大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

劇画(176) 真崎守 3 「キバの紋章」

今夜は真崎守先生(正確には、この時は真崎・守名義ですが)の「キバの紋章」(朝日ソノラマ刊)。
MASAKI-kibamon.jpg

真崎守先生といえばこんなにカッコいい上に抒情的な作品を描いているのに、現在では漫画マニアしかしらない的な存在になっている事に憤慨したくもなるわけですが、今作は超メジャー誌…
週刊少年マガジンにて1971年の半年ほどかけて連載した物で、単行本はサンコミックスで全2巻(前後編)。
掲載誌と時期を見たら分かるように、「あしたのジョー」の掲載期間中(細かく言えば頭の部分はジョーが休載していましたが)なので相当に世間の注目も集めていた所に載ったのですよね。その理由もあるのか、真崎守作品の中では有名所。

そんな「キバの紋章」の、主人公はスキンヘッドの高校生キバ狂児。父親は死刑囚、母親は自殺者…
彼がオートバイのエンジンを点けると、その音はまるで獣の悲鳴!
狂児が家に帰ると親戚たちが待っていますが、それは孤児となった狂児に残された数億の財産を狙った行動であると見抜き、自分の遺影も用意して『こいつにもお線香をあげてやってください』と言って彼らと縁を切る。
霊前に現れたかぐら獅子。この謎の男と殴り合いをした後に行動を共にするようになるのですが、彼が狂児の体にはべったりと『キバの紋章』が張り付いていると見抜き、それが狂児のあだ名になる。略してキバ紋

財産狙いの親戚の中に通り名をムカデというヤクザもいて、そこに乗り込んだキバ紋は手下のマムシ…ヨダレたらしながら鞭を使う気狂い系に襲われますが、返り討ちにする。
いづみという刺客でありヒロイン的なキャラの事や諸々あって、キバ紋は何かをつかむため自ら『闇しばり』の拷問を受ける事にします。この闇しばりが70年代劇画好きにはかなり有名で語り草にもなっているのですが、一ヶ月間も無音の闇の中に閉じ込められて生活する、というもの。何も見えず聞こえず、昼も夜もなく日数も分からない中で過ごす一ヶ月間に耐え切ったキバ紋でしたが、光の下に出ると全てが一転しているのでした!
かぐら獅子やいずみなんて男は存在しないし、ムカデもマムシも別人のようになっててて乗り込んだ事なんかも無かったらしい。キバ紋は頭が狂っているのか、それとも!?

これもキバ紋が頭のイカれた禁治産者という事に仕立て上げ、財産を取る作戦に変更したムカデの陰謀だと見抜いた、と思いきやクライマックスにはさらなる…衝撃のどんでん返しが待っていました!
ええまぁ…書いちゃうと、実はムカデらの親戚が自分の方が狂っていたオチなんですよね。これは本当に必見なので確かめて欲しいのですが、こんなのありかって、実験性溢れるコマ割りや絵の素晴らしさ以上に物語でやられましたよ。

そもそも主人公であるキバ紋の目的は財産を守る事だったのか?それは違うみたいで…でも、結局よく分からないままなんですよね。ただただ熱く闘うだけで物語が進んでいましたが、読者が絶対に予想しなかった結末になるのですが、伏線もクソもないし真崎守先生が突然思いついてやっちゃった事じゃないですかね。

狂児を心配して見守る役柄として、行きつけの喫茶店"COFFEE DON"には一人娘のユキがいるのですが、彼女がヒロインなのかと思ったら途中で使い道が無くなったかのように本筋には関わってきませんでした。
しかしこの店、真崎守作品らしい事に浅川マキの曲が流れています。1枚目のアルバム「浅川マキの世界」LPジャケットが見えて、「淋しさには名前がない」が流れていたりするんですよ。
物語が破綻しているとかは関係ないだろ、とにかく驚かせる物を見せてやるから付いてこいと、これがこの作者のエネルギー!


人間 だれでも 生きていくために牙をもっとる ドスがわいの牙やった・・・
そのワイに あんたは素手でむかってきよった
むちゃなやつやと思うたが そやなかった
牙をもっとったんや あんたは生まれながらに牙をもっとった



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  1. 2013/11/23(土) 23:59:31|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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