大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

楳図かずお(46) 「妄想の花園 単行本未収録作品集」

楳図かずお先生の「妄想の花園 単行本未収録作品集」(小学館刊)。
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今回は3冊が収納されているBOXセット本であり、その函の窓から楳図かずお先生の右目が覗ける趣向になっているため、このように並べてみました。

タイトルの通り単行本未収録だった作品を集めた函入りの豪華な企画本で、定価3675円という事もあり熱心なファンしか買わなそうなのが惜しい感じはしますが、2001年の発行なので後に小学館クリエイティブが次々この手の作品を復刻し始める前の事…当時はもう嬉しくて嬉しくて、ただ飛びつくばかりでした。
現在に至るも楳図作品で単行本化されていない作品はまだまだありますが、こんな状態では後世の人々が20世紀~21世紀という過去の出版業界を見た時、情けなく思うでしょう。その時はレオナルド・ダ・ヴィンチ、トーマス・エジソン、ブルース・リーらと並んで称されているであろう偉大な楳図かずお作品が、本人存命のリアルタイムに生きていながら読みやすい単行本の形で常備していなかったのかと!レベルの低いサルだと笑うわれないためにも、他ならぬ楳図作品だけは手元に置いておきたいものです。

そういう意味でも偉い、この「妄想の花園 単行本未収録作品集」
単行本未収録作品集で絞った上で『ホラー・サスペンス作品』『ギャグ作品』『貸本漫画時代の怪奇作品』かな、3冊に分けて収録しています。

まず1冊目は『ホラーの妄想』と題した、お得意のホラー系作品のを見てみましょう。
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いきなり1話目がもう表紙から強烈!1985年の「DEATH MAKE」ですが、中学生達がホラービデオを撮るために工作したマスクの出来があまりにも良くて不気味に怖すぎたため…
28ページの短編の中にスプラッター的な怖さから汚い人間の業まで描き込み、ラストのオチも見事な傑作。

1992年の「プレゼント」は怖すぎるサンタクロースを描いた作品で、やはりオチも一ひねりあります。続く1989年の「鎌」も大ゴマを多用したメチャクチャ怖い作品ですが、ナビゲーターとして楳図かずお先生自身が登場してなごませる『KAZZシリーズ』(1987年~1989年の少年サンデーで掲載)の一作。
1988年の「おふだ」はたった4ページの作品ですが、何と「神の左手悪魔の右手」の一編なのに本編と一緒に単行本化されず未収録だった番外編。

続いて…他もこれまで単行本に収録されていなかった事が信じられない凄い作品ばかりですが、「くらやみ」「もしも 第1話 万華鏡」「もしも 第2話 妄想の花園」「女は待つ」「歌」「霧の中へ」「黒い瞳」「わたしは誰?」「背猛霊」「800回目のお彼岸」
と、それはそれは名作が続きます。単行本未収録という事をテーマに寄せ集めた企画本なので、それぞれの発表された時代にバラ付きがあって絵柄の変化なども分かりますが、それだけに心理サスペンスからスプラッター物、超怖いギャグ漫画まで間口の広さを堪能するのに良かったと思います。

2冊目は『笑いの妄想』。ギャグ漫画の未収録作品を集めた分冊ですね。
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もちろんギャグ漫画家としても凡百の漫画家達をしのぐ実力の楳図かずお先生。一番知名度が高くて分量も多い作品が「まことちゃん」ですからね。
「お地蔵さまの呪い」「まっきいろ事件」「きいてください私の悩み」「お菊ろの」「ヒゲ婆さん」「男神」「モン太とチイ子」という全7編が収録されていますが、その「まことちゃん」好きにも重要ですよ、この本は!
まず1973年の「きいてください私の悩み」でまこととピョン子がゲスト出演しています。1コマで、セリフは『バーカ!!』のみですが(ついでにチュー子も出てます)。
そして1981年の「男神」!何と主人公は55歳になったまことちゃんで、彼の老後を知る事が出来るスピンオフ作品なのです。当時のアイドルなどもたくさん登場する、楽しい話でした。

3冊目は『はじめの妄想』。まだ貸本漫画誌で描いてた1960年代の怪奇作品を4編収録しています。
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ただしこの分冊の作品は、巻末の解説でマンガ編集者・マンガ研究家の中野晴行氏も書いてる通り厳密には単行本未収録作品ではないんですよね…
このブログでも「ゆうれいがやってくる」「百本めの針」の所で、「狐がくれた木の葉っぱ」「猫面」はどちらも「ココ」で紹介しています。ただ楳図先生は単行本収録時に手を加えている事が多いので、バージョン違いではあります。
最後のジキルとハイド物、「悪魔の24時間」は前に単行本「恐怖」の所で紹介した『高校生記者シリーズ』ながら、この時まで未収録だったのでありがたかったですけどね。でも後にパーフェクション版「恐怖」でついにまとめて収録されました。

小学館クリエイティブの活動などでありがたい事に楳図先生の過去作品は次々と復刊されていて、この本に収録されている作品も他の単行本に再録されたりしていますが、まだまだこの本でしか読めない作品も多く、その価値は減ずる事のない多様な全25編を楽しめる「妄想の花園 単行本未収録作品集」でした!!


まずはひとつとり返した……
お前らに今までプレゼントした分を取り戻す。
クリスマスをけがし続けたお前らへの
サンタクロースの復讐だーっ!!



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  1. 2014/03/11(火) 23:59:52|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

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