大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

トキワ荘(66) つのだじろう 7 西条真二 1 「キガタガキタ!~「恐怖新聞」より~」

今夜はつのだじろう原作、西条真二漫画の、「キガタガキタ!~「恐怖新聞」より~」(秋田書店刊)です。
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名作「恐怖新聞」の後、ずーっと時間が経ってつのだじろう先生が漫画家としてちょっとアレになってから描かれた続編も紹介した所ですが、今度は別の作者によるリメイク作です。
あの「恐怖新聞」を原作にした新たな漫画に挑戦したのは、西条真二先生!かつて佐竹雅昭を主人公に、他にも実在する格闘技界の人々を登場させて描いた緒田太一原作の実録漫画「となりの格闘王」や、料理を題材にした凄いバトル漫画「鉄鍋のジャン!」(→「鉄鍋のジャン!R頂上作戦」)などで知られる西条先生が、オリジナルへの愛情を持ちながら現在の技法で描いたスピンオフ…
結論を言ってしまえば、これが大成功しています。

初出の連載はもちろん週刊少年チャンピオン。創刊40周年記念企画として2009年に読みきり作品を掲載したのが大絶賛されて、2010年から翌年までの連載作品となりました。単行本は全4巻。
今度の主人公は鬼形冥(きがためい)。つのだじろう先生はアナグラムで"霊が来た"(れいがきた)となる鬼形礼という名前にこだわっていましたが、そこはあっさり変えました。とはいえ、やはり『鬼形一族』。オリジナルの鬼形礼は童貞で死んでいるので子孫ではなく、つながりは不明ですが親戚ですね。

鬼形冥が14歳の誕生日を迎えた9月31日(架空の日付ですね)の深夜0時から、恐怖新聞が届くようになりました。やはり一回の購読料は百日分の寿命で、内容は翌日に周囲で起こる災いの予言。
ただし、その予言が外れた場合は百日分の寿命が奪われないという新ルールが出来ていて、冥は被害者を助けると同時に自分の寿命を守るため恐怖新聞の予言と戦う…という話。礼と違って熱い性格だし、恐怖新聞に対して恐れず徹底的に逆らうのです。

設定は現代。現実の時間に合わせて描かれていて、恐怖新聞は三十五年発行停止となっていたとありますが、やはり「恐怖新聞Ⅱ」などの続編は無かった事にされていますね。
絵柄も現代風でポップなので、ヒロイン達が可愛くて巨乳なのが嬉しいのですが、旧作の禍々しい暗さや怖さは影を潜めてしまいました。内容も恐怖漫画というより、悪霊が相手のバトル漫画といったテイストか。
さらに旧作のファンとして衝撃的だったのは、恐怖新聞の姿までが擬人化されて物凄くスタイルの良い全裸の少女である事!肌は全て新聞紙ですけどね、鬼形礼時代のポルターガイストとは比べようもない、美しい恐怖新聞ですよ。これなら取り憑かれても嬉し…
いやいかん、それが悪霊の手段でしょう。わりと饒舌だったポルターガイストと違って奇声しか出さず会話も出来ない奴で、しかし鋭い歯を持っています。その歯で購読料である百日分の寿命を食べる描写も、驚きましたね。
考えてみれば人の寿命なんてどれだけ残っているか分からないわけで、今までの恐怖新聞は本当に寿命が縮まっているのか分からなかった。それを目に見える形で表現してみたのでしょうが、発想が凄い。

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クラスでは気味悪がられて孤立している鬼形冥ですが、悪霊を通して彼と関わった後に惹かれるようになる女子中学生達が三人います。作品のヒロインという位置付けですが、どいつも癖があり過ぎ…
ストーカー的なメガネっ子の首加世、グロテスク趣味で悪霊をペットにしている真淵沢妖湖、ホラ吹きで毒舌の吹石真洞

それから敵対する奴はバリエーション豊かですが、恐怖新聞そのもの以外に人に不幸を成す悪霊が踏み切りアンジー等多数出てくるし、もう一人の恐怖新聞読者である予言者バンドー、恐怖新聞の亜流で希望新聞虐殺新聞不幸新聞、それに西洋の悪魔も出ますが『合わせ鏡の悪魔』で名前がウエクサって…つまりあのミラーマンこと植草一秀氏のパロディ!
歴史上の人物の怨霊などが出てきた時は鬼形と真淵沢で徳川家康に賞賛されたり、その他いくつもの怪異と戦いながら進んだ「キガタガキタ!~「恐怖新聞」より~」ですが…

第43話で、予告もなくいきなり最終回を迎えてしまいました。その上、最後の9話を収録するはずだった単行本第5巻は未刊のまま全4巻で終了。こんな事もあるから、ちゃんと連載を少年チャンピオンで読んでて良かった。しかしつのだじろう先生と西条真二で何かトラブルでもあったのか、事情は全く不明。
あの「恐怖新聞」を新しい作品に生まれ変わらせて現在の読者を楽しませた上で、恐らくは旧・恐怖新聞を知らない人達にも興味を持たせたでしょう。つのだじろう先生本人が描いた続編が酷かっただけに、この素晴らしいスピンオフは嬉しかった…いつか完全版の形で単行本化して欲しいし、さらに連載再開して続編を描き続けていって欲しい、価値ある一作でした。


ボクの100日………!! ボクの魂 ボクが…喰われる
ボクの100日……いやただの100日ではない
失ったのは「寿命」ではなく「幸せ」だ
ボクが送るはずだった100日分の「人生」だ



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  1. 2014/06/14(土) 23:00:46|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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