大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

月刊漫画ガロ(139) ねこぢる 8 「ねこぢるせんべい」

ねこぢる作品より、「ねこぢるせんべい」(集英社刊)です。
NEKODIRU-nekodiru-senbei1.jpg

ねこぢる先生は小説誌である小説すばるでも漫画の連載をしていましたが、それを集めたのがこの作品。これも死の直後に出版された1冊です。

内容は猫の一家、といっても動物が言葉を話して人間のように生活している御伽噺の世界ですが、主人公の姉弟がにゃーこにゃっ太で、彼らは成長した人間より純粋なままの心を持つがゆえに残酷な事が起こり、それをグロ可愛い絵で正直に描かれる…と、まぁ「ねこぢるうどん」でおなじみの世界です。
いつものように一話完結型の短編で続きますが、掲載誌が小説すばるだったので一つ一つが短い。

これもいつもの事ではありますが、ストレートに描かれる差別描写が凄いですね。豚は猫より下等で、必ずイジメられたり酷い目に遭ったりする…
あとは良識ぶって『とにかく差別は絶対いけない』とかのたまう分かってない輩も酷い目に遭いますね。
これはワンパターンと言えばそうなのですが、逆にいつまでも引っ張って続けられる世界だと思うので、この手のネタで描き続けてスタンダードに持っていけたら、日本はいくらかマシになっていたかもしれません。
作品を読めばねこぢる先生の急逝がどれだけ惜しい事だったか、改めて思うのです。

もちろん父親はアル中ながら力の象徴として描かれるにゃん五郎。この本で『岩手県わらぶき郡』出身である事、そして「ねこぢるうどん」などでは出てこなかったにゃん五郎という名前も、今作のここで初めて分かったのでした。
にゃっ太はにゃーこと違ってまだ言葉が話せない設定ですが、今作に収録の「バカの巻」で何と!見ていたテレビの影響で少しだけ喋れるようになりました。それが『バーカ バーカ ブァーカ』だけなので、周囲の人々を怒らせてしまうのですが。ちなみにバカしか言えなくて怒られる話は、ねこぢる先生の幼少時代の実話だそうです。
一番長い「ねこざる戦争」では猫族と猿族の対立関係が描かれるのですが、殺した敵を食っちゃったり、しまいには種族一掃させるべく動く…可愛い絵柄で殺伐とした世界。
友達としてサブキャラがけっこう出てきますが、動物姿の友達は必ず男の子で、人間姿の友達は必ず女の子なんですよね。なんでだろう。

最終章である「にゃーことにゃっ太の夏休み」は、ねこぢる先生が前編のみ描いて逝ってしまったため、後編を夫の山野一先生が描き次いで完結させています。
元々共作の部分が多いので、その後半も絵柄はそのままですが、ねこぢる作品はセリフが描き文字なので…やはりそこはフォントになっていました。
続いてあとがき、「バイオレント・リラクゼーション」も山野一先生が書いているのですが、これが著者本人についてや作品の『懐かしさ』についてを書いた名文なので、必読でしょう。

「ねこぢるせんべい」も他のほとんどの作品と同様に文庫化していて、これは2002年に集英社文庫から上梓されました。
NEKODIRU-nekodiru-senbei2.jpg


にゃんだー?
人間てバカみたいだにゃ



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  1. 2013/12/31(火) 23:59:35|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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