大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

楳図かずお(40) 「漂流教室」

楳図かずお先生の「漂流教室」(小学館刊)。
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天才とか神とか何とか偉人を褒め称える言葉は数あれども、そんなそこら辺の言葉では当てはまらない、とにかく他に類を見ない唯一無二の超絶漫画家が楳図かずお先生であり、その生んできた多くの傑作の中でも、さらに頭一つ高い位置にある代表作…それが「漂流教室」。どれだけ凄いかはもう、読んでもらえば誰にでも分かります。
初出時の連載は週刊少年サンデーで1972年から1974年まで、オリジナル単行本は少年サンデーコミックス(SSC)で全11巻!

ある小学校が突如消失して別次元へ移動、その荒れ果てた砂漠に囲まれる過酷な環境下で小学生達が外敵と戦ったり児童同士で争ったりしながらサバイバルしていく…というのが大筋。
まずはご存知の魅力溢れる楳図かずお絵に、これまでの長いキャリアで描き続けてきた人間心理とスプラッター的な部分も含んだ恐怖、そして他の作品では見られないくらい練り上げられたシナリオで、母子の愛や環境問題までも描く。週刊連載で描いてきた事も思えば、これは完璧すぎるでしょう。

もちろん私は10代の頃から衝撃を受けながら何度も何度も読んできている作品ですが、その当初は物凄く面白すぎる冒険活劇、くらいに思っていたんですよね。それが30代も半ばを過ぎて涙もろくなった現在読み返すと、これはもう泣けて泣けてしょうがない愛の物語だと認識しています。内容はもうとっくに知っているだけに来るぞ来るぞ、このページをめくると…ウワーン(泣)て感じでポロポロ涙を流すわけです。
10代後半であんなにショック度高い面白さだったのだから、サンデー連載時に小学生とかのリアルタイム読者だったらどうだったのだろう。いや、絶対好きにはなっていたでしょうが、その歳ではこの作品の深さに気付けなかったかもしれない。

もうちょっと細かくストーリーを追ってみましょう。
主人公は"大和小学校"の6年3組、やんちゃで勉強よりスポーツが得意な高松翔。ある日、母親と大喧嘩して二度と帰ってこないと宣言して学校へ向かうのですが、それが本当の事になろうとは…この冒頭シーンで親離れ、自立の時期をあらわしているのだと思います。
そして謎の大地震が起き、それが終息すると小学校(校舎+校庭、その周囲含む)は見知らぬどこかへ飛ばされてしまいました。タネを明かせば荒廃し、人類が滅びようとしている未来の世界に送られているのです(一方で元いた世界では大和小学校周辺だけがポッカリ消えて穴ぼこになっています)。
この事実の科学的説明だとか意味、解釈といった所は作中で徐々に出てきますが、それはまぁいいでしょう。とにかく小学生達が、厳しい生存競争の場にさらされた、と。

学校の外は荒れ果てた砂漠で、食べ物もない。早速パニックになる児童達を、最初はたよりになる大人、つまり教師達が鎮めるのですが、上級生には理性のめばえがあるし1,2年生は何も知らない、一番難しい学年は3年生なんだとかで、いきなり児童達が女教師を縛り上げ、ハサミで黙らせたりしていますよ!
もう最初から、楳図かずお先生は『子供達は皆天使だ』みたいな絵空事を描こうとはしていません。

