大悟への道 (旧名・名作漫画ブルース)

名作漫画の紹介 ・・・個人的な旅の記録

トキワ荘(70) つのだじろう 11 「魔子」

今夜はつのだじろう作品、「魔子」(中央公論社刊)です。
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1978年から翌年のビッグコミック(小学館刊)で連載された、有名な超問題作ですね。
最初につのだじろう先生を紹介した7年ちょい前の所でも書いてますが、梶原一騎原作の「空手バカ一代」を降板してずっと後、1978年の「ゴッドハンド」がネタ泥棒であると脅されて両者に決定的な溝が出来て…
つのだ先生はあんなに怖い梶原先生(+真樹日佐夫先生)に対する呪詛を本作中で書き連ねてしまい(一応、アナグラム化した呪文の形ですが)、京王プラザホテルに軟禁された上であの『詫び状事件』に発展するわけです。

その事件ばかりで有名になってしまった「魔子」ですが、これも問題の呪文が出てくる最終話『そして夜が明ける』の該当コマを差し替えた上で1992年に全1巻で単行本化されています。
よって作品の外側にあるスキャンダラスな部分は別問題として、漫画作品としてはどうなのか見てみましょう。
内容は魔子という絶世の美女と周りを蠢く男女を描いたエロティック・サスペンスで、つのだ先生が造詣の深いオカルト知識を西洋の悪魔と『魔女』だけに集約させた作品。
そして…「その他くん」では、あれだけ女のハダカが出てくる漫画を叩いていたのに、この作品こそ正にハダカだらけ。女のハダカハダカ、またハダカ、そしてセックス、セックス…

魔族の女・魔子の美貌に吸い寄せられた男(または女も)は、秘密クラブの"ワルプルギス"に連れて行かれます。ワルプルギス(ヴァルプルギス)の夜…魔女たちによるサバトの事ですね。
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ここで乱交すると魔子の体が忘れられなくなって必ず再び会いに行き、精嚢内の精子が空になるまで搾り取られてその人生を終える。
それが全8話が収録されていますが、だいたいそれが大筋。
魔子の女陰は氷の洞窟のように冷たくもなり、陰茎が冷凍された者もいました。それから、集めた精液はある目的のために悪魔の元へ届けられているそうです。

魔子に認められて魔族入りした者はいい目を見れるわけですが、『少女への願望』の回ではさえないオッサンが魔子特製の媚薬を使って女を思いのままにしていく話ですが…ここでは被害者がいたいけなセーラー服の女学生達。儀式で処女を頂くし、自宅に少女達を集めてハーレムにすると、何とそれで終わるオッサンの一方的なハッピーエンド!
ちなみにこの時に六法全書を引用しており、日本の刑法では媚薬を使って少女を犯すのは立派な犯罪だが、被害者が告訴して初めて罪になると言い、魔族の性の味を知った者は絶対に告訴しないから犯罪としては成立しないとか書いてますね…けっこう鬼畜。

今回もつのだじろう先生のオカルト知識から、魔女の見分け方だとか、魔族の交合(セックス)における正常位は通常社会における後背位(バック)であるとか、色々と学べます。
そして、つのだ絵にしては女性が美しく色っぽい。この手のセクシー路線では当然そこが重要ポイントになるので、今まで美人を描くのが苦手だったつのだ先生も、かなりがんばってますね。
あと魔子の言葉に名言が多いのも、印象深い。

こうして、つのだ先生が元は批判していたエロ方面に進出してまで描いた力作「魔子」でしたが、ヒロインが美しい魔女という設定は同じでも、数年前に連載開始してヒットしていた古賀新一先生の「エコエコアザラク」の大人版…にはなれずに終わりました。

今夜は最後に、例の呪文のコマを載せておきましょう。単行本では削除されているし、私にとっては長年伝説でしか知らないこのコマでしたが、2009年に坂茂樹・著による「封印漫画大全」(三才ブックス刊)で見る事が出来ました。おおお…感激。

カラワジ・ イキツ・キマト ワヒオサ・ハノク キヨウ・ミツオ・ レシモオイ…… 呪われよ!
(梶原一騎と真樹日佐夫は、脅迫の罪を思い知れ……呪われよ!)

カチク・ ツテバン・ダクリ ノノロイ・オウケ・ミクニク・ルクシ ミ・クタルバ…… 呪われよ!
(近く天罰呪いの下りを受け、醜く苦しみくたばる……呪われよ!)

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あなた…おびえることは、なにもないのよ!
この世界にこわいことは なにも存在しないのよ!
なにも考えず ただ、SEXを楽しめばいいだけなんだから……



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  1. 2014/07/06(日) 23:00:51|
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BRUCEです。あだ名は大悟(DieGo)です。
大悟…つまり悟りを開くに至る道程にある事を表し、かつ神の映画「ドラゴンへの道」から頂いてのブログタイトル。同名の秘密結社も運営しています。

名作漫画紹介の形を借りて、自分の記録用に使っています。

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