大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

月刊漫画ガロ(141) ねこぢる 10 「ねこぢる純粋理性批判」、その他

1998年5月、ねこぢる先生31歳のあまりにも急な夭逝後…
日本中でねこぢるロス症候群が蔓延したわけですが、それを埋めるべくねこぢるグッズが販売され、まだ単行本化していなかった作品は次々と本になり、未収録作品も尽きた頃にはこんな本も出ました。
パ-トナーだった山野一先生の協力も得た『ねこぢる追悼×公式ガイドブック』の本、「ねこぢる純粋理性批判」(祥伝社刊)。
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ねこぢる研究会・編による、一時期ブームとなっていた『謎本』と呼ばれる考察本の類ですが、これは多くの謎本が版権元からの許諾なしの非公式本だったのと違って公式ガイドブックであり、そのため原作の図版を引用しまくっています。
様々な作品の解析に関しては…まぁねこぢる作品を普通に全部読んでいる読者にとっては、これで新たに理解する事が深まる事なんかないと思います。作品全体でどれだけ浮浪者が出てくるとか、どれだけ死んでいるとか、いちいちカウントしているのはさすがに普通の人はやってないと思いますが、でもその情報必要かと言われるとどうでもいい事だし。

ただし凄いのは、巻頭に『ねこぢるy』名義になった山野一先生の描き下ろしオールカラー短編「marble」が掲載されている事!
大人になったにゃっ太でしょうか…ある部屋にいる猫のキャラクターがバーボンを『呼び寄せて』、それを呑んで。そして、その部屋とは!?
凄い壮大感のあるラストながら絶対に一般受けしない内容で、しかしこの8ページの作品に山野一先生の失った妻に対する想いが込められている…のかも。必見でしょう。
あと、夫妻が飼っていた愛猫にゃんすけの写真が見れるのも、この本だけだと思います。

あとがきによると、この本を作るのに快く協力してくれた山野一先生ですが、インタビューになけは応じてくれなかったといいます。それが私生活を明かすことを極端に嫌がっていた妻を大切に思っているからだろうとか何とかあるのですが…
この出版から約1年半後に『特集ねこぢる。』を行った雑誌「2000SUMMER 文藝bungei」(河出書房新社刊)、
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ここで『ねこぢる/ねこぢるy(山野一)さん、にまつわる50の質問』という事で生前のねこぢる先生について山野先生が答えまくる貴重なインタビューがありました。月日が経って心境の変化があったのでしょうか。
この誌上では、他に山登敬之氏によるねこぢる作品分析、大西洋平氏によるねこぢる作品ガイド、そして『総力アンケート・ねこぢるの魅力はなんですか?』で、松尾スズキ、香山リカ、村崎百郎、根本敬、柳下毅一郎…等々の錚々たるメンバーが答えています。

他にも商品化された、ねこぢるグッズも少し紹介しましょう。例えば私はねこ神さま置時計を使っていたし、ぬいぐるみやストラップの類もいくつも持っていましたが、それらは細かいのでパスして…
これは「ねこぢるうどん」紹介の時にやれば良かったのかもしれませんが、同作品のデジタル版が書籍化されています。
こちらは月刊ガロ1996年10月号別冊として発売された、「デジタルガロ叢書VOL.1 ねこぢるうどん」>(青林堂刊)。
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ガロはこの時、デジタル化の試みを頑張ってましたからね…これも定価1,980円と、値が張るのがネックでしたが。
内容は、紙のページ部分に同作品の「かたつむりの巻」「ねこさいばんの巻」、そして『特集ねこぢる』が行われたガロの1992年6月号で掲載された記事からインタビューや、有名人のコメント、ねこぢる先生に捧げる作品などが再録されています。
しかしこの本の場合はそれよりCD-ROM(ソフトウェア)がメインで、CD-ROMのインストールや起動方法について長くページを割いています。で、ようやく見れるはずのCD-ROMの内容は…「ねこぢるうどん」の5作品を、CGでオリジナル映像作って音楽入れてムービー化した作品みたいです。
あとはねこぢる絵はがきの製作ツールも入っているというのですが、私はこれ見てません。確か当時は自分のパソコン持ってなかったし、買った頃にはもうこのソフト古過ぎてパソコンが対応してなかったと思います。

その後、1997年に「ねこぢるうどん 完璧版」(大和堂刊)なんてのも出ました。
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こちらは箱の中はCD-ROMと薄いマニュアルの紙だけ、という商品。定価が税抜きで3,800円もするし、これも当時の私は観れなかった…
こちらは「ねこぢるうどん」からデジタルガロ叢書VOL.1のに2作を加えて全7話、72分もの3Dオリジナル・ムービーが収録されているようですが、パッケージで見るにCGのレベルが低すぎてきつそう。時代が時代だし、小さな企業が作ったCGとしては仕方ないと思いますが。あと3Dスクリーンセーバーも収録しているようです。

これらのCD-ROM製品が多少は売り上げが良かったのか、さらにその後は同じ大和堂から「ねこぢるうどん2」「ねこぢるうどんスクリーンセーバー」「ねこぢるシール工房」等々、パソコンが必要かつ高額な商品が次々と発売されました。

で、次に紹介するのはこちら1999年の「ねこぢる劇場 ぢるぢるORIGINAL」
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何とテレビ朝日系の「爆笑問題のボスキャラ王」という番組内になりますが毒の強いねこぢる作品は短編アニメの形でテレビ放送されていた事もありまして、それがこのねこぢる劇場。
にゃーこの声を上原さくらちゃんがやって23話が放送されたのですが、それに4話の未放送分を加えてビデオソフト化したものです。基本的に原作に忠実ですが、ねこぢるy先生からの推薦コメントにあるように『すごい三大特ちょー』として、『うごく・ゆかい・こえがでる』があるそうです。

ビデオケースがシースルーになっていて、ジャケットの裏側にねこぢるy先生の描き下ろしピンナップが見えるのもポイント高いですね!
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この作品は、後にDVD化もしています。

それから2001年のオリジナル・ビデオ・アニメーション(OVA)、「ねこぢる草」
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「ねこぢる劇場」とは無関係の作品で…そう、同じねこぢる作品を原作としたアニメでありながらここまで製作者の志が違うかってのがこれ。
モチーフは「ねこぢるうどん」からきてますが、再現するのが目的でなくアニメ独自の形に昇華させています。何と声優のセリフ無しでアート・アニメーション的なシュール作品に仕上がっているのですね。ねこぢる原作のトリップ描写に優れていた部分に注目した作りなのでしょうか。

この作品の佐藤竜雄監督は、『特集 ねこぢるy 2001』のガロ2001年1月号でインタビューされていました。手使海ユトロ氏による音楽はサウンドトラックとしてCD化もされています。
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とにかく、死後も衰える事無く様々な形で人々に影響を与え続けているねこぢる作品は…今後も、後世に残していきたいですね。



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  1. 2014/01/12(日) 23:00:04|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

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