そんな世界に行ってしまった事を認識したら、まず真っ先に問題になるのは食料の確保でしょう。
急いで給食室に行ってみると、そこは一人の大人が占拠していて近づく者を攻撃してくるのでした。その大人は…学校給食の納入を生業にしていたパン屋のオヤジ、関谷久作
給食を卸しに来てこのタイムスリップに巻き込まれるのですが、自分一人だけ助かるために食料を独占し、手を出そうとする者は残忍にも武力で排除。体の大きい大人なので小学生など敵ではないし、先生方に対しては灯油をまいて引火するクレイジーっぷりです。
ガキ共の中で王様のように振る舞って『うじむしめが!!』とか言って平気でぶん殴ってるのに、ついに捕まったとみるや瞬時に『ゆるしてくださいっ!!』と泣き落としに移れる性格で…嫌な奴過ぎて楳図キャラとしては最高。今作で一番ハッキリとした悪役です!
ちなみに、一度は捕獲されたもののまた狡猾にガキを騙して抜け出すとまた支配者になろうとするし、まぁ何度も小学生の足を引っ張るのですが、ある時は女生徒を周りに集めて料理作らせたり歌わせたりのわがまま放題やってました。その状況…ええ、関谷がロリコンじゃなかった事だけは本当に助かりました。

ところで今作は香港中文版のも入手しているのですが、これは日本では出なかったA5サイズと大きめなのが有難い。
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ただし翻訳に問題が!
ご存知の通り、楳図かずお先生は手描きのセリフや擬音語にまで刺付きだったり毛が生えてたりして恐怖を演出してきたじゃないですか。
これは関谷初登場の直前、パンを拾おうとした子供の手が攻撃される見開きページから始まる叫び声ですが、
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香港の中文翻訳版の同じ場面では、この通りで…はい、描き文字までは再現しようとしていません。
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さて一旦は関谷を閉じ込めた小学生達ですが、次は一番頼りになるはずの数少ない大人、教師達が暴走します。
異常な状況に陥り、常識の矛盾に耐え切れなくなると狂ったり自殺したり、無事だった教師も翔の担任教師、若原先生が殺人鬼と化して全員殺してしまいました。さらに生徒達をも次々と手にかけ、次はいよいよ翔、そして同行していた5年生の西あゆみが殺されそうに追い込まれた時、最初の奇跡が…
何と現代でずっと翔を心配して狂わんばかりにしている母親の高松恵美子と、声の通信が成されるのです!!

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しかし翔の声は母以外の誰にも聞こえない…母は声を追ってネグリジェのまま家を飛び出し、その出所が"ホテルケイヨー"である事を突き止めると、声がする部屋に飛び込むのです。
位置は特定出来ましたが、それは現代の部屋。紳士と白人の妻(か愛人か知りませんが)が泊まる部屋に飛び込んで、白人女に
『モシモシ キテクラサイ!! キチガイデスッ!!』
と従業員を呼ばれるのでした。
それでも後日、母は変装して客としてその部屋に入り込み、壁に埋めこんだナイフを未来の翔に届けて窮地を救うのでした。
ちなみに翔には父親もいますが存在感は薄く、名前も出てきません。妻を心配し、いつまでも息子を考え続けて普通の目では暴走しているような姿を見ても少なくとも邪魔はしないので良しとしますか。

一命を取り留めた翔ですが、これで教師は全員亡くなってしまい最後の大人は敵である関谷久作だけという状況…
ここからが、小学生が自分で全てやらなくてはいけない本当の物語の始まりとも言えるでしょう。
実際に一難去ってまた一難、ずーっと災厄が襲い掛かってくるのですが、まずは小学校に戻った翔と西あゆみが目にした物は、1~3年の児童達がある6年生をはりつけにして火炙り処刑しようとしている所!それもくだらないデマの迷信が原因で。
続いては巨大な怪虫の出現!これははるかな未来世界の設定なので、現代では想像も付かない存在が出てくるのも有りです。
こいつから最初に襲われた少年達の心理模様がリアルで、逃走時に生存本能を描いています。関谷だけじゃない、人間は子供でも自分だけが助かりたいと思うのが普通なのだ…と。3.11の大震災で原発の事故が起こり、あの後遠く離れたここ東京でも次々と『自分だけは助かりたい!』と言わんばかりにもっと遠くへと逃げて行った人々を見てポカーンとなった方も多いのではないかと思いますが、私は「漂流教室」を読んでいたので事前に覚悟は出来てました。生命の危機とかで不安をあおられると、よく分からない情報とかデマもすぐ鵜呑みにして人は引越しまでする!

