の通った人間が巻き起こすセックス&バイオレンスですよ!

ようやく会えた天上界の者が、
『この男 青春の尻尾をぶら下げておる
 悲しいときには涙し くやしいときには怒り 生きることに情熱を燃やし 友を裏切らず 美にあこがれ 嘘をつかず だまさずに 信ずるものに生命をも賭ける
 成人になれば失うはずのその心を その青春の心を成人になっても失わずに尻尾にしてぶら下げておる』

というわけで何百万人に一人の逸材だと孔明を評するのですが、つまりタイトルの『青春の尻尾』とはそういう物。

そうして仙人になるチャンスを得た孔明、天上界の命令を受けて婦々という660歳の婆さんを殺しに行くのですが…まぁセックスしたり寝てたら放屁で起こされたりブリブリと脱糞している所を見せられたり、何だかんだあった後に孔明は天上界の黒い策略を知り、仙人になど、あんなものにはならない方がいいと結論付けるのでした。

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しかし幽明界に実る桃の実を食ったただ一人の人間となった孔明は、鬼界を支配する者となって水・火・土・風を司る4人の鬼娘達を操る力を得たのでした。その鬼娘を使うには、呼び出した彼女らとセックスして精を膣内に注ぎ込まなければならないという、羨ましいルール!4人の鬼娘はそれぞれ違ったタイプの美しさなので、もうたまりませんね。
性感帯もそれぞれ違うので喜ばせ方も様々なのですが、地を司る土癸なんて、噛んで引っかいてその傷口を石でガリガリやって血を流させないといけない…ハードすぎるSMプレイ。
ちなみに最初に出た水を司る碧姜だけは、他の3人と別格で最愛の妻扱い。

物語は進み、鬼界で太上老君に会ったり呂布と洛陽の都へ行ったり、そこで会った王は裸の女体でベッドとテーブルにしている暴君で、しかもその正体は泥亀の妖怪変化。孔明は鬼娘を呼んで、この世の物ならぬ戦いが繰り広げられ…
怪談みたいな事や、まだまだ不思議な体験を重ねて、成長してゆく孔明。

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紅い雲、紅車雲に取り付かれた男のエピソードでは、何と2ページ使った雲のセックスという漫画史上でも類を見ない描写を楽しめます。
もはや常人にははかりしれない体験をしてきた孔明も、麻肺湯(阿片)で廃人になりかける誇嬌花の家でのエピソード。ここも面白い話なのですが、あえて一つだけ特筆しておきたい所は、ラリってセックス(また!)するシーン。漫画においては男女の性器をハッキリ描いてはいけない決まりごとがあるため、ぼかしてみたりのっぺらぼうにしてみたりしているじゃないですか。それがここでは、男性器をキノコ、女性器を薔薇で描写していました。他の先人達は男性器をオットセイとか、女性器を貝とか、まぁ色々工夫して描いてきたわけですが、だいたい笑ってしまう結果になっていますね。

最終巻ではまず、漢民族への恨みから復讐を誓う三眉。恐ろしい三姉妹でしたが、これもセックスの力で女の性に目覚めさせて(また…)、一件落着。
そして最後の話が孔明をも上回る頭脳の持ち主であり、より世のため後世のために生きる男・張衡という者と出会う。孔明に対して、
『あなたぐらいの年齢で何もできず また目的も見出せない人は なまけもので夢想家で野心家で 常に現実の環境に満足できない不満居士で そういう方は人の役に立つどころか かえって迷惑をかけたり災いを招いたりすることが多いのです 天下を取りたいとか仙人になりたいとかね 見果てぬ夢を追って足に地がつかない人』
とか、
『ほんとうにキミは人間臭いねえ 人間そのものだよ 低俗の部類に入る人間の代表 すぐにカッとなる人間 喜怒哀楽のはげしい人間は 主義主張を持ってない人間だ 断固たる信念もない だから他人に何か言われるとすぐに揺れ動く』
とまで言い放ちます。しかもこれが全部図星だから凄いのですが、こう言ってムキにさせるのも考えあっての事でした。そんな張衡の目的とは!?
そして、彼に得るものがあった孔明はまた成長し、目標を新たに誓うのでした…

という所で物語は完結。三国志的に見れば本編はこれからとも言える部分なのですが、今作では孔明が歴史に登場する前の話を描きたかったのでしょう。
三国志好きにもアピールするなりして(それはこんなの孔明じゃないと嫌われるかもしれませんが)、とにかくもっと広く読まれて欲しい作品でした。


人間の世のことは 人間が為すべきこと
悪しくするも 良くするも 滅び去るも これ全て人間の責任なのじゃ
そうでのうては 人間としての存在価値はあるまいが



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  1. 2013/11/17(日) 23:00:20|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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