ちょっと話がズレましたが、この巨大な怪虫編は重要でけっこう長い。小学生達が武器を作って必死で戦い、作中随一の勇敢さを持つ池垣くんは果敢に挑むも、体はバラバラ内蔵はみでる無残な死体になってしまいました…
さらにようやく分かってきた怪虫の正体、こいつは存在自体がかなりスピリチュアルな物であり、予想外の解決を迎えます。
また同時に学校では女番長が台頭してきたのがきっかけですが、5年生でIQ230の天才児ながら10円ハゲで愛嬌ある見た目の我猛曰く、今後の大和小学校は学校という概念を捨てて国という見方をする必要がある、と。そこで政治が必要になり、選挙で翔が総理大臣に選ばれるのです!
総理大臣といっても皆が言う事を聞いてくれるわけじゃないし、ずっとそのリーダーシップの邪魔をする奴もいるのですが、それも現実の政治と同じでしょうか。
我猛は女番長より翔が総理に向いている理由として、
『女の人は基本的に子供をうんでそだてるようにできているから、近視的な視野でものごとをはんだんします。それに理論が感情に転化しやすいのです。だから、大局的なはんだんで失敗する恐れがあります。』
と言うのですが、これまたフェミニストに抗議されそうな理論ですよね…

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ついに消滅した巨大な怪虫ですが、次はおびただしい数の怪虫の子どもが現れて小学生達を食い殺していきます。これは、ある悲しい解決方法で今度こそ怪虫編終了。

その次は実在する病気の脅威、ペストです!この恐ろしい伝染病が未来の世界で流行り、するとまた…死に至る病気の恐怖は当然ですが、もっと怖い、パニックになった者達による人狩りが起こるんですよね。
大和小学校内で壮絶な殺し合いを経て、内紛が収まったものの翔を含め主要メンバーほぼ全員の体に黒い斑点が浮かんで、もう全滅するしかないかと思われたその時!またも時間を越えた母子の愛ですよ。翔が思わず母に助けを求める叫びをするのですが、その声が何と『現在』にいる母に届くのです。
翔は死んでなんかいないと、大和小に建てられた慰霊碑の花をメチャクチャにし、他の母親に暴力を振るって狂人扱いされている母に、帰宅したらテレビから自分だけに聞こえる翔の叫びが届き、窮地にある彼らにペストのクスリ(ストレプトマイシン)を届けるべく奔走します。薬局で詰め寄る母は
『きちがいだっ、は、早く追い出してくれっ!!』
と追い出され、道行く人々にもきちがい扱いされますが、極めつけはある理由から試合中のプロ野球会場へ降りて走るランナーの道をふさぐ暴挙!ここで
『きちがいっ!!ひっつかまえて、殺してしまえっ!!』
とファン達に殺されかけるまでいきます。
それから自分の腕を包丁で切りつけて目当ての病院に潜り込み、クスリを未来にも存在する『ある入れ物』に入れる事に成功するのですが、このきちがい扱いされ続けながら、自分だけは信じて翔のために動く母のひたむきさよ!

翔の母のおかげで、ペスト騒動が収まった大和小学校。生徒の数が半数ほどに減ってしまいましたが…
雨乞いの効果があったのか未来に行ってから初めての雨が降ると、喜んだのも束の間に土石流が襲ってきました。せっかく植えた植物がメチャクチャになってはまずいと、ヒロインの咲っぺこと川田咲子らが校門に人壁を作って体で守るシーンも小さい話ながら壮絶。水の勢いで少女達の腕がちぎれ、首が飛びます!!

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ところで子供の時って、本当に闇が怖かったじゃないですか。漂流してきた大和小学校は1年生からの幼い子達もいるので、あの時の気持ちを思い出す怖がり様を見せてくれますが、どこにでも頭の良い者がいるもので…
自転車を連結させて発電を成功させ、夜でもライトが付くようになりました。

ちょっと良い事があると、また災厄が降り注いでくるのもこの作品の特徴ですが、次はばけものキノコ。気味の悪いキノコが生えまくって、それを食べる食べないの話から呪いの教団の出現。「漂流教室」は楳図作品の集大成なので今まで描いてきた様々な世界が出てくるのですが、このエピソードはほとんどモンスター物、メタモルフォーゼ物。元々小学校が未来に飛ぶなんてSF設定の今作においてすら、ここはやりすぎ感があって引いてしまう読者がいる事を想像出来ます。
しかし出てくる『未来人類』は重要。人類の突然変異したものというその姿もいかれ過ぎててぶっ飛ぶし、ここで人類の滅亡の記録を見れて、翔達がいるだいたいの時代を予測する事が出来ます。元々、日食が次の起こるあたりだとかのヒントはあったのですけどね。
作中通して環境汚染の問題は言われていますが、やはりそれが滅亡の原因ですか…?!

そして翔達が火山活動に襲われるピンチで、前に2回助けてもらった時にように母に助けてもらうべく叫ぶのですが、今回はまるで通じない。徐々に分かってきますが、母と通信出来る時は必ず意識を無くしている西あゆみの存在があり、彼女が通信を媒介していたのですね。

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未来オニヒトデなんてのも出てきて、あの未来人類はこんな気味の悪い巨大生物の生き血をすすっていたり、さらには名も知らぬ巨大な生物が出てきて、物凄い遠くから伸びてる口で未来人類も未来オニヒトデも捕食するのですが、こいつは恐らく未来の生態系の頂点。姿を見せただけでこれ以上は大和小学校の子供達と関わらなくて安心しました。もはや、戦えるレベルの生物じゃないですからね!

伝染病や自然の驚異に、未知の生物との戦いなどが描かれてきた「漂流教室」ですが、悪い大人や度重なる内紛など、人間も怖かった…しかし、最大の恐怖はやはり飢餓です。
大和小学校が未来に飛ばされて数週間でしょうか、こんな荒れ果てた大地で生活しているのに、もう食べ物は尽きてしまいました。
そして最初から出ていて、翔と同じ6年3組で同等の実力者ながら翔の反対の立場を取る事が多かった大友との決裂!もう少なくなった大和小学校の生き残りは、高松派と大友派とに分かれて拠点も新校舎と旧校舎とで分かれて対立し、それがエスカレートし…
ついに常に理性を保っていた翔も、対立する生徒を殺してしまいました!主人公だけは手を汚さないなんて事は許されない!
『ぼく人殺しをしてしまったんだ!もうおかあさんの所へは帰れない!!』
とショックを受ける翔。あれ、既に若原先生を殺してるよね、という突っ込みは抜きにしといてください。

さらにこんな時に盲腸の痛みが始まった翔。学校で緊急手術をする事になり、医師志望だった同じクラスの瀬柳が何とカッターナイフで!麻酔抜きで!手術するのです。何百人も人が死んでるこの作品ですが、こういうリアリティのある描写は痛い…盲腸が見えないからと翔の腹を素手でグッと開いたり!
ちなみにこの瀬柳くん。伏線として1巻の授業中の光景で医師になりたいって事は語っていたのですが、その時は苗字が『保谷』でした。何と作者の名前間違い。しかし近年になって修正されて、現在刊行されている単行本では瀬柳に統一されています。
この時に将来は看護婦になりたかった杉山恵子も助手として大活躍しますが、手術後の二人がようやく名乗りあってガッチリ握手する様は、私の大好きなアメリカ映画「十二人の怒れる男」が元ネタかな?同じように感動的です。
もっと直接の影響を与えているのはジュール・ヴェルヌの「十五少年漂流記」とかウィリアム・ゴールディングの「蠅の王」といった小説でしょうけどね。

それから毒のスモッグが襲ってきて、ついには校舎を出て行かざるをえなくなった大和小学校の生き残り。
富士山の方へ向かい、長い地割れなどの障害物を乗り越えて将来出来るらしい"富士大レジャーランド"へ。ほとんど何も無くなっている未来が舞台のこの作品では珍しい、人口の建築物です。
もうクライマックス近くですね。高松派と大友派の対立は、もう飢餓の極地で殺し合い食い物の奪い合い、そして…出ました、殺人は当たり前の世界でもさらに深いタブー、人肉食(カニバリズム)。大友派は死んだ生徒の死体を盗んで行き、それを焼いて食ってしまいました!!
『気違いめっ、人の肉を食ったなっ!!』
そう言って攻める翔と、人食い大友はガチで殺しあい…

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翔はもう一度、始まりの場所である大和小学校へ皆をおびき寄せて最後の思いつき、『現在』に帰る方法を試すのです。
他の皆の怒りを買って殺されかけた翔、それを土壇場で止めてある告白をする大友。やはり矢吹丈みたいな髪型は伊達じゃなかった!二人は友情を取り戻して、生き残りの全員と現在に生きている人達にも協力してもらって最後に挑戦する事とは!?

最後の最後でこの作品では薄かった恋愛の要素も出てきますが、問題は彼らは現在に帰れるのかという事。ここは古い作品とはいえこれから読む人のために少し濁しておこうと思いますが、最年少の3歳児でこの漂流に巻き込まれたユウちゃん、本名小野田勇一。可愛い彼は作中ワガママを言う事もあれど本当に頑張ってお兄さん達に付いてきました。
とりあえず彼が現在に帰還する事を書いておきましょう。帰還…帰還兵…そしてその苗字、小野田。もちろんモデルが分かりましたね。大東亜戦争でフィリピン・ルバング島に行って戦争終結から29年目に帰国した、あの真の軍人・小野田寛郎元陸軍少尉です。その小野田さんも先月、平成26年1月16日に亡くなってしまいました。

それから1巻で大和小学校校長が暴漢に襲われた事を語ってましたが、その伏線が最終巻で回収されたり、失礼ながら楳図かずお作品とは思えないほど上手くまとまった翔らの成長物語!絶望的と言える展開が続きながらも最後に希望を残す所が素晴らしくて、まぁ私は最終巻を読んで涙が出ない事がないほどです。
また本作が、同様に人類の罪業とか終末のイメージが付きまとうあのジョージ秋山先生の「ザ・ムーン」と同時期に同誌で連載されていたというのは驚きに値します。1980年代初頭から、現在に至るもすっかりラブコメが主流みたいなイメージのある少年サンデーも、この時代はそうだったのです。

もちろん「漂流教室」はここで完璧な終わり方をしていますが、一応ずっと後の「14歳」を、楳図先生自身が続編だと仰っていました。「14歳」では翔らの住む地球が砂漠と化すのは何故かを描きたかったらしいのですね。
現在に帰還したユウちゃんはそんな未来にならないように頑張る事を宣言しているのですが、後に再発された小学館スーパー・ビジュアル・コミックス版のあとがきで楳図先生自身が未来はやはり変わらないというような事を書いているのが意味深ですが、確かにそうだろうとも思えます。ただしどんなに過酷な環境でも、翔たちは生き残る。それはもう彼らの成長や精神力を見て確信しています。

この長編の最後を〆る11巻の巻末には、同じ週刊少年サンデーで1975年に読み切りとして掲載された「ねがい」が収録されていて、これまた男子小学生の孤独な気持ちを表現した名作。楳図先生が短編の名手でもある事を再確認させてくれるのでした。


ぼくたちは選ばれた人間なんだ!!
世界では何かが起きた!そしてみんなめちゃくちゃになってしまった!!
そして、生きているのはぼくたちだけだ!!
ぼくたちは、何かの手により、未来にまかれた種なのだっ!!



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  1. 2014/02/05(水) 23:59:46|
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Author:BRUCE
BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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